【裏銀】ゆっくり歩こう山と人生(裏銀座縦走)

※20220920~20220924裏銀座縦走
数年前、中房温泉から燕岳に登り、大天井岳、西岳を経て槍ヶ岳へ「表銀座」を歩いた際に知った「裏銀座」。まあ、確かに表があるということは裏があるのが世の常ですから、その時は「へー、裏もあるんだなー」くらいの印象でしかありませんでした。
実際、表銀座は圧倒的に有名で、よくネット上に山行記録が上がっていますが、裏銀座はそこまでの知名度はなく、人もそこまで多くないことから比較的情報は少なめ。それでも調べていくと、魅力的な場所が大変多いじゃありませんか。
これは行くしかない!ということでずっと行きたかったのですが、なんせある程度まとまった日数が必要なのですぐには実現せず、ムズムズしながら過ごしてきました。
そんな日々にようやくピリオドが打てる時が来ました。
9月のシルバーウィーク(いったいいつからこんな言葉が…)に有休をくっつけて大型連休を生成することに成功しました。
行きたいところが沢山あるのでオーソドックスな裏銀座縦走に加えて、寄り道もしつつ、4泊5日のテント泊山行です。
ではでは早速行ってみましょう。
<行程>
0日目:山形→信濃大町駅
2日目:烏帽子小屋→三ッ岳→野口五郎岳→真砂岳→水晶岳→祖父岳→雲ノ平
4日目:黒部五郎岳→三俣蓮華岳→双六岳→樅沢岳→左俣岳→槍ヶ岳
過去の北アルプスの記事はこちらからどうぞ。
- 始まりの雨(信濃大町駅→高瀬ダム※1日目)
- 日本三大急登(高瀬ダム→ブナ立尾根→烏帽子小屋※1日目)
- ガスの中を(烏帽子小屋→烏帽子岳※1日目)
- 最高の眺望(烏帽子岳→烏帽子小屋)
- 燃える空(烏帽子小屋→三ッ岳→野口五郎小屋→野口五郎岳※2日目)
- 天衝く頂、現る(野口五郎岳→真砂岳→東沢乗越→水晶小屋※2日目)
- 奥地(水晶小屋→水晶岳※2日目)
- 北アルプスの臍(水晶岳→水晶小屋→ワリモ北分岐→祖父岳※2日目)
- 最後の秘境へ(祖父岳→雲ノ平※2日目)
- 何も見えない世界(雲ノ平→祖父岳→ワリモ岳→鷲羽岳→三俣山荘※3日目)
- 燻リスナー卒業(三俣山荘→黒部五郎小舎※3日目)
- 白い黒部(黒部五郎小舎→黒部五郎岳→黒部五郎小舎※3日目)
- 荒天の夜中行軍(黒部五郎小舎→三俣蓮華岳→双六岳→双六小屋※4日目)
- 雷鳥に飽きる西鎌尾根(双六小屋→樅沢岳→左俣岳→千丈沢乗越※4日目)
- ラストスパート(千丈沢乗越→槍ヶ岳山荘※4日目)
- 温かい食事(槍ヶ岳山荘※4日目)
- 頂きへ(槍ヶ岳山荘→槍ヶ岳→槍ヶ岳山荘※5日目)
- 膝関節の酷使(槍ヶ岳山荘→槍沢ロッジ※5日目)
- バルトロ仲間(槍沢ロッジ→横尾→徳澤→明神→河童橋※5日目)
- 車を回収(河童橋→新島々駅→松本駅→信濃大町駅※5日目)
- まとめ
始まりの雨(信濃大町駅→高瀬ダム※1日目)

7:30 本来ならもっと早くタクシーを捕まえる予定でしたが、出発予定時刻には、もはや計画変更を覚悟したほどの雨が降っていて、こんな時間になってしまいました。
まあ、今日はブナ立尾根を登るだけなのでまだまだ時間的余裕はあります。焦らず行きましょう。

ということでタクシーを捕まえて出発です。

車内より。七倉山荘。

駅から50分ほど。ようやくゴールが見えてきました。
日本三大急登(高瀬ダム→ブナ立尾根→烏帽子小屋※1日目)

8:40 高瀬ダムに到着。ここから5日間の冒険が始まります。
「高瀬ダム」と聞くと、私が愛聴しているPodcast「非自立系男子ラジオ」で、高瀬ダムから南下して湯俣。そこから水俣川を渡渉を繰り返しながら遡り、北鎌尾根で槍ヶ岳に登るルートのことを話していたことを思い出します。
このブログを読んでくれている人はおそらく山が好きな人でしょうから、このラジオはおすすめです。ただ、「山」よりも「人」にフォーカスした話題が多くて、山の話を聞くというよりは、山好きのパーソナリティ同士の人間関係をのぞき見する感覚で楽しむのがいいかなと思います。毎回更新を楽しみにしています。
道草系アウトドアトーク | Podcast on Spotify

左奥に見えている山を登り切った辺りが烏帽子小屋かな?
ブナ立尾根は日本三大急登に数えられていて、ひたすら登りが続くようです。

これが今回のザック。縦走ではバルトロ85を使っていますが、前よりも多少パッキングが上達したのか、ちょっとスペースを持て余し気味です。

タクシーから降りて出発に向けて準備をしている間、ひっきりなしにダンプカーがトンネルに吸い込まれていきます。この先で工事しているのかな?

9:15 いよいよ出発です。
事前に調べた今回の歩行距離は約80km。この数字が傾斜をどのようにカウントしているのかは分かりませんが、とりあえず長距離であることは確かです。安全に歩けきれますように!

トンネルを抜けるとそこは雪国、ではなく、吊り橋がありました。

トンネルが結構長かった。

前にご夫婦が歩いていました。今日は烏帽子小屋に泊まり、翌日水晶小屋に向かうとのこと。お互いの安全を祈って、この先のブナ立尾根の取りつき地点で先を譲っていただきました。

工事していたのはここのようです。

橋を渡った後は砂地の河原を進んでいきます。

奥に滝からものすごい濁流が流れているのが見えました。(後から調べたら「無名滝」というらしい)
なんだか、とんでもない秘境に来てしまった感じ。

ただ、こういう人工物を見ると、人の温かみ、営みを感じられて安心できます。

私の体力は長野県遭難対策協議会の基準を満たしているのでしょうか。頑張ります。

9:40 ブナ立尾根取りつきに到着。

裏銀座縦走路の登山口。
「ブナ立尾根はスタート地点を「12」、烏帽子小屋を「0」としてほぼ等間隔に数字がふられていて、それを目安に休憩できるので、思ったより登りやすい」という直前に見た知らない人の山行レポを信じて登り始めます。

早速「11」と「10」を撮り逃しました。以後、同様の事案が頻発することが想定されますので予めご了承ください。

覆い被さってきている大岩。

もうトンネルがあんなに小さく見えます。斜度が急なので、その分サクサク標高を上げていっているようです。

途中、少し広い場所にブルーシートで何かが覆われて保管されていました。おそらく小屋関連の資材?

因みに午後から雨がぱらつく予報となっていて、雲が多め。樹林帯は基本的に薄暗く、昨日の雨で泥濘んでいて滑りやすいです。
雨が降る前にテントを張ってしまいところ。

不意に三角点。

顔を上げると「三角点」という名前が付けられている場所みたい。
地図を見るともう少しで小屋みたいです。意外と早かった。
ガスの中を(烏帽子小屋→烏帽子岳※1日目)


13:30 烏帽子小屋に到着。
使用料を払ってテント場に向かいます。テント場は小屋から南に5分くらい。ちょっと下ったところです。

テントを張っていたら天気が回復。予報と真逆の展開に驚きと喜び。
空身で烏帽子岳山頂に向かいます。

烏帽子小屋前の標柱。山名ではなく小屋名が主となっているところがツボ。
やはり登山者の安全を守るのが小屋なので、縦走を案内するところでは小屋を示すべきとのポリシーを感じます。

小屋から山頂に向かう途中の花。名前はまだない。

あれ、天気が回復したと思ったら、すぐにガスに巻かれてしまいました。ただ、この薄いガスの上に太陽を感じるので、少し風が吹いてくれたら一気に絶景が飛び込んでくるはず。

ほらほら、少し見えてきました。

山頂までは小屋からCTで50分。

振り返って見えるあの影は三ッ岳でしょうか。

お、そして山頂がお目見えです。尖った山容がかっこいい。


山頂直下は急峻な岩場となっていますが、鎖が効果的に設置されているので落ち着いて進めば問題ありません。

烏帽子岳の北側の山々もかなり雰囲気がよろしい。是非とも歩いてみたいです。
最高の眺望(烏帽子岳→烏帽子小屋)

15:10 烏帽子岳(2,628m)無事登頂しました。
山頂に着くとこの景色。ガスは抜け、素晴らしい眺望が広がっていました。

明日歩いていく山々が見えています。手前が三ッ岳、右奥のギザギザしているのが水晶岳でしょうか。

山頂の標柱が設置されているところよりも高いこの岩にも登れるみたい。

そこに登ると北側の山も見えます。

後立山の名峰たち。

奥中央の左斜面が綺麗なシルエットは白馬岳かな。
やはり不思議と、自分が登ったことがある山はどこから見ても何故か判別できるものです。

この岩肌が美しい山はどこだろう?針ノ木?

歩いてきた稜線と、その奥の雲海に浮かんでいる島は燕岳と大天井岳ですね。今回の縦走を考える契機となった表銀座縦走が懐かしい。

午後から雨のつもりで歩いていたので、これは完全に天国。

明日は夜のうちに歩き始めるので、名残惜しいですがそろそろテントに戻りましょうか。

何度も振り返って鋭鋒をカメラに収めます。


ああ、理想的な眺望。素晴らしい。大好き。

日が沈んでも贅沢な景色に、全く飽きが来ることはありません。

明日からはコースタイムで10時間超が連日続くハードスケジュール。自分の脚はもつのでしょうか、ちょっと心配です。
燃える空(烏帽子小屋→三ッ岳→野口五郎小屋→野口五郎岳※2日目)

2:00 起床。おはようございます。
テントから顔を出すと星が煌めく絶好の縦走日和。天気予報は2日目以降も微妙だったのでこれはいい意味で想定外です。

暗闇の中、朝食を済ませ、テントを撤収し、
3:30 烏帽子小屋を出発
因みに、起床時間が早すぎるためか、食欲が全くなく、それでも何も食べないのはシャリバテ必至なので、こんな時のために持ってきたレトルト梅おかゆを無理やり流し込みました。(山での朝食計4回、全てこのレトルト梅おかゆになるとはこの時はまだ思ってもいませんでした。自分は思ったより早起きが苦手なのかもしれません…)

真っ暗でヘッデンで照らした部分以外の視界が全く効かない状況の中、三ッ岳を通過。三ッ岳までの道は割としっかり登りです。自分の現在地が確認できないため、かかった時間以上に疲労感を覚えました。

三ッ岳を過ぎた頃から、徐々に左側(東側)の空が色づき始めました。

少しずつ世界が色を取り戻していく。(詩人っぽい)

暫くすると、空が大炎上し始めました。きっと東の空が不謹慎な発言をしたのだろうと思います。

と、くだらない冗談はさておき、目の前に広がる絶景に目を奪われ、ペースが落ちてきました。

今日は雲ノ平まで行きたいので、あまり時間を使いたくないのですが、写真も撮りたい私は、立ち止まって撮影→早歩き→立ち止まって撮影→早歩きを何度も繰り返します。登山の基本として、一定のペースで歩くことが体力温存に最も効果的であることは承知の上でしたが、目の前の景色を持ち帰りたい気持ちが勝ちました。

そんなこんなで前に進んでいくと「小屋まで500m」の文字が。地図を見ると、次に通過する小屋は野口五郎岳の少し手前にある野口五郎小屋。
野口五郎岳まではもう少しかかると思っていましたが、案外順調に進んでいるようです。


この写真。太陽がそのパワーで雲を切り裂いた、ようにも見えます。(私の想像力が豊か過ぎますかね。)

あと400m。
太陽が昇るだけで気分が上がり、もう目と鼻の先のように感じます。

来た道を振り返る。暗闇を進んできたため、既視感はゼロ。

5:45 野口五郎小屋に到着。

ここは北アルプスでも有数の強風が吹き荒れる場所として知られていて、屋根や資材が飛ばされないように大きな石が数多く置いてあります。

ここから今日は野口五郎岳→真砂岳→水晶岳→祖父岳→雲ノ平と歩いていきます。

小屋の前で少し休憩しましたが、あっという間に体温を奪われてしまい寒いです。

立ち止まると寒さに耐えられないため、ここからはズンズン進んでいきましょう。

小屋から5分くらいで野口五郎岳山頂が見えました。小屋と山頂なんてものは近ければ近いほどいいです。
天衝く頂、現る(野口五郎岳→真砂岳→東沢乗越→水晶小屋※2日目)

6:25 野口五郎岳(2,924m)無事登頂しました。
この山名は歌手の野口五郎氏に由来するものではなく、「この山が属する長野県大町市の集落「野口」に由来し、「五郎」とは大きな石が転がっている場所を表す「ゴーロ」の当て字である。(Wikipediaより)」とのことです。

山頂から小屋が見えました。水色の屋根がチャーミングな印象です。次は中にお邪魔してみたいです。

思ったより標高が高いことを意外に思いつつ、隣の真砂岳に進みながら、「この辺りからなら槍ヶ岳が拝めるはず」とそれがあるはずの方向を眺めてみると、、、

分厚い雲を天に向かって貫いて、それは佇んでいました。
最終目的地はあそこ。大幅な寄り道をしつつも、明後日にはあそこに辿り着いている予定です。

そう考えると、早く歩かないといけない気になってきたので、ここから水晶小屋までは立ち止まらない決意をしました。(いつのまにか真砂岳は通過していました、、、)

一旦、東沢乗越まで下って、水晶小屋まで登り返します。見ると結構登りそう。大変。

進行方向から少し右に視線を移すと、水晶岳から赤牛岳までの稜線。赤牛岳から先は読売新道という過酷な道らしいです。いつかは歩いてみたいですが、今回は生憎、赤牛岳まで足を延ばす時間がないのでスルーです。

更に首を右に回して、こちらは立山連峰でしょうか。去年歩いたのが懐かしく感じます。

今度は左に首をぐるっと回すと、先ほどまで雲の中だった槍ヶ岳が鎮座していました。

今回の山行の全行程は距離にして約80km。なかなかの長丁場です。

自分の脚がもつのか不安ではありますが、それよりも天気がもつのかが心配。
4泊全てテント泊を予定しています。今はコロナで山小屋は完全予約制なので、何かあった時に転がり込むのも申し訳ないので、多少の荒天は耐える覚悟。

ここから湯俣に下りることができるようです(竹村新道)。
湯俣と言えば、来年、あの「黒部の山賊」でお馴染みの伊藤新道が復活するとのこと。渡渉が続く難易度の高い道と聞きましたが、是非歩いてみたいです。

槍ヶ岳から北に延びているのは北鎌尾根。
「孤高の人」に登場し、主人公の加藤文太郎が帰らぬ人となった場所です。登山道はなく、各々が歩けそうなラインを選ぶバリエーションルート。まだいつかは決めていませんが、私も挑戦する予定です。

何度も北鎌尾根を眺めながらも自らに課した「休憩なし」を守りつつ先に進んでいきます。
写真左の山は鷲羽岳。あの奥に三俣山荘があるはず。実は今回、とある縁で三俣山荘のとある方は訪ねてみようと思っています。アポは取っていないので会えるかどうか、、、

兎にも角にも、まずは水晶岳です。1つ1つやりたいことを実行していきましょう。

待ってろ、槍ヶ岳

待ってろ、槍ヶ岳②

待ってろ、槍ヶ岳③

待ってろ、槍ヶ岳④
私は何回同じような写真を撮れば気が済むのでしょうか。

こちらは私の北アルプスデビューの地である燕岳です。燕山荘も見えていますね。また行きたいなー。

足元はこんな感じ。不安定な場所が続くので注意します。

少しずつ近づいていきます。基本的にこの辺りは平坦orやや下りなので疲れはあまり感じません。

8:00 東沢乗越に到着。

ここからは本格的な登り返し。

歩いてきた道を振り返りながらヒイヒイ登っていきます。

小屋の手前は地質が変わって、全体的に赤くなってきました。

この坂の上が水晶小屋です。しっかり休憩せずに辿り着けました。
奥地(水晶小屋→水晶岳※2日目)

8:45 水晶小屋に到着。小さくて雰囲気がいい建物です。
小屋の前で小屋番さんと登山者の方と長々と談笑してしまい、想定以上の休憩をしてしまいました。小屋番さんのご厚意で、山頂ピストンの間、小屋の前にザックをデポさせてもらえることになりました。ありがとうございます。

槍はまだ遠いですね。気長に歩きましょう。

ここから水晶岳山頂まではCTで50分くらい。空模様が怪しくなってきたのが気がかりです。

良い稜線。

小屋の裏から黒部五郎岳(左奥)が見えました。明日はあそこに登ります。
遠いなーなんて思っていたら、その手前にも今回の目的地がありました。というか、今日の目的地です。

ということでアップ。雲ノ平。
山を志すものであれば一度は訪れたいと願う「最後の秘境」と呼ばれる地。

黒部五郎岳もアップしてみるとなかなかすごい形。
カールと言えば穂高の涸沢カールが有名ですが、こちらの黒部五郎カールも相当の迫力。実際にあの中を歩いたらどんな気分になるのでしょうか。明日、答え合わせをしましょう。

この一番奥の山は一見、槍ヶ岳のようにも見えなくもないですが、こちらは笠ヶ岳。

笠ヶ岳は槍ヶ岳の西に位置する山です。「笠新道」という有名な急登があるようですので、一度は通ってみたいです。

この写真であれば槍ヶ岳と笠ヶ岳の位置関係がお分かりいただけるかと思います。

水晶岳までの道は、序盤は平坦ですが、山頂に近づくに連れて荒々しくなってきて、梯子もありました。

山頂まであと少しというところで、先ほど笠ヶ岳を見ていた時に向かって左にあった山がワリモ岳・鷲羽岳だったということに気が付きました。そちらも明日(といっても暗いうち)に行く予定です。
北アルプスの臍(水晶岳→水晶小屋→ワリモ北分岐→祖父岳※2日目)

10:00 水晶岳(2,986m)無事登頂しました。
北アルプスの中央に位置する水晶岳は、天気次第で殆どの山を眺めることができるようです。まさに北アルプスの臍。
何だかとんでもない奥地に来ちゃったなー。

山頂で記念に一枚撮ってもらいましたが、私の服装、なんか上下黒のスウェットみたいですね。「目立つ格好をしろ」という遭難対策の観点からみると0点です。すみません。

山頂の北側。ここを歩いていくと赤牛岳に繋がります。いつか。

小屋からより、ここから見た方が雲ノ平は見えやすいです。


と景色を楽しんでまったりしていましたが、頭に冷たい感触が。遂に降ってきたようです。ザックがびしょ濡れになるのは避けたい。大急ぎで小屋に戻ります。

ほとんど走るように小屋に戻ると、あるはずの場所にザックがありません。
「あれ?おかしいな」と小屋に入ってみると、小屋番さんが気を遣ってくださったようで、ザックが小屋の中に入れてくださっていました。何というホスピタリティ。何度もお礼を言って、小屋を後にしました。
写真は小屋の中にあった貼り紙。良い言葉。

雨が降っているのでカメラはザックの中。そんな時に限って現れるんですね、雷鳥さん。スマホのカメラで撮りましたが、レンズに雨粒がついていてフォーカスが合わず、何とも残念な写真となりました。まあ、でも雷鳥がいたという事実だけは記録できたので良しとします。

11:40 ワリモ北分岐に到着。
雲ノ平に向かうので、ここで右(西)に進路をとります。明日はここまで戻ってきて鷲羽岳方面に進む予定。

12:00 岩苔乗越を通過。
ここから45分ほどで祖父岳、そこから1.5時間で雲ノ平です。さあ、今日の行程はもう少しです。頑張りましょう。

いつの間にか雨が上がり、レインウェアでは蒸れて暑いです。
私はミレーのティフォンを使っていますが、ティフォンは透湿性が他のメーカー製品よりも優れている点がセールスポイント。であるはずなのですが、蒸れるものは蒸れますね。さすがに全く蒸れないなんて製品は現代には存在しないということのようです。

祖父岳に向かう途中に見えた鷲羽岳(写真の左端)。そこから下った鞍部に有名な三俣山荘があります。

雲ノ平方面に目をやると、雲ノ平以上にその奥に鎮座する嫋やかな山容の山に目を奪われました。地図で確認するとあれは薬師岳。北アルプスで一番美しい山と称される山のようです。
見た瞬間、恋に落ちたような感覚がありました。いつか必ず行きます。
最後の秘境へ(祖父岳→雲ノ平※2日目)

12:35 祖父岳(2,825m)無事登頂しました。

青空も覗くような好天になったので長めに休憩。
登るまでは祖父岳はただの通過点で大して見どころはないと思っていましたが、この絶景です。素晴らしい展望台でした。

先ほどより近くなった黒部五郎岳。誰かが山をスプーンで掬ったような山容となっています。

あ!三俣山荘を発見。赤い屋根がいかにも山小屋らしくて良いですね。

三俣山荘も槍ヶ岳が正面に見える好立地。あそこにも泊まってみたいものです。

雲ノ平山荘と薬師岳。
良き風景。眼福を得ました。

こうして見ると、やはりここまで歩いてきた稜線と比較して、槍穂の稜線は岩稜帯でギザギザしていて険しいのが分かります。

こちらは先ほどまでいた水晶岳。あそこにいた時は雨粒が落ちてくる直前で空は暗い雲に覆われていました。

スマホでパノラマ写真を撮ってみました。

さあ、そろそろ雲ノ平に向かいましょう。
祖父岳から雲ノ平までは下りになりますが、ザレた道が続くので足を捻らないように注意します。

まとまった下りを終えると分岐が出てきました。
地図を確認すると、祖父岳を越えずに三俣山荘に行くこともできるようです。その道には黒部源流の石碑があるみたいなので見てみたい気持ちはありますが、今回はより多くのピークを踏むルートをとることにしたのでまた今度来た時に訪れたいと思います。

道が平坦になってくると、すぐに木道が出てきました。何度も様々なメディアで目にしてきた景色です。

雲ノ平はユニークな名前の場所がいくつかあります。スイス庭園、ギリシャ庭園、アルプス庭園、アラスカ庭園、日本庭園。
この名前は雲ノ平を拓いた伊藤正一氏(三俣山荘・雲ノ平山荘のオーナー(兄弟)の実父)が名付けたと言われている、と誰かに聞いたような気がします。由来が気になる。

雲ノ平はこの山奥では珍しく広く平坦な土地となっていますが、これは祖父岳の噴火で形成された溶岩台地とのこと(Wikipediaより)。
脇役と思っていた祖父岳の活躍(と言っていいのか微妙ですが)でこの美しく登山者の誰もが訪れたいと願う場所を作ったとは。祖父岳さん、あなたの実力を見誤っておりました。失礼いたしました。

テント場に行く前にスイス庭園に寄り道。人がいないためか、満足感からか、時間がゆっくりと流れる感覚があり、とても気に入りました。


雲ノ平のテント場は山荘から離れていて、登山道からも外れて、下ったところにあります。かつては祖父岳から直接下りる道も使われていたようですが、現在は植生保護のために通行禁止となっており、ぐるっと回ってくる必要がありました。

14:45 ということでテント場に到着。

水も出ています。キンキンに冷えてやがる。

テントをぱぱっと設営したら雲ノ平山荘にテント場利用の申し込みとビールを求めて出発。
日が徐々に傾いてきて、光がいい角度で入り始めました。

山荘までの道も木道。
雲ノ平は植生を守る観点から、いたるところに木道が整備されています。


16:00 雲ノ平山荘に到着。
山には馴染まないような建物なのに、何故かしっくりくるという不思議な山荘。船のような印象も抱かされます。

中の雰囲気も味わい深く、次はぜひとも小屋泊を選びたいと思いました。
テント場使用料2,000円、ポカリ500円、缶ビール900円を買ってテントに戻ります。

テント場に戻って炊事を終えると日は山の向こうに隠れました。明日も長時間行動を予定しているので早めに休むことに。午後から天気が崩れる予報なのが心配材料ではありますが、そればっかりは自分でどうにかできる問題ではないので、自分の日ごろの行いを信じて就寝します。
おやすみなさい。
何も見えない世界(雲ノ平→祖父岳→ワリモ岳→鷲羽岳→三俣山荘※3日目)

4:30 おはようございます。
といってもこの時間に起床したわけではなく、2時に起床して2時半にテント場を出ました。そこから祖父岳を越えてワリモ北分岐に戻り、今はワリモ岳の山頂を目指しています。
今日は雲ノ平→ワリモ岳→鷲羽岳→三俣山荘→黒部五郎小舎→黒部五郎岳→黒部五郎小舎という行程で、CTで11時間半くらいかかり、休憩等を含めると12時間はかかりそうなので早めに出発しました。

4:40 ワリモ岳(2,888m)無事登頂しました。
ワリモ岳の山頂は岩が積み重なったような場所で、この頂上の標柱よりも上に岩山が続いていましたが、危険なので登山道は通っていないようです。

一応、山頂なので記念に自撮りをしてみましたが、ヘッドライトしか写りませんでした。まあ、この暗さですから仕方ありません。

こちらは今から目指す鷲羽岳のシルエット。一度下って登り返すあるあるのパターン。
暗闇の中の歩行になるので、まずは危険箇所に入っていかないことを意識して、マイペースで進みます。
正直、暗くてあまり辺りの様子を把握することができず、もちろん写真を撮っても何も写らず、今日のここまでの行程をレポートできないことが少し心残りです。今度はもう少し余裕を持った日程を組んでのんびり明るい時間帯に歩いてみたいです。
なんだか、「今度は~」と何度も言っている気がします。反省点、改善点が多いのは私の計画があまり練られていないことを表していますね、、、

5:15 鷲羽岳(2,924m)無事登頂しました。
登頂する頃には日が昇ってヘッドライトを使わなくても十分に歩けるようになりましたが、辺り一面をガスに包まれていて、結局視界は効きません。しかも、相当な強風。寒いです。
天気が崩れるのは午後からじゃないのかよ、と悪態をついてしまいました。

記念に写真を撮ってもらいました。ウィンドシェルが風で膨らんで、なんだかアナグマみたいな見た目になっています。まあ、風が吹いていなくても大したルックスではないので気になりません。
ここで早くも雨が降ってきました。折角、明るくなって写真を撮れると思ったのに。仕方なく、カメラをザックに仕舞います。

ここから三俣山荘までは標高差400mほどを一気に下ります。膝が痛い。

大方、下りを終えたあたりでこんな標識が。

「伊藤新道」
この道は雲ノ平の時にも書いた伊藤正一氏が雲ノ平を開拓する際に資材をスピーディーに現場に運搬するために作った道とのこと。メンテナンスの困難度等から随分前から廃道となっていましたが、クラウドファンディングで資金を調達し、補修作業が進められているようで、来年には開通するみたいです。通常の登山道ではなく、登山者にある程度の熟練度が求められるバリエーションルートだとのことで、私も開通したら是非とも歩きに来ようと思っています。
三俣山荘に会いたい人がいるというのはこのことに関係しています。

先ほどの標識から間もなく、昨日、祖父岳から見えた赤い屋根がガスの中に現れました。
燻リスナー卒業(三俣山荘→黒部五郎小舎※3日目)

6:15 三俣山荘に到着。

三俣山荘も雲ノ平山荘と並んで登山者の憧れとなっている山小屋で、槍ヶ岳を眺めながらサイフォンで淹れてもらったコーヒーを飲める素晴らしい場所です。(素晴らしい点はもっと沢山あります。恥ずかしながら、私の飲食に関する琴線が異常に太く発達してしまっているだけです、、、)

と言ってもまだ時刻は朝食の時間帯。食堂のオープンまでまだ数時間もあります。今回は諦めます。

朝の業務で大変忙しそうな中で恐縮だったのですが、気づいてくれた小屋番の方に声をかけて、会いたかった人がいるか確認すると呼んできてくれるとのこと。

初対面なのにアポなしで来た図々しい行為を今さら恥じつつ、その方を待ちます。
すると、、、

いらっしゃいました。Mさんです。
どなたかというと、私が愛聴しているポッドキャスト番組「非自立系男子ラジオ」のヘビーリスナー(同番組内では「超重量級聴取者」という)で、100mile走ったり、40歳で仕事を辞めて山小屋に飛び込む中々クレイジーな方。Mさんが三俣山荘で働いているという話を聞いて、「裏銀座歩くし、会いに行ってみるか」と思い立った次第です。
また、出発の2週間くらい前にMさんがインスタのストーリーズで「伊藤新道の地図が欲しい方は声をかけてください」と呼び掛けていらっしゃたので、伊藤新道を歩きたい私としてはそちらも手に入れたいと思い、こんな忙しいタイミングで押しかけてしまいました。
初めてお会いしたにも関わらず、気さくに対応してくださり、とても嬉しかったです。伊藤新道の地図に加えて、せっかく来てくれたから、鹿肉のしぐれ煮のパウチもいただいてしまいました。ありがたい。
それまで同番組は聞き専でメッセージを送ったことはなかったのですが、Mさんにお会いしてテンションが上がった私は翌日、メッセージを送り、燻リスナー(同番組で「聞いているのにメッセージを送って参加しない燻っている聴取者」を指す名称)を無事に卒業しました。
Mさん、ありがとうございました。

素敵な出会いの余韻がまだ残る中、黒部五郎に向けてリスタートです。

三俣山荘から黒部五郎に向かうには、三俣蓮華岳を越えるルートと巻き道がありますが、三俣蓮華岳は結局明日登ることになるので今日は後者を選択。

巻き道は、序盤はやや草木が茂ったエリアで、そこを抜けると写真のような石が転がっているエリア、その後はまた草木が茂っていつの間にか全身が濡れてしまい不快感を覚えるエリア(これは天気によるが)と続きます。

ここで巻き道が終了。
ここからは黒部五郎小舎まで300mくらい下ります。

天気は相変わらず。今日はずっとこんな感じなのでしょうか。まだ風が弱いだけ良いと考えるべきかもしれません。

樹林帯であまり景色がよろしくない下りを退屈そうな顔でこなすと、目の前にムーミン谷的な雰囲気の建物が現れました。
因みに、私は大きな三角屋根を見ると必ずこの表現をします。なお、ムーミンを見たことはありません。
そういえば、この下りのうちにいつの間にか雨は上がっていました。
白い黒部(黒部五郎小舎→黒部五郎岳→黒部五郎小舎※3日目)

8:40 黒部五郎小舎に到着。
これまで訪れた稜線上の小屋とは異なり、山の麓にあるので、さらに奥地感が高いです。

オコジョがかわいい。黒部と言えば岩魚も有名なので、そちらもしっかり描かれています。

テントを設営し、最低限必要なものだけを持って黒部五郎岳山頂を目指します。

登り始めてすぐ、後ろを振り返ると今朝の出発地点である雲ノ平の山荘が見えました。位置関係的には隣、黒部川を挟んで対岸に来たことになります。

スタートして15分も経たないうちに降雨。レインウェアを着用するほどではないですが、カメラは心配なので仕舞いました。残念無念。

薬師岳は分厚い雲の中に隠れています。

登りはなだらかで、息を切らすことなく進んでいくことができます。

徐々にあのスプーンで掬ったような黒部五郎カールの内部に入ってきたようですが、生憎の天気で実感は湧きません。

結局、カール内部に完全に入り込んでもガスはそのままで視界はなく、写真を撮らないまま、カールの上に登り始めることになりました。
希望としては、カール内部からその巨岩奇岩を際立たせたカールの全容をカメラに収めたかったのですが、、、

カールの上部に乗り上げる急登を終えると山頂への案内板がありました。
この辺りは風もあって体感温度がだいぶ低いです。

最後の登り。危険箇所はありません。

12:00 黒部五郎岳(2,840m)無事登頂しました。
正直、裏銀座を縦走する多くの人は、そのルートから外れる雲ノ平と黒部五郎岳まで足を延ばさない人が多数派です。雲ノ平はまだそこまで大きなロスにならないことから行く人は一定数いますが、黒部五郎岳へはその所要時間を考えると別の機会にする人が殆どです。
それは私も分かっていました。黒部五郎岳を諦めると行程に余裕が生まれて、もっとゆっくりと各スポットを楽しめるのかもしれません。
が、それでも来ました。それは何よりも山を歩くことに充足感を得る自分の性格を知っていたからです。天気は優れず、景色は望むものではありませんでしたが、それでも公開は全くなく、満ち足りた精神で山頂でのひと時を堪能しました。

この写真に写っていませんが、山頂ではオコジョを見ることができました。岩の間からぴょこぴょこと顔を出す姿はかわいらしく、癒されました。

山頂でゆっくり過ごしましたが、少しガスが薄くなってきたので、ぼちぼち出発。カール内部への期待(こちらも薄い)を胸に急な道を下っていきます。

やはり登りよりも下りが危険。足を滑らせて、何度も転倒しそうになりました。

うん、間違いなく行きよりもガスは薄いです。

急いでカール内部に下りてきました。

が、ここで無情にも雨が。しかもがっつり。

そのため、折角急いだのに撮れた写真はこれだけ。もう少し場所や構図を拘りたかったです。

カメラをザックに仕舞い、レインウェアを羽織り、急いでテントに向かいます。
が、私は重大なミスを犯しました。レインウェアを羽織っただけで、履いてはいないのです。そう、レインウェアのパンツを身に着けずに下山してしまったのです。気づいた時にはびしょ濡れで、今さら履いても意味がないという状況でした。
テントに戻ってからは濡れた登山用パンツとソックスの乾燥作業(乾くはずもない)と、奪われた体温を補うための栄養補給に追われました。
雨はさらに激しくなり、雷もなる始末。これは何年か前の剱岳敗退の記憶が呼び起されます。翌朝(というか深夜)の回復を祈って就寝しました。明日は槍ヶ岳まで、晴れてくれ。
荒天の夜中行軍(黒部五郎小舎→三俣蓮華岳→双六岳→双六小屋※4日目)


4:15 おはようございます。
三俣蓮華岳(2,841m)無事登頂しました。
辺りはまだ真っ暗で、とてつもない強風が吹き荒れていています。極寒。雨が上がったことだけが救いです。
今朝は2時半から行動を開始して昨日下った道を登り返して昨日の巻き道との分岐まで戻り、その後は初めて歩く道を進んできました。まあ、そうは言ってもこの時間じゃ、まだ暗闇でどこを歩いても何も見えないのですが。
三俣蓮華岳山頂の標柱は風で歪んでいました。
ここからは双六岳に向けて歩いていきます。

三俣蓮華岳から双六岳までは、稜線・中道・巻き道の3つの道がありますが、山頂を踏みたいので稜線コースで行きます。
少しずつ明るくなってきました。

道はなだらかです。


5:30 双六岳(2,860m)無事登頂しました。
山頂直下は割としっかり登りましたが、全体的に嫋やかな山という印象。

双六岳と言えばあの景色。そう、奥に槍ヶ岳が聳える双六台地です。あれが撮りたい。撮りたいのに、生憎の雨。先ほどよりも雨脚は強まっています。
仕方がないのでスマホで撮るしかないですね、、、


撮りたい構図はこんな感じだったのですが、カメラが鉄の塊と化した今、私は肩を落として項垂れることしかできません。

そうして落とした視線の先で私を励ましてくれていたのがこの雷鳥君。雷鳥を見ると、天気が優れないことも悪くないかもと思えます。

好天への期待に別れを告げ、槍ヶ岳を目指します。まだまだ遠く見えますが、数時間後にあそこまで辿り着けるのでしょうか。

笠ヶ岳もここから見るとまた違った印象。

雷鳥君の友達がやってきました。

2羽に先導してもらい、進んでいきます。


双六台地から先はいきなり結構な下りとなります。

雨で足元がかなり滑りやすくなっているので、何度も肝を冷やしながら進みます。

進行方向、この下りを終えたところに双六小屋があるはずなのですが、ここからはその先に急登が待ち構えているのが確認できます。

ここで稜線ルート以外の道と合流します。

やっと足元に小屋が見えてきました。大きな小屋ですね。
雷鳥に飽きる西鎌尾根(双六小屋→樅沢岳→左俣岳→千丈沢乗越※4日目)

6:30 双六小屋に到着。

魅力的なメニューが並んでいますが、まだ時間が早いので通過するほかありません。無念、、、

人気の小屋なので予約が大変そうですが、一度は泊まりに来てみたい場所です。

小屋から樅沢岳までは1時間弱。登り一辺倒の道を無心で進みます。雨さえ降っていなければもっと周りの景色を楽しめるのかもしれませんが、白いガスのような雲に包まれているため、目の前の坂に集中せざるを得ない。

7:15 樅沢岳(2,755m)無事登頂しました。ここは山頂感は薄く、あくまでも一通過点という印象。

ここでも雷鳥に会えました。ちょっと飽きてきたかもしれません。

歩いてきた道を何度か振り返るのですが、まだ暗いうちに歩いた区間が多いため、そこまで思い出す光景がありません。

そして、目的地が双六岳山頂から見た時よりも槍ヶ岳が近づいている気がします。少しずつですが、着実に進んでいるようです。

ん?樅沢岳山頂標識がここにも。
地図で確認すると、おそらくここは樅沢東峰。

これから歩いていく稜線の全貌を遂に捉えました。
小さなアップダウンを繰り返すようなので、体力がどんどん削られそう。覚悟が必要です。

双六小屋から写真奥の笠ヶ岳まで登山道が繋がっているのですが、そちらは槍ヶ岳までの道よりも遠いです。こうして見ても、かなりの距離に感じます。

スマホの写真なので画質が粗く見づらいですが、雷鳥が2羽隠れています。
しかし、こうして見てもかなり山深い場所ですね。

歩いていると、左前方に特徴的な見た目の尾根が見えてきました。

硫黄尾根。踏んだら崩れそうな脆い地質のように見えます。登山道はなく、バリエーションルートがあるとかないとか。

あと4.8km。遠いと思うか、近いと思うか。

8:00 硫黄乗越。

休憩するより、早く槍ヶ岳山荘に到着したいので、ゆっくりでもノンストップで歩きます。

双六岳~槍ヶ岳区間は西鎌尾根と呼ばれています。何年か前に歩いた表銀座縦走の西岳~槍ヶ岳区間は東鎌尾根と呼ばれており、東は急峻な岩場という印象がありますが、西は東ほどではなさそう。
とは言っても写真のようなちょっとした鎖場もあるので、特に雨などでコンディションが優れない日は注意が必要です。

ここまで出てくると稀少価値がだだ下がるですよ、雷鳥さん。

槍ヶ岳に近づけば近づくほどに感じてきていたことなのですが、最後の登り、きつ過ぎません?満身創痍であの坂を登らなければいけないのか。気(と体)が重いな。

左俣乗越。
この標柱の隣にあるテーブルには今朝、双六小屋を出発してきたという4~5組くらいのグループが休憩していました。

同じ北アルプス南部であっても、やはり槍穂高は他の山と違って明らかに岩感がすごい。こうして見ても、色が違いますよね。


鎖場も増えてきました。まあ、これくらいなら鎖を使わなくても容易にクリアできます。

険しさが標高を上げるのに比例して高まってきました。

重いザックが岩を乗り越えるたびに揺れて鬱陶しい。

さあ、そろそろラストスパートです。頑張れ自分。
ラストスパート(千丈沢乗越→槍ヶ岳山荘※4日目)

10:00 千丈沢乗越に到着。
「千丈沢乗越」と「千丈乗越」。どちらが正式名称なのでしょう。自分はずっと「千丈沢」と思っていたので、当記事でもそう書きますが、この標柱は「千丈」ですね。

最後の登りを前に、行動食を多めに口に放り込みました。久々にザックを下ろしてみようかとも考えましたが、二度と背負いたくなくなると思ったので控えました。

雨が強くなってきたので、急ぎます。
と言っても、ここで言う「急ぐ」は速度を上げるということではなく休まず歩くという意味です。ここにきて速度を上げてこの急登を進んでいく体力はありませんでした。

そして、雨脚は落ち着いていくどころか、どんどんと勢いを増し、ゲリラ豪雨並みのバケツをひっくり返したような雨が降ってきました。
上を目指して歩いているのに、上を見ることは妨げられながら進みます。

あまりの雨に写真を撮るのもままならず、気づけば急登を終えていました。

疲れました。
温かい食事(槍ヶ岳山荘※4日目)

11:20 槍ヶ岳山荘に到着。
全身びしょ濡れだったので、外の雨が凌げるスペースで着替えを済ませてからテント場の使用を申し込みました。

小屋番さんに聞くと、この天気で予約にキャンセルが殺到しているとのこと。また、テント泊予定だった人が「急遽小屋泊に変更してほしい」と要望してきているようです。
私は黙ってテント泊。この縦走は全泊テントで初めて完遂されるもの、という謎の拘りがあります。それでも「命の危険を感じたら迷わず」という選択肢はもちろん持っておきます。

山荘内に掲示してあった天気予報を確認。明日も雨かなー。

他に宿泊受付している人を観察していましたが、テントを選択した人は私が見る限り誰もいませんでした。

土砂降りの中、何とかテントを設営して、急いで山荘に戻り、昼食。
食事系のメニューはラストオーダーが比較的早いので、過去一の手際の良さでテントを設営しました。

残念ながら生ビールが売り切れていたので、自販機で缶ビールを買い、槍ヶ岳ブラックキーマカレーを食します。しっかりとした辛味と旨味が美味しい。
まず、温かいちゃんとした食事自体が久しぶりだったので心身共に回復していくのが、本当に実感覚として分かります。
今日は天気が悪いので山頂は見送り、明日の天気に望みをかけます。天気予報は微妙ですが、少なくとも今日よりは良さそうなので。
ということで、早めに休みます。おやすみなさい。
※その後、夜中にかけて天気は更に悪化し、またも剱岳敗退時の記憶がチラつきました、、、
頂きへ(槍ヶ岳山荘→槍ヶ岳→槍ヶ岳山荘※5日目)

おはようございます。
見てください、この天気。雲は多いものの、久しぶりに3日ぶりに青空が顔を覗かせてくれました。

歩いてきた黒部源流の山々。雲がかかっていてかっこいい。

今日はここから大きく崩れることはなさそうですが、それでも早めに行動を終えるのが山のセオリー。さくっと山頂アタックを済ませましょう。

小槍と裏銀座。アルプス一万尺で歌われている小槍はこのことを指しています。
今日は上高地に下山するので、裏銀座方面を眺められる時間は僅かです。目に焼き付けます

山頂までは往復1時間。往路と復路が重なる場所を中心に渋滞するのが常ですが、日の出に合わせた混雑ピークタイムが過ぎているので、比較的スイスイ登っていきます。

穂高までの稜線も御覧の通りはっきりと眼下に捉えています。

有名な山頂手前の最後の梯子。高所恐怖症の方にはなかなか優しくない角度と立地です。

7:00 槍ヶ岳(3,180m)無事登頂しました。
今回の縦走で踏むピークはこれで全てです。高瀬ダムからから、寄り道もしながら、よく歩いてきたものです。自分の脚を今は褒めてもいいかなと思えます。

記念撮影。何度か槍ヶ岳に登っていますが、今回が一番達成感があります。


山頂からは北鎌尾根が見えます。こちらは登山道がないバリエーションルートで、近いうちに挑戦しようと企んでいるので、どんなものかと偵察してみましたが、ここから見る分にはネット上で言われているほど危険な印象はありません。強いて言えば山頂直下くらいでしょうか。まあ、ここから見えていない区間が殆どでしょうから、下調べと準備は念入りに行う必要はありますね。


穂高方面を眺めていると、先月雷から逃げながら歩いた大キレットのことが思い出されます。滑るし、寒いし、雷が鳴っているしで、なかなかクレイジーな山行でした。

何度ここに来ても同じことを思っているような気がしますが、こんな僻地に大規模な山小屋があること。冷静に考えると異常ですよね。ありがたいです。

いつまでも山頂で縦走の余韻に浸っていたいところですが、後ろのスケジュールがあるのでそろそろ下山しますか。山頂から小屋までは鎖やピン、梯子はこれでもかというくらい整備されているので、それを活用すればそこまで危険を感じることはありません。山小屋の「絶対に事故を起こさない」という強い意志を感じます。
膝関節の酷使(槍ヶ岳山荘→槍沢ロッジ※5日目)

8:00 槍ヶ岳山荘を出発。下山を開始します。下山地である上高地までCTで6~7時間程度。下山は目標を失っていることから、経験則ですがCTの3倍ほどの時間を感じるでしょう。過酷な時間のスタートです。

さっきまでいた穂先に別れを告げて槍沢ルートを下ります。もうこちらに下りだすと裏銀座方面は見れません。

さあ、ひたすら標高を落としていきます。頑張れ、膝関節。

徐々に雲が増えてきて、上の方は薄っすらぼやけ始めました。


下山を始めてすぐ、殺生ヒュッテを通過。こちらは槍ヶ岳山荘のテント場が埋まっていた場合の逃げ場に使う予定でしたが、昨日の天気ではそんな心配は無用でしたね。

徐々に穂先が遠くなってきて、縦走の終わりを感じ始めます。少し寂しい。

ガレた道をただひたすらに下りていきます。
ここで足首を捻ってしまうと、その後の長い行程が地獄と化すので慎重さが求められます。



殺生ヒュッテから少し下ったところに「播隆窟」という岩の洞窟のような場所があります。槍ヶ岳を開山した播隆という僧侶が使った場所のようですが、4回目の登山では、ここに53日間も籠って念仏を唱えまくった場所のようです。狂気を感じるのは私だけではないはず。
入って写真を撮ろうと思いましたが、もし立入禁止の場所だった場合の炎上が怖いのでやめておきました。

ある程度下ってくると、登山道が幾分歩きやすくなります。

このルートは何度も沢を渡りますが、登山道がちょうどいい場所を通っているので靴が濡れるなんてことはありません。

滝見岩。どこに滝があるのかは不明。

9:20 天狗原への分岐点を通過。
天狗原を訪れたことがまだありませんが、天狗池という池があり、そこに反射する槍ヶ岳が撮れるということでフォトスポットになっているらしいです。いつかは訪れてみたいですが、私の写真の腕で良い写真が撮れるのか、甚だ疑問です。

この大岩という場所では多くの方が一休み中。登る人からするとここから斜度が増すので合理的な行動です。

どんどん下ります。ここは水がない。

下っても下っても景色は一辺倒。そろそろ飽き始めました。

この「曲沢」くらいまで来ると、もうほとんどスロープほどの傾斜となりました。

沢が近いと涼しくて気持ちがいいです。

「大曲」に到着。
ここは東鎌尾根の起点、西岳と槍ヶ岳の間の鞍部で、あの北鎌尾根への入り口の1つでもある水俣乗越への分岐です。

水俣乗越まではなかなかの急登で、これまでの登山道よりも圧倒的に歩く人数が少ないため、道は荒れ気味とのこと。まあ、北鎌尾根に行くような人はここで怖気づいている場合ではないと思いますが、、、

大曲で北鎌尾根への想いを強くしたところで、また歩き始めます。

沢との距離が近くなり、飛び込みたいくらい透き通った水面が目と鼻の先に。

ただ、相変わらず支流のほとんどは水がないです。雨が降った時だけ沢になるのかな。

10:10 ババ平に到着。ここはもう少し下ったところの槍沢ロッジのテント場です。周囲を高い山の壁に囲まれているので、ここでテント泊したら楽しそうですね。


ババ平から少し進むと赤沢岩小屋という看板。
「小屋」というのは名ばかりで、実態は大きな岩影でした。山小屋がなかった時代、登山者はここで休んでいたんだとか。

さあ、もう少しで槍沢ロッジのはず。肩に荷物が食い込んできて痛いです。

槍見。残念ながら槍は雲の中でした。
バルトロ仲間(槍沢ロッジ→横尾→徳澤→明神→河童橋※5日目)

10:35 槍沢ロッジに到着。
長く休むと歩きたくなくなるので5分だけベンチを使わせてもらって休憩。


槍沢ロッジから先は、これまで以上に沢の近く、というか隣を歩きます。風と音が心地よい。

二の俣。

支流から勢いよく水が流れ込んできます。

一の俣。

こちらもなかなかの水量です。

11:45 横尾に到着。
ここまでの行程も結構長く感じましたが、ここからの道のりは北アルプスエリアで最も嫌われているエリア。
果てしなく続く平坦で歩きやすいロードなのですが、だからこその退屈が登山者を苦しめます。

横尾大橋の奥に聳える山の裏側に大人気の涸沢があります。またテントを担いで訪れたいです。

横尾から徳澤まではCTで1時間10分。無心で歩きます。
徳澤にさえ着けば、私は回復できるのです。

12:40 徳澤に到着。
ここは登山者とキャンパー、観光客が入り乱れる人気スポット。

私は寄り道せずに目的のものへまっしぐらです。

はい、ありがとうございます。これが私の回復アイテム。
これは危険な食べ物です。脳に直接美味しさが押し寄せてきます。中毒者が出てもおかしくない。

束の間の休息で、体はもちろん心まで充電されました。

下流になってくると川幅が広がってきました。
上流から吹いてくる涼しい風を浴びながら明神岳を眺めていると、背後から「すみません。」と声をかけられました。
振り返ると知らない中年男性が立っていました。名前はIさん。
Iさんもグレゴリーのバルトロを背負っていて、今回がデビュー戦とのこと。上手く体にフィットしなくて難儀し、たまたま同じザックを背負っている私を見つけてアドバイスを求めて声をかけたということのようです。(「変な人に話しかけられちゃったな」と思ったことは内緒です)
ザックの調整自体をしてみたところ満足してくださったようで、そのまま流れで一緒に歩くことに。
今は名古屋に住んでいるけど出身は兵庫ということで、こてこての関西弁。話もおもしろくて完全に意気投合。大手飲料メーカーの営業で、単身赴任で全国各地に住んだことがあるらしく、名古屋の前には岩手に5年間ほど住んでいて、その時に職場の人から誘われたことがきっかけで山に登り始めたそうです。
お子さんは既に成人していて、奥様からは「死なないなら何をしてもいい。」と言われているとのこと。北アルプスも初めて訪れたそうで、「こんなに良いいいとこ、これまで知らなかったなんてもったいなかったわ。あんちゃん、もっと早く教えてや~!」と冗談抜きで25回くらい言われました。確かにそれくらい良いところだと私も思います。(もはや近くに移住したいという思いが年々強くなっています。)

13:50 明神に到着。ここまで来ると登山者より観光客の方が多いかもしれません。

「北アルプスのことをもっと教えてくれ」というリクエストに、なぜか山形県民の私が応えるという謎の時間でしたが、かなり盛り上がり、一人ならだらだらとその長さを恨んであるく河童橋までの道が楽しい山談義の場に変わりました。
写真は私とIさんのバルトロ。左の私の方が大きく見えるのは遠近法、ではなく、バルトのの中でも私は85L、Iさんは65Lのものだからです。

明神から先もIさんと山の話で盛り上がっていたので、あっという間に小梨平まで来ました。
Iさんは小梨平で風呂に入ってからバスに乗るとのことなので、ここでお別れです。Facebookを教えあい、山での再会を誓って別れました。
車を回収(河童橋→新島々駅→松本駅→信濃大町駅※5日目)

14:45 河童橋に到着。
ということで、無事に4泊5日の裏銀座縦走を終えました。お疲れ様でした。

終わってみるとあっという間の5日間。予定していたルートを歩ききることができて、達成感もひとしおです。

秋晴れ。
途中、天気が崩れる場面もありましたが、終わり良ければ総て良しということにしましょう。


河童橋は時間的なこともあると思いますが、想像よりは人手は少ないです。

私は登山靴で歩くのが嫌になってしまい、テント周りで履くための便所サンダルに履き替えました。
観光客の若いお姉さんグループから爆笑されながらスマホカメラを向けられてしまいましたが、バカでかいザックを背負って登山の服装をした男の足元が便所サンダルだったら私も違和感は覚えそうなので文句は言えませんでした。

上高地からは新島々駅までバス、そこから松本駅まで電車、そこで乗り換えて信濃大町駅までまた電車で向かい、車を回収します。

久々のクッション性のある物体に優しさを感じます。明らかに感動のハードルが数日前より下がっていることに気付きますね。

乗り換え。便所サンダルはここでも注目を集めてしまいます。

が、これからは登山者が圧倒的マイノリティの街に向かっていくのです。さらなる冷ややかな目が私を襲うことでしょう。こんなところで怖気づいていたらいけません。

松本駅から信濃大町駅までの車内は女子高生が明らかに私を見ながらドン引きしていました。
それでも無事に到着。
まとめ

今回の山行ではずっと温めていた裏銀座を歩け、様々な人と会え、美しい景色を愛で、幸せな時間を送ることができました。5日間も山に籠る夫を送り出してくれた妻には本当に感謝です。
次にやりたいことは槍ヶ岳北鎌尾根あたりですかね。バリエーションルート、どんなものなのでしょうか。体力向上に励んで準備したいと思います。
写真は三俣山荘でMさんがくれた鹿肉しぐれ。
あー、楽しかった。
ではではまた山に行ったら更新します。
【八峰】課題回収(後立山連峰縦走※八峰キレット)

※20220825~20220827後立山連峰縦走(八峰キレット)
月初めになかなか達成感のある山行をこなし、余韻に浸ってダラダラ過ごしていましたが、流石に感動も薄れてきましたので、そろそろまた充電しに行かなければ、、、
ということでまた楽しく縦走できそうな場所を探してみましたら、ありました。
「八峰キレット」
鹿島槍ヶ岳と五竜岳の間に位置し、日本三大キレットに数えられる難所。去年の「不帰キレット」、月初の「大キレット」と歩いてきた私ですが、いよいよ最後の総仕上げです。
私の当初の予定では三大キレットを制覇してジャンダルムに挑戦しようと思っていましたが、順番はグチャグチャになってしまっています。でもまあ予定なんてものはその通りにいかないからこそ面白いもので、とにかく1つの区切りを迎えられそうだということは確かです。
アプローチは南北どちらから行こうかなと考えましたが、今回は南から北上するルートを行くことに。
ではでは早速行ってみましょう。
今回の行程はこんな感じ。
<1日目>
山形から扇沢に移動
↓
柏原新道で種池山荘へ
↓
種池山荘から爺ヶ岳へ
↓
爺ヶ岳から冷池山荘へ
↓
冷池山荘にテント泊
<2日目>
冷池山荘から布引山へ
↓
布引山から鹿島槍ヶ岳へ
↓
↓
↓
↓
五竜山荘にテント泊
<3日目>
五竜山荘から遠見尾根でエイブル白馬五竜スキー場へ下山
↓
バスで扇沢へ移動
↓
扇沢から山形に移動
過去の北アルプスの記事はこちらからどうぞ。
- コンディション不良(扇沢→種池山荘)
- 映えるピザ小屋(種池山荘→爺ヶ岳)
- 悪天候のご褒美(爺ヶ岳→冷池山荘)
- 霧中で進む(冷池山荘→鹿島槍ヶ岳)
- 肩透かしキレット(鹿島槍ヶ岳→八峰キレット→キレット小屋)
- 実はここからが核心説(キレット小屋→五竜岳)
- 丸くなるな、星になれ(五竜岳→五竜山荘)
- 雨より速く(五竜山荘→白馬五竜エイブルスキー場)
- 文明最高(白馬五竜エイブルスキー場→扇沢)
- まとめ
コンディション不良(扇沢→種池山荘)

長いドライブを経て大町市内の「鹿ジビエと手作り定食カイザー」で明日からの英気を養います。この店は2年前に剣沢で散々な目に遭った山行の前日も来ました。
明日からの山行に若干の不安が芽生えましたが、まあ大丈夫でしょう。(明日の天気予報は夕方に雨、、、)

夜中にドン引きするレベルの豪雨に襲われ、「もしかしたら明日は登れないかな」なんてことを車中で考えていましたが、朝を迎えてみると何とか雨は上がってくれました。
6:45 ということで出発です。
今日は冷池山荘までで、コースタイムはそこまで長くないので遅めのスタート。

登山届はコンパスで出しました。
スタートから暫くは、単調な登りが続いての退屈+前夜の雨による高温多湿+寝不足であまりコンディションが思わしくなく、整備が行き届いて歩きやすい道のはずなのにゾンビと化してしまいました。

八ッ見ベンチ。ここで休憩していたら、これから出てくる全てのチェックポイント的な場所で座り込むことになりそうなのでスルー。

滑落注意箇所。
丁寧な看板もあり、注意すればなんてことはない場所。

ガスはかなり下の方に溜まっていたようで、少し標高を上げただけで遠くまで見えるようになって心身が軽くなったような気がします。

水平道。
若干登りだったので景品表示法案件だと思いました。

そこまで急な登りを登った記憶はありませんが、木々の高さを見ると、徐々に標高を稼げているようです。

気付けばガスはあんなに下。

進行方向には沢を横切る場所が出てきました。
大雨の時は通過に苦慮しそう。

振り返るとこんな感じ。本当に少しずつ標高を上げているのが分かるでしょうか。

昨夜の雨のような中での通過にならずに良かったです。

種池山荘が近づいてくると等高線と垂直に交わる時間が長くなってきます。ただ、序盤よりも足が前に出るのは、体調が少しずつ回復してきているからでしょうか。

お、あのトンガリ屋根は山荘ですね。思ったよりも長く感じましたが、ようやく一息つけそうです。
映えるピザ小屋(種池山荘→爺ヶ岳)

9:30 種池山荘に到着。
ピザが有名な小屋ですが、まだこの時間は販売されていないとのこと。販売まで待つか、諦めて先に進むか、心底悩みましたが後者を選択。

小屋の前で少し休憩してからリスタートします。先に見えているのが爺ヶ岳でしょうか。

種池山荘から爺ヶ岳までは1時間ほど。

下界に近いところを漂っていたガスはいつの間にか見上げる高さまで上がり、特に稜線の北側は完全に白い世界となっています。

少し進んだところで種池山荘を振り返ります。屋根の赤が映えますね。

爺ヶ岳までの道も、これまでの道と同様、整備が行き届いていて危険個所はありません。整備してくださる方々には本当に頭が下がります。ありがとうございます。

足元の石が大きくなってきました。先を見上げると登りはそろそろ終わりそう。
ということはそろそろ山頂ですね。
悪天候のご褒美(爺ヶ岳→冷池山荘)

10:20 爺ヶ岳南峰に登頂。
爺ヶ岳は南、中、北の3つのピークで形成されています。

今日は爺ヶ岳が唯一のピーク。
そこまでハードな行程ではないものの、もう登らなくていいというのは気が楽になりますよね。

三角点タッチも忘れずに。

続いて爺ヶ岳中峰(2,699m)登頂。

中峰に着いた頃から完全にガスに飲まれました。
景色が見られないのは残念ですが、こんな天気の時は雷鳥が出てきてくれる確率が高いのでそれはそれで楽しみです。
因みに北峰は登山道が通っていないのか、いつの間にかトラバースするように歩いており、気付くと通過してしまいました。

ほらほら。

やっぱり出てきてくれました。可愛いですね。

こっちは凛々しい。

雷鳥探しを楽しみながら歩いているといつの間にか前方に目的地である冷池山荘が見えてきました。
テント場は山荘のやや上、木々が剥げている場所のようです。トイレや買い出しにはやや不便そう。

まあそんなことを言っても、ビバークする状況にでもならない限り、あそこしかテントを張れる場所はないので、とりあえず進みましょう。

冷乗越まで下りてきたらもう山荘までは間もなくです。

11:45 冷池山荘に到着。

テント場利用の手続きをします。

テント場まで15分。
やはり遠い。でもそれだけ静かな時間を過ごせると思えば必ずしも悪いとも言い切れません。

テント場に到着し、テントを張りました。(写真奥)

テントを張って暫くすると雨が降ってきました。予報よりやや早まったようです。
小屋も遠いし、写真も撮れないのでテント内でまったり過ごします。
雨が止まいので、食事をとって寝ます。
明日は今回の縦走のメイン、鹿島槍からのキレットです。噂によると、その後の五竜への登りもなかなか厳しい行程とのことなので、覚悟して臨みたいと思います。
それではおやすみなさい。
霧中で進む(冷池山荘→鹿島槍ヶ岳)

おはようございます。
まだ日が昇る前、4:15にテント場を出発し、4:45に布引山に到着。
周囲はガスに巻かれて真っ白、足元も昨日の雨で泥濘んでいてなかなかリズムに乗れません。

東の空が明るくなってきたころには、もう山頂の直下。空気中に漂うガスによって全身が濡れています。

5:30 鹿島槍ヶ岳(南峰)(2,889m)に登頂。
景色はないので少し休憩したら先に進みます。

鹿島槍ヶ岳の南峰と北峰の間は吊尾根と呼ばれる区間で、一部岩を乗り越えたりする場所があるので要注意。

ここでも雷鳥が背中を押してくれます。

あれが北峰のようです。
北峰は縦走路から外れているようですが、せっかくなので登りましょう。

北峰への登りと縦走路の分かれ道。
ここから5分ほど登ると山頂です。
肩透かしキレット(鹿島槍ヶ岳→八峰キレット→キレット小屋)

6:15 鹿島槍ヶ岳(北峰)(2,842m)登頂。

こちらも残念ながらガスの中なので、表情も晴れません。

縦走路に戻り、先に進みます。
ここから250~300mほど一気に下るようです。

ここで嬉しいことに、風がガスを一気に吹き飛ばしてくれました。

息を呑む絶景。
今日は奥に見える五竜までこの稜線を歩きます。期待と不安で胸がいっぱい。

雲海もこの素晴らしい情景には欠かせない仕事をしています。

鹿島槍ヶ岳から下ってきた道。滑ったら人生からログアウトしていまいそうな場所でした。
下りは登りよりも難易度が高く、事故が起きやすいのも納得。この下りも落石や滑落に気を付けながら、神経を使って歩きました。

ここからも暫く下りが続きますが、さっきまでよりは手足をかける場所が多く、気は楽です。

いやーしかし、やっぱり山歩きは晴れに限りますね。精神衛生上よろしい。

これは天気が良くなって楽しくなった私。

左を見ると、奥に剱岳が見えます。(たぶん)
ギザギザしていてあっちも楽しそうです。

こうして見ると、そろそろ下り終わりそう。ということは、キレットも間もなく?

写真のように細い場所が多いので注意して進みます。

ここは乾いていたので難なく通過しましたが、濡れていたらいやらしい場所になっていたかも。

しかし、素晴らしい雲海です。雲海オブザイヤーですね。

五竜には近づいているはずですが、近づけば近づくほど標高を落としているので、なんだかどんどん遠くに見えてきました、、、

と、目の前に見覚えのある景色が。
これは八峰キレットを調べた時に何度も見た光景。ということはここがキレットのようです。

そういわれると、確かに進行方向左側は切れ落ちていて危ない。

ただ思ったよりも足場もしっかりしていて、鎖や梯子が整備されていて、正直大したことないなという印象。

なんだか肩透かしを食らった気分。

核心部を終えてからも鎖場が続きますが、慎重に進めば問題ありません。

キレット小屋まではもう少しのはず。そこまで行ったら休憩しましょう。

五竜岳。やっぱり遠くなっている気がする。

五竜岳の前、行く手を阻むように何個もピークが見えます。あれを全て乗り越えなければ、今日の寝床には辿り着けません。先は長い。

五竜に気を取られながら歩いていると、足元に小屋が出現。
実はここからが核心説(キレット小屋→五竜岳)

7:45 キレット小屋に到着。
僻地にこんな立派な小屋があるとは、驚かされました。
去年、白馬から爺ヶ岳まで後立山を縦走する予定で、ここに宿泊する予定で予約していたのですが、あまりの荷物の重さに五竜で力尽きて下山し、宿泊もキャンセルしたことがありました。小屋の方には大変な迷惑をかけてしまって反省しています。あれは完全に缶ビールを大量にザックに詰め込んでいたことが要因で、それからは酒を山に持参することはなくなりました。酒はなくても山は楽しいです。

ここから五竜岳へはコースタイムで4時間ほど。休憩を入れても昼過ぎには辿り着けるでしょうか。

先はまだ長いのでぼちぼちリスタート。

また雲が増えてきましたが、青空も見えています。

険しいとまでは言いませんが、手を使う岩場が頻繁に出てくるので、全身運動で徐々に体力が削られます。

暫くするとひたすら太腿を刺激し続ける長い登りが出てきました。
ここに来てこの登りはなかなかのSっ気を感じます。

まだ距離がある中で気付いてしまったのですが、五竜直下から山頂までの登りエグくないですか。最後にあれを登る体力を残しておかないといけないとは、、、

振り返ると鹿島槍からここまでの歩いてきた道が見えました。
こうして見ると、鹿島槍からの下りもなかなかのものです。
今私がいる場所、どっちに進んでも絶望的な登りを越えないと脱出できないんですね。いつの間にか逃げ場を失っていました。

9:25 北尾根の頭に到着。ちょっと休憩。
体力的に結構きついっす。でもきつい中で自然と対峙する山はやっぱり楽しいです。
と思えているということはまだ精神的には余裕があるようですね。

岩だけでなく、ザレているような場所もあります。意外とこういうところで足の置き場を誤って事故になったりするので気は抜けません。

あとは手前のピークをこなして、最後の登りです。
もう少し、頑張ろう。

手前のピークはG5という場所だったみたい。事前に調べた時にも何度か見た名称です。確かに険しい岩場でした。

G5を通過して最後の登り。あれだけ遠くから見ていた五竜岳も、残すところあと数百メートルです。歩いていればいつかは着くものですね。

最後の登りは心拍数がかなり上がって厳しいです。何度も振り返って歩いてきた稜線からの応援を求めてしまいます。
キレットよりも、キレット通過後の行程の方がかなりきつい。核心はこっちだったようです。

そんなこんなで何とか急登を登り切りました。疲れた。

ここから山頂までは標高差ほぼゼロで縦走路を外れます。
丸くなるな、星になれ(五竜岳→五竜山荘)

11:15 五竜岳(2,814m)無事登頂しました。
2年連続2回目(甲子園)の登頂。去年は快晴でしたが今年は真っ白。それでも達成感はひとしおです。
長いようで短い、短いようで長い、そんな山行でした。何言っているか自分でもわからないですが、とりあえず楽しかったです。

五竜山荘までもよく事故が起きている場所なので慎重に。

12:25 五竜山荘に到着。思ったより早く着きました。

キレット小屋では「酒はなくても山は楽しい」などとほざいていた私ではありますが、小屋に売っているのを見つけた次の瞬間、小屋の前のベンチに缶を持って陣取っていました(金は払いました)。
丸くなるな、星になれ。

唐松岳も見えています。
明日、唐松経由で下山してもいいな。天気予報次第ですね。

楽しい2日目も綺麗な夕焼けとともに終了です。
明日は下山。寂しいですが下界も恋しい。複雑なこの感情は乙女心のようなものでしょうか。(いいえ、違います)
黙ります。おやすみなさい。
雨より速く(五竜山荘→白馬五竜エイブルスキー場)

おはようございます。3日目の朝です。夜はガスに包まれていましたが、今は五竜もはっきり見えています。

と思ったら山頂はガスに包まれました。
天気予報は昼過ぎから雨が降るみたい。雷の可能性もあるみたいなので、今回は唐松岳には寄らず、遠見尾根で下山することにします。
写真中央はテントを張っていた場所です。快眠できました。

そろそろ太陽が雲海から顔を出しそう。

出ました。希望の朝です。

あたたかい光が遠見尾根を照らし始めました。

御来光を眺めたところで、天気が崩れる前に下山しましょう。
5:30 下山開始。

唐松方面は既に雲に包まれつつあります。唐松岳も好きな山だから行きたいですが、天気が悪いのが分かっていると気分が乗りません。

遠見尾根は去年も下りで通りましたが、かなり長かった印象。覚悟して進みます。

本格的な下山の前に、白岳(2,541m)に登頂。遠見尾根の最高点です。

雲と太陽が争って、幻想的な光景が広がっています。

白岳を過ぎると本格的に下り出します。
白岳から西遠見山まではかなり傾斜がきつい区間。下りは膝に来るのでここはゆっくり自分のペースを作ることに集中。

五竜山荘、五竜岳方面を振り返ります。分厚い雲に太陽が遮られていることもあり、かなり暗いです。

下界が見えました。
あそこまで下るのか。遠いなー。

滑る岩場に注意しながらどんどん標高を落としていきます。
奥にちらっと見える山肌はおそらく鹿島槍ヶ岳。

ここまで来ると五竜山荘が米粒サイズになってしまいました。忘れ物があっても引き返したくないほどの登りです。

ガスのおかげでこんな幻想的な光景に出会えました。

6:15 西遠見山に到着。

少し開けた場所なので休憩しやすいですが、天気が崩れるというタイムリミットがある私は先を急ぎます。

と、西遠見山を通過しようと思ったら、、、

鹿島槍ヶ岳の双耳が見えました。そしてキレットに向かう激下りもこの通りばっちり。
自分のことながら、よくあんなところを歩いたものです。

もう少し進んだところからは鹿島槍ヶ岳の全体が見えました。
次はピーカンの時に登りたいですね。

こちらは唐松岳方面。雲が多いですが、今のところ稜線上は雲がなく、雲海を楽しめそう。
あれ、こんな感じならあっちから下山しても良かったかな。

五竜と唐松。去年の縦走が昨日のことのように思い出されます。

6:40 大遠見山?に到着。
雲は多いですが、雨が降るのはもしかして下界だけ?と思うほど雲が低いです。

奥の白い山は白馬鑓ヶ岳かな。

7:00 中遠見山に到着。
ここまで下山すると、稜線への未練は断ち切られ、一秒でも早く下界に降り立ちたい欲望が沸いてきます。

7:20 小遠見山に到着。

五竜のこの圧倒的な存在感。かっこよすぎます。

鹿島槍ヶ岳はここから見ると双耳峰に見えませんね。

こうして見ると何てことない登りに見えますが、五竜岳へのあの最後の登りはきつかったなー。

小遠見山からはハイキングコースとして木道や階段が整備されていて、一気に人工物が増え、帰ってきた感があります。

結局、雨は最後まで降りませんでしたし、予報も変わって曇りになったようです。
お疲れ様でした。
文明最高(白馬五竜エイブルスキー場→扇沢)

ここからゴンドラで下界にワープ。

スキー場から扇沢まではバスで移動します。

文明の利器を活用しまくった移動ですね。冷房最高。動力最高。文明最高。


あっという間に扇沢に帰ってきました。
この後はいつものように車でダラダラ山形に還りました。
まとめ
去年、白馬から歩いて五竜で力尽きたので歩けなかった五竜~爺を、進行方向は逆になりましたが歩けたので、残していた課題を回収できた気分です。荷物を減らして歩いたこともあり、今回は下山後もまだ余裕があり、少しは成長しているのかなと安心しました。
今回の山行で無事に日本三大キレットを全て歩けたことになりました。
私個人の感想としては難易度は「八峰<不帰<大」といった感じ。まああくまでも個人的な感覚なので、気になる方は万全の準備をした上で、自分で歩いてみることをおすすめします。
岩場好きとしては、まずは一定の目標を達成した感触がありますが、まだまだ楽しそうな岩場はそこら中にあるでしょうし、岩場でなくても、長い縦走や景色が綺麗な場所など、行ってみたい場所は無数にあるので、これからも機会を捉えて出掛けたいと思います。
ではではまた山に行ったら更新します。
【槍穂】雷鳴轟く岩稜を進むカレー愛好家(槍穂縦走)

※20220802~20220805西穂→槍
前回登ってから早2年。登山者の誰もが憧れるであろうその場所の名は「ジャンダルム」。圧倒的なフォルムが冒険心をくすぐりますが、浮石だらけの岩場とCTの長さ、エスケープルートが乏しいことなどからその難易度は高く、このエリアは毎年のように重大事故が起きています。
岩場が好きな私としても、その名には多少の恐れ多さを感じており、三大キレットを歩いた後、最後の総決算で行こうと、まだまだ行くつもりはありませんでした。が、Kさんという頼もしいバディから誘っていただき、自分としても1つ上のステージに上がりたいという気持ちが強くなり、胸を借りるつもりで恐る恐る国内最難関と言われるそのエリアに立ち入りました。
そこにはリスクを冒してまでも入り込む価値がある絶景が広がっていました。(その時のことは下に貼ってある記事をご覧ください。)
さて、人は一度心を掴まれると、なかなか忘れられないものです。
また、あの頂からの景色をまた目に焼き付けたい。気付けば、ふとした時にそんなことを思うようになってしまいました。そうなってしまったら最後、その願望を叶えるまでその気持ちは消えることはありません。それどころか、日に日に大きくなっていきます。
山屋(自分をそう呼ぶのは「本物」の方に失礼なような気もしますが…)というのは不思議なもので、同じようなタイミングで同じようなことを考えたりしているようです。ちょうどKさんも同じことを考えていたらしく、「そういうことなら話は早い!」ということで、またKさんと西穂~奥穂を歩くことになりました。
ただ、前回と何もかも同じではつまらない。何かもうひと捻り、この山行にスパイスを加えたくなりました。そこで、前回は奥穂から涸沢経由で下山していたところを、北穂に向かい、そのまま大キレットを経由して槍ヶ岳まで行ってしまう欲張りコースを提案。大キレットは未経験でしたが、Kさんは2回ほど歩いたことがあると聞いていたので、Kさんも乗ってくるはずだとの思惑がありました。
案の定、Kさんは賛成してくれ、夢のような縦走計画が完成しました。行く前から涎が垂れるほど気持ちが高ぶります。
あとは天気がいいことを祈るだけ。
このお決まりのようなセリフが身に染みる結果となったことは、この後の本編をお読みいただければ伝わると思います…
ではでは早速行ってみましょう。
今回の行程はこんな感じ。
<1日目>
山形から新穂高温泉に移動
↓
新穂高ロープウェイで登山口へ
↓
登山口から西穂山荘へ
↓
西穂山荘に宿泊
<2日目>
西穂山荘から西穂高岳へ
↓
↓
ジャンダルムから奥穂高岳へ
↓
↓
↓
北穂高小屋に宿泊
<3日目>
↓
南岳小屋で休憩し、南岳、中岳、大喰岳を経由して経由して槍ヶ岳山荘へ
↓
槍ヶ岳山荘に宿泊
<4日目>
槍ヶ岳山頂で御来光
↓
槍ヶ岳山荘から千丈沢乗越、槍平小屋、滝谷避難小屋を経由して新穂高温泉へ
↓
新穂高温泉から山形へ移動
過去の北アルプスの記事はこちらからどうぞ。
- ゴールが見えた(新穂高温泉→ロープウェイ→西穂山荘)
- 英気を養う(西穂山荘→西穂丸山→西穂山荘)
- 岩場に戻ってきた(西穂山荘→西穂独標→西穂高岳)
- 魔界にGO!(西穂高岳→ジャンダルム)
- 高度感を消すガス(ジャンダルム→奥穂高岳)
- 土砂降りの危険区間(奥穂高岳→穂高岳山荘→北穂高岳)
- 雰囲気◎の北穂高(北穂高岳→北穂高小屋)
- 雷鳴迫るキレット(北穂高小屋→大キレット→南岳小屋)
- ゴールが見えた(南岳小屋→南岳→槍ヶ岳山荘)
- 雲上のホスピタリティ(槍ヶ岳山荘)
- 全部見える(槍ヶ岳山荘→槍ヶ岳→槍ヶ岳山荘)
- 黒部に惹かれて(槍ヶ岳山荘→千丈沢乗越)
- 山の不思議(千丈沢乗越→滝谷出合→新穂高温泉)
- まとめ
ゴールが見えた(新穂高温泉→ロープウェイ→西穂山荘)

8月3日。前日夜から車を走らせて新穂高温泉に到着しました。
ロープウェイに近い市営無料駐車場は平日ど真ん中にも関わらず満車だったので、仕方なく少し離れた鍋平の無料駐車場へ。自分も休んでおいて言うのもおかしな話ではありますが、「『日本人は働き過ぎ』なんて言うけど、こんなに休んでいる人がいるんだなー」と、少し安心しました。
前回は平湯に車を置いて、バスで新穂高温泉に入ったので、こちらは初めて。鍋平駐車場はロープウェイを1つ利用するのと同じくらい標高が高いので、しらかば平駅まで歩きます。(新穂高ロープウェイは一番下の新穂高温泉駅から鍋平高原駅までの第一区間と、鍋平高原駅と隣接しているしらかば平駅から頂上の西穂高口駅までの第二区間に分かれています。)

駅に向かう途中、何やら尖っている岩山が。
そう、今回の最終目的地である槍ヶ岳です。まさかここからゴールが見えるとは。さて、私達はいくつもある難所を越えて、あの頂まで辿り着けるのか、期待と不安が入り混じります。

そうこうしているとこれから私達が乗るロープウェイが見えてきました。

2年ぶりに訪れました。そうそう、西穂高と対峙している笠ヶ岳の山肌も迫力があるんだよなー。

ロープウェイで標高をお金で買って、あっという間に標高2,000m超の世界にやってきました。
駅のデッキには観光客が大勢いて、記念撮影のカメラマンの活気ある声が響いています。何となくですが、少しずつ平時に向かっているのかなと、気持ちが明るくなりました。

そう言えば、ネットニュースで見た覚えがありますが、この駅周辺はもう少し観光客向けに整備されるようですね。多くの人が自然の魅力に触れられる機会が増えるのは素晴らしいことかと思いますが、ありのままの自然を楽しみたいという願望を満たしてくれる場所が減っていくのは複雑な心境です。(そこは資本主義が抱えている難解な問題だと思うので、私如きがどうこう言って変わるものではありませんが…)

こちらは明日歩く西穂高岳の稜線です。左のピークが独標でしょうか。

さっき見たよりも槍ヶ岳と目線が近づいたように思いますが、それでもまだ1,000mの差があります。焦らずゆっくり登っていきましょう。

南には焼岳がどっしりと構えています。こちらも近いうちに登っておきたい山の1つ。いつ噴火するか分かりませんからね。

11:45 一通り、デッキからの眺望を楽しんだら、いよいよ出発です。
と言っても、今日は山荘までなのであっという間。ということでワープします。ハッ!
英気を養う(西穂山荘→西穂丸山→西穂山荘)

12:30 ヤー!ということで西穂山荘までワープしてきました。(ワープ所要時間45分)

山荘は丸山や独標までに日帰りハイカーさん達が大勢いて、賑わっています。
写真はKさんの頼もしい後ろ姿。

今日はこちらにお世話になります。そこまで混雑していなくて快適に過ごせそう。

これはせっかく自然の中に来ているのに、そこには目もくれずスマホを弄っている私です。

飛行機を見ると何故か撮ってしまうのは、きっとDNDレベルで人間に刻み込まれている空への憧れ。

西穂山荘の受付の上に飾られている写真。
いつかこんな写真を私も自らの手で撮って、自宅に飾りたいと思いました。まだまだ精進せねば。


明日からに向けて、Kさんと英気を養います。ここで生ビールが飲める幸せ。

食事の時間は受付に表示されています。翌朝は3時半頃には出発するので弁当を頼みました。

まだまだ夕食まで時間があるので、明日歩く道を少し偵察に行くことにしました。前回も同じ流れだったような気がする。

霞沢岳は一般登山道がなく、バリエーションルートとのこと。いつか行ってみたいです。
今はこんなに天気がいいのですが、明日は午後から大きく天気が崩れる予報。なんとかそれまでに難所は通過しておきたいところです。

山荘から急な登りを5分ほどこなすと西穂高岳の険しい山容が見える場所に出ます。鋸の刃のようなギザギザに、若干怖気づいてしまいます。


上高地にカメラを向けるKさん。前回はSONYのカメラを使用していましたが、今回はOLYMPUSのOM-D。コンパクトでいいカメラです。羨ましい。

焼岳と乗鞍岳。
山形から遥々来ると、どうしても縦走したい気持ちが強くなり、縦走に向かないこの二座には足が向きません。でも登ってみたいんだよなー。

アップで見てみるとますます尖って見えます。
手前の人が数人いる場所が西穂丸山。そこまではなだらかですが、そこを過ぎると一気に標高を上げることとなります。

西にある笠ヶ岳に雲がかかってきました。もう少しするとこちらにも雲がやってきそうですね。

暫く西穂方面を眺めていると、前回の縦走の記憶が蘇ってきました。

前回は天気がこの上ないほどの快晴で、西穂山荘を出たら頭上には満天の星。肉眼でここまで見えるかと驚くほど。
降ってくるほどの星に気を取られながら歩いていたら、写真にある西穂丸山を過ぎた後に傾斜がきつくなってきたあたりで足をグネりました。
ただ、グネったのは満天の星だけが原因ではありませんでした。何かというとヘッドランプ。私はかなり暗いタイプのものを使用していたので、足元があまり見えていませんでした。完全に準備不足。
幸い、捻挫ほどには酷くならなかったのですが、こんなに序盤で歩けなくなったら遥々山形から来た意味がなくなり、何よりKさんに申し訳なさ過ぎて、いくら謝っても足りない事態になるところでした。

蜷局を巻く大蛇。

丸山手前の少し広くなった場所でだらだらと時間を潰していると、西穂独標まで行った日帰り組の方々が続々と丸山付近まで下りてきました。

人が多いのが嫌なので、あの人達がここを通過してから丸山に行ってみます。

14:45 ということで西穂丸山(2,452m)に到着。

さっきより近くなった西穂の尖った稜線を眺めながら、明日以降の安全第一の精神を誓いました。

小屋に帰って、中をキョロキョロ見学してみます。
しかし、ここはちょっとしたネットカフェレベルのラインナップ。少なくともこの写真を見た多くの人は、説明されないと山小屋の写真だとは思わないはずです。

ご馳走。あっという間にたいらげました。絶品。
その後は明日に向けてパッキングをしながら明日の行程を確認して、軽くストレッチをしてから寝ました。
さて、明日の天気はどうでしょう。無事に辿り着けるのか。
岩場に戻ってきた(西穂山荘→西穂独標→西穂高岳)

3:45 西穂山荘を出発。
おはようございます。真っ暗な中での出発準備はなかなか手間取りましたが、大体予定通りの時刻に出ることができました。
天気は現時点ではそこまで悪くありません。

薄っすらと山際が明るみを帯びてきました。
今回は2年前の反省から、なかなか明るいヘッドランプを使用しているため、快適に歩みを進めることが出来ています。

4:15 西穂独標(2,701m)に到着。
ここまでは直下の急登はあるものの、難易度としてはそこまで厳しい道ではありませんが、ここから先は足元が悪くなったような記憶があるので、もう少し明るくなるまでここで休憩を兼ねて朝食をとることに。

おにぎりを頬張りながらこれから目指す方向を眺めていると、気分が少し高揚してくるのを感じます。楽しめそうだなと思うと同時に、あまりはしゃぎ過ぎると取り返しのつかないミスを犯してしまう気がして、深呼吸をしました。

険しい稜線も、一度その懐に入ってしまえば、目の前の岩壁に向かい合って、へばりついて、乗り越えるほかありません。

この時間特有の幻想的な色。

遠くに富士山も見えています。

ここに着いた時よりだいぶ明るくなってきました。

ということで、
4:50 リスタート。

ピンク色の空が、先ほど無理やり落ち着けた心を再び燃え上がらせます。良い1日になりそうな予感。

振り返ると独標に後続の方が到着しています。
西穂山荘前で各パーティーがほぼ同じタイミングで準備を終えましたが、先頭を嫌ってか、それぞれが他のパーティーの様子を窺って出発しないという謎の時間がありました。私とKさんも最初は「先頭は不安だよね」と話していましたが、あまりにその睨み合いが続くので、痺れを切らして最初に出発してしまいました。
本当は前の人の動きを参考にしたい気持ちもありますが、純粋に自分の力で山を歩くという意味では、これで良かったのかもしれません。

晴れてはいますが、雲は多めです。今は低いですが、いずれ上がってきて視界が聞かなくなることを考えると、今のうちになるべく距離を稼いでおきたいところです。


さて、歩いている道はこんな感じ。道というテイストではないですが、実際に歩いてみると案外難なく歩けるもので、アスレチック感覚で楽しく進んでいきます。

とは言え、浮いている岩も結構あるので、足を置く場所は、どんなに安定していそうに見えても信用はしません。

Kさんは私と20歳以上離れていますが、難なく歩いていきます。恐るべき体力。

西穂高岳の山頂までは、独標を11峰、山頂を1峰として、そこからカウントダウン形式で小ピークに数字が振られています。


奥の乗鞍岳の山肌を朝日の柔らかい光が照らしています。良い景色ですね。


富士山も淡いベールの向こう。

これは富士山を狙う私。

徐々に独標(11峰)が遠ざかっていきます。

8峰に到着です。
8峰はピラミッドピークと呼ばれていて、1つのチェックポイントとなっています。

目指す岩壁をバックに1枚。


私も撮ってもらいました。

まだ雲は低い位置にあります。順調です。

4峰であるチャンピオンピークに到着。
一度歩いた経験があるため、慎重に進む中でも、精神的な余裕があります。

とは言え、足元は信用ならない浮石が多いので、油断は禁物です。

太陽が昇り切りました。これから気温が上がるに連れて天候が不安定になります。

ここで今回初の雷鳥。
朝日を浴びて凛々しい姿です。写真を撮ってくださいと言わんばかりのポージンズ。

と、道を挟んで反対側には一家総出で朝の散歩中。コロコロした子どもが愛くるしい。

山頂直下の急登。Kさんが先に取りつきます。高度感が心地よいです。

ここはまだ足場がしっかりしているので、焦らずに落ち着けば問題なし。

私も後に続きます。



登り切って振り返ると、昨日恐れていた鋸の刃を上から眺めることができました。あそこを自分がトレースしてきたと思うと、達成感が込み上げてきます。
魔界にGO!(西穂高岳→ジャンダルム)

5:30 西穂高岳(2,909m)無事登頂しました。
前回ここに来た時は、単純に初めて来たという喜びが強かったですが、その後の行程の厳しさを知ってしまった今の私は、気を緩めることはできません。天気の心配もあるので、一息ついたら先に進みます。

西穂高岳から奥穂高岳までの区間は、一般登山道として扱う場面と、そうではない場面に分かれることがあります。つまりは、一般登山道として扱うには微妙、即ち、期間度が一般のそれには留まらないという意味です。

歩き始めて、それはすぐに実感できます。明らかに足場の不安定度が、先程までとは違います。

急ぎたいですがミスしたら終わりなので、自分の中のギリギリを探ります。


これはKさんが、少し進んだところから西穂高岳山頂を撮影したもの。山頂にいるのは私。

山頂から下りるだけで、ステージが変わったことを体感できました。

遠くに独標が見えました。辛うじて標柱が写っているのが分かるでしょうか。
というか、何かさっきより雲が上がってきているような気が、、、

うーん、不安感を煽る看板。

やはり天候悪化。予報よりも数時間早いです。
急に魔界感溢れる風景に迷い込んでしまいました。

ここで風雨に襲われたら泣きそうですが、泣いてもエスケープルートがほぼないので歩くしかありません。

否が応でも集中力が増してきました。

辺りは完全に真っ白に。こうなったらもう修行です。

この辺りは浮石が酷くて、Kさんに石を落とさないように特に神経を使います。

雨はまだ降り始めていないですが、空気が湿気を帯びてきたせいか、岩がじっとりと濡れて滑りやすくなってきました。

あの有名な逆層スラブもツルツル。本当はもう少し引いた位置から全貌を写真に収めたかったのですが、この視界の悪さでは諦めざるを得ませんでした。

ここらで遂に雨が。そして風も強くなってきました。最悪のタイミングですね、、、

冷たい雨と強風に煽られながら、逆層スラブを登ります。

手が悴んでくるほど冷えてきました。

もう景色は諦めました。安全に歩き抜くことだけに集中しないと、足を滑らせてしまいそう。

険しい道が続きます。

ここはかなり長い鎖場。

鎖があるので、安心感はありますが、、、

この高さなので油断はできません。

へっぴり腰で進む私。

必死に岩に食らいつきます。

幸いにも、まだ雨は降っていませんが、雲の中を歩いているので、服もザックもびしょ濡れ。徐々に不快感が高まってきました。

雨に降られる前に小屋まで辿り着きたいです。

白の世界を進むと、ふと見覚えのある場所に出ました。少し開けた小ピーク。
確か、この先にジャンダルムがドーンと構えていたはず。しかし今日はこの天気なので残念ながら見えません。
はたまた、ただの勘違い?
高度感を消すガス(ジャンダルム→奥穂高岳)

いや、私の記憶は確かでした。先程の小ピークから少し下ったところに「ジャン」の文字。
ジャンダルムは縦走路から少し外れた(といっても本当に僅かですが)ところにあります。

分岐からは数十メートルほど登ると、、、いました、天使。再びお目にかかれました。

10:15 ジャンダルム(3,163m)無事に登頂しました。
前回は初のジャンダルムに興奮してしまい、Kさんとのツーショットを撮り忘れてしまったので、今回はしっかりと。
撮影は頂上で一緒になった60代おじさん二人組。岳沢からピストンとのこと。「西穂からなんてすごいね」と言われましたが、お二人の方がよっぽどすごいのではないか。

10分間ほど頂上で雲が切れるのを待ちましたが、その予兆すら感じなかったので、諦めて進みます。
今日は間違いなく下り坂の天気なので、この危険区間に長く留まるのは得策とは言えません。

少し進むと、ジャンダルムと並んで有名な馬の背に到着。

Kさんからアタック。ここは見た目よりも足場がしっかりあるのでそこまで恐怖感はありません。ただ、私達と逆に、奥穂方面から来た場合は馬の背を下ることになりますが、それは怖いかもしれません。

あっという間にKさんは雲の中に消えてしまったので、私もそろそろ登ります。

Kさんの撮影。

下が見えず、高度を全く感じません。

とは言え、落ちたら試合終了なので、三点支持は忘れずに。

馬の背を終えると危険区間は終わりです。まだ早いと分かっていても気が抜けますね。
土砂降りの危険区間(奥穂高岳→穂高岳山荘→北穂高岳)


11:20 奥穂高岳(3,190m)無事登頂しました。
山頂に着くとほぼ同時に雨が降ってきました。まだ本降りではないので長居せずに進みます。

風が強くて、体感温度は真冬並みでした。

山頂から小屋までは強風に体力を奪われ、よろよろと歩きました。

やっとの思いで小屋の中へ。

束の間の休息。
外はいつの間にか土砂降りになっていました。
今日の予定は北穂高小屋。ここから2.5~3時間ほどかかります。Kさんと天気や残りの体力、明日の行程を考えて作戦会議を行い、予定通り進むことにしました。
ここからの区間も、ここまでの区間に引けを取らないほど事故が多発している危険区間です。おまけに雨でフリクションは効かなくなっている最悪のコンディション。集中してリスタートです。

12:50 涸沢岳(3,110m)無事登頂しました。
穂高岳山荘を出てすぐに踏めるピーク。ここからが今日最後の踏ん張りを見せなければいけない区間です。

涸沢岳から、大げさではなく、本当に飽きるほど下りました。しかも、足場はザレザレだったり、ツルツルだったり非常に神経を消耗しました。大雨ということもありますが、そもそも撮る余裕がほとんどなく、この区間の写真はありません。

そして、ここは奥壁バンドという危険区間。こういう看板を見ると、自分の心の不安な部分を思いっきり刺激されます。

奥壁バンドもあまり写真を撮れる状況ではなく、この写真は途中?通過後?の一息つける大岩の直下です。

少し雨が弱まってきたのでKさんはカメラの準備。私は今日はもうスマホでいいです。

ここで今回初の雷鳥。天気が悪いと姿を見せてくれるとよく言うので期待してキョロキョロしていた甲斐がありました。
雷鳥に励まされ、最後の登り返しを終えると、、、
雰囲気◎の北穂高(北穂高岳→北穂高小屋)

15:30 北穂高岳(3,106m)無事登頂しました。
ずっと来たかった北穂、感慨深いです。

悪天候の中、長い行程でしたが、到着してみるとやっぱり来てよかったと思えます。

Kさんも嬉しそう。

ようやく辿り着いた北穂高小屋。


大きくはないですが、温かい雰囲気が心地よくて気に入りました。

長い長い2日目を無事に終え、2人で祝杯。お疲れ様でした!

栄養を摂取して、ゆっくり休みます。
明日は大キレットを越えて槍ヶ岳まで。連日の国内屈指と呼ばれる岩場のルートで、緊張を強いられる場面が続きますが、全身で自然を感じられる喜びをかみしめて歩きたいです。
雷鳴迫るキレット(北穂高小屋→大キレット→南岳小屋)

おはようございます。
天気は少雨。大キレットを諦めて涸沢に下りる人しかおらず、自分達も悩みましたが、これくらいなら行けると判断。
6:20 北穂高岳を出発。

出発してすぐに雨が強くなってきて、岩がますます滑るようになってきました。慎重さが求められます。

因みに写真で奥に聳えているピークが有名な「長谷川ピーク」です。以前、あそこから落ちて、救助されて奇跡的に生還した大学生の名前を取って名づけられたとのこと。

白い雲の向こうに大キレットの反対側、南岳側の岩壁が見え始めました。
昨年、燕岳から蝶ヶ岳に縦走した時に見えた大キレット。「スプーンでくり抜かれたみたいだなー」と呑気に眺めていたその場所に今いると思うと、なんだか感慨深い。

ここを下りたらコルっぽいので一息つけそう。
ただ、最後のこの岩場はかなり滑りやすいだけでなく、足場がザレまくっているので要注意。
そう言えば、「飛騨泣き」ってどの辺だったんだろう。分からなかったです。

7:45 A沢のコルに到着。

休憩していたら雲が切れました。

南岳方面。これは獅子鼻岩というシンボル的な岩。

ずっと雲の中だったので、久々に雲を目視しました。

どれどれ、そろそろ長谷川ピークに向かいます。

と、リスタートしてすぐ、大粒の水滴が落ちてきました。それと同時に、聞きたくなかった嫌な音が、、、
そうです、雷です。しかも近い。頭のすぐ上で轟音が鳴り響いています。こんなところで雷。逃げ場なんてありません。怖すぎて笑えてきました。人間、追い込まれると笑うものなんだと、勉強になりました。

8:15 豪雨&雷鳴の中、長谷川ピーク(2,841m)に到着。
ね、笑っているでしょ。
写真を撮ってもらう時も、1~2mほどの距離にいるKさんとの会話は大声で叫ばないと聞こえないほどの雨と雷。

長谷川ピークを後にしてからも暫くは雷に追いかけられましたが、何とか直下からは脱しました。雨も弱くなり、まずは一安心。

先程よりもだいぶ近づいた獅子鼻岩。ガスがかかっていて、風格が増して見えます。
ゴールが見えた(南岳小屋→南岳→槍ヶ岳山荘)

9:15 大キレット終了。
写真は雷に怯える私。次来る時は快晴がいいなと心底思いました。


これは南岳小屋。少し休憩させてもらいます。

汗と雨でびちゃびちゃ。行動していないと一気に冷えて風邪を引いちゃいそうなので、行動食を口に放り込んで出発しましょう。
南岳小屋は大キレットのすぐ傍にあり、立地が素晴らしいです。テント場も比較的大きいので、ここに幕営してみるのも楽しそうだなと思います。(Kさんはここにテントを張ったことがあるみたいですが、その時も雷が鳴っていたとか、、、そういう立地なの?)

9:55 南岳(3,032m)に登頂。
景色は期待できないので通過します。傾斜は弱いですが、足元は岩がゴロゴロしているので足首を捻らないように気を付けます。

ここは天狗原への分岐。
天狗原は槍沢ルートを通る度に気になってはいるものの、まだ行ったことがない場所。いつか立ち寄りたいです。

バランスを崩さないように注意しながら進んでいると、、、
今日の目的地、槍ヶ岳が見えました!初日、ロープウェイに乗車する前に見た以来のお目見えです。まだ遠く見えますが、あと2時間くらいかな。
いつの間にか雨は止んでいました。

目的地が見えると、疲れているはずなのに元気が出てくるから不思議です。

黒い縦走路。ここは緑が入り込む余地を与えない厳しい環境です。

と、それっぽいことを書いて次の写真を見たら緑がありました。ハイマツの生命力に軍配。


いや、雨も上がって最高の気分。槍まで一直線。幸せ。

ここから転がり落ちれば天狗原あたりで止まるでしょうか。

再びガスってきました。


それと同時に顔を出す雷鳥。

11:05 中岳(3,084m)に到着。地味ですが3,000m峰です。

11:40 大喰岳(3,101m)に到着。こちらも3,000m峰。
以前、表銀座を縦走した時に槍ヶ岳山荘のテント場から見えていたのがこの山。こっちまで足を延ばしてもよかったのですが、一度下って登り返すのが億劫に感じてしまい、その時は登らずに下山してしまいました。

飛騨乗越。ここから槍ヶ岳山荘のテント場へ登っていきます。
大喰岳を過ぎるともう辺りは槍ヶ岳の傘下という雰囲気。

西鎌尾根方面。ガスに包まれて全貌が掴めない。

この辺は「もうゴールだな~」なんて油断していましたが、地味に急登で堪えました。

振り返ると、先ほどまでいた大喰岳がドーンと鎮座。

ヒイヒイいいながら登っていくとテント場に到着。
表銀座縦走の時はこの左の区画にテントを張りました。懐かしいなー。
雲上のホスピタリティ(槍ヶ岳山荘)

12:00 テント場を抜け、今度こそゴールです。

東鎌尾根の険しい岩稜。

天を衝く鋭鋒。何度見ても見惚れてしまうフォルムです。

山頂に人影が見えますが、私達は全身びしょ濡れなので、まずはその処理をしてから、天気を見て今日登るか考えます。

西鎌尾根がさっきよりもその姿を見せてくれました。良い稜線です。歩きたい。

外のベンチで休憩していると雨が強くなってきたので中に避難。
同じように雨宿りしている人で賑わっていました。

カレーとビール。最高。生きててよかった。小屋の人からは「今日、大キレットから来た人はあなたたちだけだよ」と言われました。苦笑いしかできなかったです。
2人ともそれなりに疲れていたようで、言葉が出なく、無言で貪り食いました。

外は本降りになって、またもや雷が鳴り始めました。
数時間前に雷の恐ろしさを嫌というほど味わったので、こんな中で穂先に登るなんて考えられない。今日はもう行動終了です。

明日は晴れてくれよー。



山荘の内部。ここが3,000mの山の上とは思えないほどホスピタリティに富んだ空間です。

夕飯も絶品。ごはんとみそ汁のおかわり無料が嬉しいですね。

こんな荒天の中でも穂先に登る人はいるみたいです。滑りそうで危なっかしくて見ていられない、と言いたいですが、あそこよりも危険なルートを辿ってきた私達は何も言う資格はありません。
全部見える(槍ヶ岳山荘→槍ヶ岳→槍ヶ岳山荘)

夜中に(と言っても寝坊してもはや朝方ですが)起きてみると、雲はありますが雨は降っていません。星も出ています。

小屋の中は小屋番さんがもう既に朝食の準備をしているのか、明かりがついています。


空が明るくなるに連れ、星の存在感が薄れていきます。
どうせなら山頂で御来光を見ようかということで、Kさんを起こし、山頂に向かいます。

5:00 槍ヶ岳(3,180m)無事登頂しました。
新穂高からスタートし、西穂、ジャンダルム、奥穂、北穂、大キレットと繋いできて、ようやく最終目的地に辿り着きました。Kさんと互いを労います。

どうやら私達が本日最初の登頂者のようです。

少し早く来過ぎたのか、御来光まではもう少し時間があるようです。

後続者が上がってきました。みんな穂先での御来光狙い、考えることは同じです。

気温は思ったより寒くないです。

遠くに富士山を発見。


明るくなってきたので記念撮影。

大好きな穂高連峰。右のポコッと出ているのがジャンダルムかな。

見下ろすと槍ヶ岳山荘。山小屋としては巨大な建物です。
そう言えばいつの間にか日が昇りました。今日は残念ながら焼けない日だったようです。


歩いてきた稜線を一望。
必死に繋いだ道のりも、こうして見るとなんだかそこまで大した距離でもないような気もしてきます。過去にも同じように感じたことがありますが、それでもまた道を繋ぎたくなるこの気持ちは何なんでしょうね。侵されているのかな。

こちらは三俣蓮華岳と鷲羽岳に抱かれた三俣山荘。情熱大陸での放送を見てからずっと訪れてみたいと思っていますが、まだ行けていません。


こちらは去年登った大天井岳。
昨年、あの山頂にいる時に地震があって、槍沢に岩が転がる音が夜通し響き渡っていたのを思い出しました。


こちらの写真の手前は西岳。数年前に表銀座縦走した時に1泊目で幕営した場所です。懐かしいなー。
写真奥の常念は去年登りましたが、ザックの重量が30kgあったからか、小屋からの登りが足にきて苦汁を嘗めました。

西鎌尾根。こっち方面は興味を持っている場所が多数集中しているエリア。
黒部五郎、双六、鷲羽、三俣蓮華、雲の平、水晶、赤牛、薬師などなど。山小屋も行ってみたいところが沢山あります。

さっきよりもはっきり見える富士山。

明るくなってきたので、徐々に人口密度が高くなってきました。
右下の縦撮り中の人間が私。

そろそろ下りますか。

今日は天気が良いのか悪いのか、はっきりしない空模様です。

槍沢方面。何回か通っていますが、個人的に槍沢は苦手なコース。変化が乏しいと感じてしまいます。
今日は新穂高に下りるので、槍沢は使わずに済みます。初の飛騨沢。

人が多いので落石を起こさないように、食らわないように気を付けます。

黄ヘルメットがKさん。

下ってしまえばあっという間。

先に下り終わったKさん。

楽しいアスレチック。

無事に帰還しました。

小屋の前にはカメラを構えた人が朝の時間を楽しんでいました。

小屋からヘリで下ろす荷物が準備されています。
今や、ヘリがないと山小屋は成立しない状況です。個人的に、山小屋のサービスは過剰であるという立場ですが、そうは言いながら生ビールを買うわけで、客観的に見たら依存しているのかもしれません。
そんな山に欠かせないヘリが、昨今の燃料費高騰や事故に起因する規制強化によって、荷揚げ存続が危うい事態になっているようです。
山小屋は第一に人命を守る最前線であり、オアシスであり、情報基地であり、様々な面で登山者に力を貸してくれます。
山を愛する1人として、小さくても自分ができることを考えていきたいです。1人1人が心がければ、きっと事態を改善する力になれると信じたいですね。

穂先を目指して岩に張り付いている人。みんなてっぺんに立ちたいんですね。

グリーンバンド。

テント場。
あの岩の影にテントを張るのはなかなかスリリングに感じます。地震が来たら、、、考えるだけでも恐ろしい。
黒部に惹かれて(槍ヶ岳山荘→千丈沢乗越)

6:15 槍ヶ岳山荘を出発。

いつの間にか晴天。青が美しい。

下山は初めて通る飛騨沢ルート。

視界に広がる裏銀座。日が当たって、緑が目に優しい。
涎が出てくる絶景です。

絵になるおじいちゃん。ポジショニングが素晴らしい。

左奥が薬師岳かな?
写真では確認しにくいですが右奥に後立山の山々が写っています。

穂先に取りつく人はどんどん増えて渋滞しているようです。

稜線が美しい。

この奥に見える三角はどこかな。水晶?

Kさんも夢中で黒部の山々にレンズを向けています。

黒部五郎岳。縦走路から外れていますが、個人的に一番登りたい山。
裏銀座を歩くときには寄り道して登りたい。雲ノ平も行ってみたいので、高瀬ダム→烏帽子岳→水晶岳→雲ノ平→鷲羽岳→黒部五郎岳→三俣蓮華岳→双六岳→槍ヶ岳のコースかな。

子槍。
「アルプス一万尺 子槍の上で♪」の子槍はこのことです。尺は30cmなので、0.3m。ということは一万尺は3,000mということ。恥ずかしながら、ちゃんとした意味のある歌詞だったということは山に登るまで知りませんでした。(外国の歌を無理やり翻訳したから訳がわからない歌詞になったと思っていた)

飛騨沢ルートを下っていきますが、足元が多少ザレている場所もあるので注意が必要です。
山の不思議(千丈沢乗越→滝谷出合→新穂高温泉)

7:15 千丈沢乗越に到着。少し休憩していきます。
ここは分岐点となっていて、写真右奥の方角、西鎌尾根を辿って双六方面に行くこともできますし、写真左に下りて行って、今回の下山路となる飛騨沢を辿って新穂高温泉に下山することもできます。

北方を眺めると、一番奥に白馬岳が見えました。その手前には鹿島槍ヶ岳も見えています。
山って不思議だなとしばしば思うのですが、登ったことがない山は、その山を見ても名前は分からないのかもしれませんが、一度登ると、角度が変わっても何故か分かる(山座同定できる)んですよね。

後ろから来た人が西鎌尾根に進んでいきました。羨ましい。自分の脚で、この大自然を一歩一歩進んでいけるなんて、脳内に危ない物質がドバドバでていそう。

ヘリの音がするので、槍ヶ岳山荘の脇に準備されていた荷物を取りに来たのかと思いましたが、どうやらそうではない様子。
下山後にYahooニュースを確認すると、滑落事故があったとのこと。北鎌尾根から槍ヶ岳を目指していた男性と昨日から連絡が取れなくなっていたらしく、3,000m地点で滑落死していたところを発見、収容されたそうです。
一瞬の不注意が文字通り命取りになる世界なんだなと、改めて感じました。

休憩してこれからの長い下山路に向けて充電できたのでそろそろ出発します。

穂高方面に体を向けて標高を下げていきます。ジャンダルムとロバの耳がよく目立ちます。
手前の急登は南岳新道かな?

千丈沢乗越からのルートと飛騨乗越からのルートの合流点。

千丈沢乗越からここまでの道は草が茂っていましたが、濡れていてかなり滑りました。お気を付けください。

下山方面。奥は笠ヶ岳です。残る雪渓が綺麗。

道は飛騨「沢」というだけあって、水が流れていて小川を歩いているみたいです。
そして、標高が下がって来たため、木々の背丈がぐんぐん伸びてきました。



9:00 槍平小屋に到着。
日差しが強くなってきて、消耗のなれの果て、亡霊のような歩き方になっていたので、またもここで休憩を取ります。
この天気なので、大勢の人が槍を目指して登ってきます。

槍平小屋を過ぎると木々の隆盛は勢いを増すばかり。

昨日の雨が蒸発してサウナ状態となった道を進みます。

10:00 滝谷出合に到着。

水が透き通っています。

雪融けが進んでいるからなのか、元々なのか、水量がすごい。

橋が揺れて、なかなかのスリル。楽しいです。

Kさんも楽しくなってイヤミになりました。シェー!

そして、滝谷出合に来たということはこちらの場所があるわけで、心霊スポットとして大変有名な滝谷避難小屋。
私も2つくらいここに関する話は知っていますが、こういう話はあまり得意ではないので書くのはやめます。ちょろっとググるとこの場所に関するエピソードが山のように出てきますので、興味のある方はご自身でお調べください。
ふと思ったのが、飛騨沢ルートを通る登山者が体力的に疲れてふらふらと立ち寄っている姿が亡霊のように見えている説があるなと。槍平小屋にやっとの思いで辿り着いた時の私のように、、、
その後は白出沢出合を通過したあたりからは林道になり、この写真の穂高平小屋もサクッと通過しました。

12:30 無事に新穂高温泉に下山。お疲れ様でした。
憧れていた場所を詰め込んだルートをトレースできて嬉しいです。心地よい疲労感と充足感。これだから山はいいな。

よくTwitterで見る新穂高登山指導センター。ミーハーなので写真だけ撮りました。

あとは家路を急ぐのみ。

折角松本に来たので、SAで山賊焼を食べました。
まとめ

今回の縦走は荒天の中の岩稜のオンパレードでしたが、その中でも歩き抜けたことは自信に繋がりました。もちろん危険度と自分の実力のバランスを見誤れば取り返しのつかないことになりますが、そういった面を含めて、自分に力がついてきたのかなと手応えを覚えました。
そして、久しぶりにKさんと山に行きましたが、単純に楽しかったです。2人で困難に立ち向かうのも、会話も、全て楽しかった。ソロも良いけど、バディーがいるっていうのも悪くないなと思いました。
写真は、帰宅した翌日、Kさんから送られてきたもの。実はKさん、縦走初日から毎日カレーを食べていて(西穂山荘、穂高岳山荘、槍ヶ岳山荘、SA)、帰りの車内で「もうカレーは暫くいいかな」なんて言っていたのに、帰ったら奥様が出掛けていて自分で昼食を準備するのが面倒だったらしく、これを食べたそうです。何だかんだ、私もこの期間に2回食べました。それでもかなりの頻度かと思いますが、その上を行くKさん、流石です。
※Kさんの「K」をカレーの「K」と思ったあなた。間違っています。「K」は名前のイニシャルですからね。まず、カレーは「CURRY」だから「C」ですからね。(本当にくだらないことをすみません。)
ではではまた山に行ったら更新します。
【追憶】褪せない記憶(竜門山)

※20220710竜門山
今回は、山を教えてくれ、3年前に亡くなった先輩の追悼登山と言うことで、朝日連峰主稜線のちょうどほぼ真ん中に位置する「竜門山」に行ってきました。
メンバーは先輩と仲が良かった4人+私です。行程としては「古寺鉱泉→古寺山→小朝日岳→大朝日岳(泊)→中岳→西朝日岳→竜門岳→ユーフン山→清太岩山→日暮沢」ですが、私は予定が合わず、2日目のみの参加。
ということで、1人で日暮沢から竜門山まで登り、皆さんと合流し、ピストンで来た道を戻ります。
先輩との懐かしい思い出に浸りながら、夏の急登を楽しみます。
ではでは早速行ってみましょう。
<行程>
日暮沢→清太岩山→ユーフン山→竜門山※帰りはピストン
過去の朝日連峰の記事はこちらからどうぞ。
ナメクジ食らえ!(日暮沢登山口→清太岩山)

自分としてはだいぶ早くに駐車場に到着したつもりでしたが、日曜日ということで、前日から山に入っている人も多く、駐車場の空きは2~3台程度。ギリギリセーフでした。
4:30 準備を整え、日暮沢小屋を出発。
空は明るいですが、木々に遮られ、辺りはまだ薄暗いです。

日暮沢コースは朝日連峰屈指の急登と言われており、長い登りが延々と続きます。暑くならないうちに少しでも標高を稼いでおきたいところです。
写真はハリーポッターに出てきそうな巨大ナメクジ。ナメクジ食らえ!

滴る汗が目に入ることにイライラしながらも歩みを止めず、暫く黙々と登っていると、周囲の木々が少しずつ低くなってきました。振り返ると、朝日連峰の山深さを感じられます。

ここまで来ると、景色が一気に開け、気分も晴れます。
主稜線がだいぶ近づいてきています。今頃、あの辺を皆さんは歩いているのかな。
熊糞(清太岩山→ユーフン山→竜門山)

6:20 清太岩山(1,465m)に到着。
この看板(標識?)は以前はなかったような気がします。

1カ月ぶりの登山の割に、今のところはそこまで疲労を感じていないので水分補給を済ませたら先に進みます。

次は目の前のユーフン山(写真右)に向かいます。CTは40分ほどです。


ユーフン山の肩の向こうに見えるのは主峰大朝日岳。相変わらずどっしりとしていてかっこいいです。

そして、ユーフン山の右奥には、目的地の竜門山も見え始めました。
景色が開けて写真撮影に精が出ますが、それではいつまで経っても進まないのでほどほどにしなければ。

6:55 ということで、せっせと歩いてユーフン山に到着。主稜線が近づいてくるに連れ、テンションも上昇していきます。
因みに、ユーフン山は漢字で書くと「熊糞山」だそう。猟師が名づけたらしいですが、ということはそれほど熊が出るということにもなりますよね。ソロで登っていると、数時間に1回、やたら熊が怖く感じる時間帯が訪れます。(たぶんソロあるある)

ユーフン山から竜門山までは登り一辺倒。皆さんと合流する予定の竜門小屋も見えました。
まだ生きている(竜門山※竜門小屋)

7:30 竜門山(1,688m)無事登頂しました。
何回登っても竜門山の三角点が見つけられないのですが、誰か場所を知っている方はいませんか?

ちょっと早く着き過ぎた感があるので、西朝日岳までお迎えに上がろうかとも思いましたが、心地よい風が吹いているので、小屋の前のベンチで昼寝(朝寝)することに。

西朝日岳方面を見に行きましたが、まだ来る気配はありません。

竜門小屋は誰もおらず、絶好の昼寝(朝寝)日和。

風と小鳥の鳴き声しか聞こえない贅沢な時間。最高。

後続の方達の声で起床。うたた寝程度のつもりががっつり2時間寝てしまったようです。
あまりにも動かないので、死体とでも思われたのか、大量の虫にたかられました。まだ生きています。

皆さんはゆっくり歩いてきているようで、まだ来ません。
あまりに時間があるので花を撮るという、個人的には珍しい行動に。

今から西朝日岳に行ってみようかな。

なんてことを思ったあたりで、竜門の山頂から皆さんの顔が見えました。
賑やかな下山(竜門山→日暮沢登山口)

10:15 皆さんと合流。最高の天気の中の縦走、羨ましいです。
一緒に山に行くことはおろか、会うこと自体も久しぶりなので、お互いの近況を報告。

一通り駄弁り終わったので下山します。

どこまで歩いていきたくなるような景色。さっき着いたばかりなのに、もう下山。名残惜しいです。
また来ます。


賑やかになったので、下山なのに登りの1.5倍くらいの時間をかけて下山しました。
お疲れ様でした。
まとめ
2年ぶりの追悼登山。先輩との思い出は褪せることなく、心の中にあります。
本記事を書き始める段階では、今回話した内容や思い出を細かく残そうかと思ったのですが、自分の中にあればそれだけでいいこともあるなと思い至り、記事としてはペラッペラの仕上がりになりました(いつものことではありますが、、、)。
ご了承ください。
ではではまた山に行ったら更新します。
【夫婦】妻と山を歩く意義(旭岳)

※20220628旭岳
今回は初の北海道山行、と言っても山頂まで行かないハイキングです。
何個か前の記事で入籍したと書きましたが、今回は新婚旅行で北海道にやってきました。レンタカーで色々な観光地を回った中で、私の趣味に付き合ってもらい、旭岳を歩いてきました。妻は山には登らないので、ロープウェイを下りて1時間程度の周回コースを歩きました。行程的にはまだまだ歩き足りないところですが、妻と自然の中を歩くのは新鮮で、充実した時間を過ごすことができました。
ではでは早速行ってみましょう。
<行程>
旭岳ビジターセンター→大雪山旭岳ロープウェイ→姿見駅→姿見池周回コースを時計回り
北海道の山は初めてなので過去記事はありません。何もないのも寂しいので前回の記事を貼っておきます。
妻と山を歩く新鮮さ(姿見駅→姿見池)

大雪山旭岳ロープウェイで一気に500mほど標高を稼ぎます。(1人3,000円ちょっとだったような気がする。)

10分くらいで姿見駅に到着。
どんよりとした空模様で奥に見える旭岳の山頂も雲の中ですが、雨が降っていないだけマシだと思って歩き始めます。
肌寒かったので、妻にウィンドシェルを貸しました。

平日の昼間ということもあり人はまばらですが、バードウォッチングを楽しむおじさま方の団体の賑やかな声が聞こえます。

旭岳の山頂までは姿見駅から2時間半ほどだそうです。

噴煙が相当な勢いで噴出しています。ありきたりですが、地球が生きていることを感じますね。

夫婦池を通過。

進行方向左手の当麻岳、比布岳方面。

1周1時間弱のハイキングコースなので、あっという間にコースのメインである噴煙の間近まで行くことができる展望スポットに到着しました。

記念に1枚。

ついでに私も。

姿見の池はまだまだ雪に閉ざされていました。
雪が融け、かつ晴天のタイミングに来たら、水面に山肌が写る絶景が見られそう。

こうして見ると、山頂近いです。
「ちょっと行ってくるわ!」
などと言えてしまうほど振り切った性格ではないので、今回はここまで。

普段、山に行かない妻も、これくらいの行程であれば楽しく歩けたようです。それが何より良かったです。
個人的に、自然の中はいつもより少し自分の気持ちを開示できるような気がするし、恐らくそれは自分以外にも当てはまると信じているので、今後もこういう時間を取れたらいいなーなんてことを思いました。(こう思ったことを妻に伝えていないので、この説は正しいのか微妙…)
正直、歩きながら何を話したかを具体的に記憶しているわけではありませんが、それよりも歩いている時間を共有して、何でもないことを話しながら「歩いている」という行為自体が重要だと思っている派なので、わざわざ新婚旅行にまで山を持ち込んだわけです。妻からはただの「山人間」と思われている節はありますし、実際その面もあるので反論は出来ないのですが…

あっという間に帰ってきました。
お疲れ様でした。

ロープウェイで下の駅に戻って、栄養補給。明らかに摂取カロリーが超過していますが、これは日常ではなく、新婚旅行という非日常の一幕なので許されるでしょう。
まとめ
今回はいつもと違う毛色の記事となりましたし、妻からも「これも記事にするの?」と言われましたが、山のことではあるのでいいでしょう。(山以外の記事も書いてみたい欲も少し出てきている今日この頃です。)
次は山頂まで、ひいては憧れのトムラウシ山まで縦走してみたいので、これから忙しくなりそうですが、体力と意欲を保持し続けられるよう努力します。
ではではまた山に行ったら更新します。
【湿地】東北最高峰は滑落注意(燧ヶ岳)

※20220605燧ヶ岳
毎年行こうと思ってはいたものの、なかなか天気とタイミングが合わずに未登頂だった燧ヶ岳。やっと行ってきました。
燧ヶ岳は東北以北最高峰の山で、尾瀬国立公園内にあり、尾瀬と聞いて多くの人が想像する湿地帯(尾瀬ヶ原)の北東に位置しています。日本百名山に数えられ、柴安嵓、俎嵓、ミノブチ岳、赤ナグレ岳、御池岳の5つのピークがあり、最高峰は柴安嵓。
残雪期の山頂付近は雪が残る急登があり、しばしば滑落する人も出ているそうなので、ちょっと緊張します。
ではでは早速行ってみましょう。
<行程>
御池ロッジ→広沢田代→熊沢田代→俎嵓→柴安嵓→ミノブチ岳→尾瀬沼→沼山峠休憩所
尾瀬は初で、過去の記事はありませんので、前回の記事を貼っておきます。
雲行き(御池ロッジ→広沢田代)

7:45 登山開始。
御池ロッジを出発します。天気がやや怪しいのが気がかり。

登山口には熊情報が貼ってありました。

登山道に入ってすぐ、左(南方向)に曲がります。
ここから4.5km、CTは3.5時間ほど。あっという間に着きそうです。

序盤は木々が生い茂った樹林帯。雪融け水が登山道を削って、V字に深く掘られています。

樹林帯は想像の100倍早く終わり、湿地帯になりました。
湿地から湿地へ(広沢田代→熊沢田代)

8:30 広沢田代に到着。
晴れていれば池塘に青空が反射してとてもきれいだろうなと、心の中で楽しみながらスルー。

次の熊沢田代はこの急登を越えるとすぐに着くようです。

登り終えると思った通り、再び湿地帯が広がっていました。
そして、その奥。あの立派な山が目指す燧ヶ岳です。

木道に沿って視線を移していくと先行集団の姿がありました。
まだかなり離れていますが、それでも楽しそうな笑い声が聞こえてきます。やっぱり山はいいですね。
雪渓、湿地、雪渓、湿地(熊沢田代→俎嵓)

前を行くおじさんたちから「抜かしてくれー!」と叫ばれたので少し早歩き。
9:20 熊沢田代をスルー。おじさんたちの休憩スポットに標柱があったのかもしれません。見つけられませんでした。

こちらは平ヶ岳?の方面のはず。越後の山々も深くて歩き応えがあると聞きます。行ってみたい。

熊沢田代の後はまた雪渓。「雪渓→湿地→雪渓→湿地」と、リズムよく景色が移り変わります。

少し天気が良くなってきたので空を見上げると、彩雲?が出ていました。
なんか縁起がいいですね。綺麗です。

振り返ると、意外とこの雪渓で標高を獲得していることが分かりました。雪が適度に腐っていて登りやすいです。
奥に見えるのは会津駒ヶ岳ですかね。あまりいい思い出はありません…

「8合目」に到着。
いつの間に合目のカウントしていたのかは不明ですが、山頂はもうすぐのようです。

ラストスパートです。
と言っても、不思議とそこまで疲労感はありません。

ヘリコプターが飛んでいます。事故でないことを祈ります。

山の肩越しに沼が見えていきます。あれが「尾瀬沼」ですね。
写真では小さくてよく見えないですが、遠くに日光白根山が見えました。あそこも行ってみたいところの1つです。
滑落注意(俎嵓→柴安嵓)

10:15 俎嵓(2,346m)に登頂しました。
ピークハントではありますが、まだ最高峰の柴安嵓が残っているのでゴール感はまだ感じていません。

これが今から登る柴安嵓。あの雪渓が、何度もSNSで見た急登ですね。
ここから見ていても、登っている人がかなり苦戦している様子が分かりますし、そのうち1名は滑落して下の茂みに突っ込んでいました。(怪我はなかったようです)

人の滑落を見てしまい、緊張感が高まります。

急登に取りつきます。登ってみるとそこまで高度感もなく、すんなり終わってしまいました。ここは下りの方が難儀しそう。
登っていて気付いたのですが、自分が登っているところは自分では見れないのですね。当たり前か。
次なる目標を目視(柴安嵓→尾瀬沼→沼山峠休憩所)

11:00 燧ヶ岳(柴安嵓)(2,356m)無事登頂しました。
何年か越しの東北最高峰、やっとたどり着けました。

山頂からは、眼下に尾瀬ヶ原が広がっています。
そして、その奥に燧ヶ岳と共に尾瀬のツートップを張っている至仏山が聳え立っています。

尾瀬ヶ原も行ってみたいなー。どこまでも続く木道をひたすら歩きまわる1日を過ごしてみたいです。

山頂は心地よい風が吹いていて、いつまでも座っていたいところですが、帰りの時間もあるのでそろそろ下ります。

登りはそこまでの歯ごたえがなかった急登でしたが、下りの方がやはり恐怖感がありました。
下山はピストンではなく、尾瀬沼の方に下っていきます。
道は二手に分かれていて、直接尾瀬沼に直で向かうルートと、長英新道というルートがあり、今回は後者を選択。

標高としては700mほど下りるのですが、やはり登頂という目標を失った体は急激に重くなり、少し怠くなってきます。自然が癒してくれるので何とか歩き続けることができます。

標高を下げ終わり、ここからは木道をなぞります。

整備された道。

スタートした時の天気の心配は無用だったようです。


のどかな世界です。いつも過ごしている街中(といっても田舎ですが)と同じ国だとは思えません。

木道には観光に来ている家族や、ハイキングを楽しむ老夫婦など、登山よりもライトな格好の人たちがいたので、ゴールが近いことを感じました。

15:00 沼山峠休憩所に下山完了。
写真に写っている階段の手前の木道で足を滑らせて軽く捻挫しました…


沼山峠から御池ロッジまではバスで戻ります。
お疲れ様でした。
まとめ
今回は念願の東北最高峰に登ることができました。
次に尾瀬に来る時は、至仏山と尾瀬ヶ原を歩いてみたいと思います。
ではではまた山に行ったら更新します。
【富士】見えないNo.1(赤城山※黒檜山)

※20220508赤城山(黒檜山)
前日、無事に「チャレンジザトリプル」を終えた私は、折角遠くに来たので帰りにもうひと山登ろうかと、お隣群馬県にやって参りました。
群馬の山は谷川岳と上州武尊山しか登ったことがないので、他の山をGoogle先生に伺ったところ、出てきたのが「赤城山」。見てみると結構お手軽に登頂できるようで、午後から予定がある今日の私にぴったりです。(群馬には他に榛名山や妙義山があり、その山は赤城山と合わせて上毛三山と呼ばれているようです。)
因みに「赤城山」という山は存在せず、黒檜山や駒ヶ岳、地蔵山などの山の総称のようです。(「蔵王」「八ヶ岳」と同じですね。)
今回は最高峰の黒檜山に登り、日本百名山カウンターを1つ回したいと思います。
ではでは早速行ってみましょう。
<行程>
黒檜山登山者駐車場→黒檜山登山口→猫岩→山頂(下山はピストン)
過去の群馬県の山の記事はこちらからどうぞ。
気化熱(黒檜山登山者駐車場→黒檜山登山口→猫岩)

5:30 登山開始。
登山口近くのだだっ広い駐車場はガラガラ。人気の山かと思っていましたが、そうでもないのかな。でも、これだけ広い駐車場があるということは、これだけのスペースが必要という読みもできます。

駐車場から登山口までは車道を歩きます。左手には「大沼」という沼が見えます。この沼は冬は凍結するようで、氷上に人がごった返している写真を見たことがある気がする。

この看板で自分が今まで前橋市にいたことを知る。

5:35 登山口に到着。
道は明瞭で、初めてでも迷うことはなさそう。少し安心。

笹が茂っています。
風がやや強いので、手を濡らした朝露が急速に気化し、寒い。

斜度はきつくもなく、緩くもなく、朝一番の体に丁度いい負荷です。

少し登ると、見晴らしのいいスポットがありました。

木々の隙間から、薄っすら自分の車が見えます。駐車場はまだガラガラ。

2合目。1合目はどこだったのでしょうか。気付きませんでした。

2合目はこんな岩場になっています。

2合目とほぼ同一に「猫岩」というチェックポイントがありました。ただ、それらしき岩はなく、、、
見えないNo.1と「合目」という概念(猫岩→山頂)

猫岩からほとんど標高を上げないまま、3合目に到着。
ここには富士山のビューポイントがありました。「ここからでも富士山が見えるのか!」とその方向を見てみると、、、

どーーーん!
と、圧倒的存在感で構える富士山はなく、その姿すら全く確認できません。山頂にアンテナがある山の脇にいるらしいのですが、、、
富士山と言えば、距離が遠くて小さく見えている時でさえも、一目でそれと分かる存在感を放っているものですが、ここではそれを感じません。たぶん気象条件とかが理由なんだろうけど、「本当に見える場所なのか」と一瞬思ってしまいました。

富士山を諦めて歩を進めます。4合目。

いつの間にか分かりやすい尾根に乗っていたようです。

5合目。だんだん間隔が短くなっているような気がする。

あそこがこの尾根の終着点です。
あれ、事前に見た地図ではこの尾根を登り終えたら、あとはすぐに山頂だったような気がするな。まだ5合目のはずだが、、、

尾根の終点が6合目でした。
標識がまた富士山が見えることをアピールしています、見えませんがね。
自分に中に富士山を欲する気持ちがまだあることを感じながら、標識に従って歩いていくと、、、
瞬く間に登頂(山頂)

6:30 赤城山(黒檜山)(1,828m)無事登頂しました。
1時間ほどで登頂、思った以上にお手軽でした。というか、まだ6合目だと記憶しているのですが、あれは山頂までの家運手ではなかったということでしょうか。

小さい看板もありました。

周りには名だたる名峰が見えるようですが、木々に視界を遮られます。
山頂の標柱には、もう少し先に「絶景スポット」があると書いてあったので行ってみましょう。

山頂から時間にして2~3分ほど歩きます。

おー、今日一番のパノラマビューです。

これは上州武尊山でしょうか?見えない富士山よりも存在感があります。(当たり前)

絶景スポットは休憩に丁度いいくらいの広さです。団体客もここならゆっくりできそうですね。
そう言えば、今日、山中で誰にも会っていませんが、ここで有力な説を思いつきました。これだけ登りやすく、短時間で登頂できる山ですから、「こんな早くに登り始める必要がない説」です。駐車場がガラガラな理由も、人に全く遭遇しないのも、たぶんこれでしょう。

群馬も山形と似て、街が山に近いですね。

と、ここで何でもない気に巻きつけられた7合目を発見。(8,9,10は結局どこでも見つけられませんでした。知っている人がいらっしゃったら教えてください。)

絶景ポイントは確かに良かったですが、気温も低く長居する気にはならなかったので、そろそろ下山します。
やはり見えないNo.1(下山)

山頂に戻ってきたら、私の隣に車を停めていた方が上がってきました。ずっと1人で黙っている時間が長かったため、カスカスの聞くに堪えない音を発してしまい、変な顔をされました。
恥ずかしくなったので、早足で下山を始めます。

登りでもあっという間だったので、下りは本当にすぐです。

うん、やっぱり富士山は見えない。

7:40 下山完了。
下山後に写真を撮るのを忘れましたが、駐車場には結構な台数の車が止まっていましたので、私の説は正しかったようです。
まとめ

帰宅後、コンビニで買ったビールでお疲れ様。
久々の山は、緩めの山ではあったものの、2日で4座と、盛りだくさんの内容でした。これからも時間を見つけて山を楽しみたいと思います。
ではではまた山に行ったら更新します。
【王冠】喉が渇く(美ヶ原)

※20220507美ヶ原
霧ヶ峰で天然の冷房空間を堪能した後、車を走らせて本日ラストの目的地である美ヶ原にやってきました。
美ヶ原は、長野県中央に位置し、最高峰の「王ヶ頭」を筆頭に「王ヶ鼻」や「茶臼山」「牛伏山」などのピークが集まった台地です。(ネットから拾った情報)
日本百名山に選出されていて、その標高差の小ささから、しばしば初心者向けのハイキングコースとして様々なメディアで紹介されています。
私の先入観としては「牧場」。牛がのっそり歩いている脇を散歩できる場所というイメージを勝手に抱いています。また、SNSを見ていると、山頂付近に大きなアンテナとその付近に立派なホテルがあるみたい。
今回は道の駅美ヶ原高原に駐車したので、ここから山頂である「王ヶ頭」を目指して歩いてみたいと思います。時間的な制約はないのですが、朝よりも雲行きが怪しくなってきたのが心配。
ではでは早速行ってみましょう。
<行程>
道の駅美ヶ原→牛伏山→美しの塔→王ヶ頭→王ヶ鼻(帰りはピストン)
今回のチャレンジザトリプルの記事はこちらからどうぞ。
ピノみたい(道の駅美ヶ原高原→牛伏山)

12:55 登山開始。
登山と言っても標高差は100mもない模様。多少のアップダウンはあると思いますが、これなら疲れることなく歩けそうです。

最高峰の王ヶ頭まで1時間10分。一番遠い王ヶ鼻は1時間半ほどとのこと。王ヶ鼻に行くかは、天気とモチベーションと相談して決めたいと思います。

道の駅を発つと、木道が伸びています。

振り返ると、遠くに朝一番に登った蓼科山が見えています。小学生的な感想で申し訳ないですが、「ピノみたいだな」と思いました。

木道を登りきると奥にケルンのようなものが見えます。歩き始めて間もないですが、おそらくあそこが最初のピークのようです。
そのさらに遠くに見える建物が立っているピークが最高峰の王ヶ頭かな?
オブザイヤー(牛伏山→美しの塔)

13:05 牛伏山(1,990m)に登頂。
見渡す限り絶景。遠くに見えるアルプスの峰々。足に全く負担がない行程。ここは天国です、間違いない。

今日は蓼科山→霧ヶ峰→美ヶ原と移動してきましたが、少しずつ北アルプスが近づいてきて、山肌が良く見えるようになってきました。

登山道ではないですが、気持ちよさそうな広い芝生が続いています。寝転んでしまいたい。

目指す山頂は、直線距離はそうでもないですが、ぐるっと迂回して歩くようなので、思ったより時間はかかりそう。

もう少しゆっくり景色を眺めていたいところですが、少しずつ雲が増えてきたのでそろそろ先に進みましょうか。

牛伏山からは一度軽く下ります。

この先の景色を見てみると、私が思い描いていたような牧場感あふれる景色へと変わりそうです。

ほら、言ったそばから牛出てきたし。というか、これ見て思ったけど、もはや山の名前に「牛」って入ってるね。

「本わさびメンチ」に心惹かれつつ、歩みを進めます。

あー、思っていた景色オブザイヤーです。あとは右側に牛がいれば脳内映像完全再現なのですが、そこまでは上手くいかず。

登山道とは言い難いほどのどかでなだらかな道なので、当然観光客がマジョリティです。

今日は牛は放たれていないようです。見たかった気持ちはあるものの、生き物が苦手な私は少しほっとしている。

ゴール地点は、アンテナやらホテルやらの人工物が集合していて、なんだか軍用施設のようにも見えます。

だらだら歩いていると既視感のある物体が現れました。
バドワイザー(美しの塔→王ヶ頭)

13:25 美しの塔に到着。
ここは何度もSNSで見たことがあります。

塔は思ったより大きく、高さは約6mあるとのこと。元々は濃霧による遭難が多発したことがきっかけで整備された、霧鐘を備えた避難塔らしいです。

塔を過ぎると、あとは王ヶ頭ホテルまでもう一息です。

道は王ヶ頭に向かう道以外にもいくつか延びています。思ったよりもだいぶ広いので、一度に歩きとおすのはかなり大変かも、、、。

気持ちよい風が吹いていそうな写真が撮れましたが、実際は無風。そよ風を欲する。

この道はホテルへの連絡バスも使用するため、途中、何度かバス通過のために柵ギリギリに寄らなければならないタイミングがありました。それ自体は全く構わないのですが、通過時に撒き上げる砂埃が鬱陶しい。

バスへの不満を心の中で消化しながら歩き、到着。カップルがこの看板で写真撮影会を開催していたため、この写真を撮るために5分待った。「砂埃よ、今こそこの看板を中心に発生するのだ」などということを、私は心が広いので思わない。

大きなアンテナ。これが山頂にあるのは強烈な違和感。しかし、それがまた面白くも感じる。

こちらは王ヶ頭ホテル。今回は宿泊しないので、コロナ禍ということもあり、中を覗くのは自粛しました。
それにしてもこのホテルのマーク、どこかで見たことがあるような、、、。
あ、あれだ、バドワイザーだ。私がこよなく愛するビール。その中でも一番好きなバドワイザーの王冠に似ている。そう思ったら一気に喉が渇いてきました。

山頂はホテルの裏にあるようです。

ホテル正面から100mくらい歩くと、それらしき場所が見えてきました。
謙虚な三角点(王ヶ頭→王ヶ鼻)

14:00 美ヶ原・王ヶ頭(2,034m)無事登頂しました。
登った感覚はあまりありませんが、想像より距離はあったという印象。

三角点がないなと探していたら、思ったよりも石碑から外れたところに、申し訳なさそうにありました。見落とすところだった。

まだ天気は崩れるまでは時間がありそうなので、景色がいいと噂の王ヶ鼻まで行ってみることに。

こちらから見る王ヶ頭も人工物の存在感が強いですね。
王ヶ頭から王ヶ鼻まではCT20分ほど。
vs雨雲(王ヶ鼻→下山)

14:20 王ヶ鼻(2,008m)に到着。


噂で聞いていましたが、王ヶ頭よりも景色がいいというのは本当のようです。

西側は完全に開けていて、街まで綺麗に見渡すことができます。

八ヶ岳もご覧のとおり、くっきり見ることができます。

今日は朝からずっと山にいるのに、ゆっくり腰を下ろして休憩した時間はほとんどなかったことに気付いたので、ここで少し長めに休憩しました。
生の充足を得られる世界 pic.twitter.com/tWlMngk195
— dic (@dic2_1003) 2022年5月7日

もう少し景色を楽しみたいところですが、黒い雲がどんどん広がってきたので、急いで帰ります。

王ヶ頭に戻る道。この景色を見ると、美ヶ原が平地ではなく台地であることがよく分かりますね。

太陽が遮られ、来た時よりもだいぶ暗くなった道を戻ります。

遠くの岩場に人影を発見。もう少しズームで切り抜きたいところです。

数十分前までいたあたりの真上には雲が到達してしまっています。もう降っているのかな。

あっという間に飲み込まれました。我ながらいいタイミングで出発しましたね。
あとは来た道をただただ雨雲と競争しながら帰るのみです。

何とか雨雲に競り勝ち、道の駅まで戻ってきましたが、最後の早歩きの影響で、一気に疲労感が高まりました。
お疲れ様でした。
まとめ
これにてチャレンジザトリプルは終了です。無事に目標を達成できました。
正直、霧ヶ峰と美ヶ原は一般的に言われる「登山」とは言えないかもしれませんが、深田久弥さんが日本百名山と言っているので、山は山です。ましてやブランク明けの私にとっては、ちょうどいいリハビリになりました。
負荷から言うとそうでもないですが、景色はさすが日本百名山です。逆に言えば、このお手軽さで絶景が楽しめるのですから、登山客だけでなく観光客が大勢いるのも頷けます。
再訪するかどうかは分かりませんが、久しぶりの山、存分に満喫できました。
ではではまた山に行ったら更新します。
【三菱】エアコン生誕の地(霧ヶ峰)

※20220507霧ヶ峰(車山)
蓼科山から下山してから1時間。車で移動し、今度は霧ヶ峰の車山に登ります。
霧ヶ峰と言っても、○菱エアコンではありません。日本百名山に数えられている長野県中部の茅野市、諏訪市、下諏訪町に跨る火山です。
今回は最高峰の車山に登ります。山頂には気象レーダー観測所があります。名前からも推測できますが(知らなかったけど)、霧が多いことでも知られており、1963年(昭和38年)には年間293日霧を観測したそうです(wiki参照)。
コースタイムはかなり短いようなので、家族旅行で来ている方も多く見られます。私もお散歩気分で登ってみたいと思います。
ではでは早速行ってみましょう。
<行程>
車山肩駐車場からピストン
初めて訪れたので過去の記事がありませんので、霧ヶ峰から近く、さっき下りてきた蓼科山を含む八ヶ岳関連の記事を貼っておきます。
見えるゴール(車山肩駐車場→山頂)

蓼科山から車を走らせること20~30分。霧ヶ峰高原の車山肩駐車場にやってきました。
この写真に辛うじて写っていますが、奥の山(丘)の上にポツンと建物らしきものがあるかと思いますが、あれが多分気象レーダーです。ということは、あそこが山頂。近い!

10:25 登山開始。
服装や靴など、登山の装備で歩き始める私の前方、4人家族がジーパンとスニーカーで楽しそうに歩いています。確かにこの山はそれくらいでちょうどいいのかもしれません。(追い抜いた時、4人からの「こんな本格的な格好でこの山に⁉」という視線をビンビンに感じました、、、。)

駐車場から山頂へは直登するわけではなく、大きく迂回して、ただでさえ小さな標高差を、限りなく緩やかに登っていきます。

登山道はよく整備されていて、非常に歩きやすいです。

蓼科山から見た時よりも、大キレットが近づきました。(カメラのセンサーが汚い。)

私が住む山形も当てはまりますが、個人的に、私は山と街の距離が近い景色が好きです。物理的な距離が近く、単純に山に行きやすいという利点はもちろんですが、それだけではなく、ふとした時に山がある景色が、なんとなく気持ちを落ち着かせている、メンタル安定剤のような役割を果たしてくれているような気がしています。

この道は見晴らしが悪い場所が一切なく、どこを見ても絶景が楽しめます。先程までいた蓼科山も見えていますね。(写真奥の八ヶ岳の左端)

歩き始めて30分も経っていませんが、ゴールが見えてきました。
山岳信仰/エアコン(山頂→車山肩駐車場)

10:50 車山(1,925m)無事登頂しました。
所要時間25分。標高差100m強。
登り応えを求めて登ると物足りないことこの上なしですが、山を「登る」ことではなく、山を「感じる」ことに重きを置いて歩けばきっと誰もが楽しめる場所だと思います。草や風に集中して歩くことができ、あっという間に山頂に着きました。(いや、本当に時間が短いだけでは説が濃厚か)

因みに山頂は登山者と観光客で賑わっています。比率は3:7くらい。

そして、スタートから見えていた気象レーダーがこちら。思ったより大きいです。

忘れずに三角点にタッチしました。

さっきまでいた蓼科山からなぞるように八ヶ岳を眺めていくと、その延長線上に日本一有名な山が現れました。何度見ても、何故かこの山には毎回惹きつけられてしまいますが、これは日本人のDNA的なものなんでしょうか。(この話、前も書いたような気がする。)

この盤(正式名称が分からない)を見ると、どれだけ多くの山を望むことができる場所か分かります。贅沢な展望台です。

この山頂にも神社がありました。山は信仰と深く結びついているようですが、今の私には勉強不足で、その背景は知りません。
今はまだ(「まだ」という表現が適切かという視点もあるが)、山に対して、それが全てではないということを理解しておきながらも、山頂に登ることが一番という気持ちがあるため、もう少し時間が経って、「山」というものを多角的に見ていきたいと思う時期が来たら深掘ってみたいと思います。


近付いて見てみると、思っていたよりも錆などが目立つ気象レーダー。
「意外と年季が入っているな」と思いましたが、私よりも年下。自分のことを「古い」と言ってしまった気がして少し落ち込みました。

今日は3座登るので、蓼科山~霧ヶ峰をやや急ぎ足で登りましたが、意外と時間的余裕が生まれていることに気付いたので、疲れてもいないのに山頂で30分ほど休憩しました。
常にやや冷たい風が吹いていて心地よく、「さすがは○菱エアコン」と言ったところでしょうか。
涼しい。流石は三菱エアコン。 pic.twitter.com/9qYWhxZDtg
— dic (@dai2222222) 2022年5月7日

登りでもあっという間だったため、下りは瞬く間に終わりました。
お疲れ様でした。
まとめ

霧ヶ峰は、いわゆる一般的な解釈の「登山」とは異なる平坦な場所でしたが、体力的にベストな状態であれば、ここに登るためだけに山形からわざわざ何時間もかけてくることはなかったと思うので、このブランクがあるタイミングだからこそ登れた山だったと感じます。
次は今回(「チャレンジザトリプル」という自分で名付けた企画名はもはや忘れていた)のラストである美ヶ原です。
安全運転で移動します。
あと、この写真のグミおすすめです。グミ史上最も食べ応えがあります。運転中、ガムと交互に食べていたら顎が筋肉痛になりましたが、後悔していないくらい美味しいです。ご賞味ください。
昨日から運転中これとガムを交互に食べてたら顎関節に違和感が。でもやめられない美味さ😇 pic.twitter.com/Uu1RUGA801
— dic (@dai2222222) 2022年5月7日
ではではまた山に行ったら更新します。
【広頂】景色の急変にご注意ください(蓼科山)

※20220507蓼科山
前回の山行から数ヶ月経ってしまいました。
その間、プライベートで大きなイベントがありまして、というか、そのイベントの準備等々で山に行く時間がありませんでした。(これまでの記事でも似たような表現をしていますが、あえて匂わした表現をするのが気持ち悪いので言いますが、「挙式」です。前年に入籍しました。)そして、GW中盤に無事、挙式を終えることができ、久しぶりの山に向かうに至ったわけです。
GWからのGW pic.twitter.com/I2kQxGAChF
— daichi (@dai2222222) 2022年5月6日
時間は3日間(移動時間込み)。向かうは長野県。さて、どこに登ろうか。
本当は雪が残る高山に登りたいところですが、それにはちょっとブランクがあり、体力的にも技術的にも不安があるので今回はパス。ということで、今回はこんなブランクを抱えた平凡登山者でも楽しめる山を探し、「蓼科山→霧ヶ峰→美ヶ原 チャレンジザトリプル」を行うことにしました。(ネーミングセンスが酷い)
ネット上で調べると1日で3座登っている人(主に百名山ハンター)も結構いるようなので、そんなに大変でもないみたいです。
久々の山なのでゆっくり楽しみたい気持ちもありますが、今のコンディションじゃなければ、霧ヶ峰や美ヶ原には行かないような気がするので、今回は忙しない行程を組みました。
ではでは早速行ってみましょう。
<行程>
女乃神茶屋登山口からピストン
過去の八ヶ岳の記事はこちらからどうぞ。
- 動物の気配(スズラン峠→女乃神茶屋登山口)
- 寒い朝(女乃神茶屋登山口→2,113m地点)
- 柔らかい光(2,113m地点→幸徳平)
- 背中ではないどこかを押されて(幸徳平→蓼科山頂ヒュッテ)
- らしくない山頂(蓼科山頂ヒュッテ→山頂)
- まとめ
動物の気配(スズラン峠→女乃神茶屋登山口)

前日、1人車を走らせ、長野県までやってきました。長距離運転は特に苦に感じないタイプです。
久しぶりの登山に向けて、登山口近くの駐車スペースで車中泊です。
山登りの朝は早い。
— daichi (@dai2222222) 2022年5月6日

夜中、何度か野生動物の声が聞こえたような気もしましたが、しっかり眠れました。

天気はまずまず。まだ太陽が昇り切っていないので、写真で見ると分かりづらいですが、晴れていて、遠くに中央アルプスなのか南アルプスなのか、大きな山塊が見えています。

たぶん南アルプス。(分かる方は教えてください。)

これから登る蓼科山は八ヶ岳の北端。写真は車中泊した場所から撮った南八ヶ岳の山々です。
八ヶ岳はよく南北に分けられることがありますが、南八ヶ岳はゴツゴツとした岩場が多いイメージ。実際、登ったことがある赤岳→横岳→硫黄岳は岩場が多かったです。
一方、北八ヶ岳は森が深く(南も深いと思いますが)、同じ八ヶ岳でも南とは雰囲気が違う印象。初めてなので楽しみです。

車を駐車場に停めて準備します。
トイレもあるので最初はここで車中泊しようと思ったのですが、森が近くて鹿が出る気がしたのでやめました。(姿は見ませんでしたが、結局あっちでも気配はビンビンに感じました。)

バス停が登山口になっていて、そこからアスファルトを下ります。
正面に見える赤岳がかっこいい。前に登った時は荒天で景色は全くと言っていいほど楽しめなかったので、今日くらい天気がいい日に再訪したいです。
寒い朝(女乃神茶屋登山口→2,113m地点)

5:15 登山開始。
今日は3座登る予定なのであまりゆっくりもできないですが、久しぶりの山です。存分に感じたいと思います。

最初はこんな感じ。林の向こうに太陽の気配がします。

駐車場に車はあったものの人影はなく、静かで冷たい空気が流れています。

序盤は平坦で道もしっかりしていて、ノンストレスで歩けます。ただ、体温が上がらなくてちょっと寒いです。

少し歩くと標柱がありました。

標柱を過ぎるとすぐに登りが始まりました。

ここで柔らかい光が差し込んできました。
5月ですが山はまだまだ寒く、日の光がとてもありがたいです。

オレンジの光が冷たい空気を徐々に暖めます。
登りと太陽光で体温も上がってきました。

最初の登りをこなすと一旦平らになりましたが、息を整える間もなく次の登りが始まりました。
マップを見るとこの登りは暫く続くみたい。体力ゲージがゼロになる前に平坦な場所に辿り着かねば。

急登で疲れたのでゆっくり休みたいところですが、この後に2座回らなければならないので頑張って歩きます。振り返ると朝よりもはっきりと見える南アルプス(たぶん)が綺麗です。

久々の登山だからなのか、ペースを意識的に早くしているからなのか、歩き出してまだ1時間も経過していないのに喉の奥がヒリヒリしてきたところで標柱が出てきました。
柔らかい光(2,113m地点→幸徳平)

6:00 2,113m地点。
中途半端な標高ですが、何故かチェックポイントになっているようなので、5分ほど休憩します。

休憩して息が整ったので、周りの景色を楽しみながらも急ぎ気味で進みます。

と言いつつ、差し込む光に目を奪われて足が止まります。

まだ雪も残っています。
景色ばかり見て歩いていると危ないです。実際、滑った跡もありました。
背中ではないどこかを押されて(幸徳平→蓼科山頂ヒュッテ)

6:15 幸徳平に到着。
2,113m地点から標高はほぼ変わらない道を歩いたところで次のチェックポイントが出現。休憩から15分くらいしか経っていないのでここはスルーします。

そのとおり。
ただし、これを中学生から呼びかけられていることはやや情けない気もする。

ここから山頂まで休憩ポイントはなく、長い登りです。
おそらく今日の行程で(この後の2座も含めて)最も体力的に厳しい局面ですが、名峰たちが背中を押してくれます。

こっち(南八ヶ岳)も応援してくれています。(右からなので「背中は押してもらっている」という表現は使えない)

さあ、もうひと頑張り。単調な登りを詰めていきます。


下界よりだいぶ木々の背が低くなって、中央アルプス?と御嶽山?が綺麗。

と思ったら、辺りから急に木々が一切なくなり、目の前にゴロゴロとした岩場が広がりました。

事前の調べで「この山は山頂付近だけ急に岩場になる」との情報があったことを思い出しました。にしても、この変わりようは想像以上。驚きました。

この足元の変わりようは、我がふるさと山形が誇る百名山の鳥海山に似た要素を感じます。(鳥海山も海から山への景色の移り変わりを楽しみながら登れるいい山なのでお勧めです。)

稜線が一度大きく切れ落ちている場所がありますが、あれが有名な「大キレット」ですね。国内でも最難関と評されることが多い場所。今年、行けたらいいなと思っています。

景色が変わり、程なくして建物が見えてきました。
らしくない山頂(蓼科山頂ヒュッテ→山頂)

7:10 蓼科山頂ヒュッテに到着。

小屋番さんが小屋の周りに残っている雪を崩す作業をしていました。


7:20 蓼科山(2,530m)無事登頂しました。
小屋からすぐに到着する山頂ですが、南に延びる稜線を眺めようとしてルートをロストしてしまい、少し時間がかかりました。(雪でルートがよく分からなかったという言い訳)

山頂は台地になっていて、だだっ広いです。山頂と聞くと、もっと尖っていて、多くても数人しか同時に滞在できない場所を想像しますが、これは数百人レベルです。

いつかは南八ヶ岳とここを繋げる全山縦走してみたいな。
北上と南下、どっちがおすすめか、経験したことがある方は教えてください。

最後まで断言できないのが情けないですが、南アルプス(多分)は最初から最後まで眺めながら登ることができました。
まだ、一度も入ったことがない山域、東北の山に似た山深さと聞きます。行って確かめなければ。

こちらはもう少し雪が融けたら登ろうと計画している大キレット。見れば見るほど、あの登り返しを耐えられる自信が無くなってきます。
北ア、中ア、南ア、八ヶ岳、全部見える。
— daichi (@dai2222222) 2022年5月6日
大キレットの北穂側がほぼ垂直。頑張りたい。 pic.twitter.com/zkLtLhb3VR

山頂の真ん中に神社があったので、今年の登山の安全を祈願して下山します。
次は車で移動して2座目の霧ヶ峰へ。
まとめ
2回目の八ヶ岳。初回の赤岳~横岳~硫黄岳と、今回の蓼科山は、同じ山域とは思えないほど雰囲気が異なり、八ヶ岳の多面性を感じました。
山頂から見た南八ヶ岳の山がかっこよく、いつかその間の道のりを繋いで歩いてみたいと思います。
ではではまた山に行ったら更新します。
【品格】登山者の質(雁戸山)

※20220212雁戸山
前回の磐梯山から少し間が空いてしまい、やや鈍った体に、優しめの鞭を入れようかと思い、家から近い雁戸山に行ってきました。
相変わらず冬期しか登ったことがなく、今後もそのつもりの雁戸山ですが、1年中人気の山で、景色も良く、それなりに高度感もあるので、序盤の樹林帯は退屈ですが毎年来ています。
ではでは早速行ってみましょう。
<行程>
関沢IC付近の駐車場→笹谷峠駐車場→カケスヶ峰→蟻の戸渡り→雁戸山山頂→ピストンで下山
過去の雁戸山の記事はこちらからどうぞ。
- 退屈、慎重、激突(関沢IC付近駐車場→笹谷峠駐車場)
- こっち見るな(笹谷峠駐車場→カケスヶ峰)
- 迫る難所(カケスヶ峰→蟻の門渡り)
- 信用できないロープ(蟻の門渡り→山頂)
- 登山者の質(山頂→下山)
- まとめ
退屈、慎重、激突(関沢IC付近駐車場→笹谷峠駐車場)

7:45 関沢IC付近駐車場を出発。駐車場は私が準備している間に埋まり、その後に来た人は路駐していました。
毎回思うのだけれども、ここから笹谷峠駐車場までの区間は非常に退屈。

余程の積雪量でなければ、峠の頂上(=笹谷峠駐車場)まで60分はかからないと思います。

良い天気、冬の青ですね。
この区間は九十九折の車道をショートカットするように走っている登山道を歩きます。

沢沿いを歩く部分もあるので、ブリッジになっている場所を踏み抜かないように慎重に進みます。こんなところで沢に落ちたら凍えてしまいます。
と、足元ばかり見ていたら倒木に激突しました。人間の視野の狭さは神様の作りこみの甘さが出ています。

冬の山は夏よりも輝いて見えます。苦労も多いからそう感じるだけ説もあり。

今日は先行者がいるので、サクサク登ってもう峠の頂上です。
こっち見るな(笹谷峠駐車場→カケスヶ峰)

8:20 笹谷峠駐車場に到着。
送電線に付着した雪が融けたり風で落ちたりして、鉄塔を鳴らしています。

市街地も見えていて、絶好の登山日和。西に雲がないので暫くはこの天気が続いてくれるはずです。

山形工業高校の山小屋の方にも足跡が付いています。

思い返すと、初めて雁戸山に登った日に恐る恐るこの小屋を覗いてみたら、中におじいさんが立っていたということがありました。そう考えると、結構需要があるんですね。その時は、おじいさんが熊に見えて心臓が止まったかと思いました。

熊が怖いので小屋は覗かずに進みます。
背後には年末に登った山形神室と最後の急登が印象的な仙台神室が見えています。

ここからもだらだらと標高を上げる時間が続きます。

途中、誰かから見られていると思ったら、、、

こいつでした。見れば見るほど気味が悪くなってきたので早々に通過。

樹林帯で退屈ではありますが、徐々に木々の背が低くなってきて、見晴らしが良好になってきたのでだいぶ気分がいいです。

双子のスノーモンスターも快晴を喜んでいました。
迫る難所(カケスヶ峰→蟻の門渡り)

9:30 カケスヶ峰に到着。
ここまで来るとだらだらとした登りは終わります。正面には目指す山頂が見えます。
多くの人から踏まれて雪が締まり、だいぶ滑りやすくなってきたので、ここでアイゼンを装着して進みます。

山頂を見てみると、2人が最後の登りに取りついています。
あの人達のおかげで私は今日、楽ちん山行をさせてもらっています。ありがとうございます。

と思ったら、先行者はあの2人だけではないようです。確かにあの車の数から推理すると10人はいるかもしれません。

山頂の1つ手前に見えている小ピーク付近が蟻の門渡りと呼ばれる区間のはず。

結構急峻な山容です。楽しそう。

登っている様子を観察していると、あの登りは雪が緩いようで、なかなか前(上)に進めず苦戦していました。自分で足場を作りながら登ることになりそうです。
信用できないロープ(蟻の門渡り→山頂)

さあ、そろそろ蟻の門渡りです。
前の人から譲られましたが、雪を落としてしまったら申し訳ないので先に行ってもらいました。

いざ取りついてみると、思ったよりも足場はしっかりしていて、アイゼンもしっかり効きます。あれ、先行者は足場ではない別の要因で先に進んでいなかったのか。
ただ、傾斜はなかなかのものなので、油断すると大きな事故に繋がりそうなので、身長に進みます。
途中、虎ロープが張ってありましたが、劣化していて信用できなかったので使いませんでした。

無事に蟻の門渡りをクリアし、後は正面の山頂に登るだけ。前回来た時は、この区間で30回くらい踏み抜いた記憶があるので、足の置き場をよく考えながら歩きます。

登頂寸前、東に蔵王ダムが見えました。
登山者の質(山頂→下山)

10:30 雁戸山(1,484.6m)無事登頂しました。
山頂では、数人の先客が行動食を食べながら休憩中。

私も他の人に倣うように休憩していましたが、後続が団体で登ってきて、他の登山者の存在を全く無視した行動(具体的な内容は控えます)をとっていたため、居心地が悪くなり、到着して間もないですが、南雁戸の方を覗いたら下山することにしました。
南雁戸へは一度大きく下ってから登り返す形のようです。
雁戸から熊野岳まで繋ぐ「北蔵王縦走路」も、気が向いたらそのうち歩いてみたいな。

蟻の門渡り辺りを上から。切り立った場所だということが伝わるでしょうか。

山頂を振り返る。
下山中、多くの方とすれ違いました。ふと駐車場のキャパのことを思い出し、みんなはどこに車を停めているのか不思議になりました。いくら路駐と言っても限界があるはずです。

山に来るたび思いますが、下山ほど退屈なものはこの世にはありません。あれほど退屈と言った登りの樹林帯ですら、この下山のそれと比べると恋しくなってきます。


退屈な時間もあと半分、笹谷峠駐車場まで戻ってきました。
ここは雁戸方面と山形神室方面に行く人の共通ルートなので、雪で閉ざされた駐車場は登り終えて帰ってきた人たちの声で賑やかな雰囲気となっています。スルー。

退屈(樹林帯)と退屈(下山)が掛け合わさった究極の時間。
でも、樹林帯は時々すごく楽しいタイミングがあるから不思議です。あれは何が影響しているのでしょうか。逆に、デフォルトは楽しくて、時々イレギュラーな退屈が襲ってくるのかな。

来た時に激突した倒木に帰りも頭をぶつけて下山完了です。
お疲れ様でした。
まとめ
家近の雁戸山。前は、人はいるけど混みはしないという印象でしたが、思っている以上に人気の山になっていました。また、その人気に駐車場のスペースが追いついていないことも分かりました。
車に戻ると、駐車場はカオス状態。おそらく別の団体の方のものと思われる車の前に堂々と駐車している人も結構いて、同じタイミングで下山してこなかったら車を出せない人が続出しそうでした。
駐車場の拡張はもちろん期待したいところです(と言っても、隣は高速道路なので、余剰スペースはない?)が、山頂の団体の行動を含めて登山者自身の質の向上も同時に望まれますね。(もちろん自分も気を付けなければと思います)
と一丁前に生意気なことを書いてまとめとします。
ではではまた山に行ったら更新します。
【奇行】自然の力で強制懺悔(磐梯山)

※20220123磐梯山
荒天の登り始めを終え、快晴の山が恋しくなっていたところ、てんくらで磐梯山に「A」が付いているではありませんか。これは行くしかない。
磐梯山は過去に何度も登っていますが、その殆どが裏磐梯スキー場からスタートしています。今回も例に漏れず。区間毎に景色が大きく変貌するのが魅力です。
ではでは早速行ってみましょう。
<行程>
裏磐梯スキー場→登山口→火口原→イエローフォール→櫛ヶ峰分岐→弘法清水小屋→山頂→ピストンで下山
過去の磐梯山の記事はこちらからどうぞ。
核心部(裏磐梯スキー場→火口原)

7:30 裏磐梯スキー場から出発。
到着した時点でスキー場はまだオープンしておらず、最初に駐車した場所は従業員用駐車場だったようで、着替え中に車を移動しました。
駐車場から天狗岩と山頂が見えています。

最初はスキー場を登っていくのですが、個人的にはこの区間が一番疲労します。今回の山行の核心部です。
単調な登り続くので、脚の同じ部分の筋肉が刺激され続け、時間にして20~30分足らずの短時間ですが、HPを削られます。

スキー場の上部から登山道に入ると、景色から一気に人のにおいが消え、心地よい雰囲気。

まだ薄暗い道の奥に、太陽に照らされて輝く山肌が目立ちます。

言い忘れましたが、今日はKと一緒です。真冬でも頑なに手袋をしないポリシーを持っています。きっと過去に嫌な出来事があったのでしょうか。

前日降った雪で辺りはフカフカですが、先行者がいるようで、有難くトレースを使わせてもらいます。

飛行機雲。何気ない風景に心が躍るのが山の魅力です。
消えたトレース(火口原→櫛ヶ峰分岐)

8:45 イエローフォールに到着。
ここで突如、トレースが消失。先行者はイエローフォールまでのピストンハイキングだったようです。

ここから股下ラッセルが始まります。日本百名山に選ばれていて、難易度もそこまで高くないので、多くの登山者のトレースを頼りに楽ちんで歩くことができるものと油断していた私。少々萎えました。
この写真は私がヒイヒイいいながら作り出した道に寄生するK。まだギャグをかましてくる余裕が見えます。

イエローフォールからは急登。
目の前の大量の雪を踏み固めて登っていくので、1m前に進むのに、夏道の数倍はかかります。でも苦労しているからか、景色は夏よりも美しく感じます。
桧原湖は凍結しています。何となく、形が大鳥池に見えなくもないかも。

遠くには飯豊連峰が鎮座しています。さすがの積雪量。ここの比ではなさそうです。
厳冬期の飯豊連峰を縦走した記録を何度かネット上で見つけて読んでみましたが、日本でもトップクラスの難易度ではないかと思います。私にはまだまだ精進が足りないと感じざるを得ませんでした。

標高を上げていくと、初めて見た時にえらく気に入ってしまい、長らくスマホの壁紙にしていた天狗岩と目線が合ってきました。相変わらずのかっこよさ。気品すら感じます。

火口原あたりの木々もジオラマのように見えるくらい小さくなりました。

天狗岩に見惚れながら歩いていると、気付けば櫛ヶ峰が目の前まで迫ってきていました。ということはそろそろこの急登も終わり。頑張りました。

稜線に近づくにつれて風が強くなってきて寒いです。
稜線寒い(櫛ヶ峰分岐→山頂)

10:45 櫛ヶ峰分岐に到着。
ここまで来ると、風が強いせいか積雪量は少なく、膝上あたりまでに落ち着きました。表面はクラストしています。

櫛ヶ峰の山頂はここより風が強そうです。
雪から岩肌が覗いているのを見ると、ごつごつとした岩山なのかという印象を抱きます。私もかつてそう思っていた1人でしたが、一昨年の年末に登ってみて、その印象はがらりと変わりました。表面は砂地で歩くたびに崩れるもろい足場で、一歩進むと半歩下がるといった感じ。はっきりとした登山道もなく、見た目よりも苦戦しました。

急登で火照った体が冷えてしまいそうだったのでハードシェルを羽織って山頂に向かいます。

風が積もった雪を舞い上げ、視界も数mがいいところといった時間帯が続いたので写真はありませんが、時折遠くに見える名峰に励まされながら山頂に向かいます。
山頂直下の弘法清水小屋まで着いてもトレースはなく、想定していない疲労感と充実感に包まれています。
一番乗り(山頂)

12:20 磐梯山(1,816m)無事登頂しました。
トレースがなかったということから分かるように、本日最初の登頂者になったので、看板に付いた雪を取り払うあの気持ち良い行為を堪能。

いつの間にか風も弱まり、最高のタイミングで登頂できました。

猪苗代湖も綺麗に眺められます。日本で4番目に広い湖らしい。(①琵琶湖、②霞ヶ浦、③サロマ湖)

登頂後、10分くらいして後続の方が登ってきました。「トレースを使わせてもらいました。ありがとうございました。」とお礼を言われ、別にいいことをしたわけではないのに、人の役に立ったのかもしれないということが自己肯定感をが高めました。

山頂からは愛しの安達太良山もはっきり見え、無性にソースカツ丼が食べたくなりました。(私の中では「安達太良山=ソースカツ丼」という式が成り立っています。)
奇行(下山)

12:40 夏のようにカップ麺を食べるほどゆっくりすると体が冷え切って危険な面もあるので、行動食を口に突っ込んで下山することにします。


下山の方が天気がよく、櫛ヶ峰も先程より迫力があります。

ふと横を見ると、Kが天狗岩に向かって正座するという奇行にでています。謎の行動過ぎて気味が悪いです。
日頃の数々の悪事について謝罪したくなったのでしょうか。だとしたら、これも自然の美しさの中に身を置いたが故の行動。
「自然の力は偉大」
様々な場面でよく聞くフレーズですが、人に強制懺悔させる力すらあるとは、、、恐れ入りました。

Kが日頃の悪事を反省したためか、ますます天気が良くなり、もはや暑いくらい。

登りはラッセル&急登で苦しんだ区間も、下りとなれば瞬く間に通過してしまいます。

スキー場では登山者は邪魔者。端の方を、申し訳なさそうな雰囲気を全力で出しながら、黙って歩くのが吉。

14:30 下山完了。
さっきまでいた山頂が朝と同じように見えています。お疲れ様でした。
まとめ
今回の山行では、狙い通り、快晴の山歩きができました。トレースがなかったのは想定外でしたが、それも良いトレーニングになったので良しとします。
ではではまた山に行ったら更新します。
【憧憬】アイスクライミング見学(蔵王仙人沢アイスガーデン)

※20220109蔵王仙人沢アイスガーデン
新年あけましておめでとうございます。(現実社会の時間軸において、今はもはやこの山行の翌年の年始。遅れに遅れている当ブログであります。読者の皆さん、温かく見守っていただきありがとうございます。)
2022年、一発目の登山は蔵王の仙人沢に氷瀑を見に行ってきました。「登山」と言っていいのか微妙なところではありますが、とりあえず山に行ったので1カウントとします。
本当であれば、快晴の登りはじめといきたかったのですが、生憎の天気で、前回(2021年3月)のような綺麗な景色に出会うことはできませんでしたが、久しぶりの山だったので、単純に楽しかったです。また、アイスクライミングをしている団体と遭遇し、間近で登攀を見学することができました。将来、私も踏み込んでみたい世界なので興味津々、前のめりで目に焼き付けてきました。
悪天候により、写真が少ない故、内容の薄い記事になっていますが(いつもですが)、その分、時間をかけずに読み切れます。という謎の売り込みを入れたところで、、、
早速行ってみましょう。
<行程>
蔵王ライザワールドスキー場→仙人沢(帰りはピストン)
過去の蔵王関連の記事はこちらからどうぞ。
氷瀑登り(仙人沢アイスガーデン)

いきなり目的地の写真を載せているところから察していただけると大変ありがたいのですが、天気が悪すぎて写真を撮る気が一切起きず、出発地であるスキー場から大した距離でもないので、あっという間に氷瀑に到着しました。
一番高いところで落差30mもある大きな滝ですが、なんか去年見た時より小さく感じます。これからがもっと成長する時期なのでしょうか。

視線を横にずらすと、アイスクライミングをしている方々がいました。
数年前から興味が沸いてきておりますが、なんとなく敷居が高く感じてしまい、いまだに経験したことがありません。

登っている方の様子を観察していると、単なる体力・筋力勝負ではないことがよく分かりました。氷の状態を細かく確認し、どのルートが最適か、常に思考を巡らせる頭脳戦のようです。ますます楽しそうに感じてきました。

天気が悪いのでカメラを出していませんでしたが、折角来たので記念に1枚。

アイスクライミングをずっと見ていたい気持ちもありましたが、この天候・気温・風の中、ただじっと見学しているのはなかなか厳しいので、まだ見たい気持ちを抑えて帰ります。

結局、今日はずっとこんな天気で、ずっと寒かったです。
まとめ
今回は悪天候であまりテンションが上がらないまま目的地に到着しましたが、憧れのアイスクライミングを見ることができて、個人的に有意義な時間になりました。
とりあえず今年も無事に登り始めることができたので、安全第一でいい景色を求めて山に通いたいと思います。
ではではまた山に行ったら更新します。
【年末】2021年の登山を振り返る
【踏抜】踏み抜きチャンピオンを目指して(山形神室岳)

※20211211山形神室岳
今回は2021年ラスト登山の山形神室岳です。
今年の1月。前日に降ったドカ雪により腰上ラッセルを強いられ、山頂まで辿り着けなかった山です。今回は初登頂を目指します。
ではでは早速行ってみましょう。
<行程>
関沢IC付近の駐車場→笹谷峠駐車場→大積山→ハマグリ山→トンガリ山→山頂(下山はピストン)
山形神室岳は来たことがありますが、撤退したのでまともな記事はありません。ここには山形神室岳の他に近隣の山々の記事も貼っておきます。
同じ山でも(関沢IC付近駐車場→笹谷峠→大関山→ハマグリ山→トンガリ山→山頂)

7:45 関沢IC付近駐車場を出発。
まずは笹谷峠駐車場まで登っていきます。天気がよく、歩き始めてすぐに体温が上がってきました。

8:15 笹谷峠駐車場に到着。
1月に来た際はここまで1時間半かかりましたが、今回は1/3の時間で着きました。やはり積雪の状況や天気で、同じ山でも大きく変化するものですね。

天気が良く、山形の市街地も見えています。

街から近い場所に山があることで、心理的にも山との距離が近くに感じます。近所の空き地に遊びに行くような感覚です。
踏み抜きチャンピオン(山頂→下山)

10:45 山形神室岳(1,146m)無事登頂しました。
はい、すみません。笹谷峠駐車場以降、足元の雪が不安定で数えきれないほど踏み抜きながら歩いていたので、どんどん体力を奪われ、写真を撮る体力的余裕がありませんでした。

歩いてきた道のりはこんな感じ。標高はそこまで高くありませんが、木々の背が低いので見晴らしは良いです。

天気は回復傾向ですが、さすがにずっと動かないでその場に留まっているのは寒いので、着いたばかりですが下山します。

少し下ってきたところから振り返ります。
左のピークが山形神室岳。そこから右に視線を移すと、一度大きく下って登り返す別のピークがあります。あれは仙台神室というらしく、「山頂直下の傾斜は相当なもので、登り応えがある」と以前A君が言っていたような気がします。
あんまりそそられないので暫くは登ることないかな。

笹谷峠駐車場に向かって歩いていると、正面に雁戸山が見えました。あそこはお手軽に雪山を楽しめるいい山だと思うのでおすすめです。

雁戸山は山頂直下に「蟻の戸渡り」という登山道の両脇が切れ落ちた難所があります。どこがそう呼ばれているのか大体は分かっているつもりですが、正直、正確な場所は把握しておりません。ただ、危険と言われていますので、登られる方は事前に確認しておいたほうが無難かと思います。

笹谷峠に戻ってくる頃には完全に青空となり、足元以外は秋の様相となりました。
まとめ
今回は1月の無念を晴らすことができました。あれだけ厳しい道のりに感じた山でも天気等の条件が異なれば、全く違う印象となるものと、改めて実感しました。
ただ、今回も数え切れないほど踏み抜き、楽ではない道のりだったので、私の「きつい山リスト」に登録しました。(「一定時間に雪面を踏み抜いた回数」というギネス記録があったら、間違いなく世界記録保持者になっていたと思います。)
ではではまた山に行ったら更新します。
※今年(2021年)はこれで最後の登山となったので、あとは2021年のまとめ記事をさらっと書いて、2022年の記事に入りたいと思います。(本記事を作成しているのが2022年11月25日。約1年間の遅れが生じてしまっているので、可能な限り早く追いついて、登ったらなるべく鮮度を保ったまま投稿できるように努力します。)