※20200613大朝日岳
2020年6月13日。愛しの朝日連峰の主峰、大朝日岳に登ってきました。
日本百名山に数えられ、「THE 日本の山」という感じがして大好きな山です。
今回は、前回の岩手山で初めて一緒に登ったA君と登ります。Kは夜勤明けでパス。以前は夜勤明けでも気にせず登っていましたが、彼曰く「もうその元気はない」そうです。
安全面を考えるとそれでいいと思いますが、早くも老いが始まったのかと心配になります。
まあ来られない人の話は置いておいて、張り切って登りましょう!
- 森の中を上へ上へ(古寺鉱泉→古寺山)
- 涼しい雪渓(古寺山→小朝日岳)
- 堂々とした山容(小朝日岳→山頂避難小屋)
- 冷たい風を浴びながら(山頂避難小屋→山頂)
- 稜線を眺める(山頂)
- 大と小(山頂→小朝日岳)
- メインを終えて(小朝日岳→古寺鉱泉)
- 山頂を振り返って
森の中を上へ上へ(古寺鉱泉→古寺山)
5:10 古寺鉱泉を出発。
今回は古寺鉱泉コースで登ります。大朝日岳に登るコースはいくつかあり、大きく分けると3種類。日暮沢コース、古寺鉱泉コース、朝日鉱泉コースです。
古寺鉱泉コースは、古寺鉱泉を出て、ハナヌキ峰分岐、古寺山、小朝日岳、大朝日岳と登ります。他のコースと比較すると易しいコースかと思います。
※写真は「合体の樹」という名の名所?です。古寺鉱泉から15分くらいの場所です。名前の通り、2本の木が絡み合って1本のようになっています。
程よい傾斜の道を進みます。
朝日連峰は良い意味であまり手が入っていない山だと感じます。
細部まで整備された山は歩きやすくて良いですが、「山らしさ」という点から見ると少し物足りなく感じることも。それに比べ、朝日連峰は綺麗な木道や階段はありません。
と言っても、要所要所の地元山岳会さんの整備は素晴らしく、その絶妙なバランスが素晴らしいです。
ハナヌキ峰分岐の手前に水場があります。
朝日連峰は水が豊富で、大朝日岳には「金玉水」「銀玉水」という名水が湧き出ています。(後で書きますが今回は銀玉水を楽しみました。)
6:15 ハナヌキ峰分岐を通過。古寺山方面に向かいます。
一昨年、日暮沢コースで大朝日岳に登った際は、下山でここを通りました。
ここから竜門滝方面に進むと長く急な坂が続き、膝が壊れそうになったので、暫くはそのルートは行かないつもりです。
日陰には雪が残っていて涼しいです。
ハナヌキ峰分岐から古寺山までは、今回のコースでは最も長く登りが続く区間です。とは言っても、身構えるような急登でもないので淡々と足を進めます。
振り返ると月山が背中を押してくれます。写真だと分かりずらいですが、月山の隣に鳥海山が見え、山形が誇る2山を一度に拝めます。
※写真の笹に隠れているのは熊ではなくA君です。
先行者を発見。この人、めちゃくちゃ速かったです。そのうち追いつけるかなー、なんて思って登っていましたが、どんどん小さくなってしまいました。
A君は渓流釣りが本職で、山よりも沢に入ることが多いそうです。私は釣りは何度かやったことはありますが、全くの専門外。気が向いたら始めたいと思いますが、まだ先になりそうです。
この山は、私の始まりの山、障子ヶ岳です。尖った山容は、すぐにそれと分かります。
4年前、職場の先輩2人に障子ヶ岳に連れて行ってもらったあの日から私の山は始まりました。(その時のことはいつか書きたいと思っています。)
障子ヶ岳と月山、そしてうっすら鳥海山。
今回気付きましたが、月山と鳥海山は形がそっくりですね。双子のようです。
後ろを振り返ってばかりですが、一応、少しずつ前には進んでいます。
登りが一段落すると、間もなく、古寺山です。
涼しい雪渓(古寺山→小朝日岳)
7:00 古寺山に到着。
左が今から向かう小朝日岳。そこから右に一度下って登り返した真ん中の山が目的地の大朝日岳です。
古寺山から小朝日岳への道も一度少し下ってからの登り返しです。雪渓に沿って登っていきます。
大朝日をアップで。
肩に小さく小屋があるのが分かります。コロナがあるので、今年泊まるかは微妙。(6月いっぱいは使用自粛要請が出ていたようですが、7月は解除されたようです。ただ、密は避けたいところです。)
小朝日に向かうまでに、もう一度後ろからのパワーを受け取ります。
月山、鳥海山と、全国的にも有名な山と並んでも、私には障子ヶ岳が特別に映ります。
今日初めての本格的な雪渓歩き。表面は腐っていて、ツボ足で十分歩行可能です。
これまでの登りで多少火照った体を冷気が冷やします。快適です。
黙々と登るA君。
小朝日まではあと少し。ガンバ!
堂々とした山容(小朝日岳→山頂避難小屋)
7:30 小朝日岳に到着。
大朝日岳が目の前です。A君は何度かこのコースで大朝日に登っているそうですが、いつもガスっていて、小朝日からの大朝日を見られたのは今回が初だそうです。
私と一緒だからだと思います。
どうも、晴れ男(自称)です。
一度、小朝日から大きく下って、熊越というポイントを通過。
先程触れた「銀玉水」は、稜線上にある大きな雪渓の手前にあるはずです。
楽しい稜線歩きに、自然とペースが上がります。
出ました、銀玉水。
銀玉水は、標柱に従って左折して10mくらいのところにあります。
ここは私が飲んだことがある水場の中で一番美味しいです。
あまり早い時期に行くと雪で埋まっているため、一昨年、去年と、2年連続で飲めず終いでした。
ここぞとばかりにがぶ飲みし、腹がたっぽんたっぽんです。
A君曰く、銀玉水はどこかの川の源頭にあたるそうです。
(川の名前まで聞いたはずが、全く覚えていない…)
銀玉水で休憩し、雪渓に取り付きます。
この雪渓は遅くまで雪が残ることで知られていて、夏でもアイゼンが必要な場合があります。
目指す頂が近づいてきました。
木々がジオラマのように見えます。
この雪渓、取り付き部分は傾斜がありますが、そこを越えると緩やかになり歩きやすいです。ただ、天候や時期によってコンディションは異なりますのでご注意ください。
歩いてきた道がはっきりと分かり、いい気分です。
しかし、小朝日ってなかなか厳つい角度をしていますよね。
雪渓を登り切ると、もう小屋は目と鼻の先です。
既に山頂には数名の姿が確認できます。
冷たい風を浴びながら(山頂避難小屋→山頂)
9:10 大朝日岳山頂避難小屋に到着。
朝日連峰の避難小屋はどこも殆ど同じ形で、小屋内も綺麗です。(中の写真を撮り忘れました。)
宿泊する際は協力金1,500円を管理人さんへ支払います。管理人さんが不在の際は、小屋内にある箱に入れておくといいみたいです。
小屋から山頂へは10~15分で行けます。
真ん中が中岳、その左、鐘と被っているのが西朝日岳です。
日暮沢コースで竜門山を経由し大朝日岳に来るときは、この2山を越えてくることになります。
相変わらず、双子は仲良さげに並んでいます。
山頂に向かいながら、来た道をおさらいします。
この稜線、たまりません。
山頂に近付くにつれ、遮るものが無くなり、強い風を浴びながらのラストスパートです。
歩いているうちはいいですが、止まったら寒そうです。
稜線を眺める(山頂)
9:25 大朝日岳(1,870.7m)無事登頂しました!
大朝日から南西に延びる稜線を目で追っていくと、尖った形の祝瓶山が目に入ります。
東北のマッターホルンと呼ばれているらしいです。
そして、その奥に浮かんで見える山塊が飯豊連峰です。
今年の夏はコロナや豪雨被害でアルプスに行きづらく、行き場を失った登山者が飯豊や朝日に押し寄せる、なんて予測をネットで見かけました。
事故や感染爆発が起きないことを祈ります。
(私もそろそろどこに行くか決めなければ。でもやっぱり飯豊いいよなー。)
全国的にも人気の朝日連峰や飯豊連峰、鳥海山や月山、他にも良い山が沢山あり、山形は立派な山岳県だと思います。
こちらは小朝日からの稜線です。やっぱり自分がさっきまで歩いてきた道を眺めるのは気持ちが良いものです。
こちらは朝日鉱泉方面。写真中央に小さく確認できるのが朝日鉱泉登山口付近にある宿泊施設です。
大と小(山頂→小朝日岳)
冷たい風にしっかり冷やされてしまったので、足早に小屋まで下りてきました。
この景色を見ていると、やっぱり朝日連峰は縦走で楽しむのが正解だろうなと思わされます。
今年は以東岳と大朝日を2泊くらいかけて、ゆっくり歩きたいなー。
中岳、西朝日岳を眺めながら、小屋の前で少し休憩。
10:45 カップ麺で栄養を補給したら、下山開始です。
雪渓を下りて小朝日に向かいます。
どちらかと言うと大朝日はなだらかな印象がありますが、小朝日は険しく、一気に標高を上げ(下げ)なければいけません。
この小朝日の鋭さを見て、ある種、哲学的なことを考えます。
「小朝日の方が大朝日ではないか」
小朝日に登り返す前に、月山に力をもらいます。
百名山パワーを私にください。
小朝日への登り返しは展望がゼロです。急登よりも、そこが個人的にはキツい点かもしれません。
メインを終えて(小朝日岳→古寺鉱泉)
顔にプンプン虫がまとわりつく中、再び小朝日岳に登頂です。ご馳走様でした。
先程までいた小屋がもうあんなに小さくなってしまいました。
飯豊もここで見納めです。
ここからは珍しいものもないのでスピードを出して下山します。
行きで撮り忘れた古寺山の標柱をパシャリ。
大朝日、小朝日にも別れを告げます。たぶん、今年中にまた来ると思います。
あっという間にハナヌキ峰分岐です。古寺鉱泉に帰るので右折です。
13:30 下山完了。お疲れ様でした。
ちなみにこちらも行きで撮り忘れた古寺鉱泉登山口にある「朝陽館」です。宿泊施設だったようですが昨年度で閉館し、現在は駐車場のすぐ隣に立派な施設ができ、そちらに宿泊可能なようです。
山頂を振り返って
今回はA君と2人で登りました。いつもソロorKと2人で登ってきたので、違和感を感じるのかなと思っていましたが、そんなことは全くなし。
一度一緒に登れば仲間です。(どこかで聞いたことあるような台詞ですね)
ではでは、また山に行ったら更新します。
※この記事を書いているR2.7.13時点で、まだ記事を書いていない山行が5つも溜まってしまっています。あまり意欲はありませんが、なるべく早く吐き出せるように努力します。