【広頂】景色の急変にご注意ください(蓼科山)
※20220507蓼科山
前回の山行から数ヶ月経ってしまいました。
その間、プライベートで大きなイベントがありまして、というか、そのイベントの準備等々で山に行く時間がありませんでした。(これまでの記事でも似たような表現をしていますが、あえて匂わした表現をするのが気持ち悪いので言いますが、「挙式」です。前年に入籍しました。)そして、GW中盤に無事、挙式を終えることができ、久しぶりの山に向かうに至ったわけです。
GWからのGW pic.twitter.com/I2kQxGAChF
— daichi (@dai2222222) 2022年5月6日
時間は3日間(移動時間込み)。向かうは長野県。さて、どこに登ろうか。
本当は雪が残る高山に登りたいところですが、それにはちょっとブランクがあり、体力的にも技術的にも不安があるので今回はパス。ということで、今回はこんなブランクを抱えた平凡登山者でも楽しめる山を探し、「蓼科山→霧ヶ峰→美ヶ原 チャレンジザトリプル」を行うことにしました。(ネーミングセンスが酷い)
ネット上で調べると1日で3座登っている人(主に百名山ハンター)も結構いるようなので、そんなに大変でもないみたいです。
久々の山なのでゆっくり楽しみたい気持ちもありますが、今のコンディションじゃなければ、霧ヶ峰や美ヶ原には行かないような気がするので、今回は忙しない行程を組みました。
ではでは早速行ってみましょう。
<行程>
女乃神茶屋登山口からピストン
過去の八ヶ岳の記事はこちらからどうぞ。
- 動物の気配(スズラン峠→女乃神茶屋登山口)
- 寒い朝(女乃神茶屋登山口→2,113m地点)
- 柔らかい光(2,113m地点→幸徳平)
- 背中ではないどこかを押されて(幸徳平→蓼科山頂ヒュッテ)
- らしくない山頂(蓼科山頂ヒュッテ→山頂)
- まとめ
動物の気配(スズラン峠→女乃神茶屋登山口)
前日、1人車を走らせ、長野県までやってきました。長距離運転は特に苦に感じないタイプです。
久しぶりの登山に向けて、登山口近くの駐車スペースで車中泊です。
山登りの朝は早い。
— daichi (@dai2222222) 2022年5月6日
夜中、何度か野生動物の声が聞こえたような気もしましたが、しっかり眠れました。
天気はまずまず。まだ太陽が昇り切っていないので、写真で見ると分かりづらいですが、晴れていて、遠くに中央アルプスなのか南アルプスなのか、大きな山塊が見えています。
たぶん南アルプス。(分かる方は教えてください。)
これから登る蓼科山は八ヶ岳の北端。写真は車中泊した場所から撮った南八ヶ岳の山々です。
八ヶ岳はよく南北に分けられることがありますが、南八ヶ岳はゴツゴツとした岩場が多いイメージ。実際、登ったことがある赤岳→横岳→硫黄岳は岩場が多かったです。
一方、北八ヶ岳は森が深く(南も深いと思いますが)、同じ八ヶ岳でも南とは雰囲気が違う印象。初めてなので楽しみです。
車を駐車場に停めて準備します。
トイレもあるので最初はここで車中泊しようと思ったのですが、森が近くて鹿が出る気がしたのでやめました。(姿は見ませんでしたが、結局あっちでも気配はビンビンに感じました。)
バス停が登山口になっていて、そこからアスファルトを下ります。
正面に見える赤岳がかっこいい。前に登った時は荒天で景色は全くと言っていいほど楽しめなかったので、今日くらい天気がいい日に再訪したいです。
寒い朝(女乃神茶屋登山口→2,113m地点)
5:15 登山開始。
今日は3座登る予定なのであまりゆっくりもできないですが、久しぶりの山です。存分に感じたいと思います。
最初はこんな感じ。林の向こうに太陽の気配がします。
駐車場に車はあったものの人影はなく、静かで冷たい空気が流れています。
序盤は平坦で道もしっかりしていて、ノンストレスで歩けます。ただ、体温が上がらなくてちょっと寒いです。
少し歩くと標柱がありました。
標柱を過ぎるとすぐに登りが始まりました。
ここで柔らかい光が差し込んできました。
5月ですが山はまだまだ寒く、日の光がとてもありがたいです。
オレンジの光が冷たい空気を徐々に暖めます。
登りと太陽光で体温も上がってきました。
最初の登りをこなすと一旦平らになりましたが、息を整える間もなく次の登りが始まりました。
マップを見るとこの登りは暫く続くみたい。体力ゲージがゼロになる前に平坦な場所に辿り着かねば。
急登で疲れたのでゆっくり休みたいところですが、この後に2座回らなければならないので頑張って歩きます。振り返ると朝よりもはっきりと見える南アルプス(たぶん)が綺麗です。
久々の登山だからなのか、ペースを意識的に早くしているからなのか、歩き出してまだ1時間も経過していないのに喉の奥がヒリヒリしてきたところで標柱が出てきました。
柔らかい光(2,113m地点→幸徳平)
6:00 2,113m地点。
中途半端な標高ですが、何故かチェックポイントになっているようなので、5分ほど休憩します。
休憩して息が整ったので、周りの景色を楽しみながらも急ぎ気味で進みます。
と言いつつ、差し込む光に目を奪われて足が止まります。
まだ雪も残っています。
景色ばかり見て歩いていると危ないです。実際、滑った跡もありました。
背中ではないどこかを押されて(幸徳平→蓼科山頂ヒュッテ)
6:15 幸徳平に到着。
2,113m地点から標高はほぼ変わらない道を歩いたところで次のチェックポイントが出現。休憩から15分くらいしか経っていないのでここはスルーします。
そのとおり。
ただし、これを中学生から呼びかけられていることはやや情けない気もする。
ここから山頂まで休憩ポイントはなく、長い登りです。
おそらく今日の行程で(この後の2座も含めて)最も体力的に厳しい局面ですが、名峰たちが背中を押してくれます。
こっち(南八ヶ岳)も応援してくれています。(右からなので「背中は押してもらっている」という表現は使えない)
さあ、もうひと頑張り。単調な登りを詰めていきます。
下界よりだいぶ木々の背が低くなって、中央アルプス?と御嶽山?が綺麗。
と思ったら、辺りから急に木々が一切なくなり、目の前にゴロゴロとした岩場が広がりました。
事前の調べで「この山は山頂付近だけ急に岩場になる」との情報があったことを思い出しました。にしても、この変わりようは想像以上。驚きました。
この足元の変わりようは、我がふるさと山形が誇る百名山の鳥海山に似た要素を感じます。(鳥海山も海から山への景色の移り変わりを楽しみながら登れるいい山なのでお勧めです。)
稜線が一度大きく切れ落ちている場所がありますが、あれが有名な「大キレット」ですね。国内でも最難関と評されることが多い場所。今年、行けたらいいなと思っています。
景色が変わり、程なくして建物が見えてきました。
らしくない山頂(蓼科山頂ヒュッテ→山頂)
7:10 蓼科山頂ヒュッテに到着。
小屋番さんが小屋の周りに残っている雪を崩す作業をしていました。
7:20 蓼科山(2,530m)無事登頂しました。
小屋からすぐに到着する山頂ですが、南に延びる稜線を眺めようとしてルートをロストしてしまい、少し時間がかかりました。(雪でルートがよく分からなかったという言い訳)
山頂は台地になっていて、だだっ広いです。山頂と聞くと、もっと尖っていて、多くても数人しか同時に滞在できない場所を想像しますが、これは数百人レベルです。
いつかは南八ヶ岳とここを繋げる全山縦走してみたいな。
北上と南下、どっちがおすすめか、経験したことがある方は教えてください。
最後まで断言できないのが情けないですが、南アルプス(多分)は最初から最後まで眺めながら登ることができました。
まだ、一度も入ったことがない山域、東北の山に似た山深さと聞きます。行って確かめなければ。
こちらはもう少し雪が融けたら登ろうと計画している大キレット。見れば見るほど、あの登り返しを耐えられる自信が無くなってきます。
北ア、中ア、南ア、八ヶ岳、全部見える。
— daichi (@dai2222222) 2022年5月6日
大キレットの北穂側がほぼ垂直。頑張りたい。 pic.twitter.com/zkLtLhb3VR
山頂の真ん中に神社があったので、今年の登山の安全を祈願して下山します。
次は車で移動して2座目の霧ヶ峰へ。
まとめ
2回目の八ヶ岳。初回の赤岳~横岳~硫黄岳と、今回の蓼科山は、同じ山域とは思えないほど雰囲気が異なり、八ヶ岳の多面性を感じました。
山頂から見た南八ヶ岳の山がかっこよく、いつかその間の道のりを繋いで歩いてみたいと思います。
ではではまた山に行ったら更新します。