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Long Trail

アウトドアが好きで健康診断が苦手な山形県民の記録用ブログ

【咖喱】寒さは引き立て役(安達太良山)

※20211114安達太良山

 

はい、定期的にやってくるお馴染みの安達太良山登山です。

 

この時期ですから、山は薄っすら雪が積もって、下界より一足早く冬を感じます。駐車場ではまだ暖かい時も、登ってみたら極寒の世界なんてこともざらです。この日も相当寒く、指先が少し冷たくなる感覚を半年ぶりに味わいました。またこの季節がやってきましたね。寒さに震えながら、ただそれが何となく心地よいというか、それを求めて登っているというか、そんな感じの山行記録です。

 

勿論、例に漏れず今回も「カツ」はあります。もうこれは定番ですから、欠かすことはできないです。

 

 

 

ではでは早速行ってみましょう。

 

 

 

<行程>

奥岳登山口→くろがね小屋→沼ノ平→山頂→薬師岳→奥岳登山口(反時計回りコース)

 

 

 

過去の安達太良山の記事はこちらからどうぞ。

 

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反時計回り(あだたら高原スキー場※奥岳登山口→くろがね小屋)

 

7:45 あだたら高原スキー場※奥岳登山口を出発。

毎回この場所で悩む「どっち周りで歩くか」問題ですが、今回は反時計回りで歩くことにしました。特段、これといった理由はありませんが、山頂までを往路、山頂からを復路と捉えた時に、私は往路が長い方が好みなので、こっちを選択する方が多いです。

 

 

くろがね小屋に向かう途中、見晴らしのいい場所から山頂(乳首)が見えました。

安達太良山の記事を書く度に自分の名誉と保身のために述べているのですが、「乳首」は私がそう呼んでいるわけではなく、その見た目から名づけられたもので、読み方も「ちちくび」であり、決していやらしい意味は含んでおりません。誰ですか、さっきまでニヤニヤしていたのは。誤解しないでください。

 

 

くろがね小屋が見えてきました。

登山口からくろがね小屋までは1時間半ほどで到着します。標高もあまり上げていないので、ここまではハイキング気分です。正直、晴れている日(足元が緩くない日)であれば、スニーカーで十分のような気がします。(ただし、山は天気が急変することも多々あるので、登山靴を履くのが無難ですね。)

 

 

くろがね小屋は近々、建て替え工事の予定があり、2023年4月1日以降の営業は未定のとのこと。当初の予定では既に工事期間に入っているはずでしたが、コロナ禍の影響?で現在も営業しています。

 

 

 

カレー食べたい(くろがね小屋→沼ノ平)

 

8:45 くろがね小屋に到着。

「ここは温泉があるので入ってみたい」と何回言ったことか。入る前に建て替え工事が始まっちゃいそうです。あと名物?のカレーも食べたい。

 

 

毎回、中に入ろうか迷いながらも混雑を理由に素通りするくろがね小屋ですが、今回も同じ理由でスルー。

小屋からは少し急な登り(これまでの行程が平坦過ぎただけですが)をこなすと、「峰の辻」に着きます。ここは山頂(写真正面の乳首)に直接向かうルートと、右に折れて沼ノ平(爆裂火口とも呼ばれる)を経由するルートの分岐点です。

今回は雪がかかった沼ノ平を見たいので後者を選択しました。

 

 

A君(前)とK(後)。

結構なことですが、仲が良すぎやしませんか。ウェアとザックの色まで似てきています。

 

 

沼ノ平に近づくと猛烈な風が襲ってきました。気を抜くと峰の辻まで戻されてしまうような勢いです。

 

 

誰かから聞きましたが、「風速1mで体感温度は-1℃」となるようです。風速は10~15mはあったと思うので、顔の表面が冷たくなって、上手く表情が作れないような状態になりました。

 

 

この写真を見れば風の強さはお分かりいただけるのではないでしょうか。

 

 

 

極寒の絶景(沼ノ平→山頂)

9:30 沼ノ平に到着。

この写真を撮るためにカメラを構えますが、風が強すぎて手振れが酷い。何度か撮り直したほどです。寒さで震えていた説もあるな。

 

 

風は強いですが、景色は素晴らしいです。

奥に見える白い山塊は飯豊連峰。まだ11月ですが、流石の積雪量です。6月に縦走した時の記憶が蘇ります。今度はダイグラ尾根から登ってみたいなー。

 

 

こちらはひょっこり磐梯山。ピラミダルな山容が印象的です。

 

 

風が弱ければ腰を落ち着けて写真撮影に勤しみたいのですが、これでは難しい。ここは早めに切り上げて山頂に向かうことにしましょう。

 

 

沼ノ平から離れると少し風が落ち着きました。あそこは地形的に風が集まる場所ということでしょうか。

 

 

 

次は登る(山頂→下山)

 

10:00 安達太良山(1,700m)無事登頂しました。

今回のルートで一番傾斜がきつい場所は、ここ。最後に乳首によじ登る箇所です。あまり事故の話は聞きませんが、一歩間違えると大きな事故になる可能性もありそうな場所なので、最後まで油断しないで登りましょう。

 

 

山頂から、歩いてきた沼ノ平方面を振り返る。この稜線は「牛の背」と呼ばれています。よく山で「馬の背」と呼ばれる場所は聞きますが、ここは馬よりも幅が広いということでしょうか。

沼ノ平から北に進んだところにある鉄山には、何年も登りたいと思い続けているのですが、毎回、沼ノ平のあの強風を浴びた途端に行く気が失せてしまい、まだ未踏です。「いい加減、登りたい」と、この景色を見ながら思いました。

 

下山は特にこれといった見どころを見つけられなかったので、写真無しです。

 

11:45 あっという間に下山完了です。

お疲れ様でした。

 

 

 

まとめ

 

安達太良山の記事は何度も書いているので、本当に書くことがなく、大した内容でもないのに時間がかかった記事です。たぶん前の記事あたりで「次は違うルートで登る」と宣言したような気もするのですが、くろがね小屋あたりでそのことを思い出したので、「時すでに遅し」でした。次回こそ、、、。

 

お決まりの成駒は、体が冷えていたからか、カツ丼ではなくカツカレー。あの極寒の世界から、一気にホットで幸せな世界に連れて行ってもらい、山にいた時よりテンションが上がっている自分がいました。あの寒さはカツカレーの引き立て役だったのか(めでたい解釈)。くろがね小屋のカレーも食べたいですが、私はここでもいいのかもなー。

 

 

ではではまた山に行ったら更新します。

 

 
 
 
 
 
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【品格】帽子はちゃんと被る(以東岳)

※20211009以東岳

 

前回の栗駒山登山(ハイキング?散歩?)から2週間。プライベートで結構バタバタしていたので山に行くことができず、ろくに運動しない日々を過ごしていました。栗駒山自体も大した活動量ではなかったので、実質、パノラマ銀座縦走から3週間はほぼ0運動。そんな時にKとA君から山のお誘いLINEをいただいたので、迷うことなく行くことにしました。

行先は以東岳朝日連峰北端にある日本二百名山です。朝日連峰の最高峰は当ブログでも何度か記事にしている大朝日岳ですが、この以東岳も人気が高く、山頂から見える「大朝日岳まで延びる縦走路」は一見の価値ありです。

過去、何度か登ったことがありますが、全て大鳥小屋(タキタロウ山荘)泊。今回は日帰り山行となるので、運動不足の体が(心が)最後まで無事なのかちょっと心配。

 

 

ではでは早速行ってみましょう。

 

 

 

<行程>

泡滝ダム大鳥池→オツボ峰→山頂(下山は来た道をピストン)

 

 

 

ブログを始めてから以東岳に行ったのは初めてで過去の記事はありませんので、朝日連峰の山々の記事は貼っておきます。

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体調不良(泡滝ダム大鳥池

 

早朝(というか深夜)に家に迎えに来てもらい、泡滝ダムまでおやすみなさい(本当に申し訳ございません。)

起きたら有難いことに無事到着していて、周りの登山者の中にはもう既に出発している人もしました。

 

私達もぼちぼち準備して、

6:15 登山開始。

 

泡滝ダムから大鳥池までは距離ベースで見て8~9割平坦。最後に「七曲り」という急登がありますが、それも長くは続かないので、大鳥池までは初心者でも気軽に自然の中を散歩できる良い道だと思います。ただし、今日の私は運動不足&寝起きで体が動かない&朝食に食べたドーナツ4つが原因と思われる猛烈な胃もたれにより、この良い道でさえ厳しい行程に感じています。

 

 

泡滝ダム-大鳥池間には45~60分おきに等間隔で橋が架かっていて、ペースを確認するのに役立ちます。

橋を渡っているのは私ですが、コンディションの悪さ(&元々の人間性)から、歩き方が酷い。帽子ちゃんと被れ!

 

 

橋を2本渡り終えると少しずつ傾斜が増してきます。

前を歩いていた大荷物の2人組に追いつき追い越すA君。今日、彼は調子がいいようです。置いていかれないように必死です。

 

 

ナナカマド。これを見るたびに熊が怖くなります。

「七曲り」は名前の通り、7回曲がる(往復で1カウント)と登りが落ち着きます。傾斜はある程度きついですが、直登ではないので体力的な消耗は少ないです。

 

 

 

熊、帽子(大鳥池→オツボ峰→山頂)

8:15 大鳥池に到着。久しぶりの大鳥小屋(タキタロウ山荘)、相変わらずいいところです。ちょっとザックを置いて休憩します。

※「タキタロウ」についてご存じない方もいるかと思うので簡単に説明すると、「タキタロウ」」とは大鳥池に生息していると云われている、「釣りキチ三平」にも登場した体長数mにもなる巨大魚です。(詳しくググってみてください。)

 

 

 

池の奥に見えるのが目指す以東岳です。遠いなー。その山頂付近にポツンと小屋が見えますが、あれは数年前に建て替えられて綺麗になった山頂避難小屋です。

これまで以東岳登山では大鳥小屋に宿泊していましたが、あちらも一度は泊まってみたい。ただ、大鳥小屋の「近くに水がジャブジャブ出ている安心感」は何物にも代えがたいものがあるので、今後、山頂避難小屋を選ぶ日が来るのか。(泡滝ダムからではなく、大朝日岳方面から以東岳に登れば山頂避難小屋が有力な選択肢になりそうです。)

 

 

こちらは小帽子山というらしい。日の光が当たっていて綺麗です。登山道はあるのかな。

 

 

こちらは化穴山かな?

少し風があり、リフレクションしきっていないのが残念。

 

 

数分間、水中を観察してみましたが、タキタロウはいませんでした。

 

 

8:45 大鳥小屋を後にします。

ここからは、①山頂に直登する「直登コース」と、②オツボ峰を経由する「周回コース」の2択がありますが、今回は②を選択。

①は池の南端まで岸?を歩き、そこから標高を上げます。②は池から三角峰というピークまで標高を一気に上げ、そこからオツボ峰を経由して山頂に至ります。何故②なのかと言いますと、以前①のコースを使った時、熊の糞を5か所くらいで見た+熊の臭いと気配がそこかしこからして、恐怖に震えながら歩いたという苦い経験があるからです。あれから、余程のことがない限り①は使わないと決意しました。(②が安全である保証はどこにもないことに、本記事を書いている時に気付きました、、、)

 

 

オツボ峰までは前半が樹林帯、ある程度登っていくと森林限界となり、見晴らしがよくなります。

 

 

絶好調のA君。完全に置いていかれました。ズームしてもこれくらい小さくしか写らない距離。

 

 

Kが後ろから抜かそうとするのでそれを阻止しながら前に進み、何とか景色がいい高さまで登ってきました。

 

 

山肌は秋の色をしています。

 

 

目指す山頂。まだ遠く感じるのはコンディションが悪いからでしょうか。

 

 

ぐったりしている私。帽子ちゃんと被れ!

 

 

オツボ峰への途中、三角峰(正確には三角峰直下)で休憩。写真は土に還ろうとしているK。

私は水分を摂り、少しだけ体調が良くなりました。

 

 

ここでお詫びなのですが、先ほどから出ている「オツボ峰」。正直言って、私、どこがそれなのか全くわかっておりません。似たようなピークが幾つもあり、見分けがついていません。ただ、登山道上にあるはずなので、登頂していることは間違いないはずです。

 

 

眼下に先程までいた大鳥池を望み、写真欲を駆り立てられます。(成果はなし)

体調も回復してきて気分が良いです。帽子ちゃんと被れ!

 

 

大鳥池は熊の毛皮に見えると言われています。見えますか?

 


11:00 以東岳(1,772m)無事登頂しました。

期待していた大朝日岳への主稜線は、オツボ峰(場所が分からない)の辺りで昇ってきた雲に飲み込まれて残念な景色となっており、写真はなし。

山頂では1時間くらい、休憩がてらおにぎりを食べたりしながら雲が抜けるのを待ちましたが、一向に状況は変わらないので諦めて下山しました。

これは以東岳に限らず全ての山に言えることですが、下山は目標を失っているのでめちゃくちゃ長かったです。下山完了後、GPSのログを見たら23kmほどでした。結構歩いたなという印象です。

 

お疲れ様でした。

 

 

 

まとめ

今回の山行で思ったことはただ1つ、「帽子はちゃんと被るべき」ということ。それだけです。人は内面が大事なのは間違いないですが、それを表すものとして外面があり、そうであることを分かっていながら帽子もちゃんと被れなかった自分は品がないなと、恥ずかしくなった山行でした。もっと山に相応しい品格を身に着けたいです。(どんなまとめだよ)

 

 

ではではまた山に行ったら更新します。

 

 
 
 
 
 
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【重善】日頃の行いが未来を創る(栗駒山)

※20210926栗駒山

 

「神の絨毯」

時に日本一とも称される栗駒山の紅葉は、最近SNSでこのように呼ばれているようです。所謂「インスタ映え」した景色は、映えとは程遠い生活をしている私ですらそそられる光景でした。

ということで、今回は紅葉を見に栗駒山に行ってきました。実は秋の栗駒山は何回か来たことがありますが、綺麗に晴れ渡ったことが少なく、「神の絨毯」はまだ見たことがありません。(初めて行った時は快晴でしたが、ピークを過ぎていた、、、)

 

が、結論から言うと、真っ白の世界が広がっていたため、写真もそこそこ、あっという間に登頂し、そのまますぐに折り返し、短時間で駐車場に戻ってくることとなりました。

 

ではでは早速行ってみましょう。

 

 

 

<行程>

いこいの村栗駒跡地臨時駐車場→いわかがみ平→山頂(下山は来た道をピストン)

 

 

 

過去の栗駒山の山の記事はこちらからどうぞ。

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日頃の行い(いわかがみ平→山頂→いわかがみ平)

7:45 登山開始。

いわかがみ平に到着した時点で周りは真っ白。この時点で「神の絨毯」が見られる希望は完全に消え、失意のスタートとなりました。

 

小雨も降っていたので、本当はカメラすらザックに閉まってしまいたいところですが、ところどころに秋を感じる部分はあったので、とりあえず登りだけでも写真を取りながら歩くことにしました。

 

 

うーん。これはこれで綺麗です。綺麗なんですけど、家から数時間かけて来たのに最寄りの山でも見られるような景色しか見ていないことに若干の不満を感じています。ただ誰が悪いわけでもないために、この気持ちをどこにもぶつけようがなく、悶々と足を進めます。

 

 

「あれ、この赤い実(ナナカマド)の写真、この数分で何枚撮ったっけ?」というくらい量産してしまっています。

 

 

因みに、いわかがみ平からは山頂までの最短コースである中央コースを歩いていますが、正直スニーカーで十分なほど整備されています。但し、それは晴れの日に限った話で、今日のような日はフリクションが効く登山靴がいいと思います。というのも、コースの1/3くらいは石畳で、濡れていると非常に滑りやすいです。(私は登山靴を履いているのに2回滑ってヒヤリとしました。)

 

 

8:45 登頂。

山頂は人が大勢いたので写真は撮らず。ノンストップで下山することに。

期待していた景色は見えず、行程もゆるふわハイクで、全体的に不完全燃焼の登山でしたが、「これは私の日頃の行いが悪い。この前も落ちていたゴミ(マスク)をスルーしたもんな。まあそれはコロナ禍だから今は仕方ないにしても、もっと善を積み重ねていけば、きっと良い景色に巡り会う確率が上がるに違いない。」という反省&決意をしながら下山しました。

 

 

 

まとめ

「神の絨毯」とやらは待ったく拝むことができず、部分的に赤く色づいた秋を数枚切り取って帰りました。(故に過去一でペラッペラの記事を生成してしまいました。読者の皆さん、申し訳ございません。)

次に栗駒山に行く際は、皆さんがInstagramに投稿している神々しい景色が見られるよう、日頃の行いに気を付けて日々を過ごしていきたいです。

 

 

ではではまた山に行ったら更新します。

 

 

 
 
 
 
 
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【地震】魅力と恐怖セット(パノラマ銀座縦走)

※20210919~20210921パノラマ銀座縦走

 

「日本一の縦走路」

そのように謳われることもある表銀座を縦走してから早2年(ブログを始めていない時期なので、この時の記事はありません。)。絶景が続くあの道をまた歩きたいと思い、得意の有給を駆使しました。

 

ただ、前回と違う点もあります。前回は槍ヶ岳をゴールとしましたが、今回は登ったことがない常念岳蝶ヶ岳の方に歩いてみます。ですので、ルート的に正確には「表銀座」ではないようです。さらっとググってみると「パノラマ銀座」という呼び名があることを知りました。常に槍ヶ岳穂高連峰を望む私好みの道とのこと。ザックにギアと期待を詰め込みます(使い古された表現)。

 

天気予報は晴れ。とは言え、山の上はもう秋も深まって夜はかなり冷えそう。それなりのウェアを準備します。下界は残暑厳しいというのに、違う世界のようですね。

 

因みに今回は7月の白馬以来のソロです。自分のペースで気楽に楽しみます。

 

ではでは早速行ってみましょう。

 

 

 

<行程>

1日目:穂高駅→中房温泉→燕岳→大天井岳

2日目:大天井岳常念岳蝶ヶ岳

3日目:蝶ヶ岳→三股→穂高

 

 

 

過去の北アルプスの記事はこちらからどうぞ。  

 

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歩き慣れた尾根(穂高駅→中房温泉→合戦小屋→燕山荘)

 

スタート前日、一日かけてゆっくり長野にやってきました。

1人なので車中ではエンドレスカラオケとなり、このコンビニに着いた頃には喉が少し枯れていることに気付きました。楽しかったのでいいのですが、何事も程々がいいようですね、、、。

 

と、ここでヘッドライトを忘れてきたことに気付きました。

最寄りの登山用品店は松本市。しかも19時閉店でただ今の時刻は18:40。諦めて近くのワークマンで作業員用のものを買いました。最近、変な慣れが出てきたのか、出発前に忘れ物チェックをする習慣がなくなってしまっています。こういう油断がゆくゆくは大きな事故に繋がったりすることもありそうなので、この辺りでもう一度気を引き締めた方が良さそうですね。

 

 

 

今回は入山口と下山口が異なるので、車は穂高駅近くの無料駐車場で車中泊

翌朝(というかまだ夜)、穂高駅からバスで中房温泉まで向かいます。

 

 

こちらは2年前の表銀座縦走の際、前日にKと海老天丼を食べた思い出のお店。懐かしい。

 

 

4:30 穂高駅。一番乗りしましたが、私が到着して間もなくして大勢の登山者でいっぱいになりました。

バスは5:00始発(時期によって臨時便が出る場合もあるので、利用される方は最新の情報を確認することをお勧めします)なので、少しの間、バス停で後ろに並んでいる方と雑談。すぐ後ろの方は今日は燕岳までで、明日に大天井岳。明後日に常念岳蝶ヶ岳へと歩くとのこと。その後ろの方は今日は私と同じで大天井岳まで。明後日は槍ヶ岳まで行くということなので、まさに表銀座を歩くようです。「初の槍ヶ岳でワクワクしている」という話を聞くと、こちらまで楽しい気分になってきます。

 

 

時間通りバスが来て、無事に中房温泉まで到着。

バスの料金は1800円。PayPayで支払えて便利でした。

 

さすが大人気の燕岳の登山口ですね、すごい人です。

人混みがまだマシな場所を探して準備を整え、親切に設置されている水洗トイレで用を足し、

6:30 登山開始です。

 

 

重いザックにやや苦戦しながらのスタートとなっていますが、木々の間から覗く青空にテンションが上がります。

 

 

なんかそれっぽい写真も撮れました。

 

今登っている合戦尾根は北アルプス三大急登に数えられているようですが、すごく丁寧に整備されており、歩きやすいので、初心者でも楽しく登っていけると思います。約1時間おきに休憩できるベンチも設置されているので、時間の管理もしやすいです。

 

 

8:10 この合戦尾根は4回目なので、目新しく感じる場所もなく、あっという間に合戦小屋まで来てしまいました。

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ここは宿泊はできない営業小屋で、スイカが名物です。(私はスイカにそこまで魅力を感じないので食べたことはありませんが、特に夏の暑い日は相当売れるらしいです。)

 

 

リズムよく登ってこられているので疲労感はありません。どんどん先に進みます。

 

合戦小屋を通過すると、あの山が顔を出しました。

 

 

でーん、槍ヶ岳です。

何度見てもこの形には魅了されます。

 

 

合戦沢の頭のこの看板も、色々な人が写真をアップしているので皆さんご存じですよね。

 

 

さあ、ここまで来たら燕山荘まではもうすぐです。

 

 

標高を上げると更にその雄姿を見せてくれる名峰。本当に惚れ惚れするフォルムです。

 

 

こちらは北方面。奥に見えているのは後立山連峰の山々です。2ヶ月前は大変お世話になりました。

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燃えるような紅。

この辺りは紅葉がピークのようです。

 

 

槍ヶ岳の左(手前の稜線上の一番高い山)は大天井岳。今日の目的地です。

 

2年前は、ほとんどの人が大天井岳に泊まるところ、混雑を避ける&2日目の行程を楽にする&槍ヶ岳のテント場を確保するため、1日目に頑張って西岳まで行ったので、時間がギリギリで大天井岳山頂はパスしました。ですので今回が初めての登頂です。

 

 

ようやく燕山荘がはっきり見えました。

 

もう少し。頑張れ自分、、、

 

 

ふう、やっとこの裏銀座の稜線を拝めました。燕岳に来たことがある人は共感してくれると思いますが、この景色が目に飛び込んできた瞬間に押し寄せる感動、私達はきっとこの感動のために登っているんですよね。

 

 

 

槍に見守られ(燕山荘→大天井岳

 

9:00 燕山荘に到着。相変わらず立派な山荘です。

 

 

やあ、山男くん。5月ぶりだね。

 

 

この美しい山容を百名山に選ばない深田さん(百名山は文筆家で登山家の深田久弥さんという方が選んだらしい)のセンスには首を傾げざるを得ない。(候補の山から100座選ぶ作業を「教え子を落第させる試験管の辛さ」と表現していたそう。そう言われると確かに大変でしょうね。全員が納得するように選ぶことは不可能ですし。)

 

 

来年は見えている裏銀座を歩きたいですね。

表銀座と比較すると静かで「山らしい」山歩きが楽しめるようです。

 

 

珍しくパノラマ写真。

 

 

10分くらい写真を撮りながら休憩できたので、そろそろ大天井岳に向かうことにしましょう。今回、燕岳の山頂はパスします。(人が大勢いたので)

 

ここからは大好物の稜線歩き。気分の高揚が抑えきれません。

 

 

いつでも槍が見守ってくれている至高の稜線。こりゃ人が集まるわけだ。

 

 

清々しい秋晴れの中、最高の景色の中を歩きます。これが「ウェルビーイング」というやつでしょうか。私は幸せです。

 

 

山と登山者。私がこうして見知らぬ誰かの背中を写真に収めているように、私も誰かの思い出の一翼を担えているのかな。(と、柄にもなくエモい感情になりました。これも山のせいでしょう。)

 

 

富士山も御覧のとおり確認できます。

 

 

眼下に安曇野or松本の市街地が見えます。こんなに素晴らしい山が近くにある環境が羨ましいです。

 

 

燕岳から大天井岳までの道はよく整備されている北アルプスの山々の中でもトップクラスに歩きやすいです。強いて危険個所を挙げるとすれば、「大下り」と呼ばれる場所が少しザレていて注意が必要というくらいでしょうか。

 

 

「大下り」に入る手前は「大下りの頭」と呼ばれ、休憩するのに丁度いい場所となっています。この親子も槍を見ながら休憩していました。

 

 

こちらは大下りの頭から見た大天井岳方面。

大きく下った後は登り返して少し歩くと、もう大天井岳(写真右奥の一番高い山)に着いちゃいます。

 

 

慎重にザレた下りを通過すると、また歩きやすい道に戻ります。

 

 

大下りの頭を振り返る。あそこから下ってきました。

 

 

少しずつ大きくなっていく鋭鋒。心躍るこの感覚、たまりません。

 

 

紅葉も徐々に進み、秋らしい空気。

 

 

こうも槍を見せられ続けると、予定を変更して槍に行こうかなー、なんて考えてしまいます。

 

 

今日は大天井岳がゴールなので、明日の行き先は明日の朝までに決めればいいですね。

とりあえず、この絶品の稜線を味わい尽くすことに集中しましょう。

 

 

これは8月に登った立山剱岳でしょうか。去年の撤退もあり、思い出すといまだに達成感が込み上げてきます。

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歩いてきた道を見ると、燕岳からだいぶ歩いてきたことが分かります。景色がいいので疲れは全く感じません。やっぱり山は晴れがいいですね。

 

 

大天井岳への道が見えてきました。最後に一気に標高を稼ぎます。

 

 

大天井岳から西岳を経て槍ヶ岳に向かう道は「喜作新道」と呼ばれていますが、その由来はこの小林喜作さん。大天井岳の手前にレリーフがあります。

猟師だった喜作さんは、中房温泉から槍ヶ岳まで通常3~4日間かかっていた(中房温泉~燕岳~大天井岳常念岳~横尾~槍沢~槍ヶ岳)時代に、狩猟で使っていた道を整備して1~2日間で行けるようにした偉大なお方。槍ヶ岳の下にある殺生ヒュッテを作った方でもあります。表銀座縦走路を作った人物と言っても過言ではないと思います。(因みに、喜作さんは80kgの荷物を担いで山を歩いていた超人です。尋常じゃないですよね、、、)

 

 

喜作レリーフを過ぎると、大天井岳と、大天井岳をスルーして西岳方面に向かう道との分岐に着きます。

 

 

2年前はここを曲がらずに西岳方面に向かいました。

今回は初めてここを左折して大天井岳山頂にアタックします。

 

 

道は先程までよりは岩が多くなってやや不安定。足を挫かないように気を付けます。

 

 

左に視線をやると歩いてきた道がはっきりと確認できます。

 

 

これは私だけなのかもしれませんが、ゴールを意識しだすと急に疲れを感じます。

急に足取りが重くなってきました。

 

 

景色に力をもらい、最後のひと踏ん張り。

 

 

 

 

地、震える(大天井岳

 

11:30 大天井岳山頂直下にある大天荘に到着。

最後の登りで結構絞られました、、、。

 

 

テント場の混雑具合は、心の片隅で心配していたのですが、まだこの時間なら大丈夫でした。(この後、張る場所がなくなるくらい混みました。)

テント場使用料は2,000円です。

 

 

テントを張ったので山頂に向かいます。テント場から山頂までは10分ほど。

 

あれは高瀬ダムでしょうか。

高瀬ダムは、来年行きたいと思っている裏銀座縦走路の起点候補地です。

 

 

12:30 大天井岳(2,922m)無事登頂しました。

山頂は素晴らしい展望です。2年前、ここをスルーした選択が間違っていたように思えます。

 

 

ここは槍ヶ岳穂高連峰を見るための特等席ですね。

 

 

手前に見えている稜線は西岳に向かうコースです。

2年前、燕岳に到着した時点で既に疲労困憊だったKは、あの辺りで疲れすぎて不機嫌になっていました。山はその人の本性を暴くものなんだと、その時学びました。

 

 

槍も穂高も岩稜がかっこいいです。

 

 

ついつい槍や穂高に目を奪われがちですが、テント場の方を見てみると、その奥に常念岳が見えていました。あちらも日本百名山の1座に数えられる名峰です。

明日は常念にするか槍にするか、悩みますなー。

 

 

小屋の前にある案内板。

こうして見ると、大天井岳自体も素晴らしい山ですが、多くの有名な山に囲まれていることに気付かされます。

 

 

生ビールは1,000円。山小屋価格ですが、このロケーションで生ビールが飲めるなら安いものです。

 

 

青い空と金のビール。これさえあれば、もう言葉はいらない。

 

 

 

時間が経つに連れ、幕営数が多くなってきました。比較的、早く到着できて良かったです。

設営場所も良さそうな場所が空いていたので、テントに入りながらこの景色を眺められる場所を選びました。至福の眺望です。

 

 

小屋から少し常念方面に歩いたところからテント場を見てみると、テントが増えてきたことがよく分かります。(夜にはこれの1.5~2倍以上張られていました。どうやってスペースを確保したのか、、、)

 

 

少しずつ日が傾いてきました。

 

 

日差しが強いですが、秋の空気だからか、そこまで暑くないです。

 

 

私が歩いてきた時間帯は真上に太陽がありましたが、少し横から光が入るこの時間に歩くのも楽しそうです。

 

 

歩いてきた縦走路も時間や天気が変われば違った印象に変わります。これも、山に何度行っても飽きない理由の1つですかね。

 

 

混雑してきたテント場の雑然とした雰囲気を避け、1人で写真を撮って楽しんでいると、穂高駅で一緒にバスを待った「表銀座歩く」と言っていた方(Tさん)と再会。

表銀座を歩いたことがあることは伝えていたので、ルートについて色々聞かれました。それに答えていると、私もどんどん槍に行きたい気持ちが強くなってきました。

 

 

夕暮れ時の写真を撮りに山頂に行くことにしていたので、Tさんと一緒に山頂に向かうことに。

 

 

山頂に着くと市街地に影大天井が出ていました。

 

 

縦走路は刻々と表情を変え、いつまでも見入ってしまいます。キャンプで焚き火を眺めている時のような感覚です。(伝わるでしょうか。)

 

 

暗くなってきて、山の表面はあまり見えなくなってきましたが、その分だけシルエットが際立って、これはこれで美しい景色です。気温は下がってきて結構寒いのですが、この景色に魅了され、多くの登山者が山頂に留まっています。

 

私もこの素晴らしい時間を記録しておきたいと、カメラを構えてシャッターを切っていると、、、

 

突然、大きく地面が揺れ出しました。地震です。実際に何秒間揺れたのかは分かりませんが、下から突き上げられるような感覚を長い時間味わいました。(震源槍ヶ岳直下で最大震度は4。)

人の体よりも大きな岩が山を転がり落ち、あちこちで岩同士が激しくぶつかり合う音が鳴り響き、恐怖感を煽られます。私は山頂にいるので、上から岩が落ちてくることはありませんでしたが、もしまだ登っている時間だったら、そう考えるだけで生きた心地がしません。

 

 

特に震源だった槍ヶ岳方面では、槍沢に絶え間なく岩が転がり落ちているよう。登山者と山小屋の人達が心配です。無事を祈ります。

 

こうなってしまっては明日の槍は無理です。何より命が大事。Tさんに声をかけると、Tさんもさすがに諦めるそう。初めての槍ヶ岳をとても楽しみにしていたようだったのでこちらまで残念に思います。

 

 

写真で切り取ってしまうと、先程までと変わらない美しい景色だけが記録されますが、あの恐怖の瞬間、現場にいたからか、この景色の中に、何というか、自然の怖さというか、人間如きでは何ともしようがない圧倒的なエネルギーを見せつけられたような気がします。

 

 

予想外の理由での決定となりますが、明日は写真奥の常念岳蝶ヶ岳に向かうことにしました。こちらはまだ歩いたことがない道、なんだかワクワクしてきました。

 

 

「月と登山者」

結構お気に入りの写真です。

 

 

最初の揺れよりは小さいものの、その後何度も続いたこともあり、多くの方は小屋orテントに戻りましたが、まだ綺麗な空が広がっているので、まだそれなりの人数が残っています。

 

 

暗くなり、三脚なしではなかなか景色が写真に写らなくなってきました。(重いのが億劫でテントに三脚を置いてきた私。何のために下から担いできたのか、、、)

 

そろそろテントに戻りますか。

 

 

明日も今日のような天気が続いてくれることを祈りながら眠りにつきます。

 

※眠ろうと寝袋に入ったくらいのタイミングで、私のテント近くでULハイカー達の大宴会が始まり、もう既に寝ていたのにその声で起こされたと思われる隣のテントの人がぶち切れていました。確かに結構な声量で楽しんでいたので、多くの人の意見を代表してくれたことにみんな感謝したと思います。(因みに私はいつでもどこでも寝られる特殊能力を持っているので、宴会の声を子守唄代わりに寝ようとしていました。自分の図太さに自分で感心しました、、、。)

 

 

 

抜群の縦走路(大天井岳蝶ヶ岳

 

4:00 おはようございます。ぐっすり眠れたので昨日の疲れはありません。

夜中も地震とそれに伴う落石の音が続いたようです。(周りの人の会話より)

 

 

空を見上げると星が綺麗です。折角、三脚を持ってきたので使わないのは勿体ないと思い、朝食もそこそこに、テントを撤収してから出発までの僅かな時間で星を狙いますが、既に東の空が明るくなり出してしまっています。

 

 

まあ元々写真の腕もないので、とりあえず星空が綺麗でしたということを読者の皆様に報告できたらそれでいいかなと思います。

 

5:00 常念岳に向けて出発です。

 

 

東の空が明るくなってきました。

 

 

シルエットだけで圧倒的な存在感を放つ富士山。さすがです。

 

 

御来光が出てきた辺りで前を歩いていたTさんに追いつきました。行程を変更し、私と同じで今日は蝶ヶ岳まで歩くようです。お互いの安全を祈り、先に行かせてもらいました。

 

 

おはよう日本。美しい夜明けです。

 

 

オレンジの光が槍穂を染めていきます。

 

 

この景色は説明不要。見ればこの素晴らしさは伝わるでしょう。(語彙力がないので説明しないだけ)

 

 

今日も良い日になりそうです。

 

 

奥の山が常念岳、その手前が横通岳かな。

 

 

朝は体が動かないことが多いですが、ここまで天気がいいと、嬉しくていつもより動ける気がします。

 

 

東天井岳を過ぎてからはトラバース気味の道になります。標高差がない平坦な道なのでサクサク進むはずなんですが、穂高が見たいので何度も振り返ってしまい、なかなか前に進みません。

 

 

少し進むと槍も顔を出してくれました。

 

 

贅沢な道。私は幸せ者です。

 

 

横通岳は山頂は通らず、西側をトラバースする形で登山道が整備されていました。

横通岳を過ぎると一気に常念岳が近くなります。

 

 

穂高も、大天井岳から見た時よりだいぶ近く感じます。

 

 

常念岳。最後に足に効きそうな登りが待っていそう。今のうちら覚悟しておくべきですね。

 

 

近付くとかなりどっしりとした山容であることが分かりました。これは日本百名山に選出されているのも納得。燕岳とは違い、深田久弥さんと意見が一致しました。

 

 

キレット。こうして見ると、あの区間だけ人為的にストンと山が押し抜かれたようにすら思えるほどすごい標高差です。

 

 

常念小屋は山小屋らしい赤い屋根で目立ちます。

 

 

6:45 常念乗越(常念小屋)に到着。

 

 

既に撤収した人もいると考えると、結構な人数が幕営していたみたいですね。確かにいいロケーションのテント場です。(昨年、このテント場付近で熊の目撃情報が多発したと記憶しているので、私は泊まるのはちょっと怖い、、、)

 

7:10 槍穂を見ながら休憩し、回復したので山頂アタックを開始します。

 

 

常念小屋から常念岳山頂まではCTで1:20ほど。思ったよりかかりますね、、、。

小屋から空身で身軽に登る大学生の団体にどうしても負けたくなく、体重+30kgの重たい体を懸命に持ち上げてハイペースで登りました。酷く疲れました。(何故、意地を張ったのかは不明。その時の自分に聞いてみたい。そして言ってあげたい。「疲れるだけだからやめろ」と。)

 

 

必死に標高を稼ぎ、振り返るとこの景色。やはり、自分が歩いてきた道を見るのは何度味わっても良いものです。

 

 

 

雲が増えてきた(常念岳蝶ヶ岳

 

8:00 常念岳(2,857m)無事登頂しました。

山頂は記念撮影の列ができており、アトラクションに並んでいるような気分でした。小屋が近く、重い荷物を担がなくても山頂に立てるというのも、常念が人気な理由の1つだと思います。

 

 

この景色、ここは天然の展望台ですね。

 

 

山頂で少し風に吹かれながら休憩した後は、一度大きく下って蝶ヶ岳を目指します。この下りが結構長丁場で、もし蝶ヶ岳常念岳の行程だったら相当しんどそう。少なくとも私がそのルートを辿ることはなさそうです。

 

 

下り終えると久しぶりの樹林帯。朝日連峰を思い出す景色の中を進みます。熊が出そうで怖いので、定期的に声を出して人がいることをアピールします。(時々出会う他の登山者からは変な人を見るような目を向けられます。というか変な人を見ているのか、、、)

 

 

途中、2,592mという何とも中途半端な標高のピークを通過。

 

 

2,592mピークからまた少し標高を落とし、この池を皮切りに下げた分と一気に取り戻す登りが始まります。

 

 

この辺りはそれまで心地よく吹いていた風が止み、急登と無風でメンタルが削られましたが、樹林帯を抜けると、また良い景色を拝みながら歩くことができたのであっという間にメンタルゲージは回復しました。

 

 

10:35 蝶槍に到着。

昔はここが蝶ヶ岳の山頂だったとか。本当はここでゆっくり槍穂を眺めながらコーヒーを飲むつもりだったのですが、人が結構いた&槍穂に雲がかかってしまったので、スルーしてヒュッテに向かいます。

 

 

蝶槍からヒュッテまではCTで30分ほど。標高差もなくウイニングランといった感じです。

 

 

ハイマツ帯で雷鳥を探しますが見当たりません。そう言えば今回は会えていないですね。人が多いところだからかな。

 

 

ヒュッテ手前にある石標。ここが山頂だと思ったら、ヒュッテを少し過ぎたところが山頂のようです。

 

 

 

理想的な光景(蝶ヶ岳

 

11:15 蝶ヶ岳(2,677m)無事登頂しました。

山頂はすごく広く、所謂「山頂感」はありません。

 

 

残念ながら槍穂には雲がかかってしまっています。

時間が経てば雲が取れる瞬間もあると思うので、気長に待つことにします。

 

 

蝶ヶ岳とテント場。

噂には聞いていましたが、テント場が平らでこの上なく設営しやすそう。

 

 

なかなか晴れてくれない槍穂を眺める老夫婦。ゆっくりとした時間を楽しんでいます。理想的な光景ですね。

 

私もテントを設営(2,000円)したので、後は特にやることがないので、雲が取れるのをだらだら待つことにします。

因みに明日は上高地に下りる予定で、上高地から新島々駅までの高速バスは予約済み(予約しなくてもその場で乗車券を買えば乗れます)です。一番の楽しみは徳澤でのソフトクリーム。間違いなく今回の縦走のハイライトになるはず。

 

 

 

山頂から涸沢カールが見えました。きっとあちらはここの倍以上の人がいるんでしょうね。

 

 

こちらは焼岳。登ったことがないですが、火山活動が活発なので、登る際は各種情報をチェックする必要がありそうですね。

 

 

結局、槍穂はいつまで待ってもその全容を拝ませてくれないので、ヒュッテでビール(自販機・800円)を買ってテントで時間を過ごすことにしました。

 

 

(プシュ)

では、今日も一日お疲れ様でした。

(ゴクゴク、、、プハー)

最高です。麺を茹でてソースを和えただけの簡単ペペロンチーノもすごく美味で二人前平らげました。

ある意味、これも理想的な光景と言えます。

 

その後は蝶ヶ岳自体も雲の中に入ってしまったので、テント内でゆっくり過ごし、明日の快晴を信じて寝ました。

 

 

 

良い人(蝶ヶ岳→三俣→穂高駅)

 

おはようございます。

4:00頃に目が覚めたものの肌寒かったので、シュラフの中でぬくぬくしていたのですが、周りの人が「すごくいい天気」と頻りに言うので、仕方なくテントを出ました。

 

 

確かに素晴らしい天気です。急いで三脚とカメラをセッティングします。

 

 

Good morning Japan.(なぜ英語)

一気に温められる空気、とても気持ち良いです。

 

 

昨日、全然顔を見せてくれなかった槍穂も御覧のとおり。ピンク色なのは照れているからですかね。

 

 

梓川は雲の川に変わってしまったようです。初めて見る景色なので、気持ちが高揚気味。

 

 

キレット。北穂高(写真左手)から下って一度登り返すところがありますが、どうやらあそこが有名な長谷川ピークみたいです。角度的に見えませんが、左右が切れ落ちているそう。非常に興味があります。

それにしても、北穂高小屋はとんでもないところに建っていますね。泊まってみたいものです。

 

 

山肌がピンクから徐々にオレンジに変化してきました。

 

 

御馳走様です。

 

 

雲の川。

 

 

写真を夢中で撮っているとTさんと再会。昨日は15時くらいに到着していたとのこと。既に私はテントの中だったので気付きませんでした。

Tさんはここから三股に下りるとのことで、一緒に下りないかとお誘いを受けました。私としてはソフトクリームを食べたいという気持ちが強かったのですが、折角の縁なので御一緒させていただくことにしました。(予約していたバスはネットでキャンセルしました。キャンセル料は100円くらいだったはず)

 

では、名残惜しいですが、ぼちぼちテントに戻って朝食を済まし、撤収準備を始めますか。

 

 

7:00 完全に太陽が昇り、青空が綺麗に広がったところで出発です。

私がどんくさく時間をかけてパッキングしている間に、Tさんはヒュッテの電話から三股にタクシーを呼んでくれました。ありがたい。

 

Tさんが前を歩いてくれるとのことなので、何も考えずに後を着いていっていたところ、Tさんが途中で急に立ち止まり「まずい、道を間違えている」と顔を青くしてこちらを見ました。GPSを確認すると確かに誤った方向に結構下ってきてしまっていました。下りてきた道を息を切らして戻りながら、「道は自分で確認すべきだな」と当たり前のことを改めて学び直しました。

 

 

結構飛ばして三股に続く道まで戻り、ザックを下ろして息を整えます。Tさんからは30回謝罪されましたが、私も確認を怠りましたし、そもそもそこまで悪いことと思っていないので、逆にこちらが申し訳ない気持ちになりました。

 

気を取り直して下山していくと、木々の隙間から、昨日登った常念岳が今日もどっしりと鎮座しているのが見えます。

 

 

こうして見ると、やっぱり常念岳からの下りはなかなか厳しい道であったことが分かります。

 

 

ここでTさんがまた顔を青くして振り返ってきました。

「カメラがない」

さっきの休憩でザックを置いた時にカメラも地面に置いたそうですが、そのまま忘れてしまったようです。休憩した場所からはまたもや結構下ってしまっていたこともあり、Tさんはカメラを諦めるとのこと。しかし、今回の縦走の思い出が詰まったカメラです。ザックをここに置き、空身で取りに戻るようTさんを説得しました。

数十分後、息も絶え絶え帰ってきたTさん。無事にカメラは見つかったようです。

 

 

この短い間で、Tさんの人柄が何となく分かったような気がします。間違いなく言えることは、悪い人ではないということです。

※何となく話の流れでTさんに年齢を聞くとまさかの50代。ずっと30歳くらいかと思って接していました。すごく失礼な言動、態度を取っていたら申し訳ないです。(相手によって態度を変えるの、良くないよ。)

 

 

三股が近づいてきたあたりで、有名な「ゴジラみたいな木」が登場。完全に頭の中になかったので、見つけた時はテンションが上がりました。

 

 

10:00 三股に下山完了。お疲れ様でした。

三股は熊の目撃情報が多数あるので、そそくさとTさんが呼んでくれたタクシーで穂高駅まで瞬間移動します。(6,400円を割り勘しました。)

 

 

TさんとLINEを交換してお別れし、一路山形に帰ります。

Tさんは山友を作りたかったとのことで、光栄にも、私、友達第一号になることができました。ありがとうございます。また、機会を作って一緒に山を歩きたいですね。

 

 

 

失ったものはすぐに取り戻す。大切なことです。

 

 

 

まとめ

今回は初めて山で地震に遭い、自然の圧倒的な力に、魅力と恐怖心を感じる山行となりました。山の怖さを十分に理解した上で楽しんでいきたいと思います。

 

ではではまた山に行ったら更新します。

 

 
 
 
 
 
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【金玉】逃げない美学(大朝日岳)

※20210911大朝日岳

 

前回の早池峰山から1週間。今回は山形が全国に誇る名峰、日本百名山大朝日岳に登ってきました。

過去何度も登っていますが、初めて登った時は体力がなく、ヒイヒイ言いながら登頂したことを覚えています。それから時が経ち、今ではお手軽な山という感覚があります(もちろん登るコースによりますが)が、初めての登山が朝日連峰だった私は、その時に見えた最高峰の姿に憧れを覚え、今でも心のどこかで特別に感じている山でもあります。

 

今回は古寺鉱泉から。おそらくこの山のルートとしては、体力的に一番楽だと思います。KとA君と登ります。

 

 

ではでは早速行ってみましょう。

 

 

 

<行程>

古寺鉱泉→古寺山→小朝日岳大朝日岳(下山は来た道をピストン)

 

 

 

過去の大朝日岳朝日連峰の山の記事はこちらからどうぞ。

 

daic22.hatenablog.com

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豊かな山(古寺鉱泉→古寺山)

5:30 古寺鉱泉からスタートです。

シンボルだった写真に写っている朝陽館という宿泊施設が閉館したことに伴って、新たな拠点が整備され、駐車場も大きくなりました。(駐車場協力金1,000円)古寺案内センターという宿泊することができる綺麗な施設もできたので、遠方から来られる方の前泊場所として活用されているようです。

 

 

登り始めてすぐに現れる「合体の樹」。ブナとヒメコマツが成長段階で絡み合って、1本の樹のようになっています。このルートの名物です。

 

このルートは標高差1,200mほど。一気にグイっと標高を上げる場所はないので、周りを見ながらのんびり歩くことができます。

 

 

朝日の魅力は水が豊富なところにもあります。水が豊富なので、これだけ多くの命が芽吹く豊かな山になったんでしょうね。

 

 

周りの木々が背を低くするあたりまで登ってくると、月山や蔵王が見えます。(天気によっては鳥海山も)

山頂に行けば飯豊連峰も眺めることができます。

 

 

写真を撮るKとA君。景色に魅了されています。

 

 

最初のピークである古寺山まで来ると、今日の最終目的地である大朝日岳(写真奥)が鎮座している様子を見ることができます。

 

 

越えなければならない(古寺山→小朝日岳

 

7:15 古寺山(1,500m)に到着。

立派な山容の大朝日岳、そしてその肩に建つ小屋が見えました。

 

 

山深い自然の中にポツンと存在する小屋。あそこで迎える夜、そして朝は格別です。(今回は日帰りです、、、)

 

 

目的地に向かうには、まずは手前の小朝日岳を越えなければなりません。

厳密に言うとトラバースする道もあるので、「越えなければならない」という表現は適切ではないのかもしれませんが、私は踏めるピークは全て踏むというポリシーを持って山を歩いているので、「越えなければならない」のです。

目の前の困難に逃げない強い気持ちがこの世の中では大事です(大袈裟)。頑張ります。

 

 

振り返ると三角の尖がった山が見えます。

 

 

あの山は障子ヶ岳です。私が登山を始めた山で、特別な思い入れがある山です。

 

※障子ヶ岳の記事はこちらからどうぞ。

daic22.hatenablog.com

 

 

 

左の尖った障子ヶ岳と、右に見える高い山は有名な月山です。

 

※こちらは山は有名なので、他の方が書いている素晴らしい記事達を見た方が魅力が伝わると思いますが、一応私の記事も貼っておきますね。

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後ろの山たちに気を取られながらも着実に前進し、思ったよりも早く小朝日岳に到着です。

 

金玉と銀玉(小朝日岳大朝日岳

 

7:55 小朝日岳(1,647m)に到着。

当たり前ですが、小寺山から見た時よりも大朝日岳が近くに見えます。そりゃそうですよね、近付くために歩いてきているわけですから。ただそれはそうなんですが、自分の脚でこうして行きたいところまで歩いて行けることが嬉しいと感じます。

 

朝日岳から大朝日岳までの道は一度標高を下げて、熊越という場所を通過。そこから緩やかに標高を上げていきます。

 

 

この区間で一番の見どころはこの湧き水「銀玉水(ぎんぎょくすい)」ではないかと個人的には思っています。

朝日連峰は水が豊富」と前述しましたが、数ある水場の中でもこの銀玉水が一番おいしいと言われています。キンキンに冷えていてとても美味しいです。

 

 

ダイナミックな景観。下に小さく見える登山者が、そのダイナミックさを際立たせています。

もう9月なので、写真の谷には雪がありませんが、ここは夏あたりまで雪が残り、その形から「Y字雪渓」と呼ばれています。

 

 

こちらは振り返った小朝日岳。急な下りだったことが伝わるでしょうか。

急な下りだったということは、帰りは急な登りが待っているということです。覚悟しなければ、、、

 

 

息をのむ絶景。あまりの迫力に何度も足が止まります。

 

 

振り返ると、小朝日岳からの道がはっきり確認できます。

 

 

小屋付近まで来ると、もう一つの水場である「金玉水」が出ている場所が見えます。(写真の中央あたり)

これは「きんぎょくすい」と読みます。誰ですか、今変な言葉を言った人は。

 

大朝日岳の小屋の水場はさっきの銀玉水(片道約45分)とこの金玉水(片道約20分)のどちらかです。ちょっと気軽に行ける距離ではないので、小屋に着く前に十分に汲んでくることをお勧めします。

 

 

小屋からは10分程度で山頂に着きます。歩いてきた道に力をもらってラストスパート。

 

 

9:30 大朝日岳(1,870m)無事登頂しました。

1年3か月ぶりの大朝日岳。やはりこのルートであれば手軽に登ることができますね。

 

※この写真の左上の黄色いザックの方。山形県の登山者でInstagramをやっている方であれば誰もが知っている方だと思います。(〇〇クボさんです)

 

 

山頂から南方を見ると、まだ歩いたことがない祝瓶山方面の稜線にガスがかかり始めていました。この区間と、朝日連峰北端の以東岳から狐穴小屋までの区間はまだ歩けていないので、近いうちに行きたいです。

 

 

駆け足下山(下山)

 

小屋でカップ麺を食べながら休憩していたら、雨粒が落ちてきたので急いで下山することにしました。

 

 

帰りも小朝日岳はトラバースコースはもちろん使わず、しっかり登り返します。(疲れた)

 

朝日岳の後も、雨に降られたくなかったのでバタバタと下山しましたが、結局小屋の前で少し降られただけで、その後は全く雨は降らず、無駄に疲労した下山になりました。

 

 

 

まとめ

 

今回は、久しぶりにホームと言ってもいい大朝日岳に登ってきました。

紅葉も始まり、これから更に多くの登山者で賑わうでしょうから、このタイミングで行けて良かったです。(私は紅葉の良さがまだいまいち分からない幼稚な感性しか持ち合わせていないので、紅葉が見れなくても問題ありません。良いのか悪いのか、、、)

 

 

 

ではではまた山に行ったら更新します。

 

 

 
 
 
 
 
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【滑岩】強風と秋雨と滑りやすさと(早池峰山)

※20210905早池峰山

 

 

今回は岩手県にある日本百名山早池峰山」に登ってきました。

花の百名山でもあり、手軽に岩稜帯を歩ける人気の山です。(晴れていれば)

 

登るのは3回目(来たのは4回目。詳しくは過去の記事をご覧ください。)。

Kと、久しぶりにA君も加わり、3人で登ってきましたが、とにかく天気が酷過ぎました。去年も荒天でしたが、この山とはなかなか仲良くなれないままです、、、。

 

 

ではでは早速行ってみましょう。

 

 

 

<行程>

河原坊駐車場→小田越登山口→山頂(下山は来た道をピストン)

 

 

 

過去の早池峰山岩手県内の山の記事はこちらからどうぞ。  

 

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滑らないように(河原坊→小田越登山口→山頂)

8:50 河原坊駐車場を出発し、道路をテクテク歩いて

9:20 小田越登山口に到着。

この写真を見て分かる通り、天気は雨と風で残念な感じです。

 

 

3人で登るか引き返すか結構真剣に話し合いましたが、登れないほど荒れているわけではないので、無理のない範囲で進んでみることにしました。

 

 

ここのコースは何回か通ったことがあるので、新鮮味もなく、写真を撮りたいと思う景色になかなか会えず、あっという間に有名な梯子まで来てしまいました。(この悪天候も写真欲を減退させます)

このコースは序盤の短い樹林帯を抜けると、一気に景色が開けた岩稜帯が続きます。ただ、整備が行き届いているのでとても歩きやすいです。

※Photo by A君

 

 

こちらはK。雨が降ると赤く染まります。

 

 

A君は初の早池峰山。折角、初めて来たのにこの天気だとちょっと気の毒です。

A君のリクエストに応えて、私とKで梯子の上と下に分かれてA君を撮りました。

 

 


梯子を通過すると岩場がやや険しくなります。雨で滑りやすくなっているので、いつもよりは慎重に。

 

ここまで来れば山頂まであと少しです。

 

 

 

祈れど晴れぬ(山頂→下山)

10:30 早池峰山(1,917m)無事登頂しました。

何かエピソードがあるのか、剣が大量に祀られています。(調べない体たらく、お許しください)

 

それにしても、百名山でありながら、登山口から約1時間で登頂できる手軽さ。人気の理由がここにあります。(今回のコンディションはおすすめできるものではありませんでしたが、、、。雨で濡れた体が強風で冷やされて体感温度は気温マイナス10℃くらいでした。)

 

 

早池峰山初登頂のA君。嬉しそう。

 

 

悪天候に少しげんなりしている私。

※Kの写真を持っていないことはこの記事を書いていて気付きました。(撮っていない?)

 

登頂直後に風雨が激しさを増したので、山頂にある避難小屋で休憩がてら天候回復を待ちましたが、30分くらいカップ麺を食べながら待ってみるも天気は変わらず、体温がどんどん奪われていくので、下山を開始することにしました。

 

 

登りで1時間の道のりですので、下りは数十分で終わってしまいます。

 

下山し始めると天気が良くなるという「登山あるある」もしっかり発動しました。(今回は少し回復しただけなので、気持ちの平穏を保てました。これが快晴にでもなったら、悔しくて発狂していしまいます。)

 

 

どんどん先に進みます。もうこの時点で、下山後の食事のことしか考えていません。

 

 

岩場も登りの時とは違って乾き始めていて、ソールのフリクションが効いて歩きやすいです。

 

 

晴れていると岩と空のコントラストが綺麗でいい景色なんだけどなー。

 

 

いくら祈っても天気はこれ以上は回復せず。もう今日は晴れることはなさそうです。

 

 

これから山頂を目指す人とすれ違いましたが、皆さん、この天気でテンション低めのようでした。

 

 

次回は是非快晴の山を歩きたいものです。

 

 

12:45 小田越登山口に到着。その後は舗装された道路をだらだら歩き

13:15 河原坊駐車場に下山完了。

お疲れ様でした。

 

 

 

まとめ

山形から片道数時間かけて登山口に向かい、あっという間に山を登り下りて、また数時間かけて山形に帰る。圧倒的に移動時間の方が長いのが何とも言えませんが、晴れの早池峰山を一度経験した身としては、また味わいたい気持ちが強いので、また行くことになると思います。

 

 

ではではまた山に行ったら更新します。

 

 

 
 
 
 
 
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【念願】トラウマを乗り越えて(剱岳・立山連峰縦走)

※20210822~20210824剱岳立山連峰縦走

 

これまでの人生で一番「死ぬかと思った」日から早1年。懲りずに今年もここにやってきました。目指すは「試練と憧れの『剱岳』」。

詳しくは去年の記事を読んでいただきたいのですが(下に過去記事のリンクを貼っています)、とにかく酷い目(トラウマになるレベルだったと思っている)に遭って登頂できず、必ず今年登ると心に決めて1年間過ごしてきました。

 

行程は昨年と同じ、室堂から出発し、剱岳に登頂後、立山三山を縦走して室堂に戻ってくるという計画を立てました。唯一異なるのは、昨年は長野県側の扇沢から入山しましたが、今年は富山側の立山駅から入ります。去年下山の際に話をした新潟から来ていた方から「立山駅側から入った方が乗り換えが楽」という話を聞いたからです。

そして一緒に登るのも去年と一緒、Kと登ります。去年一緒に死にかけた同士、今度こそ登頂したいです。

 

 

ではでは早速行ってみましょう。

 

 

 

<行程>

1日目:室堂→雷鳥沢キャンプ場

2日目:雷鳥沢キャンプ場→剣沢野営場

3日目:剣沢野営場→剱岳別山真砂岳→富士ノ折立→大汝山→雄山→一ノ越→室堂

 

 

 

過去の北アルプスの山の記事はこちらからどうぞ。 

 

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白、ちらつく(立山駅→室堂)

 

入山前夜。立山駅に行く前に富山名物「富山ブラック」を初めて食べました。

食べたことがある人からは「見た目よりしょっぱくないよ」という感想を聞いていたのですが、いやいや見た目通りなかなかしょっぱかったです。店によって味に振り幅が結構あるのかな?

 

 

富山ブラックを食べた後は立山駅の駐車場で車中泊。近くにトイレもあって快適です。

 

 

こちらは最近少しずつ腹が出ているような気がするKです。カメラをうまく使って腹を隠しています。

 

 

そしてこれは最近フレッシュ感がなくなってきていることに悩んでいる私です。

 

駐車場から徒歩1分で立山駅です。この時間にここにいる方は、ほぼ100%登山かハイキング目的と思われる服装をしています。

 

 

水が湧いています。

 

 

折角なので記念撮影。少し恥ずかしい気持ちがあるのは大人になったからでしょうか。

 

 

改札の時間が近づいてきたので人が列を作り出しました。私達も並びます。

 

 

駅にある室堂のライブカメラ映像を見ると、これ以上ないくらいの驚きの白さです。

うーん、去年の悪夢がフラッシュバックしてきます。

 

 

立山駅からケーブルカーに乗り、途中でバスに乗り換えて室堂を目指します。

バスに乗っている途中、称名滝という落差日本一の滝が見えました(というか、バスの運転士の方が速度を落とし、見せてくれました。)。

 

 

立山駅から約1時間で室堂に到着しました。やはり扇沢から来るより圧倒的に楽です。次来る時も絶対こっちからの方がいいですね。

 

 

去年はここの案内板の「視界:良好」に騙されましたが、今年はどうでしょう。当たっても外れても白い世界の中を歩くことに変わりはないようです。

どうせ着ることになりそうなのでレインウェアを着て外に出ます。

 

 

 

既視感(室堂→雷鳥沢キャンプ場)

 

予想通り、某洗濯用洗剤(ア○ック)もびっくりの驚きの白い世界が広がっています。

 

 

去年と変わらない景色に、自分がタイムスリップしたのかという錯覚を覚えます。

 

 

愚痴を言っていても晴れそうにないので、

9:35 ぼちぼち出発することとします。

 

 

みくりが池は全くと言っていいほど見えなかったので写真は無し。黙々と先に進みます。

 

 

地獄谷方面もこの通り。去年以上に見えないんですが、、、これは登頂できるか不安になりますね。

 

 

ここは去年、ずぶ濡れになりながら歩いて室堂を目指した道です。雷鳥が先導してくれた思い出深い場所です。

 

 

「血の池」も特に去年と変わらないのでスルーします。

 

 

何となく室堂よりガスが薄くなってきたような気がします。地獄谷からの強風のせいかな。

 

 

雷鳥荘を過ぎるとガスはなくなり、地獄谷方面が見えました。時々ガスのにおいが強くなるので、口をタオルで覆いながら注意して歩きます。

 

 

雷鳥沢キャンプ場が見えました。大人気の場所にしてはテントの数が極端に少ない気がします。それだけ天気がよくないということでしょうか。

 

 

満面の笑みのK。笑顔の理由は不明。

 

 

雷鳥沢を撮る私。クローズドセルのマットを外付けしているので、ザックカバーを付けるとかなり不格好です。

 

 

 

トラウマ(雷鳥沢キャンプ場)

 

10:20 雷鳥沢キャンプ場に到着。

室堂よりは天気がよく、いい風が吹いています。

が、剣沢の天気予報を確認すると風速20mほどで強い雨が降るとのこと。去年、剣沢で死にかけた身としてはなるべく怖い思いはしたくありません。

2人で話し合った結果、今日はもうここにテントを張ってしまい、明日剣沢に向かうこととしました。3日目に剱岳立山三山を一気に巡るのでややハードにはなりますが、予備日もあるのでもし厳しそうであればもう1泊しようと思います。

 

 

サクッとテントを張り終えたものの、時刻はまだ10時台。さすがに飲み始めるには早いので、一ノ越方面への登山道を少し散策してみることにしました。

 

 

散策前に管理所でテントの受付を済ませます。1人1泊1,000円です。(トイレもこの管理所にあります。)

 

 

では散策に向かいましょう。

正面の山の向こうに剱岳があるはず。明日はいい天気で待っていてもらいたいです。

 

 

空身で身軽になったK。

 

 

雷鳥沢から一ノ越への道は、雷鳥坂方面に行く際も渡るこの橋の先の分岐を右に曲がります。雷鳥坂や新室堂乗越(大日岳方面)に行く時は橋を渡ったら左です。

 

 

橋を渡って15分ほどは写真のような天気でしたが、その後、ポツポツ降ってきたと思ったらすぐに本降りになったので、駆け足でテントに戻りました。

 

 

テントの中では特にやることもないので食事をしたりコーヒーを入れたりして過ごします。

 

 

Kよ、何がGOODなんだ。

 

 

暫くして雨が止みました。

テントから顔を出すと、剣御前小舎にかかっていたガスはなくなり、小さくその建屋が見えました。

 

 

因みに明日は雷鳥坂は登らず、新室堂乗越経由で剣御前小舎を目指します。

雷鳥坂が嫌ということではないのですが、去年登ったので、今回は別の道を歩いてみたいという気持ちになりました。

 

 

奥大日岳方面も見えるようになりました。あの綺麗な三角形の山容を見てそそられない登山者はいないはず。今回は日程的に登れませんが、いずれ登りたい山の1つに入っています。

 

1日目は行動時間が1時間未満ということで、ほぼテント内でダラダラして終わりました。

早い時間からアルコールを入れてしまったこともあり、まだ明るい時間から寝始めてしまっていたようです。夜中に目が覚めると、風がかなり強く、テントが大きく揺れていて、「この風を剣沢で味わっていたら、本当に剱岳が嫌いになってしまっていたな」と思いました。

 

 

 

改めて出発(雷鳥沢キャンプ場→新室堂乗越→別山乗越(剱御前小舎))

 

おはようございます。夜中に吹いていた風も朝には収まり、いい天気です。

昨日、剣沢にテント泊したという団体が雷鳥坂を下りてきたので状況を聞いたのですが、「昨日は風は強い方だったがそこまで過酷な状況ではなかった」とのこと。

それを聞くと昨日のうちに上がってしまった方がよかったのかなとも思いますが、まあ安全第一ということで選択は間違えていなかったこととします。

 

 

面倒な濡れたテントの撤収を終えたので、そろそろ剣沢に向けて出発しますか。

 

 

9:15 雷鳥沢を出発。昨日も渡った橋を渡ります。

 

 

今日はこの分岐を左へ。

 

 

赤い花が咲いています。私には何という名前かは分かりません。

 

 

今回は雷鳥坂ではなく新室堂乗越経由で登るので、比較的傾斜は緩やか。朝一であり、昨日もろくに歩いていないので、これは体に優しくて嬉しいです。

 

 

心地よい風が吹いていていつまでも歩いていられそうな気になります。

 

 

出発した雷鳥沢キャンプ場があんなに小さくなりました。(写真左の赤い屋根がキャンプ場管理所です)

 

 

奥に見えるのが雄山と一ノ越です。

予定ではあの稜線を明日歩きます。剱岳はもちろん楽しみですが、立山三山もとてもワクワクします。

 

 

重量装備を背負うと著しく歩行ペースが落ちるKですが、現時点ではまだ生きています。

 

 

もう少しで稜線に上がれます。風が少し強く感じられるようになってきました。とは言え、まだまだ心地よいレベルです。

 

 

9:45 新室堂乗越に到着。

ここは剱岳方面と大日岳方面の分岐となっており、私達がここに着いた時にちょうど大日岳方面から来たお兄さんは「奥大日岳の山頂に着いた途端、ガスに巻かれて何も見えなかった。」と嘆いていました。

 

 

こうして山容を眺めてみると、やはりいかにも山らしい三角形が特徴的。ますます登りたくなってきました。

 

 

そしてこちらがこれから向かう別山乗越(剣御前小舎)方面。

多少雲がかかっていますが、大きく崩れることはなさそう。ゆっくり登ることにしましょう。

 

 

振り返ると、いつの間にかだいぶ登ってきたことに気付かされます。

 

 

足元は少しざれている場所もありますが、よく整備されていて歩きやすいです。ただ、時々、足を踏み外すとかなり下まで落ちてしまうような場所があるので、油断は禁物。

 

 

少しずつペースが落ちてきているような気がしますが、まだ元気な模様。

 

 

ガスの中に、うっすらと剣御前小舎の建屋の影が見えてきました。あそこまでいったらザックを下ろして休憩します。

 

 

「休憩」というワードで息を吹き返す男。

 

 

私はまだまだ元気です。(Photo by K)

 

 

ガスが抜けるともう別山乗越は目と鼻の先です。

 

 

 

 

 

辺りの山肌が徐々に岩々してきて、剱感が出てきました。

 

 

こちらのルートから、去年の登った雷鳥坂が見えます。頑張って歩いている登山者がいますね。

 

 

緩やかに標高を上げてきたつもりですが、こうしてみると案外急な場所に見えます。

 

 

さて、到着です。

 

 

 

現場に戻る(剱御前小舎→剣沢野営場)

 

11:00 別山乗越(剣御前小舎)に到着。

ザックを下ろして少し休憩します。

 

 

剱沢はガスの中です。

 

 

と思ったら少しずつ景色が開けてきました。

 

 

またガスに巻かれないうちにテント場まで辿り着きたいところ。

あとは45分下るだけで今日の行程は終了です。頑張りましょう。

 

 

去年は帰りにここでザックカバーを風で飛ばされたなー。

 

 

11:30 徐々に雲の中から姿を見せてくれる剱に気持ちを高ぶらせながら歩いていると、あっという間に剱沢野営場まで着いてしまいました。

 

 

見てください、この迫力。

私、明日はあそこに登るんですよ。登れるんですかね、、、。

 

 

CTで3~4時間程度で山頂に立てるようですが、調べてみると数々の難所があるみたい。

 

 

去年登れなかったこともあるので、ちょっと緊張してきました。

 

 

 

本番を前に(剣沢野営場)

 

去年来たこともあり、懐かしい気持ちになります。

あれだけ怖い思いをしたのに、それでも戻ってきてしまう。自らの行動に、山の魅力(魔力)を改めて思い知らされました。

 

因みに、去年はこの写真右下にある石が退けられたスペースにテントを張り、死にかけました。

 

 

剱沢に着いてからはだいぶ天気が回復してきて(と言っても曇りですが)、険しい岩肌が露になりました。

天気予報によると明日が曇りです。雨が降らなければ予定通りアタックしようと思っています。

 

 

ネットやSNSで何度も見た景色ですが、やはり自分の目で見るのが一番です。見惚れてしまいます。

 

 

到着が早かったからか、先客はいませんでした。

 

 

見えているギザギザの尾根はおそらく源次郎尾根。あそこを歩けたら凄まじい達成感を味わえそうですが、まだ一般ルートでも登頂していない私が考えることではないですね。

 

 

周りの景色を堪能しながらテントを設営。事前予約は不要で1人1,000円です。

 

 

設営し終えたら、待ってましたとばかりに乾杯。沁みわたる。

 

 

これはKが作ってくれたパスタ。

和えるパスタソースの偉大さを何度も語っていました。確かに美味い。

 

 

これは酔いが回り始めご機嫌になってきた私。

 

 

テントから顔を出すと目の前に剱岳。こんなに贅沢なロケーションは他にありません。

 

 

見えている山頂っぽい場所は前剱で、奥に本当の山頂が隠れています。前剱はもはや壁に見えるのですが、登山道はどこなんでしょう。

 

 

前剱から左下に視線を移すと剣山荘があります。あちらに小屋泊した方が剱岳へのアタックは楽なんですが、テント泊好きとしてはどうしてもこっちを選んでしまいます。

 

 

野営場の下に立っている剱澤小屋です。こちらはコロナウイルス感染拡大防止の観点から、現在は宿泊者以外、中に入ることはできません。

 

 

迫力の前剱。寄りで見てもどこがコースなのか分かりません。

 

 

そしてその奥に鎮座する山頂。隠れているのにとんでもない存在感です。

 

 

ガスが抜けると太陽に照らされた緑が「俺のことも見てくれ」と主張してきます。

綺麗です。

 

 

ポツポツとテントが増えてきています。

皆さん、明日目指す場所はただ1つです。

 

 

小屋番さんは剱岳をバックに、小屋の屋根で腕立て伏せ。大切なのは「日々、鍛錬」ですね。

 

 

何本か飲み干して、キマってしまった私。何をしていても山は楽しい。

 

 

せっかく晴れたので、定番の構図でも撮っておきましょうかね。

 

 

流石にこの時間に山頂にいる方はいないと思いますが、晴れてどこまでも広がる絶景が楽しめそう。想像するだけで、涎が垂れちゃう、、、。

 

 

山容に見惚れるK。背中で語るにはまだまだ修行が足りないようだな。

 

 

私も人に言えないですね。

 

 

晴れたと思ったら、すぐにガスが再来。

 

 

早い時間から飲み始めてしまったこともあり、今日も早めに就寝。明日が本番なので、結果的には良かったのかもしれません。

 

明日がいよいよ1年越しに目標達成に向けた挑戦です。安全第一で無事に登頂したいと思います。頑張るぞー!

 

 

 

1年越しの挑戦(剣沢野営場→剣山荘→一服剱→前剱)

 

3:00 おはようございます。遂に剱岳にアタックの日です。

早く起きたので腹は減っていませんが、途中でシャリバテして動けなくなってしまっては困るので、頑張ってアルファ化米を口に詰め込みました。

 

4:00 さすがにまだ日の出前で暗いので、ヘッドライトで足元を照らし、いざ出発です。必要なものだけアタックザックに詰めたのでとても軽い。足取りは軽やかです。

 

 

富山市方面の夜景。夜明けを待たずして、街は動き始めているようです。

 

 

前剱に向けて険しい道を進んでいきます。浮石が多いので、落石を起こさないよう、足の置き場には気を遣います。

 

 

迷いそうな場所にはこのように案内板が設置されていて心強い。

 

 

空が明るくなり、振り返るとテントを張っている剱沢野営場が見えました。立山三山は雲の中です。残念ながら、今日も綺麗な朝日は拝めませんでした。

霧で濡れてしまうので、カメラはザックの中に閉まってあります。(この後も霧が綺麗に晴れることはなかったので、カメラは出さずに終わりました)

 

 

明るくなって、自分がどのような場所を歩いているのかが分かりました。

急に高度感が出てきましたね。

 

 

どんより曇り空。

 

 

これは好物の岩場が始まりテンションが上がっている私です。天気は優れないですが、それでも心晴れ晴れ、元気に登っていきます。

 

 

鎖場はありますが、正直前剱までは特に目立った危険個所はありませんでした。ただ、全体的に不安定な足場が続くので、常時慎重さが求められますね。

 

 

 

難所を行く(前剱→剱岳山頂)

 

5:15 前剱に到着。天気が悪く、岩も濡れているためか、先客・後続ともにおらず、静かな頂上です。

 

 

既に満足げなK。

 

 

そう言っている私もご満悦。

 

 

晴れていればここに山頂がどーんと聳えているのでしょうね。

 

 

お、ここは色々なメディアで目にしたことがあります。

 

 

思ったより怖くなかったなー。

 

 

あの橋?よりもその後の岩場の方がよっぽど冷や冷やします。

 

 

Kも慎重に渡っています。ポーズをとっているのか、バランスをとっているのか。

 

 

山頂まで13か所の鎖場があるようですが、この「平蔵の頭」は中でも険しいらしい。(入山前のさらっと調べた薄い知識)

 

 

鎖場は登りだけではなく、下りもあります。(小さく写っているのはK)

 

 

「平蔵のコル」

こちらもよく聞く名前です。

 

 

そして、見えてきたのが、おそらく一番有名な鎖場ではないでしょうか。

 

 

カニのたてばい」に到着。

どれくらいの高さを登るのか分かりませんが、とにかく垂直です。ただ、ピンが打ってあるので苦戦することはなさそう。(高さが苦手な人でなければ)

 

 

ここはみんな慎重に登るので渋滞するとの情報があちらこちらに書いてありましたが、まだ誰にも会っていない、、、。

混んでいたら写真を撮るのも躊躇するのかもしれませんが、今日はゆっくり撮れます。

 

 

ではでは早速取りつきます。

 

 

下を見ると高さを感じますが、足場がしっかりしているので怖くはありません。

 

 

余裕も出てきました。

 

 

登っている時は正直「そうでもないな」と思っていましたが、こうして写真で見るとなかなか絵になる場所ですね。

 

 

無事に登り切りました。

 

 

登り切った場所を横から見るとこんな感じ。しっかりした足場がありました。

 

 

Kを待ちます。

 

 

「たけー」「こわいな」

そんな声とともにKが登ってきました。

 

ここを終えると山頂はすぐそこです。

 

 

 

感無量(剱岳山頂→前剱→一服剱→剣山荘→剣沢野営場)

 

6:30 剱岳(2,999m)無事登頂しました!

去年、ここを目指すも爆弾低気圧に見舞われて撤退したので、1年待ってようやく登頂です。素直に嬉しいです。

 

 

本来であれば絶景が広がっているであろう山頂。真っ白な景色に残念な気持ちもわずかにありますが、それ以上に達成感が勝ります。

 

 

Kとツーショットを撮ることはあまり多くないのですが、Kも私も去年の経験があるからかテンションが上がっているようです。

 

家を出る時は山頂で景色を見ながらゆっくりコーヒーでも飲むつもりでしたが、この景色ではそんな気にもなりませんので、ちょっと勿体ない気もしますが下山します。

 

ということで、7:00下山開始。

 

 

下山してすぐ、下山一番の難所である「カニのよこばい」がやってきます。

 

 

ここは最初の一歩目の足場が目視できないので、足だけで探る必要があります。これが怖いということで難所になっていますが、鎖もありますし、そこまで恐怖感はありません。

 

 

霧で岩肌が滑りやすくなっているので、そこだけ注意して進みます。

 

 

カニのよこばいを通過し、その後も要所要所に鎖場や梯子が設置されている道を歩いていきます。

 

 

これは何でしょうか?資材置き場?

 

 

山あるあるですが、下り始めると晴れだしますよね。

 

 

天気が回復してきたところで、後続のツアー登山者さんと遭遇。

これから山頂であれば、景色も期待できそう。羨ましい。

 

 

白いガスに薄っすらと見えるギザギザの稜線。あそこを歩いてきたと思うと達成感が込み上がってきます。

 

 

ずっと見えなかった剱沢も見えてきました。

 

 

下りもいくつか難所と呼ばれる場所を越える必要があります。

 

 

三点支持を意識していれば問題ありません。

 

 

ガスは完全に抜けました。物事はタイミングが命ですね。

 

 

暗闇で登った道の全容を初めて目の当たりにしました。

 

 

夜景が見えていた富山湾方面。

 

 

メインの剱岳に登頂して目標を達成したので、あとは立山三山を縦走して室堂に帰ります。

まずは剣沢でテントやらザックやらを回収します。

 

 

山頂は前剱に隠れてしまいました。あっという間の山頂アタックでしたね。

 

 

8:30 剣山荘に到着。

 

 

 

地味に堪える登り返し(剣沢野営場→別山

 

剣山荘からダラダラと剱沢野営場に移動し、パッキングして

9:00 室堂に向かいます。

 

 

頭上にはヘリが飛んでいます。

 

 

まずは別山に登り、そのまま立山三山に向かいます。

室堂から立山駅までの最終バスが15:30発。普通に歩いていれば問題ないとは思うのですが、この後、この天気は下り坂で、雨と雷の予報が出ています。どこかで雨宿りなんてことになると、帰る手段がなくなるので、歩ける時に距離を稼いでおきたいところです。

 

 

あんなに白い世界だったはずの山頂ですが、今ははっきり見えます。

下りですれ違った人たちは今頃景色を堪能しているんでしょうね。

 

 

先月、歩いた白馬三山が見えます。

これは皆さんに共感してもらえるような気がするのですが、自分が一度歩いた山は不思議と遠くから見ても判別できるようになりますよね。

 

 

こんな感じの定番構図の写真を量産してしまっていることに、帰宅してから気付きました。まあ、定番には定番になるだけの魅力があるということですね。(と、全く独創性がないと巷で噂の私は思う)

 

 

別山には乗越まで戻るルートと、直登ルートの2つがあり、今回は後者を選択。結構急な登りでした。

乗越まで登ると、これから歩く稜線(写真左側)と室堂が見えました。

 

 

歩いてきたルートを眺めて一息つきます。山はこの瞬間がいいんですよね。自分の貧弱な脚でも止まりさえしなければちゃんと辿り着くことができることを、山に登る度に感じます。

 

 

富士山を発見。富士山を見つけて喜ぶ自分は日本人だなー、と改めて実感。

 

 

 

歩きやすい稜線を(別山真砂岳

 

10:55 別山(2,874m)に登頂。立派な祠がありました。

 

 

Kが追いついてくるまで時間があったので、北峰まで歩きます。

 

 

北峰は後立山の名峰たちがより近くに感じられました。

 

 

白馬三山、不帰キレット唐松岳もはっきり見えます。

 

 

別山に戻るとKが到着していたので、いよいよ立山三山に向かいます。

 

 

ここからは最後まで室堂が見える開けた景観が続きます。

ゴールが見えているのはいいような悪いような、、、(「帰る」という事実が頭の中にちらつく)

 

 

天気予報は何とも言えない、雨が降りそうな降らなそうなどっち着かずの微妙なもの。

天気が良ければ更に綺麗なんでしょうが、この曇天でもこの稜線は素晴らしいです。

 

 

Photo by K

 

 

写真では薄っすらしか写っていませんが、富士山を眺めながらの縦走は格別に気分がいいです。

 

 

Kも楽しく歩いているはず、と思って振り返ると思いのほか険しい表情。(風が強かっただけだとのこと)

 

 

富士の折立まではアップダウンの少ない歩きやすい稜線です。(写真中央やや左の岩山が富士の折立)

 

 

両手両足を目一杯駆使して岩山をよじ登るのはもちろん好みですが、ここのように緩やかに延びる稜線を歩くのも同じように大好物です。

私は「旅」をしている感覚を味わうことが好きなんだと思います。

 

 

右手には大日岳が初日以来、その姿を見せました。

一歩一歩、着実に帰ってきていることを実感します。

 

 

遂に雨が降ってきたのでレインウェアを羽織りました。

 

 

Kはレインウェアを出すのが面倒らしく、ウィンドシェルで凌ぐらしいです。

 

 

 

ゆとりは傾斜に弱い(真砂岳→富士ノ折立)

 

12:00 小雨が降る中、真砂岳(2,861m)に登頂。

天気が心配なので、休憩せずに先を急ぎます。

 

 

真砂岳から先はこれまで以上に平坦で幅広い稜線が広がっていました。

 

 

遠くにみくりが池が見えます。

 

 

平坦な天国ゾーンも終盤を迎え、いよいよ富士の折立へ取りつきます。

 

 

富士の折立への取りつき手前にあった分岐の看板。

ここから「大走り」と呼ばれるルートを下ると雷鳥沢キャンプ場に行くことができます。

 

 

久しぶりに傾斜がついた道を歩き出したら、瞬く間に息が上がって苦しくなりました。

 

 

休憩しながら自分のペースで登ります。Kは余裕なのか、私より苦しんでいるのか、ゆとり世代なので人にペースを合わせるなんてことはしませんし、そもそもできません。

 

 

思ったより遠かったこともあり、体力を消耗しましたが何とか登りきることができました。

 

 

 

立山三山はご近所さん(富士ノ折立→大汝山→雄山)

 

12:30 富士の折立(2,999m)に登頂。想像よりも岩がゴリゴリな山頂でした。

 

 

奥に見えるのがこれから向かう大汝山のはず。

 

 

そして今歩いてきた道を振り返ると、奥に剱岳が大迫力の山容で聳えています。

 

 

眼下には黒部ダムが見えます。去年は扇沢から入山したので、あのダム湖の堰堤をUH(UltraHeavy)な装備で歩いたことを思い出しました。

 

 

やはり天気が心配なので、ここもあまり長いせずにリスタートです。

 

 

そう言えば、いつの間にかガスが晴れて遠くまで眺めるようになっていますね。

 

 

こちらの建物は大汝山休憩所。

富士の折立を発ってすぐなのですが、もう大汝山に着きそうです。

 

 

13:30 大汝山(3,015m)に登頂。

立山の主峰」と言われると、多くの方が「雄山」と答えます。確かに「主峰」は雄山なのかもしれませんが(主峰の定義が曖昧ですが、、、)、最高峰は実はこの大汝山なんです。私も去年、初めて剱岳立山三山縦走を計画した時に知りました。

 

 

折角の最高峰なので記念撮影(しれっとレインウェアを着ているK)。一緒に来ているのにツーショットが少ない辺りが私達らしいです。(仲が悪いわけではないはず、、、)

 

 

 

名残惜しいが(雄山→一ノ越→室堂)

 

13:50 雄山(3,003m)に登頂。

大汝山からは数分で到着しました。

夏の天気がいい時の人がごった返している写真しか見たことがなかったので、こんなに静かな場所だとは思いませんでした。

 

 

しかし、かなり山が深いです。山形の山もなかなか深いと思っていますが、こちらも相当ですね。わざわざ来てしまうだけの魅力があります。

 

 

ここからは一の越まで標高を下げていくことになります。

写真右手に見えるのは龍王岳でしょうか。「東野登山隊」で登っていたのを見た時は楽しそうな印象しかありませんでしたが、こうして実際に見てみると迫力があります。

 

 

そして龍王岳の奥に見えるのは五色ヶ原ですね。山荘も見えます。あそこでテント泊をすることは私のやりたいことリストに入っています。

更にその奥に見える山はどこでしょうか。方角的には薬師岳のような気もしますが、その手前にも何座か山があるはず。(誰か教えてください。)

 

 

雄山から下り始めると、もう剱岳は見えなくなっていました。

 

 

こちらが一の越山荘。

ここまでなら登山未経験の方も少し頑張れば泊まりに来られそうです。

 

 

では室堂に帰ります。

 

 

一の越からは足元が石畳に変わりました。登山靴では歩きづらく、ただでさえ疲れている脚にジワジワとダメージを与えてきます。

 

 

さっきまで歩いていた稜線が、もうこんなに遠くに見えます。

 

 

室堂が近づくと傾斜はなくなり、散歩に最適な道といった感じ。

 

 

奥大日岳がかっこいい。

 

 

歩いてきた道を振り返る。いい稜線でした。次は青空の下を歩きたい。(写真が暗くてすみません)

 

 

15:20 着いてしまいました。名残惜しいですが、これで今回の山行は終わりですね。

 

 

剱澤小屋でT-シャツを購入して早速来ているK。

 

 

お疲れ様でした。

 

 

下山後は立山黒部アルペンルート立山駅に戻り、ググって見つけた市民浴場で汗を流しました。

 

 

 

まとめ

今回は昨年、痛い目を見て撤退したルートを2回目にして歩くことができました。

1年間待ちに待ったので、登れた時の喜びはひとしお、充実感を味わうことができた山行となりました。

 

 

 

ではではまた山に行ったら更新します。

 

 
 
 
 
 
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【初歩】山の魅力を伝えたい(蔵王※熊野岳・刈田岳)

※20210807蔵王熊野岳・刈田岳)

 

今回は家からアクセスがいい蔵王に来てみました。午後から天気が崩れる予報なので、少し早起きして朝の散歩気分です。

 

 

ではでは早速行ってみましょう。

 

 

 

<行程>

刈田岳駐車場→御釜→馬の背→熊野岳→馬の背→御釜→刈田岳→刈田岳駐車場

 

 

 

過去の蔵王連峰(と言っていいのか微妙な位置の場所も含む)の記事を貼っておきますので、興味がある方は読んでいただけると嬉しいです。

 

daic22.hatenablog.com

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ソロではない(刈田岳駐車場→御釜→馬の背→熊野岳

 

おはようございます。

私は御覧の通り、雲海の写真を撮っています。

 

 

そして御釜の写真をパシャリ。

 

ん?いや、KやA君と一緒ではありませんよ。では自分の姿の写真が何故あるのか。

 

 

答え。撮影者はこの方、私の妹です。

あまりにも私が山の良さを訴え続けるので、一度行ってみたくなったのか、何気なく誘ったら「行く」とのこと。

 

 

ということで、ここに来たかったというよりは初心者向けの山ということで蔵王にやってきたわけです。

とは言え、蔵王はお手軽に絶景を楽しめるので大好きです。

 

 

標高差もほとんどなく、ここから最高峰の熊野岳(写真奥の台地)までは150mほどしかありません。しかも緩やかに標高を上げていくので、もはや登っている感覚はありません。

 

 

そして、駐車場から出てすぐにこの景色。妹も自分のiPhoneで何枚も写真を撮っています。自然の魅力が少しでも伝わればと連れてきた甲斐がありました。

 

 

御釜を眺めている場所からすぐ近くに刈田岳山頂にある神社が見えますが、まずは最高峰の熊野岳を目指します。

 

 

穏やかな風が吹いていて、まさに朝の散歩。歩いていくにつれて、少しずつ体がほぐれていきます。

 

 

稜線にはこのように杭が打たれています。平らな稜線では、濃霧の際などは道迷いが増える傾向にありますが、その対策と思われます。冬の吹雪でも役に立ちそうです。(これくらいの高さはさすがに埋まらないのかな?)

 

 

山形と宮城の県境に位置する蔵王連峰ですが、今日は山形側も宮城側も雲海が出ていて、雲の上を歩いている気分を味わえています。

 

 

さっきとは角度が変わり、また違った表情を見える御釜。定番構図ではないですが、ここから見る御釜も悪くないですね。

 

 

今日の行程ではここが一番の斜度のはずなのですが、全くと言っていいほど心拍数は上がらず。妹もこれくらいなら全然大丈夫とのこと。(妹は毎朝長時間のウォーキングをしていて、下手したら私より体力があるかも、、、)

 

 

今日の核心?を終えると、北蔵王の山々を拝むことができました。

北蔵王は宮城側のみ雲海が出ていますね。

 

 

山頂付近の神社です。ここまで来たら山頂はもうすぐ。

 

 

 

はじめの一歩(熊野岳→馬の背→御釜→刈田岳→刈田岳駐車場)

 

7:15 熊野岳(1,840m)無事登頂しました。

妹は初登頂。日本百名山も1/100座目、はじめの一歩です。(達成を目指すかは不明)

 

 

山頂にあるいい感じの岩を椅子にして、コンビニパンで朝ごはんを済ませます。

何てことないパンも、このロケーションで食べれば御馳走です。

 

 

北に位置する地蔵岳方面を見ると、その奥に見覚えのある山があります。

 

 

前回登った鳥海山です。あちらも今日はいい天気のようですね。

妹は内陸から日本海沿いの山を見られることに驚いていました。

 

 

パンを食べ終わり、今度は刈田岳を目指します。

さすがに御釜は見飽きてきたので、その奥の大雲海を楽しみながら歩きます。

 

 

あっという間に熊野岳から下りてきました。

 

 

御釜は強い酸性でなかなか調査が難しく、そこがどのような形になっているか全容はまだ分かっていないようですが、地元の山形大学が地形図を作ろうと研究を進めているとのこと。(少しは内容のある記事を、ということでさらっとググった情報を載せましたが、この情報が誰の役に立つのか、全く想像もできません、、、。)

 

 

宮城側の雲海。ダイナミックな景観に圧倒されます。

山岳観光道路であるエコーラインは雲の中を走っていくようです。

 

 

歩いてきた道を振り返ります。

普段、もう少し長い距離を縦走することが好きな私としては物足りない感覚はありますが、初めての山を楽しんでいる妹には、自分が歩いてきた道を眺める時間の素晴らしさを感じてほしいので、蔵王を選んだのは正解だったかもしれません。

 

 

刈田岳山頂の神社に着きました。

 

 

8:00 刈田岳(1,757.8m)無事登頂しました。

 

 

午後から天気が崩れるとは信じられないほどの青空で、帰るのが勿体ないですが、予定していたコースを終えてしまったので帰ります。

妹もまだまだ歩けるとのことなので、次はもう少し登り応えのある山に連れて行ってみたいと思います。(また一緒に来てくれるのであればですが、、、)

 

 

 

まとめ

今回は初めて妹と山を歩きましたが、山の楽しさを少しでも伝えられていたら嬉しいです。

次は月山あたりが丁度いいところでしょうか。計画してみたいと思います。

 

 

ではではまた山に行ったら更新します。

 

 

 

 
 
 
 
 
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【皆山】NO!差別!(鳥海山)

※20210724鳥海山

 

冬(と言っても3月ですが)に登って以来、4ヶ月ぶりに鳥海山に登ってきました。

 

鳥海山の記事を書くたびに言っているような気がしますが、かなりお気に入りの山です。

私がこうして良い山だと訴えていることもあり(絶対に関係ない)、初めて登った時より随分と登山者が増えた印象があります。多くの人に絶景を楽しんでほしいという気持ちと、山は静かであってほしいという気持ちが共存していますが、この2つはなかなか両立できないジレンマ。難しいですね。

 

それは一先ず置いておいて、早速行ってみましょう。

 

※あんまり写真を撮っていないのでさらっと書いてしまいます。読み応えのある記事ではありませんので期待なさらずに。

 

 

 

<行程>

鉾立→御浜→山頂(下山は来た道をピストン)

 

 

 

過去の鳥海山の山の記事はこちらからどうぞ。

daic22.hatenablog.com

daic22.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

 

人気の山(鉾立→御浜)

 

鉾立への道中。

鳥海山の綺麗なシルエットが見事です。今日は最高の山行となる予感。

 

 

6:45に駐車場に到着。

年々、人気が増してきており、駐車場には県外ナンバーの車がずらりと並んでいます。私達(K、A君と一緒です)は登山口の最寄りの駐車場には入れず、少し離れた場所に駐車しました。

 

 

7:30 鉾立を出発。出発して間もなく展望台があり、そこから目指す新山の山頂が見えます。(写真中央やや右上、雲の隙間から覗いている黒い影が新山です。)

 

鳥海山は新山、七高山、荒神ヶ岳、行者岳、伏拝岳、文殊岳が集まって構成されておりて、その最高峰が新山です。

 

 

鉾立までの道は石段がよく整備されていて歩きやすいです。

幼稚園児くらいの子供が元気に駆け上っていくのを何度も見ました。幅広い世代から親しまれている山であると感じると同時に、幼稚園児よりも遅い歩行スピードの自分に対する不甲斐なさが込み上げてきます。

 

※写真は偶然会った、前の部署で一緒だった方の家族です。家族で登山、素晴らしいですね。

 

 

残念ながら今日は雲が出ていますが、晴れていると鉾立ルートは振り返ればいつでも海が眺められます。

日本海カヤックで進み、海岸から鉾立まではロードバイク、そこから新山の山頂まで登山をするというトライアスロンの山バージョンとも言える「Sea To Summit」というイベントの会場にもなっています。いつか挑戦してみたいですね。

 

 

 

何度来ても(御浜→七五三掛)

 

8:40 御浜に到着。鳥海湖(御浜湖)も雪が融け、鏡のように空の表情を写しています。

 

 

そう言えば鳥海湖の畔まで下りたことはまだないですね。あそこまで行けばもう少し静かな時間を過ごせそう。今度1人で行ってみようかな。

 

 

鳥海湖は何度見ても飽きない不思議。天気が違ったり、雪があったり、来るたびに少しずつ違う風景が楽しめるからでしょうか。

 

 

鳥海湖に別れを告げて先に進みます。

新山は雲の中、、、着く頃に雲が抜ける奇跡を信じたい。

 

 

9:30 七五三掛に到着。

ここから千蛇谷を直登するか、外輪をぐるっと回るかを選択します。

 

 

暑くも寒くもなく、コンディションがいいので休憩は要らないのですが、私はこの場所に来たら必ず腰を下ろしておやつを食べることとしているので、今回も例に漏れず、暫し休憩!

 

 

 

信じる者は救われる(七五三掛→新山)

 

2人も一緒にもぐもぐタイム

2人との登山も(特にKとは)結構な数になってきました。基本的にソロが好きですが、パーティー登山もそれはそれで楽しみがあって悪くないなと思い始めている今日この頃です。

 

 

良い風が吹いてきてとても心地よかったので「今日は登頂せずにこのまま帰ってもいいのではないか」と2人に提案するも、即却下されたのでリスタートです。(くそー、やっぱりソロがいい、、、。)

因みに外輪ルートで登ります。私は景色がいいのでこっちが好きです。

 

 

外輪から千蛇谷を見下ろします。よく見ると小さな登山者が少しずつ前に進んでいます。

 

 

千蛇谷のルートを辿って顔を上げていくと、目指す新山が雲の中から出てきました。

やはり信じる者は救われる。あれだけ真っ白でも希望を捨てちゃいかん。

 

 

青空まで拝むことができました。

 

 

自然と歩くペースが上がります。

 

 

こちらの白い花はコバイケイソウというらしい。

全く興味がない私には花にすら見えず、情けない気持ちになりました。

 

 

外輪から新山に向かうため雪渓に降り立ちました。2人も仲良くくっついて歩いてきます。

 

 

新山の山頂付近は写真のような岩山で足元は不安定です。

 

 

おまけに人がごった返しているので自分のペースを守るのが難しいかもしれません。落ち着いて、滑落しないように気を付けましょう。

 

 

山はみんなのもの(新山→七高山)

 

11:30 新山(2,236m)無事登頂しました。

本来であれば山頂の看板やらの写真を載せるところですが、山頂の人が多すぎて、その列に並んでまで記念撮影をする気分にはどうしてもなれなかったので写真がありません。御了承ください。

 

その大勢の登山者を並ばせて交通整理をしていたおじいさんがいました。地元の山岳会所属と思われる格好で、大声で「そっちは危ないからこっちに並んで」などと登山者に指示を飛ばしており、最初は「こういう方のおかげでトラブルや事故が防止されているんだなー」と感心していました。

が、暫く様子を見ていると、大勢の登山者が自分の指示で動いていることに気持ちがよくなってしまったのか、おじいさんの発言内容が酷いものとなっていきました。登山者の中には海外からの観光客もいたのですが、「日本人以外は山頂に立つな。」「早く自分の国に帰れ。」といった差別的発言が聞こえてきました。他にも「女性は山頂に立つな。」などの発言も見られ、聞くに堪えないようなその内容に山頂にいた登山者の多くが呆れかえってしまいました。

どのような考え方かどうかは知ったことではありませんが、自分の所有地でもない場所で自分の考え方を基準に登山者を差別し、登頂を拒むおじいさん。さすがに注意しようと思いましたが、あの手のおじいさんが自分より何十歳も若い人間の注意を聞く絵が全く想像できず、新たなトラブルを起こしかねないと思ったので山頂をあとにしました。

色々と思うことはありますが、ここにはただ1つ「あんな人間には何があってもならない」ということだけは誓いたいと思います。

 

 

新山付近から見えた七高山。

 

 

このまま微妙な気分のまま帰るのはもったいないのであそこに寄って気分を浄化させることとします。

 

 

 

モヤモヤを振り払って(下山)

 

12:30 七高山に到着。

新山より7mも低いんですね。新山から見ると逆にこっちの方が高く見えたりするのでちょっと意外。

新山より人が少ないので(それでも結構な人数がいましたが)腰を落ち着けて山の空気を楽しめます。

 

 

七高山で新山でのモヤモヤ気分を振り払い、ぼちぼち下山を始めます。

 

 

鳥海山はテントを張れる場所はなく、宿泊する場合は御浜小屋か、この山頂小屋に泊まることとなります。

登山を始めて3座目で鳥海山に訪れた時はここにお世話になりました。まだアルプスなどを全く知らなかった私にとって、山の上にこれだけの規模の建物が建っていることはとても新鮮で驚いたことを覚えています。1杯1,000円で購入できる生ビールも、それまで飲んだどんな飲み物よりもおいしく感じたこと、忘れられません。

 

 

帰りも外輪コースを使います。千蛇谷の雪渓は万年雪とも言われ、完全に溶ける前に雪が降り始めるんだとか。山の環境は下界とは大きく異なるということを実感させられます。

 

 

もくもくと沸き立つ雲に夏を感じる帰り道。

 

 

振り返るとあれだけ濃かった雲が完全に抜けていました。

 

 

名残惜しいですが、また来ればいいと自分に言い聞かせて進みます。

 

 

御浜に着く頃にはまた山頂は雲に包まれ始めていて、それを見て少しほっとした自分の小ささにがっかりしながら鉾立まで歩きました。

 

 

 

まとめ

 

今回の山行ではいい景色を見て楽しかったのですが、やはり山頂でのおじいさんが強烈に印象に残っていて、山の後にしては珍しく、モヤモヤした感情が残りました。

山はみんなのもので、決して私物化していいものではないと思います。(私有地は除く)

山を歩くことで、自然の中で過ごすことで得られる幸福感、充実感、満足感は、それを望む全員が等しく味わう権利を持つはずです。


柄にもなくそんな真面目なことを考えさせられた山行となりました。

 

 

ではではまた山に行ったら更新します。

 

 

 
 
 
 
 
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【不帰】3日で7kg減はワールドクラス?(後立山連峰縦走※白馬~五竜)

※20210719~20210721後立山連峰縦走(白馬~五竜

 

初めての冬靴を買った1年半前、登山用品店の店員さんから言われてずっと心に残っていた言葉があります。

「白馬はワールドクラス」

世界の名峰と肩を並べるほど素晴らしい景色を楽しめるとのこと。その店員さんはマッターホルンモンブランを踏破したすごい経歴をお持ちの方なのですが、その方がそんなことを言うということは余程魅力的な場所なのだろうと、訪れるチャンスを今か今かとうかがって過ごしてきました。

 

そして、遂にその時が。

土日と祝日の間を有休で埋め、9連休を作り出しました。これで天候不良やアクシデントで停滞しても問題ありません。急いで具体的な行程の計画を立て、いざワールドクラスへ出発です。

 

個人的には2回目の後立山。初めてはギリギリ厳冬期の日帰り唐松岳でした。冬山を始めて2ヶ月、ヘロヘロになりながら登頂したのを覚えています。今回はどんな山行になるのでしょうか。

 

今回は猿倉から白馬大雪渓を通って白馬岳へ登り、ここでテント泊。翌日、杓子岳と白馬鑓ヶ岳を越えて、不帰キレットを通って唐松岳へ。行けたら五竜岳まで行きたいのですが、おそらくテント泊装備でスピードは期待できないので、唐松岳でもう1泊。明朝、五竜岳まで歩き、その時の残りの体力で、①遠見尾根で下りるor②キレット小屋まで行って宿泊し、八峰キレットを通って鹿島槍ヶ岳爺ヶ岳に登って扇沢に下りる、の2択から最善の行程を選択しようと思います。(タイトルを見ればどの選択をしたのか一目瞭然ですが、、、。)

 

久しぶりに私の好きな(得意とは言っていない)岩場が多い山行になりそうで、気分が高揚気味ですが、落ち着かないと事故に繋がりかねないので冷静になるよう努めます。

 

昨年、Kさん(いつも出てくるKとは違う方です)に誘われて、暫く行くつもりがなかった国内最難関のジャンダルムに登りましたが、それ以前は国内三大キレットを踏破してからジャンダルムに登ろうと思っていました。

キレット:漢字で「切戸」と書き、山と山を繋ぐ尾根が深く切り落ちている場所のこと。長野県の方言からきた言葉と言われていて、富山県では「窓」と呼ばれることもある。

 

未だ1つも踏破していないキレット

最も有名な「大キレット」は槍ヶ岳穂高を結んだ場所(正確には南岳と北穂高岳の間)にあり、こちらは来年あたり、Kさんと一緒に行く計画を立てています。

そして、五竜岳鹿島槍ヶ岳の間の「八峰キレット」。私がよく見ているYouTuberの方が数年前に縦走しているのを見て、とても魅力的に感じています。

最後が今回歩く「不帰キレット」。白馬鑓ヶ岳の南側の天狗ノ頭と唐松岳の間にあり、「不帰ノ嶮」と呼ばれることも。(文字からして何だか恐ろしい場所のような印象ですよね。私は無事に帰って来られるのでしょうか。)以前、冬の唐松岳に登った際、八方尾根を歩きながら右(北)を見た時に目に入った、やけにギザギザしているなと思った場所が不帰キレットだったようです。本当は昨年歩くつもりだったのですが、なんやかんやでタイミングを逃し、今年の挑戦となりました。

岩山好きと自称している以上、キレットは是非とも制覇しておきたいところ。無理は禁物ですが、挑戦しなければ成功はありません。頑張ります!

 

 

ではでは早速行ってみましょう。

 

 

 

<行程>

1日目:八方バスターミナル→猿倉荘→白馬尻小屋→大雪渓→村営頂上宿舎→白馬山荘→白馬岳→村営頂上宿舎

2日目:村営頂上宿舎→杓子岳→白馬鑓ヶ岳→天狗山荘→天狗ノ頭→天狗ノ大下り→不帰キレット唐松岳→頂上山荘

3日目:頂上山荘→牛首→大黒岳→五竜山荘→五竜岳五竜山荘→白岳→西遠見山→大遠見山→中遠見山→小遠見山→アルプス平駅→遠見駅→神城駅→白馬駅→八方バスターミナル

 

 

 

過去の北アルプスの記事はこちらからどうぞ。

daic22.hatenablog.com

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ロングドライブ(山形→八方※0/3日目)

 

まずは山形から八方まで遥々一人旅です。今日は移動だけで、特にどこかに寄ったりする予定はないのでのんびり運転していきます。(写真はドライブ中のお口のお供です)

 

 

いい天気です。明日からの山行も晴れ予報。これくらいの快晴だといいですね。

特に岩場での雨は危険度が増すのでやめてほしいなー。

 

 

八方に着きました。ここ数年、何度か長野まで運転してきているので、あまり遠い場所に来たという感覚はなくなってしまっていますね。

バスターミナル周辺には無料駐車場が何ヶ所かあり、ハイシーズンでも全部が埋まってしまうなんてことはないようです。ちょっと心配していましたが一安心。

今日は近くのコンビニで夜と翌朝分のごはんを買い、車中で朝まで過ごします。人によっては車中泊ではなかなか寝付けない人もいると聞きますが、幸い私はいつでもどこでも寝られる特殊能力があるので問題ありません。

 

 

駐車場で休憩中のタクシーのおじちゃんから話しかけられたのですが、元ばりばりの山屋だったらしく、後立山の魅力をたっぷり教えてもらいました。

 

明日の今頃はあの稜線上にいるんだなー、なんてことをぼんやり考えていたらいつの間にか寝てしまっていました。

 

 

 

八方に生きる(八方→猿倉※1/3日目)

 

おはようございます。予報通り抜群の天気です。

ただ夏は午後になると雲が湧いてくるので、油断せずになるべく早く稜線まで上がってしまいましょう。

 

 

5:30 バスターミナルには既に登山者の姿がありました。6時出発ですが、バスに乗れないなんて事態だけは避けたいなと思い、一番乗りのつもりで来ましたが、同じ考えの人が結構いるようです。(さすがに乗れない事態にはならずに済みそう)

 

 

「八方に生きる」by石原慎太郎

石原さんと八方にどのような関係があるのか石碑の台座の文字を読もうと思ったのですが、バスターミナルに続々と人が来たので、抜かれたくない私は列に戻りました。

 

 

これから向かう白馬三山(のはず)。

右から白馬岳、杓子岳、白馬鑓ヶ岳。今日は白馬岳に登頂予定です。

 

 

バスが来ました。ここから猿倉まで950円。左右の窓が少しずつ空いていて、密が避けられています。

 

いよいよ始まります!

 

 

 

林道を進む(猿倉→大雪渓※1/3日目)

 

6:20 猿倉に到着。ここで皆さんは登山届を記入し始めました。私は事前に「コンパス」というWebサービスで提出済みなので、トイレ等々、出発に向けて他の準備を進めます。

 

 

6:40 登山開始。

今回のザックは約25kg(テント泊装備+大量のビール)。その重さにより、ここに来るまでの過程で既に疲労感が。大丈夫かおれ、、、。

 

 

まずは林道歩き。ランクルが通れるほどの幅ですからだいぶ歩きやすいです。

 

 

時折、遠くに見える稜線に期待と不安を膨らませつつ、暫く歩いていくと奥に雪渓が見えてきました。

あれが大雪渓でしょうか?

 

 

7:30 白馬尻小屋に到着。と言いたいところですが、小屋はどこにもありません。

それもそのはず。元々、この小屋は立地的に雪崩が多い場所なので、毎年5月に建てて10月に解体することとなっているのですが、今年はコロナの影響で営業しないことが決定しています。よって、小屋はなく、広く平らな場所が生まれています。

 

 

ここから大雪渓までは数分で着くようです。

いよいよ日本三大雪渓に取りつきます。どんな景色なんでしょう。どんな難易度なんでしょう。どれくらい大変なんでしょう。

そして、飯豊の石転び沢とどちらが厳しい道なんでしょう。もし石転び沢のほうが上なら、私が勝手に日本三大雪渓に石転び沢を加えることとします。(自分で言っておいてなんですが、何をもって上と判断するのかは難しいですけどね。)

 

とりあえず無事に通過できますように。これが一番です。

 

 

 

絶景の大雪渓(大雪渓※1/3日目)

 

7:50 白馬尻小屋から雪渓のすぐ横まで移動し、ここでアイゼンを装着。

計画段階で色々なサイトで調べると「チェーンスパイクで事足りる」との意見が半数くらいありましたが、それで危険を感じるのは嫌ですし、万が一のことがあると周りの方にも迷惑が掛かるので、念のため12本アイゼンを持参しました。

 

 

雪渓に乗ると冷たい風が吹き下ろしてきます。天然のクーラーです。これはありがたい。火照りそうな体を適度に冷やしてくれます。

さすがは大雪渓といったところで、はっきりとトレースがついているので迷うことはなさそうです。ただ、7月も半ばを過ぎるといくら北アルプスであっても雪は緩み始めているので、歩行には注意が必要です。

 

 

天気予報では快晴のはずですが、ガスに包まれている時間が長いです。そんな中でも時折見える稜線に胸が高鳴ります。

 

 

歩きながら、飯豊の石転び沢と白馬大雪渓のどちらが日本三大雪渓に相応しいのか考えてみました。個人的には体力的には石転び沢の方が厳しいように感じましたが、景色は白馬のほうが好きです。

「こればっかりはその人の好みだなー」なんて、歩かなくても分かるような結論に至りました。

 

 

大雪渓自体はCTで2.5時間ほど。迫力ある景色(と人の多さ)に圧倒されていたらそろそろ終わりそうです。(写真中央の草地まで行くと大雪渓は終了です)

 

 

雪渓にはぱっくりと口を開けている箇所が結構あったので、濃いガスの中を歩かなければいけない状況ではより注意が必要ですね。行く方はお気を付けください。

 

 

 

シャリバテ(大雪渓上部→村営頂上宿舎※1/3日目)

 

9:15 大雪渓を通過。思ったよりもあっという間に終了してしまいました。

感想としては「景色がいい」です。疲れよりもそっちの方が強いので快適に歩けました。

この上にある小雪渓もアイゼンを使う予定ですが、雪がない岩道を暫く登るので一旦アイゼンは外します。

 

 

こちらが小雪渓。雪渓の手前に「距離は短いけどアイゼン着けろ!」的な看板が立っていました。

大雪渓は斜面に対面して登っていくので、後ろを振り返らない限りはそこまで高度感はありませんが、小雪渓はトラバースになるので結構怖いです。

 

 

小雪渓を渡り終えたので、アイゼンは完全に御役御免。あとは小屋までラストスパートです。

ここまで来たらすぐに着くと思っていましたが、地図を確認するとCTで2時間かかるようです。それが判明した途端、急激に疲労感が、、、。

 

 

疲労しているからか、単純に厳しい道なのか、小雪渓から小屋までの尾根はなかなかの急登に感じます。

奥に見える杓子岳がとても遠くに見える。

 

 

そして、ここでなぜ急に疲れが出てきたのかが判明。シャリバテでございます。写っている男性がカロリーメイトを食べているのを見て気付きました。

朝食もコンビニパンのみで、行動食も全く食べずにここまで歩いてきたので、当然と言えば当然。思い返すと、私はちょいちょい同じようなミスを繰り返しているように気がします。反省。(反省はしているつもりで、それでも繰り返しているのでもはや救いようがないような、、、。)

 

 

わさび柿ピーを口に流し込んで小休止。ここのお花畑は見事です。

 

 

元気がある時であれば花には目もくれず素通りしてしまっていたかもしれません。シャリバテも悪いことばかりではなかったですね。(いや、悪い)

 

 

花に癒されて少し回復したので、だらだら進みます。

顔を上げるとだいぶ近くに小屋が見えています。急に現れたように感じていますが、私がただ下を向いて歩いていただけですね。「こんなにいい景色の中、足元だけしか見ていないなんて勿体ない!」と歩き終えた今はそう思いますが、その時はそこまで余裕がなかったんでしょう。

 

 

 

テントを張って(村営頂上宿舎→白馬山荘※1/3日目)

 

11:30 村営頂上宿舎に到着。やっと着いたー。大雪渓よりもその後の方が大変でした。

テント場に行く前にここで受付をしました。(テント場はコロナの影響?で完全予約制です。2,500円)売店兼食堂もあり、確か14時くらいまで営業していたような気がします。(ビールの自動販売機もあります!スーパードライ500ml800円)

 

 

上に見えるのは白馬岳山頂直下にある白馬山荘ですかね。

 

 

頂上宿舎の裏にテント場があります。私も早速設営しました。(写真右の緑のテントです。)

テントは今回の山行から導入したNEMOのTANI。吊り下げ式なので強風時は少し心配ですが、設営のしやすさは抜群です。

 

 

さて、テントにくそ重いザックを放り込んで、ピークハントに向かいます。

空身って素晴らしいですね。走れるくらい体が軽いです。

 

 

左(西)を見るとかっこいい山が鎮座しています。旭岳というらしい。雪と岩のコラボレーションに視線を奪われます。

 

 

頂上宿舎から白馬山荘までは緩やかな斜面が続きます。展望が開けているので飽きずに歩けるので、すぐに山荘まで着きます。

 

 

 

ピークへ(白馬山荘→白馬岳※1/3日目)

 

12:40 白馬山荘に到着。山の上にあるとは思えないほど充実した設備です。

事前の調べではここではジョッキで生ビールが飲めるとのこと。今すぐにでも飲みたいところですが、まずはピークハントを済ませましょう。うーん、早く飲みたい!

 

 

白馬山荘から山頂までは15分ほど。遮るものがない開けた道を歩いていきます。

 

 

やや雲が多いのが気になることですが、山頂に着くことには晴れる、と信じたい。

 

 

あそこが山頂、今日の最高地点です。

 

 

 

ピークハント(白馬岳山頂※1/3日目)

 

13:20 白馬岳(2,932.3m)無事登頂しました。

数年前から来たかった場所なので、素直に嬉しいです。

 

 

山頂の石碑?には沢山の小銭が差し込まれていました。

 

 

山頂で休憩しているとガスが抜けました。信じる者は救われますね。

いい景色に疲れもどこかに消え去り、ただただ充実感に浸る幸福の時間。

 

 

白馬岳山頂の富山側(山荘から見て左側)はなだらかな斜面ですが、長野側(山荘から見て右側)は写真の通りストンと切れ落ちていてすごい高度感です。覗き込むと股がスースーします。

 

 

こちらは山頂北側、三国境や小蓮華岳白馬大池方面です。

「次に白馬岳に登る時は栂池から白馬大池経由で登るのもありだなー」なんてことを考えています。

 

 

一応、登頂したら三角点タッチもしています。(誰得情報)

 

 

こちらは雪倉岳かな。いい稜線に目がない私としては雪倉~朝日も歩いてみたいところです。アクセスが悪いのが難点ですが、何とか工夫して実現させたいものです。

 

 

 

ワールドクラス(白馬岳山頂→白馬山荘※1/3日目)

 

山頂での景色をゆっくり堪能できたので、そろそろ山荘でビールタイムと行きましょう。

来た時よりも晴れているように見えるのは、ビールが近づいてきているからでしょうか。(違います。ガスが抜けただけです。)

 

 

テント場が山荘の奥に見えました。それにしても、1つの山頂に対して山荘と頂上宿舎、山小屋が2つもあるなんて、他の山ではなかなか見ない光景です。それだけ人気の山ということですね。

 

 

山荘の中はこんな感じ。山小屋とは到底思えないほどおしゃれな作りです。

 

 

1杯1,000円。下界の相場と比べるなんてナンセンスなことをしてはいけません。こんな景色の中で生ビールが飲めるんですから、それだけでありがたいことです。

 

 

命の水を飲みながら、ふとあの言葉を思い出しました。

「白馬はワールドクラス」

あの登山用品店の店員さんはどのあたりに世界を感じたのでしょう。私は世界の山は未経験なので想像もつきませんが、緑の柔らかさと岩の荒々しさが融合したこの景色は確かに世界に誇れる風景だと思います。

 

 

先程からビールのつまみとなっている正面の山は手前が杓子岳、奥が白馬鑓ヶ岳です。登頂した白馬岳と合わせて白馬三山と呼ばれています。

明日はあの山々を越えて不帰キレットに臨むことになりますが、キレットに入る前に力尽きそうな気がするのですが、、、。

 

 

私は無事に帰ることができるのでしょうか。

 

 

天空の楽園(白馬山荘→テント場周辺※1/3日目)

 

テント場付近まで下りてきました。

 

 

命の水を飲むまでは旭岳にも登ろうかと思っていたのですが、そんなやる気はもうありません。のんびり過ごします。

 

 

さっきよりテントが増えています。そりゃあそうです、こんなにいい天気ですから。(この後も続々と増えて、最終的にはかなりの数になりました。)

 

 

テント場の裏、明日からの縦走路上にある丸山です。今日の夕日はあそこから見ると綺麗かな。

 

 

旭岳方面から歩いてくる人が。小屋番さん?がはっきりとした目印をつけてくれているので歩きやすそうですね。(書き忘れていましたが、大雪渓・小雪渓ともに目印が付いていました。本当にありがたいです。)

 

 

白馬山荘とその奥の山頂。天空の楽園です。

 

 

青い空と白い雲。「こんな景色を楽しめるんだから、もっとみんな山に来たらいいのに」と思う気持ちと「静かにこの絶景を独り占めしたいからみんな山に来るな」と思う気持ちが交錯します。

 

 

旭岳も惚れ惚れする山容です。

 

 

杓子岳はピークを踏まずにトラバースする道(写真左側)もありますが、折角なのでピークハントするつもり。ただ、白馬鑓ヶ岳のあの登りを見ると少々不安。まあ、頑張りましょう。

 

 

 

夕日に願いを(テント場周辺※1/3日目)

売店の入り口の自販機でビールを調達し、本格的にだらだらタイムに入りますか。

 

 

と思ったら既に丸山に夕日を待つ人の影が。あまりだらだらしていると、いいポジションを確保できなそうです。

(仕方なく)グビグビと喉を鳴らしてビールを飲み干し、私も稜線上に向かいます。

 

 

確かに太陽はだいぶ傾いて、光の色も暖色になってきています。山で一番好きな時間かもしれません。

 

 

YouTubeや雑誌で何度も見た景色ではありますが、やはり自分の目で見るべきですね。生はやはり別格。苦労して、汗をかいて、自分の足で辿り着いたからこその感動があるな、と山に登る度に思います。

 

 

太陽は旭岳の裏に沈むようです。

 

 

この時間になって、再びガスが湧いてきました。幻想的な雰囲気を演出してくれています。

 

 

日陰になると一気に寒さを感じます。夏と言えど、やはり山は下界とは違う環境です。

 

 

寒いのでまだ日が当たっている部分をうろちょろすることにします。

 

 

雪倉岳まではっきり見えます。

 

 

富山側は雲海になっています。

 

 

丸山の南側には大迫力の入道雲。夏だなー。

 

 

夕日もクライマックス。

 

 

山肌が赤く染められて綺麗です。

 

 

神様は信じていないタイプですが、こういう時だけ都合よくお祈り。

「明日も無事でありますように!いい景色を沢山見られますように!」

 

 

お祈りも済んだところで、そろそろテントに戻って、マジックアワーを楽しみながら寝る準備でもしますか。

 

大満足の1日目が終了。明日はいよいよ今回の縦走の核心部です。乞うご期待!

ということでお休みなさい。

 

 

 

縦走スタート(テント場→杓子岳※2/3日目)

3:00 おはようございます。2日目の朝です。

と言っても辺りは暗く、見上げると満天の星が輝いています。

 

 

星の撮影をしながら朝食を済ませ、テントを撤収します。周りの方々もぼちぼち出発の準備を始めています。

パッキング中、朝露で重くなったテントを詰め込みながら「こんな重いザックでキレットを通れるのかな」と不安になってきました。まあ、とりあえず手前まで行ってみて、本当にダメそうなら引き返しますか。

 

 

5:00 パッキングを終え、いよいよ出発です。まずは杓子岳を目指します。

朝日に照らされる白馬岳が美しい。

 

 

昨日、夕日を見た丸山まで来ました。

この時間の旭岳もいいですね。岩肌に光が刺していて、カッコよさが倍増しています。

 

あまり写真ばかり撮っていると時間がなくなりそうなので、程々にして先に進みます。

テント場から杓子岳まではCTで1時間ほど。最後の登りがかなり手強そうです。

 

 

右には立山剱岳が浮いています。去年の苦い経験を思い出しますね。本当にクレイジーな思い出です。

 

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杓子岳までの道のりは、一度下って登り返す形。この重量(約25kg)+昨日の疲れもあって、僅かなアップダウンも気になります。

 

 

ここから見ると、やはり白馬岳の長野側は断崖絶壁ですね。

 

 

杓子岳への最後の登りは、足元がガレていて思うようにスピードが出ません。位置的にはこの下が昨日登ってきた雪渓なので、この石が落石の要因なのかもしれませんね。

 

 

 

三山制覇へ(杓子岳→白馬鑓ヶ岳※2/3日目)

 

5:55 杓子岳(2,812m)無事登頂しました。

最後の急登で今日の分の体力を全て持っていかれた気がします。

山頂は南北に細長く伸びていて、狭くはないけど休憩にはあまり適さないところです。大量の石が積みあがったような場所なので、足元は不安定。気を抜くとバランスを崩しそうです。慎重に白馬鑓を目指します。

 

 

目指す白馬鑓ヶ岳は一度少し下って、大きく登り返します。

またもや体力が消耗しそう。山頂に着いた途端に力尽きなければいいですが、、、。

 

 

と、ここで先行者を発見。初めての場所なので心強いです。

私だけでしょうか。山にいると、誰にも会いたくない気持ちと誰かに会いたい気持ちの両方が強くなります。わがままなんですかね。

 

 

白馬鑓への登りに取りついた辺りで、案の定、疲労感が襲ってきたので、歩いてきた道のりを見て休憩します。

しかし、この景色は多くの人に見てもらいたい絶景ですね。本当に綺麗です。

 

 

今のところ後続者は見つけられていません。前に人がいるのは歩きやすいですが、後ろに人がいるのは急かされているような気がして得意ではないのでありがたいです。

 

 

こうして見ると、目の前の急登を越えると、最後になだらかな登りがあって山頂に至るようです。

 

 

絶景をエネルギーに足を前に出します。

 

 

山頂への分岐です。こちらも杓子岳と同様、山頂に行かずにトラバースする道もあるようですが、大した時短にもならないみたい。登らない選択肢はありません。

 

 

 

迫力の縦走路(白馬鑓ヶ岳→天狗山荘※2/3日目)

 

6:55 白馬鑓ヶ岳(2,903m)無事登頂しました。

山頂は杓子岳よりだいぶ広く、景色も良いので、休憩するのに絶好の場所です。ということで、私も補給タイムを取ることにします。

 

 

歩いてきた稜線。これで白馬三山を繋げました。本当にここまでの行程だけで十分過ぎるくらい満足感があります。

 

 

この高度感。歩いている時はさほど感じませんでしたが、こうして見るとなかなか険しい道であったことが分かります。

 

 

ザックを下ろして休憩できたので、次のチェックポイントである天狗山荘まで歩ける体力くらいは充電できたような気がします。

 

ということでリスタート。白馬鑓からは不安定な石ころの道をだらだらと下っていきます。

 

 

下り終わるとアップダウンがほぼない道です。稜線上のこういう道は大好物。お散歩気分で歩けます。

 

 

白馬鑓温泉への分岐がありました。

もちろん今回はスルーですが、そもそも今は登山道の崩落?か何かで下の猿倉まで抜けることができないらしく、行くことが少し難しくなっているようです。でも、こんな山中で温泉に入れるなんて、夢のような場所ですよね。一度は訪れたいと思います。

 

 

先行の方と話すタイミングがありましたが、この方もキレットに挑むとのこと。

「そんな大きなザックでよくキレットに行きますね。」と言われてしまいました。確かに私もそう思います。次にキレットに行く時はもっと軽量化しようと心に誓いました。

 

 

立山剱岳。今年こそはあの頂まで登りたいです。

そう言えば何故「後立山」と呼ぶんでしょう。と思ってググってみたら「富山側から見た時に立山の後ろに聳えて見れることに由来している」とのこと。どうでもいいですが、何故富山県側からの視点が採用されているんだろう。(本当にどうでもいいです)

 

 

振り返ると白馬鑓が鎮座しています。北側から見た時よりどっしりとした印象です。

 

 

平坦で景色のいい散歩道を進んでいくと、あっという間にこの標識が。間もなく山荘のようです。

 

 

山荘手前に雪渓がありますが、傾斜もきつくないので心配はなさそうです。

 

 

 

核心へ向かう(天狗山荘→天狗ノ大下り※2/3日目)

 

7:45 天狗山荘に到着。先ほど休憩したばかりなので今回は通過しますが、白馬山荘よりも静かで、個人的にはこっちが好みかなー。(ここに辿り着くまで大変だけど)

是非とも一度テント泊してみたいです。

 

 

水場も近くて快適そう。

 

 

天狗山荘を通過してすぐ、天狗の頭に着きました。

ということは、ここから天狗の大下りが始まって、いよいよキレットですか。

 

 

と思いましたが、先を見ると、もう少し快適な散歩を楽しむ時間はもらえそうです。

奥に見えるのが唐松岳五竜まで行きたいけど、キレットを越えた時の残りの体力ゲージ次第かな。(多分、無理でしょう)

 

 

いい稜線です。

 

 

GPSを確認すると、目の前の小ピークを巻いた裏あたりから天狗の大下りが始まるようです。

 

 

剱岳よ、私が落ちないように見守っていてくれたまえ。

 

 

どーん。これがキレットですか。やはり結構きつそうです。

 

 

 

ダダ下り(天狗ノ大下り→不帰キレット※2/3日目

 

8:35 天狗の大下りの起点に到着。まずはここから300mほど一気に標高を下げます。勿体ないですが、この気持ちは山歩きの常。仕方がありません。

ヘルメットを着用し、顎紐と気持ちを引き締めてスタートです。

 

 

大下りは基本的にずっと不安定な岩や石の上を下っていきますが、特に急な場所には鎖が設置されています。慎重に進もうと足元をよく見てみると、その足の奥にある股間がスースーする景色が目に入り、緊張感を高めてくれます。(手を使って下りていく箇所が多く、なかなか足元の写真が撮れませんでした。)

 

 

鎖場は下り始めてすぐに多く出てきましたが、そこを抜けると写真のようにガレた急な下り坂を歩きます。写真中央のコルまでもう少し頑張ります。

 

 

それにしてもコルから先のキレット、これ道あるのかな?

ここからではどこがルートになるのか識別できません。稜線上だとしたら左側は断崖絶壁です。

 

 

キレットの急峻さに不安感を煽られながら、コルに到着です。

 

 

 

重い・険しい・疲れた(不帰キレット①※2/3日目)

 

9:30 コルで少し休憩した後、キレットに入ります。ルートは稜線上ではなく、富山側の斜面に走っており、急ではありますが三点支持を意識すれば特に問題なく歩けます。

 

不帰キレットは白馬側から行くと、一峰、二峰北峰、二峰南峰、三峰の順に越えていきます。核心部は二峰北峰への登りのようです。CTは約3時間。長いと感じるか、短いと感じるか、後者であってほしいと願いながら歩きましょう。

 

写真はさっき下りてきた天狗の大下り。ここを登りで使うのはなかなか骨が折れそうなので、キレットに再訪するとしても今回と同じ白馬側からを選びそうです。(再訪のことはまず今回無事に通過してからにしろ)

 

 

コルから出発した直後の「ほぼ垂直なのでは?」という岩登りを終えると斜度は落ち着き、奥に見えるレベルが一段階上の岩山を目指して進んでいきます。あれが二峰北峰、キレットの核心部。さすがに楽ではなさそう。

 

 

9:50 とりあえず一峰(2,520m)に登頂。キレットはまだまだ序盤。むしろここからが本番のようなので気を抜かないようにします。

うーん、しかしやっぱり荷物が重すぎるな。ちょっとバテてきたかも、、、。

 

 

雲の奥に見える二峰北峰には、一度大きく下ってから登り返します。この荷物では少しのアップダウンですら気になるというのに、メンタルを削られる厳しい状況になってきました。この感覚、山から離れると異様に恋しくなるのに、その最中はそこまでの余裕はなく、楽しいのは間違いありませんが、早く着いてくれという気持ちが大きくなります。

 

 

一峰への登りに取りつく前にも思いましたが、ルートはどこよ。

 

 

と思ったら先行している方がいました。いやいや、ルートとかではなく、ただ岩をよじ登っているだけのように見えるのですが、、、。

 

 

いざ、登り始めると、手足をかける場所が結構あるので、そこまで困ることなく登っていけます。

ただ、なにぶん荷物が重く常に後ろに引っ張られているような感覚なので、気を抜くと後ろに広がる絶景にダイブしてしまいそう。

 

 

要所要所には鎖や杭が打たれているので、その恩恵にあずかればバテバテの私でも何とか標高を上げていけます。

と、こんなところに梯子の橋が。これは事前に山行記録を調べていた時にみなさんが写真を撮っていたので知っています。東京タワーなどにあるガラス張りの床よりもスリルを楽しみたい方におすすめです。

 

 

こちらも事前に調べていた時に見つけた挟まっている岩。今は丁度良く上手い具合に挟まっていますが、地震か何かの拍子に外れたら、とんでもない大きさの落石(落岩?)となりますね。考えただけでもゾッとします。

 

 

 

自分のペース(不帰キレット②※2/3日目)

 

10:50 二峰北峰(2,581m)に登頂。核心部を乗り越えました。

岩登りの難易度もさることながら、ただただ私の体力不足or補給不足によるバテが影響し、予定よりも時間がかかってしまっています。ただ、ここで焦ってもいいことはなさそうなので、落ち着いてこれが自分のペースだと受け入れるしかありません。

 

 

右の山が二峰南峰です。傾斜はここまでの行程と比べたらいくらか易しく見えます。

 

 

一度削られた体力を歩きながら回復させるのは難しく、こんな何でもない道でもヒーヒー言いながら歩きます。

 

 

だいぶキレットの終点である唐松岳に近づいてきたので、八方尾根がよく見えるようになってきました。

 

 

八方池も確認できます。夏の八方尾根も歩いてみたいなー。

 

 

11:10 二峰南峰(2,614m)に登頂。

よし、もう無理。ザック下ろします!唐松岳まで我慢できず、ここで一度天使タイム(私が勝手にそう呼んでいる「重いザックを長時間背負って疲労した後、ザックを下ろした瞬間に訪れるあの空に飛んでいけそうなほど体が軽くなる時間」のこと)に入ります。

 

天使となり、行動食を多めに食べ、少しは体力ゲージが回復したはず。キレットも終盤です。もうひと踏ん張り、頑張ります。

 

 

振り返ると、左奥に見える天狗の大下りからここまでの険しい道が目に入ります。

いやー、おれ頑張ってるよ。こんなすごい道を歩いているんだもん。(バテてるけど)

 

 

ここで久しぶりに立山剱岳を見ました。位置関係的にずっと見えていたはずですが、見る余裕がなかったということですね。

でもここまで無事に到達できているので、天狗の大下りに入る前に剱に向かって安全祈願をした甲斐がありました。

 

 

三峰は手前の岩の塊のような見た目のあれですね。どうやらピークは踏まずにスルーするルートとなっているようです。

そして奥に見える唐松岳に登ればキレット終了。もうちょい。

 

 

三峰をスルーしながら唐松岳(写真右上)に近づいていくと、その肩から山荘のような建物が見えました。ゴールが近い。

 

 

唐松岳への最後の登り。自分の体力のなさに日頃のトレーニング不足(&荷物の多さ)を反省しました。

ただ、何だかんだ言って、こんな私でもキレット通過できました。この景色の遥か奥から自分の足で歩けました。すごく達成感があります。たぶん今、私の脳内では幸せホルモンがドバドバ出ています。

 

 

 

自己肯定感(唐松岳→頂上山荘※2/3日目)

 

12:25 唐松岳(2,696.4m)無事登頂しました。やったー。

1年半ぶり2回目の登頂です。目標のとおり、キレットを越えて登頂することができました。

 

 

キレットでは数人の人に会っただけでしたが、やはり唐松岳山頂は大盛況。多くの登山者が記念撮影や食事を楽しんでいました。やはり八方尾根は春夏秋冬1年中大人気のようです。

 

 

自分が歩いてきた道のりを辿って1人でニヤニヤしているヤバい人。私のことです。

でもこの時間が縦走の醍醐味みたいなところあるじゃないですか。だって奥の白馬鑓ヶ岳の更に奥から歩いてきたんですよ、自分を褒めたいじゃないですか。

怪しいと思ってもそっとしておいてください、、、。

 

 

こちらは五竜岳。冬に見た時も同じ印象でしたが、迫力がすごいです。

「行けたら今日中に五竜まで」なんて思っていましたが、私の体力と荷物では難しかったです。潔く諦めて今日は唐松のテント場をゴール地点とします。五竜君、明日行くから待っててね。

 

 

 

山頂でもう少しゆっくりしたかったですが、続々と到着する八方尾根組の方々に圧倒され、追い出されるように山荘方面に下りました。

 

 

この景色も、雪がついていない時に見るのは初めてです。緑もいいですね。

 

 

この写真だけで、多くの方が登っているのが伝わると思います。

 

 

テント場は山荘から少し下った位置にあり、テントから白馬方面を望むことはできません。また、山荘まで登ってくればいいのですが、とりあえずこれでもかというくらい目に焼き付けておきます。

縦走を終えその道のりを振り返ることが、この世で自己肯定感を高める最も効果的な方法だと私は思います。

 

 

テント場は白馬岳頂上宿舎テント場と同様、事前予約制。(こちらもコロナ禍だから?)あまりに疲れたので八方尾根で下山しようかと一瞬思いましたが、折角北アルプスまで遥々来たのに勿体ないという当然の結論に至り、受付を済ませました。(2,500円)

 

 

 

夏の夕は雨に注意(頂上山荘①※2/3日目)

 

山荘の自販機でコーラ(350ml400円)とアクエリアス(500ml500円)を購入し、コーラは小屋でグビグビっと一気飲み。

山でこれが飲める幸せ。文明と自然の共存とはこのことですね。(違う)

 

 

テントは1人の時間をゆっくり楽しみたかったので、1張分しかスペースがないようなスペースに張りました。

 

 

これで剱岳を独り占めしている気分に浸れます。

 

 

唐松岳のテント場から下っていくと(西に進むと)欅平まで行けるようです。(写真右手から奥に向かって伸びる道)

欅平と聞くと思い出すのが「下ノ廊下」。あそこもなかなかスリリングな山歩きを楽しめるようなので、近いうちに歩いてみたいですね。

 

 

テントから明日の目的地である五竜も見られます。

明日は五竜までは最低限、体力が残っていればキレット小屋で宿泊し、翌日八峰キレットに挑みたいというやや無謀な計画を企てています。(五竜で力尽きれば遠見尾根で下山します。)

 

 

テント場には花々が咲いていて、詳しい方はただ体を休めるだけでなく、メンタル面においても心安らぐ良い時間を過ごせそうです。

 

 

因みにテント場は山荘から50mほど下に位置しており、山荘までビールを買いに行こうと思っても、少し意気込まないと気持ちの弱い私は辿り着けずに遭難してしまいそうです。

 

 

唐松岳は日帰り登山者がメインなので、午後になると人が一気に減って静かな山に変わりました。

 

 

山荘の自販機からビール(700円)と水(1.5L300円×2※煮沸消毒必須)を購入してきました。

 

 

僅かに入る電波で天気予報を確認すると、この後雨雲がかかるようです。あとはテントから出ません。

 

 

先程の写真で作っていた食事を済ませたあたりで予報通り雨に降られました。しかも結構本降りで、トイレに行きたい私はただただモジモジしながら耐えました。

 

 

雨が上がった頃には、辺りはすっかり夕方の雰囲気に変わり、山頂からは人の姿は消えていました。

 

あ、そんなこと言ってる場合じゃない、トイレ行くんだった。

 

 

唐松岳から見た剱岳が私にとって初めて自分の目で見た剱岳なので、世間一般的に皆さんが思う剱岳は剣沢からのあの有名な景色だと思いますが、私としてここからの景色が一番しっくりきます。

 

 

日も傾いてきたので、明日に備えてそろそろお休みタイムですね。

 

 

明日は五竜に向けて歩きますが、山荘を過ぎてすぐの「牛首」というポイントはキレット並みの危険度だという話も聞くので、今日までと変わらず慎重に進みたいと思います。

 

今回最大の目的だった不帰キレットを無事に通過し、自己肯定感に包まれたところで2日目が終了。明日もいい景色と巡り会えますように!

ということでお休みなさい。

 

 

 

あんなところまで(頂上山荘②※3/3日目)

4:00 おはようございます。3日目の朝です。

空は薄っすら雲がありますが、予報は快晴。立山・剱も見えています。これから晴れ渡っていくことを信じて、アルファ米を腹の中に流し込みました。

 

 

写真では写せませんでしたが、ヘッドライトを着けた何名かが唐松の山頂にいるようです。御来光にはまだ少し早いような気がしますが、、、。

 

 

今日の目的地である五竜。なんか昨日より遠く感じるなー、気持ちの問題でしょうが。

 

 

昨日の雨と夜露が付いたテントを撤収します。これは仕方がないことですが、テントって濡れると撤収の手間が倍増しますよね。

 

 

テントを撤収し終えたタイミングで五竜に日が当たり始めました。圧倒的な存在感です。

 

 

この重いザックを背負って、あんなに遠いところまで歩くのか。

不安もありますが、自分に残っている体力を信じて歩くしかありません。

 

 

テントを張った場所から山荘前まで登ってきましたが、既に疲労を感じます。2日間ともぐっすり寝られてはいますが、3日目ともなると回復しきれないものなのでしょうか。

 

 

だからと言って、ここで八方尾根から下山するという選択肢は私にはなく、唐松岳とその奥に見える不帰の嶮に別れを告げて出発することにします。

 

 

 

キレット並み(頂上山荘→牛首※3/3日目)

 

6:15 3日目のスタート。まずは牛首と呼ばれる危険区間を通過しなければいけません。

 

 

ほう、既に危険な香りがするぜ。

 

 

小高い場所からは不帰キレットの奥に白馬三山(杓子岳は見えていない?)まで見えました。昨日の自分に励まされ、前に進みます。

 

 

牛首(勉強不足でどこが牛首なのか分かっていませんが、、、)の序盤は右側(西側)が切れ落ちたガレ場です。

 

 

少し進むと五竜の全容を拝める場所に出ました。近づけば近づくほど圧倒的な迫力は増してきます。

数時間後にはあの頂に立っている(はず)と考えると、人間の足は偉大です。

 

 

スタート直後は「牛首なんて、どこがキレットと同等の危険度なんだ」なんて舐めた感想をもっていましたが、そんな気持ちはあっという間に改めさせられました。

足場がかなり不安定で、足の置き場は靴1つ分あるかどうかという場所が続きます。急に緊張感が出てきて、そのおかげで少し残っていた眠気が一気に吹き飛びました。

 

 

結局ゆっくり写真を撮ることができず、気付いた時には牛首は通過してしまっていました。

写真は振り返って見た牛首。左は唐松岳山頂。間違いなく唐松岳山頂よりは難易度が高いので、行かれる方は御注意ください。

 

 

牛首を抜けた後も険しい道は続くようです。一度、一気に下り、多少のアップダウンを繰り返しながら五竜まで標高を取り返していきます。

 

 

こちらは遠見尾根。五竜で力尽きた場合(ほぼ間違いなく力尽くでしょう)、下山で使用する予定です。急ではなさそうですが、その分時間はかかりそうな印象です。

 

 

 

憧れに迫る(牛首→五竜山荘※3/3日目)

 

かなり下ってきました。

「折角さっきまで高いところにいたのに。」何回味わっても勿体ない気持ちになりますよね。

 

 

最低鞍部付近に「大黒岳」の表示板がありました。どうやらピークは立ち入り禁止のため、ルート上に表示があるみたい。

 

 

剱岳との距離も、初日や昨日と比べるとだいぶ近いです。見えているのは何尾根なんでしょう。長次郎尾根かな?

 

 

五竜もさっきよりだいぶ近くなりました。道もさっきまでの険しいものから変わり、気持ちのいい広い稜線です。

道は良くなったのに、ザックの重さのせいでしょうか、肩の肉が痛くなってきました。確かに3日間、ザックが肩に食い込みまくっていますから無理もありません。

もう少しで五竜山荘のはずなので、とりあえずそこまで頑張りましょう。

 

 

振り返るとどれだけ牛首が険しかったかが分かりました。手前が牛首(奥が唐松岳)ですが、頂上付近の岩稜エリアは見た目も体感も確かにキレット級です。

 

 

目指す五竜も山頂付近は険しい岩稜が続きそう。気を引き締めなければ。

 

 

この辺りで自分の残りの体力と時間から、このまま八峰キレットを目指すのは危険だと判断しました。

あ、ということは五竜山荘でザックをデポし、空身で山頂アタックできますね。よし、これでおれは無敵になれる。

 

 

ということで、この先の予定を確定させたところでそろそろ山荘に着きそうです。GPSを確認すると、写真左の人がいるところ辺りまで行けば見えるみたい。

 

 

縦走路と遠見尾根の丁字路は「白岳」という山のようです。

 

 

白岳から見る五竜岳。一度少し下ると山荘なので、そこでザックをデポって山頂に向かいます。山荘⇔山頂はCTで往復2時間。

 

 

疲れてきているので、歩いてきた稜線を振り返って充電します。蘇る山への気持ちと漲る自己肯定感。

 

 

こうして見ると牛首の頂上付近は五竜山頂付近に引けを取らない険しさです。初心者でも登れる唐松岳が余計に可愛く見える。

 

 

 

ラストアタック(五竜山荘→五竜岳※3/3日目)

 

8:00 五竜山荘に到着。小屋前で風に吹かれていた小屋番さんに断ってザックをデポさせてもらい、空身で山頂に向かいます。

八峰キレットに向かわないことを決めたので、このアタックが今回の縦走最後のピークハントとなります。最後にケガをしないように注意します。(ヘルメット着用済み)

 

 

序盤はそこまで急峻ではありません。

が、登り始めると山頂が遠くに感じる不思議。

 

 

初日からの縦走路が見えます。へっぽこ登山者の私ですが、ちょっと頑張ればこれだけ歩けました。

それにしても後立山、いいところです。はまっちゃいそう。

 

 

先程までいた山荘。小屋の前のベンチに人影が集っているのが確認できます。

ここのテント場は混むのかな?遠見尾根を登ってここでテン泊もありですね。

 

 

歩きやすい行程はここまで。ここからは最後の岩登りが始まります。

 

 

徐々に増していく高度感にワクワクしながら歩を進めます。

 

 

歩いてきた縦走路の名だたる峰々が背中を押してくれます。(ここに来て一番初めに登った白馬岳(一番奥)が見えて嬉しい)

 

 

ゴロゴロとした岩をよじ登って進みます。中には不安定な岩もあるので気は抜けません。

緊張感はありますが、この青空の中で山に登れる幸せを感じられる良い時間です。

 

 

岩登りも終盤を迎え、五竜の裏から素晴らしい縦走路と、その奥の鹿島槍ヶ岳がお目見えです。ということは鹿島槍ヶ岳の直下が八峰キレットですね。

今回は諦めましたが、この景色を見ると予定変更したくなります。

 

 

鹿島槍ヶ岳と八峰キレットに気を惹かれますが、注意力が散漫になってはいけません。眺めるのは五竜に登頂してからにしてラストスパートです。

 

 

五竜岳の山頂は縦走路から若干西に外れています。

 

 

ここからは縦走路から外れてピークに向かいます。

 

 

縦走路からはほぼ平行移動。不安定な足場に注意しながら歩けば問題はありません。

 

 

 

宿題(五竜岳※3/3日目)

 

9:00 五竜岳(2,814m)無事登頂しました。

立山はほぼ初めて(今回の縦走までは冬の唐松岳のみ)の私ですが、「後立山と言えば五竜」と答えるほど登ってみたかった山です。

そう言えば、縦走スタート前日に駐車場で話したタクシーのおじちゃんも「後立山で一番おすすめするのは五竜。兄ちゃんもその荷物と行程からして、八峰キレットまで行けるかは分からないが、五竜までは頑張った方がいいぞ。」と言っていました。

おじちゃん、言われたこと守りましたよ!

 

 

諦めたこの先の縦走路。苦渋の決断でした。

でも、行きたい山を一気に踏破するのもいいですが、ここで下りれば宿題ができるので、また来る口実ができます。

 

 

絵に描いたような双耳峰。奥には薄っすらと槍ヶ岳も見えています。(鹿島槍と合わせて三本槍?)

というか、こっちから歩くと鹿島槍への最後の登り、半端ではないですね。もはや壁なのでは、、、。

 

 

八峰キレットに行くとしたら宿泊していたキレット小屋まではここからCTで4:10。

ん?あれ?時間的には全然いける?

でもそのためにはザックを取りに五竜山荘まで取りに帰り、またここまで戻ってきて、プラス4時間登らなければいけません。うーん、これは判断ミスですね。行けました、はい。でももう無理です、はい。

今となってはあとの祭りなので、キレットおかわり縦走はまたの機会にします。

 

 

3日目も綺麗に立山・剱が見えています。

昨日の夕方のみ雨に降られましたが、3日間とも天気に恵まれて本当に良かったです。

 

 

 

そろそろ下山(五竜岳五竜山荘※3/3日目)

 

稜線に雲がかかってきました。もう白馬はおろか、唐松も見えません。

 

 

夏山はすぐに雲が湧くので長居は危険、と色々なメディアで読んだ気がするのでそろそろ下山します。

 

 

鹿島槍方面から来た方に話を聞くと、結構長丁場とのこと。それを聞けたので自分の決断が正しかったと思えました。ここで変に「全然余裕で行けますよ」なんて言葉を聞いていたら、後悔で帰っても寝られなかったと思います。

 

 

それでは下山します。剱岳よ、3日間見守ってくれてありがとう。また来るよ。(というか次は君に登らせてくれ。)

 

 

 

ヘリと山(五竜山荘→西遠見山※3/3日目)

 

10:20 五竜山荘に帰ってきました。ここでデポさせてもらった荷物を回収し、パッキングし直します。

遠見尾根は下山でも4時間くらいかかるみたいなので、もう少し旅は続きます。

 

 

パッキング中、西側からヘリが飛んできました。どこかの山小屋に行ってきたのか、救助者を搬送しているのか。(荷揚げ用の網をぶら下げていないので救助?)

現代登山にとって、ヘリは欠かすことができない要素になっています。それがいいことなのか、悪いことなのか、これは意見が割れるところではありますが、個人的には山小屋で生ビールが飲める今の環境がすごく好きです。ただ、それを維持していくことに莫大な費用と膨大な労力がかけられていることを思うと、「自分で使うもの・食べるものは自分で背負って登る」というスタイルの登山に回帰すべきなのかと思うこともあります。

 

現代登山には、登山道整備や救助活動等で山小屋に負担がかかりすぎている点など、ヘリの他にも問題が山積している状況です。山小屋や山岳会、ボランティアだけでなく、行政がもっと積極的に山の維持管理に参画していくべきだと思います。(最近、そのような内容の本を何冊か読んだためか、以前より山が抱える問題に興味が出てきました。)

 

 

10:45 五竜山荘を後にして、遠見尾根を下ります。

 

 

さらば五竜岳。次来るのは八峰キレットに挑む時かな。

 

 

遠見尾根の頂上である白岳に登頂。一瞬雲がかかったタイミングで山頂に着いたので、展望はゼロ。

スタートしたばかりなので、ここは先に進みます。

 

 

さっき山荘上空を通過していったヘリが荷物をもって戻ってきました。

 

 

今度は五竜山荘への荷揚げのようです。

もう少し山荘でゆっくりすればヘリを間近に見られたのに。少し残念。

 

 

遠見尾根の印象としては、手を使って登るような場所はないものの、全体的に急登だと感じました。今回は下山で使用していますが、これが登りだったら結構本腰を入れて歩かないと時間がかかりそうです。

 

 

鹿島槍猫耳に雲がかかっています。

 

 

と思ったら、私がいるあたりでも雲が湧いてきました。景色を楽しみたいので、白の世界には入りたくありません。

 

 

何回見ても鹿島槍への登りは厳しそう。

「行くなら扇沢から入って、爺ヶ岳経由の方がいい」

私の心の弱い部分がそんな提案をしてきます。八峰キレット五竜側からと鹿島槍側からでどっちから入るのがおすすめなんでしょうか。

 

 

融雪水が滝を形成しています。

 

 

確かに五竜山荘にいた時と比べて気温がかなり高いような気がします。木々も増えてきて風も通りにくいです。熱中症に気を付けなければ。

 

 

 

時間に追われる(西遠見山→小遠見山※3/3日目)

 

11:30 西遠見山に到着。といってもピーク感はなく、遠見尾根のチェックポイントの1つといったところ。

 

 

左(北側)を見るとお隣の八方尾根が見えます。

 

 

あの建物は八方池山荘でしょうか。

 

 

12:40 中遠見山に到着。

あれ?てことは大遠見山は見逃してしまったということですね。

 

 

ここまで下ってくると鹿島槍が双耳峰に見えなくなりました。

 

 

13:05 駆け足で小遠見山に到着。

少し急いでいるのは帰りの電車の関係。アルプス平駅から下までロープウェイで下りた後、神城駅まで移動して白馬駅まで戻る予定なのですが、確か15:40発とかの電車を逃すとその後の電車が17時を過ぎるようで、下山後そのまま山形に帰る私としてはちときつい。何とか電車に間に合うように頑張っています。

 

 

 

整備された道を下る(小遠見山→アルプス平駅※3/3日目)

 

五竜鹿島槍は小遠見からで見納めかな。

鹿島槍と八峰キレット、宿題もできたことですし、また来なければいけませんね。

 

 

小遠見山からは本格的に樹林帯に入るようです。

下界も近づいてきたのでもうひと踏ん張り。

 

 

ここで槍ヶ岳をまた拝むことができました。これだけ離れていても一目でそれと分かる山容、さすがですね。

槍も2019年の表銀座縦走で行ったっきりなので、来年あたり再訪したいものです。

 

 

ここで神城駅まで6.2kmもあることが判明。

まだ登山道なので街中の駅までの距離が書いているとは。私と同じ行程の方が沢山いらっしゃるということでしょうか。

 

 

整備されている道をリズムよく下りてきました。

小遠見山まではハイキングの方も多いためか、木道や階段などの設備が整っていて安心して歩けました。

 

 

これ、山で写真撮っている人多いですよね。真似して撮ってみたものの名前が分からない、、、。(下山後調べました。「コマクサ」ですね。これが高山植物の女王か。)

 

 

やっと着きました。久しぶりに文明のにおいを感じます。

 

 

 

涙のソフトクリーム(アルプス平駅→神城駅→白馬駅→八方バスターミナル※3/3日目)

 

14:15 アルプス平に到着。

パフォーマーの方が楽器を演奏しており、疲れた心身に音色が沁みます。おかげで下界に戻ってきたことを実感できました。

 

 

ロープウェイの駅の建物内の軽食コーナーで、ビールと共に私が山で常に欲しているソフトクリーム(500円)にやっとありつけました。美味い!

電車の時間までそこまで余裕があるわけではありませんが、これをスルーしてロープウェイに乗り込むことなんて、私にはできません。

久しぶりに食べる癒やしの味に何故だか無性に感動してしまい、1人で溢れ出てこようとする涙を堪えながら食べました。

 

 

ロープウェイは1,500円。

さっきまで自分の足を労わっていましたが、その何倍ものスピードで進んでいく乗り物に乗っているいます。複雑な気持ちです。

 

 

3日間、私を苦しめ続けた重すぎるザック。ソフトクリームを食べながらザックの中を漁ったため、形は崩れ、めちゃめちゃな形になっています。

暫くは背負いたくないなー。(まだ自分の車まで背負わなければいけないわけですが、、、。)

 

 

とう!ロープウェイから神城駅のホームにワープ!したわけではなく、ロープウェイを下りてから迫る電車の時間に焦りながら、神城駅まで走ってきました。

え?タクシーを使えばよかったのにだって?私の中ではタクシーは金持ちの乗り物という位置づけなので、そんな選択肢は頭の片隅にもありませんでした。

 

 

神城駅から白馬駅まで190円で移動し、駅から車があるバスターミナルまでも180円で文明の利器を使いました。予定では駅からバスターミナルまで歩く予定でしたが、一度文明の便利さを味わってしまったらもう抜け出せません。

 

 

 

痩せて太る(八方→山形※3.5~4/3日目)

 

自分の車に戻ってきたので、荷物を整理して温泉に入ります。(800円)

日焼けが酷く、あまりの痛みに顔の皮がはがれたかと思いました。因みに、体中の浮腫みがとれたのか何なのかわかりませんが、入山前より7kg痩せていました、、、。

 

 

温泉で4日ぶりに綺麗な体になったので、あとは帰路につきます。

ありがとう、後立山。いい山域だということが分かったので、必ずまた戻ってきたいと思います。

 

 

往路と同様、ダラダラ気ままにドライブしながら帰りました。

 

 

夜中に家に到着しましたが、その日は片づける余力はなくそのまま力尽いたので、翌朝せっせと道具の片付けや手入れをしました。

因みに温泉で7kg痩せたことが判明しましたが、帰りの車で暴飲暴食をしたら7kg太ったので元通りです。

 

 

 

まとめ

今回の縦走では後立山の魅力を思う存分感じることができました。槍・穂高・剱もいいですが、アルプスには他にもそれらに勝るとも劣らない素晴らしい場所が沢山あることに気付けたので、これからも色々な場所を訪れて、いい景色と出会えれば嬉しいです。

 

また、今回行けなかった鹿島槍ヶ岳と八峰キレットは来年必ず挑戦しに行きたいと思います。

 

ではでは、また山に行ったら更新します。

 

 

 

 

 

 
 
 
 
 
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【鬼厳】山は万全体調に限る(岩手山)

※20210627岩手山

 

前回の飯豊縦走から2週間。疲労も回復し、また山に行きたくなりました。

ということでいつもの2人に連絡して日程調整。適度に歯ごたえを感じられる山を、と選ばれたのは岩手山でした。

ちょっと家から遠いですがA君が運転してくれるというので、私は助手席でお休みなさい。(運転してもらっているのに、人道的に良くない!と帰ってきてから自分でも思いました。でも今回は本当に眠過ぎて、、、すみません。)

 

 

ではでは早速行ってみましょう。

 

 

 

<行程>

馬返し登山口→八合目小屋→山頂(下山は来た道をピストン)

 

 

 

過去の岩手山岩手県内の山の記事はこちらからどうぞ。

daic22.hatenablog.com

daic22.hatenablog.com

daic22.hatenablog.com

daic22.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

具合悪い(登山口→八合目)

 

おはようございます。時刻は8:00、良好な天気の中、歩き始めて1時間です。

やっとこさ、周りの木々が低くなってきました。

 

え?何故、登山口からの写真がないのかって?

そうですよね、気付きますよね。読んでくださっている方々に謝らなければならないのですが、思いっきり体調不良で全く余裕がなく、ブログのことなんて頭にないんですよね今回、、、。

 

というのも、前日、新しいPCの部品が全て届いたので、先輩に教えてもらいながら組み立て作業を楽しんでいたらいつの間にか夜が更けてしまい、全く睡眠がとれない状況でA君のお迎えが来てしまいまして、、、。車中で寝させてもらったのですが、なかなか良質な睡眠とはいかず。また、途中のコンビニで朝食におにぎりやらパンやらドーナッツやらを買ったのですが、ドーナッツに手を付ける前から満腹感があった中、無理やりドーナッツを詰め込んだところ、胃がもたれてしまいました。

そんなこんなで「強烈な寝不足」と「強烈な胃もたれ」の強烈Wパンチがスタート前から私を襲っており、やっと写真を撮ることを忘れているのに気付いたのがこの写真を撮った場所でした。

 

 

という事情により、いつものペースで歩くこともできず、今日は2人から完全に置いていかれる飯豊とは逆の展開です。

 

 

かく汗もベトベトな脂汗で、風を浴びても、いつものような気持ち良さを感じることができず、熱で寝込んでいる時のポカリスウェットを飲んだ時のような感覚です。良いんだけど良くない、みたいな。(この表現は伝わらないですよね。でもそんな感じなんです。)

 

 

2人からは完全に置いていかれ、話し声すら聞こえなくなってしまいました。

冗談抜きで「1歩進んで5秒休む」くらいのペース。きつい。

 

 

後ろから来た70代くらいのおじいさんからも追いつかれるへっぽこっぷり。

流石に抜かれたくなかったので、暫くはかなり必死で歩いて並走しましたが、軍配はおじいさんに挙がり、ただただ余計に体力を失う結果となりました。

 

 

おじいさんの背中も見えなくなって悲しくなりながら歩いていたら八合目に到着しました。

 

 

 

鬼(八合目→山頂)

 

9:30 八合目小屋に到着。

だいぶ前から小屋の前で休んでいる2人に「早く山頂に行こう」と尻を叩かれ、体力ゲージは底をついたままリスタート。お前らは鬼なのか。

 

 

「鬼」は伏線のつもりでも何でもなかったのですが、こちらは八合目の分岐の南(山頂=お鉢は北)にある鬼ヶ城です。

 

 

八合目以降は火山特有の歩きづらい砂地で、更に私に追い打ちをかけてきます。

岩手山に来る度に湧いてくる鬼ヶ城コースへの好奇心も、今回は余裕がなくて、この景色を見ても何の感情も生まれません。

 

 

お鉢まで登ってきました。

お鉢の中心には妙高岳(写真左側)がありますが、登山道はあるのでしょうか。

 

 

お鉢に上がるまでは砂地で歩きづらいですが、いざ上がってしまうと固い地面に変わるので、既に風前の灯火の私でしたがなんとか歩けそうです。

 

 

毎回撮影する石像。いまだ、これが何なのかは分かっていません。(毎回、下山する頃には忘れ去ってしまい、調べられていません。ん?この記事を書いたおかげで、下界でこの石像を思い出したので調べてみるかー。。。(面倒くさい))

 

 

雲の背が高くなる季節になりました。

 

 

 

山は怖い(山頂→下山)

 

10:30 岩手山(2,038m)無事登頂しました。

過去4回、岩手山に登っていますが、間違いなく一番厳しいコンディションでした。とても疲れた。何度も「もう下りたい」と思いましたが、下りるためにも自分の足で歩かなければならないんですね、山って怖いです。

 

 

飯豊は多くの雪が残っていたので残雪期感がありましたが、こうして見ると、山ももう夏ですね。

 

 

山頂で少し腰を下ろして休憩したので、下山できるくらいには回復できました。

とは言え、間違いなく疲労は感じているので、慎重に下山を開始します。

 

 

さっきより鬼ヶ城への興味が大きくなっています。やはり人間、心身のゆとりがあるかどうかで全然違います。

 

 

奥に見えているのはおそらく秋田駒ヶ岳ムーミン谷もまた歩きたいな。

 

 

お鉢を下っていて思い出しましたが、ここは数年前に熊と遭遇した場所ですね。

怖いと感じる前に走り去ってくれましたが、運が悪かったら大変な事態になっていました。

 

 

下山は登ってきた道をピストンで帰りました。

もちろん体力的には登りより楽でしたが、「早くゆっくり休みたい」という気持ちが強過ぎて、お見せできるような写真を撮っていませんでした。ということで今回の記事はこれで終了です。御了承ください。

 

 

 

まとめ


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今回の岩手山登山は「山を舐めるなおじさん」の大好物のような登山になっていましました。確かに自分でもこれはひどいと思います。

次の山行は安全のため、楽しむためにもしっかり準備したいです。(写真は下山後、狙っていた岩手の店が中休みに入ってしまったために、山形まで帰ってきて食べた夕食です。これも体力づくり、ひいては山のため?です。)

 

 

ではではまた山に行ったら更新します。

 

 

 
 
 
 
 
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【稜旅】「飯豊はいいで」は言っちゃう(飯豊連峰縦走)

※20210612~20210615飯豊連峰縦走

 

山形県にある日本百名山(県境上にある山も含めて)は6つ。鳥海山、月山、大朝日岳蔵王西吾妻山、そして飯豊山。この中で、最も登頂に苦労する山は間違いなく飯豊山ではないでしょうか。どの登山口から入っても稜線まで一気に高度を上げる行程は厳しく、入山にはそれなりの覚悟が必要です。

 

私が飯豊に登りたいと思い始めたのは2年前くらいだったでしょうか。当初の予定では昨年の夏に縦走する予定でしたが悪天候により断念。満を持して、今回挑戦します。

 

予定では、小国町の飯豊山荘から入山し、石転び沢の雪渓を登って上にある梅花皮小屋でテン泊。2日目に御西小屋まで歩き、飯豊連峰の最高峰である大日岳に登頂。御西小屋でテン泊。3日目にメインの本山に登り、(登りで使えば)山形県屈指の体力勝負ルートであるダイグラ尾根を下って飯豊山荘に戻るという行程です。(下に実際の行程を書きましたが、色々あって予定とは大きく異なる行程をとりました、、、)

 

 

ではでは早速行ってみましょう。

※かなり長い記事になってしまったので、暇な時間にでも読んでみてください。(もし、日毎に記事を分けた方がいいという希望があればコメントででも教えてください。)

 

<行程>

1日目:飯豊山荘→石転び沢→梅花皮小屋

2日目:梅花皮小屋→梅花皮岳→烏帽子岳天狗岳→御西小屋→御西岳→大日岳→御西小屋

3日目:御西小屋→駒形山→飯豊本山→駒形山→御西小屋→天狗岳烏帽子岳→梅花皮岳→梅花皮小屋→北股岳→門内岳→門内小屋

4日目:門内小屋→扇ノ地紙→梶川峰→湯沢峰→飯豊山

※縦走して、同じ道を帰ってくるという無駄な動きをしてしまいました。事情は追い追い説明します。

 

 

過去の飯豊連峰の記事はこちら!と言いたいところですが、過去に一度だけ飯豊連峰に入った時はまだ当ブログを始めていませんでした。よって、今回はここにリンクを貼る記事がありません。代わりに去年、縦走の偵察に行った際の記事を貼っておきます。気が向いた方は覗いてみてください。

daic22.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

 

長旅の始まり(飯豊山荘→石転び沢出合※1/4日目)

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自宅から今回のスタート地点である飯豊山荘までは車で2時間半ほど。

初日は稜線に上がるのみなので、何事もなければ7時間程度なので、6時くらいに歩き始めればいいかなと思い、この時間に家を出ました。

 

因みに天気はずっと曇り予報。時折雨に降られるとの予報を出しているサイトもあります。自称晴れ男である私の実力が試される山行です。

 

 

 

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無事に飯豊山荘に到着。車の中に必要そうな物を投げ入れて出発したので、ここでパッキングをしました。

 

因みに、登山届は「コンパス」というサービスを利用し、ネットで届け出ました。下山したら下山通知を出すことになっており、通知を出さずに下山予定時刻から一定時間経過すると、事前に登録していた連絡先に確認依頼のメールが送信されます。家族などを登録していると、「もしも」の時の初動を早くしてもらえることになると思います。

とりあえず、紙であれ電子であれ、登山届は必ず出しましょう!

 

 

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6:30 登山開始。

長い山歩きの始まり。これから味わう楽しさと厳しさを思い、期待と不安が入り混じった複雑な心境です。

 

 

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登山口から暫くの間は深いブナ林の中を進みます。そんな中、時折これから目指す稜線が木々の隙間から確認できます。

あんな遠いところまで、私は登っていけるのでしょうか。

 

 

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6:45 温身平に到着。ここまでの道は車両が入れるほどの幅がありましたが、ここから先は本格的な登山道です。気を引き締め直して進みます。

 

 

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川の隣を歩いていきます。まだ朝早いからか、水辺でも虫は少なく歩きやすいです。

 

 

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砂防ダムが出てきました。割と歩いてきたつもりでしたが構造物を見るとまだまだ山の入り口だなと思わされます。

 

 

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向かって右側の階段を使ってダムを越えます。同じ斜面でも階段の方が脚への負担が大きく感じるのは私だけではないはず。

 

 

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事前に調べたところ、何年か前の豪雨で石転び沢出合までの道が崩落し、鎖が設置された場所があるとのこと。恐らくここのことですね。

表面が砂っぽく滑りやすいので注意が必要です。

 

 

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今日のゴールは奥の稜線。こうして見ると果てしないですね。

この沢沿いを歩いていけばそのうち雪渓に変化するのでしょうか。

 

 

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言い忘れていましたが、K(奥)とA君(手前)と3人です。3人とも飯豊は初めてなので、少し緊張感が漂っています。

 

Kは2年前に私と表銀座を縦走した時に買ったオスプレーの「ジーニス75」を背負っています。重さに弱いのか、Kがこのザックを背負っている時に楽しそうな顔をしていた記憶があまりありません。オスプレーの呪い、今回はどうでしょうか。

A君は今回の飯豊のために購入したモンベルの「トレイルアクションパック100?」です。(名前が曖昧ですが、とにかく100Lの超大型ザックです。)A君と縦走するのは初めてです。

因みに私はグレゴリーの「バルトロ85」を使用。「バックパック界のロールスロイス」と言われるだけあって抜群の背負い心地です。とは言え、ザックは人によって合う合わないがあるので、実際に店頭でフィッティングしてから購入することをお勧めします。

 

 

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この記事では結構な数の花の写真を載せるつもりですが、その中のどれも名前が分かりませんでした。情けない、、、。

ただ1つ言えることは、飯豊は花が本当に豊富です。詳しかったら、更に楽しいだろうなと思いました。(何回そう思っても覚えようとしない体たらく野郎の私です。)

 

 

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少しずつ稜線に近づいています。(よね?)

 

 

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源流域なので、川にある石がかなり大きくなってきました。

 

 

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雪渓が出てきたあたりで先行者に追いつきました。どこから雪渓に乗るか、トレースを探しているとのこと。

私達は地図とGPSを確認し、もう少し先から雪渓に移ることにしました。

 

 

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この写真数枚は、Kが自分の足の長さ、跳躍力、川幅、石の表面のコンディション等々を総合的に考慮し、勇気を振り絞って対岸にジャンプした瞬間を捉えた写真です。

「大切なことは挑戦すること、結果が全てじゃない。」

挑戦を終え、Kは何も言わず歩き出しましたが、私にはそう言っているように感じました。

 

 

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びしょびしょの足を気にする素振りもせず、黙々と歩くK。

この辺りから少しずつ2人と間が空いてきました。私達はチェックポイントで合流することにして、それぞれ自分のペースで歩くことにしています。そのほうがみんな楽しく歩けるんじゃないかなと思っている派です。(この考えに対して批判があることは承知しています。もちろん頻繁に声を掛け合って歩いており、常に互いに注意を払っていますので、私のことは叩かないでください。)

 

 

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ぼちぼち今日のハイライトである石転び沢大雪渓に入ります。

 

 

 

転ばぬように(石転び沢出合→梅花皮小屋※1/4日目)

 

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8:30 石転び沢出合に到着。いよいよ大雪渓に取りつきます。

以前、山形県が主催したInstagramのフォトコンテストの受賞作品で石転び沢大雪渓の写真が何かの賞を受賞していましたが、そのタイトル「飯豊の白龍」が個人的にとても印象的でした。

「いつか自分も白龍を登ろう」

そう思ったことを鮮明に思い出しました。

 

 

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私は雪渓歩きは慣れていますし、あまり苦にせず登れるタイプですが、他の2人はそこまで好きではないようで、序盤からなかなか厳しい表情です。お互いに励まし合いながら進みます。僕らにはビールが待っている!

 

 

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この写真たちはKかA君が撮ってくれた私です。荷物は30kg弱(ビール大量)だったはず。最初は重いと感じるものの、歩いていれば不思議と特に何も思わなくなるものです。慣れってすごいですね。

 

 

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脇を見ると、尾根上の雪が融けて無数の沢が出来ています。この融水が雪渓の下を流れていると考えるとなかなかスリリングです。

 

 

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石転び沢出合から石転び沢まではCTで大体4時間くらいです。この時点でもう稜線が見えているのにここから4時間かかるとは、、、白龍は手強いですね。

 

 

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1つ前の写真を撮っているところを撮られていました。

 

 

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雪渓上の蟻の黒い点は登山者です。20人くらいでしょうか。

雪渓の後半、稜線手前の急傾斜あたりからペースが著しく落ちていることが、離れたここからだとよく分かります。

 

 

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これはKが撮影。A君とその先の私です。

 

この辺りでアイゼンを装着しましたが、その時を最後に、KとA君とはほぼ別パーティーのように見えるであろう距離まで離れました。(繰り返しになりますが、声を掛け合って安否確認はしています。くれぐれも叩かないでください。)

 

 

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徐々にではありますが、斜度が増してきています。それに比例して前を行く先行者の背中が大きくなってきました。みんな疲れがピークを迎えているようです。幸い、私はまだこのペースで歩けそうなので、シャリバテにだけ気を付けてノンストップで進みます。

 

 

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雪渓上は基本的に常に上から冷たい風は吹き下ろしてくるのですが、時折生温かい風が吹くタイミングがあります。何が原因なのでしょうか。

何故かはわかりませんが、この風を浴びると少し体力が削られるような気がして嫌でした。

 

 

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嫌な風に耐えながら、だらだらと登っていますと、稜線がだいぶ近づいてきていますね。もうひと踏ん張り、いや3踏ん張りくらいで稜線と目が合いそうです。

 

 

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前を行く登山者は年配の方たちの団体のようです。

そう言えば事前の調べでは雪渓の途中に「門内沢」と「石転び沢」の分岐があるとのことでしたが、今回は先行者が大勢いたので、何も考えずにその背中を追って来てしまいました。これは良くないですね。自分でしっかり確認したうえで進むべきでした。反省します。(分岐を左にいくと「石転び沢」で、こちらが正解。右の「門内沢」に入って迷う登山者が年に数人いるそうなのでお気を付けください。)

 

 

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因みにどうして「石転び沢」というか、皆さんは分かりますか。大体想像がつくと思いますが、「石が転ぶ(転がる)ほどの急な沢」というのが由来のようです。

確かに登っていると、雪渓上に大小様々なサイズの石(岩サイズのものまで)が転がっています。登っている最中も、両脇の尾根から石が落ちる音を何度も耳にしました。落石にいち早く気付くためには、顔を上げて周りを見ながら登ることが大切。体力的にきつくなってくるとどうしても顔を下げがちですが、安全のために頑張って顔を上げて周囲を注視しましょう。

 

 

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私が歩いている時も石が転び、ヒヤッとする場面がありました。

 

上の写真の中央にある尾根から「ゴロッ」という音がしたと思ったら、ボーリング球より少し大きいくらいの石が斜面を大きく跳ねながらこちらに近づいてきました。石は1回バウンドする毎に加速しています。「このままでは危ないかも」と思った瞬間、幸運にも雪渓の割れ目に落ち、事なきを得ました。「もしぶつかっていたら」と考えただけでもゾッとします。

人間の力では太刀打ちできない速度で近づいてくる石を見て、自然界における人間の無力さを感じたと同時に、勝ち目がないことを受け入れて向き合っていくことが必要なんだと、柄にもなく真面目なことを思いました。

 

 

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先行者の方たちもかなり肝を冷やした様子でした。

 

石転び沢は名前の通り落石が非常に多いので、休憩はあまりとらず、なるべく早く通過するべきですね。

 

 

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一度、落石を味わうと、両脇の尾根をここまで以上に観察するようになりますが、よく見ると今にも落ちてきそうな石があちこちにあります。

 

 

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疲れというより恐怖が要因で、早く着いてほしくなってきました。

 

 

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前に結構いた先行者たちの先頭グループに追いつきました。

この方たちは雪渓の上に位置する梅花皮小屋に宿泊し、明日は北股岳に登り、そのまま門内岳~地神山まで行き、丸森尾根で下山するそうです。ここまでは背中の重みを忘れて登ってきましたが、小屋泊装備で快適に登る姿を見て、一気にその事実を思い出しました。軽さは正義ですね。

 

 

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上からBCの方たちが気持ちよさそうに滑ってきました。

やってみたいと思って早数年が経過しました。実現していませんが諦めていません!

 

 

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ここに来て傾斜も増してきました。ラストスパートです、頑張りましょう。

 

 

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石が集まっている場所は緊張感が漂います。疲労はありますが休まず通過します。

 

 

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小屋の直下はかなりの傾斜です。直登は足にきそうなのでジグザグにこなします。

 

 

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お!雪渓の先に小屋に屋根が見えてきました。

ようやくゴールのようです。

 

 

 

予定変更(梅花皮小屋※1/4日目)

 

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12:15 梅花皮小屋に到着。無事に1日目の行程を終えました。

石転び沢の雪渓は程よい緊張感と疲労感、そして達成感が味わえました。日本三大雪渓(剱沢、白馬、針ノ木)に入っていませんが、それに肩を並べるくらいのボリュームはあるのではないでしょうか、と日本三大雪渓のどれも歩いたことがない私は思いました。いずれ実際に歩いて比較してみたいと思います。

 

 

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雪渓を終えて小屋の隣にザックを下ろしました。一気に体が軽くなり、気を抜くと天まで昇ってしまいそうです。さっきまで平気で背負っていたのに、一度下ろすと「こんな重いもの二度と持ちたくない」と思ってしまう不思議。

 

正面に見えるのは大日岳。山頂は雲の中ですが、その山頂が飯豊連峰の最高地点です。明日はあそこがメインです。こうして見ると結構な距離ですね。大丈夫かな、、、

 

 

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明日進む方向の最初のピークである梅花皮岳です。ここはあっという間にピークハントできそうですね。

梅花皮小屋は水が豊富で、この写真に写っている青いTシャツの方の地点の20mほど進んだところに水場があります。山岳会の方?が整備してくださっているようで、おかげで快適な時間を過ごせます。本当に有難いです。頭が下がります。

 

 

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さあ、そろそろ2人が上がって来るかな?

 

 

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1人の時間もいいですが、なかなか上がって来ないと少し心配です。

最後に声をかけたのは斜度が上がり始める手前辺り。小屋で合流することにしていますが、さすがにもうちょっと近くを歩くべきだったかと少し反省。

 

 

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人影が見えるたびに2人かと思い声を掛けますが、全て外れ。途中で抜かした団体さんも最後の急登は自分のペース優先で、バラバラに歩いているようです。

 

 

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心配なので大声で2人の名前を呼んでみると、だいぶ下の方からA君が返事をしました。疲労でなかなかスピードが出せないが、無事に歩いているとのこと。今いる位置的に、もう少し時間がかかるみたいです。

A君によると、Kも無事だがA君よりもかなり下の方にいるとのこと。重さにやられているみたいですね。オスプレーの呪いは今回も健在です。

※A君かと思って撮りましたが写真は関係ない方です。

 

 

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2人が小屋に着くまでまだ時間があることが分かったところで、この暇な時間をどう過ごすか考えた時に、小屋のすぐ北にある北股岳に登ろうという気になってきました。予定(崩れましたが)では北股岳は登らないつもりでしたが、時間があるなら1つ多くピークを踏むのも悪くないですよね。

 

と、アタックザックに飲み物と行動食と念のためのヘッドライトを詰めて靴紐を結んで「さあ、行くか」と立ち上がったところで、「これで私が単独行動をしてしまったら、2人に何かあった時にマズいか」と冷静な考えが浮かびました。「折角、念願の飯豊に来たんだから、好きなように過ごしたほうがいい。」という悪魔と、「今回はあくまでも3人でのパーティー登山。単独行動は良くない。」という天使が心の中で激闘を繰り広げ、辛うじて天使が勝利しました。

1人の大人として当然の判断でしょう。それについてここまで悩んでしまう私って、、、。年だけ重ねて、心はまだまだ成長できていないのかもしれません。

 

 

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そんな葛藤の時間を越え、念願の時がやってきました。これを一口飲めば、さっき悩んだことなんて一瞬でどうでもいいことだと思えます。この飲み物は一種の麻薬的作用がありますね。

 

結局、私が到着してからA君は1時間後、Kは2時間後に到着。Kはオスプレーのザックを背負っている時に見せるお決まりの苦悶の表情をして歩いてきました。2人とも結構な消耗具合なので、明日からの行程に不安を感じますが、予定に(崩れました)に拘らず臨機応変に対応したいと思います。

 

 

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先程まで雲の中にいた大日岳が顔を出しました。

写真左側から登ります。最後に一気に標高を上げるように見えます。疲れそうだなー。

 

 

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こちらは散々悩んで登らなかった北股岳。CTは往復70分ですが、空身で行けば30分くらいで帰ってこれそうに見えます。

 

 

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遠くに小屋が。何という小屋だろう。(情けないことにどの方角を向いて撮影した写真なのか、全く覚えていません。分かっているのは梅花皮小屋付近から撮影したことだけです。分かる方がいらっしゃれば、是非コメントで教えてください。)

 

 

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北股岳側に少し登って小屋を振り返ります。オレンジテントは別の人のもので、私達のテントは小屋の南側に張りました。

 

 

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飯豊は花が本当に多く、楽園といった雰囲気。荒んだ私の心を癒してくれます。

 

 

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日が傾くとだいぶ冷えてきました。薄手のダウンを羽織って丁度いいくらいです。

 

 

暗くなる前にと、テントの外で地図を広げて明日からの行程を確認していると小屋番さんから衝撃の一言。

「ダイグラ下りても橋かかってないよ。」

これは!!!緊急事態発生です。翌週あたりに橋を架ける作業の予定があるらしく、今言ってもワイヤーしかないとのこと。ワイヤーを伝って渡るor渡渉という方法も考えましたが、両方とも「危険だから」と小屋番さんから止められました。個人的にはやる気満々でしたが、2人はあまり乗り気ではなく、小屋番さんからも念を押して止められたのでここは大人になります。

そうは言っても、車1台で飯豊山荘に来た私たちは何としても飯豊山荘に帰らなければいけません。ここまで来て主峰の飯豊本山に登らないという選択肢はありません。が、あそこまで行って飯豊山荘に下りるにはダイグラ尾根しかない。そしてタクシー代を払う財政的な余裕もない。さてどうしましょ。3人とも無い頭で知恵を絞ります。

そして出した結論は、、、「飯豊本山に登り、その後は来た道を帰ってくる」というもの。体力的にはかなりハードなものになりましたが、何かあっても大丈夫なように1日多く休暇は取得していましたし、食料の予備もあります。何より、長く山に入れるのは幸せなことでもあります。

安全第一で、稜線を味わい尽くすことにします!

 

 

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予定を変更し、いい時間になってきたので寝る準備をします。

今日の小屋は大盛況のようで、中から宴会をしている楽しそうな声が漏れてきます。羨ましく感じる気持ちもありますが、コロナ禍ですし明日からも長い行動時間の日が続くため大人しくシュラフに入って寝ることにしました。

ではでは、おやすみなさい。

 

 

 

初日のダメージ(梅花皮小屋→梅花皮岳→烏帽子岳※2/4日目)

 

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おはようございます。飯豊連峰2日目の朝です。

前日に予定変更を余儀なくされましたが、2日目は当初の予定通り御西小屋まで行き、大日岳に登って御西小屋に宿泊する行程です。CTは7時間半から8時間ほど。そこまで長くもないので天気さえ良ければ楽しく歩けそうです。(今のところ、晴れ渡ってはいませんが雨も降っていないので「晴れ男」は継続して自称させていただきます。)

 

 

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天気は曇り。そこまで濃くはないですが、ガスが立ち込めています。

今日もそこそこ長い行程なので、ぱぱっと朝食を済ませます。

 

 

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7:20 テントに付いた朝露を払い、パッキングを済ませて2日目のスタートです。(登山開始にしてはだいぶ遅い時間になりました。単純に私の寝坊です。どこでも熟睡できるという私の特殊能力がここでも発動されました。)

 

 

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昨日登ってきた石転び沢です。上から見ると、特に最後の登り部分は相当急勾配に見えます。登りはまだいいですが、ここを下れと言われたら少し怖いと感じるかもしれません。

 

 

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今日も花を愛でながら歩きます。(ガスであまりカメラを向けるところがないということは内緒です。)

 

 

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この時期にここまで雪が残っていることに、改めてどれだけ飯豊連峰が豪雪地帯かを思い知らされますね。

 

 

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小屋番さんによると、今向かっている梅花皮岳まではあっという間とのこと。

ガスの中に薄っすら見えているピークが山頂かな?

 

 

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2人は昨日のダメージが少し残っているようで、ゆっくりと登ってきます。立ち止まっていないなら問題なしです。

 

 

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7:30 梅花皮岳(2,000m)に登頂。標柱は立っているものの、ピーク感は薄く、1つの通過点といった印象です。まだスタートして間もないので休憩せずに進みます。

 

 

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梅花皮岳を通過してからは、大きめの雪渓が出てきました。昨日の石転び沢と比べれば、こんな場所は遊歩道みたいなものです。

 

 

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雪渓と写真のような夏道を交互に歩きます。晴れていたらきっと素晴らしい景色が広がっているのでしょう。

 

 

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誰かがテントを張っていてもおかしくない場所を発見。

 

 

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この2人、今日は一緒に歩いていて会話が弾んでいるようです。

 

 

 

ロックオン(烏帽子岳天狗岳→御西小屋※2/4日目)

 

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7:45 烏帽子岳(2,018m)に登頂。こちらは先程の梅花皮岳よりは立派ではありますが、それでも長時間休憩するほどの魅力はないかな、ということでスルー。

 

 

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雪渓は場所によって腐っているところもあるので注意が必要です。

 

 

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相変わらずガスは晴れません。

 

 

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と思ったら青空が!

この青空は長続きしませんでしたが、この先の景色に期待してしまいます。

 

 

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歩いてきた行程を振り返るとこんな感じ。一番高いピークが先程までいた烏帽子岳です。

 

 

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昨日からの行動時間の半分以上は雪の上にいる気がします。

 

 

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烏帽子岳から御西小屋まではアップダウンはあるものの、そこまで目立った危険個所はありません。雪渓の状況に注意していれば問題ないかと思います。

 

と、そんなことを言っていたら正面に見えました。今回の山行のメインディッシュ。

 

 

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飯豊本山です。

どのルートを辿ってもかなりの時間と体力を要し、そのなだらかな見た目とは裏腹に難易度は決して低くありません。

 

 

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数年前から憧れた飯豊の主峰に着実に近付いていることを実感し、嬉しくなりました。

 

 

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2人も本山を視界に捉え、テンションが上がっているようです。

 

 

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因みに、左奥の鋭鋒は昨日テントを張っていた梅花皮小屋の北側にあり、散々迷って登らなかった北股岳です。

ということは今日はあの辺りから歩いてきたということです。こうして見ると結構な距離に見えます。こうして重い荷物を持っていても、歩いていればいつか着く。人間ってすごいです。

 

 

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こんな過酷な状況でも花は咲きます。人間もすごいですが花も草木もすごいです。

 

 

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次のチェックポイントで宿泊地でもある御西小屋は、少しずつ標高を上げた写真中央のピークにあります。

 

 

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目視で確認できる距離まで来ました。

 

 

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相変わらず雪渓は不安定な状態ですが、ガスは晴れ、天気は回復傾向です。

 

 

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THE飯豊といったなだらかな稜線がどこまでも延びています。そうです、これが見たかった。

 

 

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天気の回復に比例して歩くペースが上がっていたらしく、ふと振り返ると2人があんなに小さくなってしまっていました。

 

 

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御西小屋から主稜線を外れたところに鎮座する飯豊連峰の最高峰、大日岳。

その姿もやっとはっきりと拝むことができました。

 

 

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今日の目的はあそこへの登頂。山頂手前の雪渓の状態が気になります。

 

 

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気温の上昇に伴い、さらに脆くなってきた足場。天気がよくなることで歩きずらくなるというジレンマ。

 

 

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かといって、やっぱり曇りより晴れの方がいいです。

 

 

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またまたガスが出てきたところで小屋までラストスパート。

 

 

 

水を求めて(御西小屋→御西岳→大日岳※2/4日目)

 

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10:25 御西小屋に到着。かなりの僻地に来ちゃいましたね。先客はいませんでした。

 

 

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2人も少し遅れて到着。

 

途中から天候が回復して蒸していたこともあり、丁度小屋に着く頃に2人とも水を飲み干してしまったとのこと。(私はあまり水を飲まずに歩くタイプで、残量は十分にありました。適度に水分補給をしたほうがいいことはわかっているのですが、歩いているとついつい忘れてしまいます。)

ただ焦りはありませんでした。地図上では御西小屋のすぐ目の前に水場があり、そのことを知っていたからこそ、2人もそこまで残量を気にせず飲み干したんだと思います。

 

が、、、本来であれば水場があるであろう場所には雪渓が広がっていて、水場は全く見当たりません。疲れ切って動く余裕がない様子の2人の代わりに私が辺りを捜索しますが、遠くで水が流れる音がしただけでした。遠くの沢の音が聞こえたものと思われます。(水場捜索中、偶然、御西岳山頂に登頂しました。登り口は少し本山側から回り込む形ですが、直線距離では小屋とは100mほどしか離れておらず、標高差は50mもありません。※後から地図を見ると小屋から直接登るルートもあるみたいでしたが見つけられませんでした。)

 

結論、この時期の御西小屋の水場は雪渓の下に隠れていてまだ使えません!(下山後、調べました。)絶望感で更に疲れの色を見せる2人。水は十分にある私でしたが、2人のことを考えると何とかしないといけません。最悪、雪渓を溶かして水を作ることはできるので生死には関わらいないとは思いましたが、避けられるならそれに越したことはありません。

 

 

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なかなか安定しない電波を捕まえてネットで色々調べますが、有力情報は無し。

「これは雪渓から水を作る作業をするしかないか。」

そんな覚悟を固めつつ、今日のメインである大日岳へのアタック準備をしながら地図を眺めていると、大日岳の山頂付近に水場があるではありませんか。

もうそこに賭けるしかない。小屋にザックを置き、最低限の荷物だけをアタックザックに詰めました。(私の水はありましたが、水場の水が冷たかった場合は入れ替えたかったので、2L丸々残っているプラティパスも持っていきます。)

 

 

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11:45 ということで、飯豊連峰最高峰登頂&水確保に向けた山頂アタックが始まりました。

 

 

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御西小屋から大日岳はCTで2時間ほど。最後に標高を一気に上げるようで、序盤はほぼ平坦な道が続きます。

 

 

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正面の大日岳は迫力があります。

※Photo by K or A君

 

 

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こちらは進行方向右手の今日歩いてきた飯豊の主稜線です。見た目よりアップダウンが多かった印象ですが、それでも歩きやすかったです。因みに明日も歩きます。

 

 

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平坦な道を終えて最後の急登に入ると、これがなかなかしんどく、ストックの力を駆使して登りました。重い荷物を置いてきたので楽に登れると思っていましたが、甘かったです。

 

 

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雪渓の状態もいやらしく、凍結しているところや腐っているところ、岩とミックスになっているところなど、緊張を強いられる場面が続きます。

 

 

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雪渓の急登を何とか登り切り、少し進むと標柱がありました。

 

 

 

水と黒(大日岳→水場→御西小屋※2/4日目)

 

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12:50 大日岳(2,128m)無事登頂しました。

ここが飯豊連峰の最高峰。天気が微妙なのが少し残念ではありますが、それでも心は達成感に包まれています。

山頂は畳6畳分くらいのスペースがあり、私が登頂した時は誰もいなかったのでザックを下ろしてゆっくり休憩できました。

 

さてさて、1つ目の目的を達成したところで、もう1つの目的である水場探しを始めます。地図上では山頂のすぐ近くにあるはずなんですが、、、全く見つけられません。ただ、かすかに御西小屋でも聞こえたような水が流れる音が。私とA君は山頂から南方面に道なき斜面を下り、音の聞こえる方向を目指します。

そして、200mは下ったでしょうか。見つけました。

 

 

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念願の水場です。ここは地図に表示されていた場所ではなく、上部の雪渓が融けることで出来る融雪期限定の水場のようです。よって水温はとんでもなく冷たく、触れていると手の感覚が無くなるほど。私は持ってきたプラティパス内の水を迷わず捨て、この水をいっぱいに詰めました。

(これはどうしても書いておきたいのですが、私とA君が必死に水場を探している中、Kは山頂付近から私達の様子を見ていて、水場があったと伝えた途端、元気に動き出すという愚行に走りました。人間の黒く汚い部分を見た気がしてとても嫌な気持ちになりました。この出来事から私とA君はKのことを「ブラックK」と呼ぶことにしました。)

 

 

 

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無事に?水を確保できたので、暗くなる前に御西小屋に戻ります。

 

 

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大日岳から南方に続く稜線もなかなか魅力的です。

 

 

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この稜線を辿っていくと新潟県阿賀町と福島県西会津町の境目辺りの山奥に着くみたい。

 

 

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どう考えても公共交通機関が発達しているようには思えない場所。アプローチの段階で既に難所のような気がしますが、この稜線を見たら冒険心が擽られます。一度は歩いてみたいなー。

 

 

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登りで苦心した雪渓、下りは下りで危険度が増します。登った時よりも更に斜度が増しているように感じるのですが、、、。慎重に進みます。

(写真は2人のどちらかが撮ってくれました。割と気に入っています。)

 

 

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登りの時より雲が湧いてきましたね。夕日は厳しいかな。

 

 

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今日の出発地の梅花皮小屋は辛うじて見えました。

 

 

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雲が多くなると草花の写真が多くなる私。

 

 

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先程までいた最高峰を振り返り、達成感に浸る2人。

 

 

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下り終え、あとは平坦ロードを戻っていきます。

 

 

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行く時は水場がなかったらどうしようと不安そうな2人でしたが、帰りは気持ちに余裕があるのか、撮影の頻度が高くなっています。

 

 

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大日岳。主稜線からは外れたところにあるにも関わらず(いや、外れた場所にあるからこそ?)抜群の存在感です。

 

 

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何度も振り返りながら小屋に帰ってきました。

 

 

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小屋には誰も来ておらず、今宵は貸し切りのようです。

 

 

 

起きたら念願の(御西小屋※2/4日目)

 

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無事に予定していた行程を終え、念願の宴会です。誰も来ないので、小屋前を使わせていただきます。

今日は赤く染まることはなさそうなので、目の前のビールに全集中します。

 

 

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テント場は小屋の南側(大日岳の方)です。言っていませんでしたが、予定では今日もテント泊でしたが、小屋に誰もいないので道楽をして小屋泊に切り替えました。

 

 

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奥に見えるのは朳差岳?二王子岳?

 

 

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写真の奥の山が北股岳です。明日は飯豊本山に登頂した後、あそこまで戻ります。

うーん、なかなか遠くに見えますね。

 

 

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2人は山座同定を楽しんでいます。仲が良くて何よりです。

 

 

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御西小屋は飯豊連峰のど真ん中、いい場所です。

もう少し雪が融けたら人の入りはどんな感じなのでしょうか。個人的にはこの静かな感じが好きなので、あまり大勢が集まるタイミングは避けたいですね。

 

 

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今更ですが、小屋の前はこんな感じでベンチが1つあるくらい。

 

 

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焼けないと思い込んでカメラを小屋において飲んでいたらいつの間にか遠くの空が赤くなっていました。急いでカメラを持ってパシャリ。

 

 

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派手さはないものの、いい色です。

 

 

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明日もそこそこ長い行程です。沈む夕日に明日の安全を祈り、2日目終了です。

ではではおやすみなさい。

 

 

 

目的地へ(御西小屋→駒形山→飯豊本山※3/4日目)

 

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おはようございます。飯豊連峰、3日目の朝です。

今朝は昨日の朝にも増してガッスガスで肌寒く、なかなか動き出せません。ただ、今日は最低でも梅花皮小屋、調子が良ければその先の門内小屋まで行く予定なのであまりだらだらしていられません。

 

4:15 最低限の荷物だけアタックザックに入れてザックは小屋に置き、いざ飯豊本山に出発です。CTでは1時間40分ほど。

 

 

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御西小屋を少し離れると池塘が点在する区間があります。ガスと相まって幻想的ですが、晴れた時の景色も味わいたいところです。

 

 

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駒形山に到着。ここまで来れば山頂は目と鼻の先です。

 

 

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ガスの中に薄っすらとピークらしき影を確認できます。これが最後の登りかな。

 

 

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縦走3日目にして、遂にメインです。長かったような短かったような。

 

 

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ここで終わりではなく、ピストンで主稜線を戻ることになりますが、兎に角これでこの縦走の目的は達成されます。

 

 

 

飯豊はいいで(飯豊本山→駒形山→御西小屋※3/4日目)

 

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5:00 飯豊本山(2,105.1m)無事登頂しました。

 

 

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数年前から登りたいと言い続けて、やっと来れました。感慨深いものがあります。今まで来た山の中でも随一の奥深さ。

 

 

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達成感に浸っていると、ガスが少しずつ晴れて日の光が差し込んできました。

 

 

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こちらは当初は下山に使う予定だったダイグラ尾根です。次はここから登りたいですね。

 

 

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正面の登山道が先程歩いてきた道です。ガスでよく分かりませんでしたが、こうして見ると飯豊らしい開けた稜線ですね。

 

 

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そして、こちらが昨日歩いて、今日もこれから歩く主稜線。

 

念願の飯豊本山登頂。いつまでもこの余韻に浸っていたいところですが、今日は午後から天気が悪い予報が出ており、雷の心配もあるので、名残惜しいですがそろそろ出発です。

ただ、これだけはここで言っておきたいと思います。絶対にこんな月並みなことは言いたくなかったんですが。

「飯豊はいいでー!」

 

 

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さてさて、お決まりのセリフを叫んで山頂をあとにしました。

山頂から出て数分、またガスに巻かれてしまいました。でも山頂にいる時だけ晴れたというのもそれはそれで幻想的な感じです。

 

 

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今日は目標は門内小屋まで、何かアクシデントがあっても梅花皮小屋までは戻りたいです。

 

 

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そろそろ御西小屋に着きます。軽量装備の快適歩行はここでおしまい。再びあのヘビー級ザックとのお散歩のスタートです。

 

 

 

返し縫い(御西小屋→天狗岳烏帽子岳※3/4日目)

 

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7:00 御西小屋を出発。

御西小屋からは昨日歩いた勝手の知っている道ですが、それでも油断は禁物。

 

 

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訂正。勝手の知っているというのは間違いです。進行方向に見える山がどこなのか全くわかりません。あれが烏帽子岳

昨日あっちから歩いてきたのは間違いないですが、あんなに遠いところから歩いてきた記憶がありません。

 

 

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「天狗の庭」という場所に到着。昨日は雪渓を歩いてきたので、ここは今日が初めてです。

 

 

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徐々に気温が上がってきて、雪渓は昨日より緩んでいるように感じます。

 

 

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奥に見える北股岳までですら遠く感じてしまいます。こんな状態で門内まで行けるのか。

 

 

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そんな調子ですが、それでも歩いていれば着実に進むようで、振り返ると結構歩いてきたことが分かります。左奥が御西岳なのでだいぶ来ましたね。

 

 

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この雪渓を登り終えれば烏帽子岳です。

 

 

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2人(1人しか写っていませんが)も頑張って足を前に出しています。

 

 

 

結局登る(烏帽子岳→梅花皮岳→梅花皮小屋→北股岳※3/4日目)

 

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9:00 烏帽子岳に到着。少し休憩します。

ここまで来れば梅花皮小屋まではあっという間のはず。

 

 

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今日は気温・湿度が共に高めで、風が止むと少し汗ばんでくるような天気です。

 

 

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梅花皮岳にもすぐに着きました。あとは小屋まで下りるだけ。

 

 

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ここから天気は下り坂の予報ですが、まだ雨が降り出すまで時間がありそう。この調子なら降り出す前に門内小屋まで着けるかな。

 

 

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小屋の奥に聳える北股岳は最後に雪渓を登る必要がありそうですね。徐々に足に疲労は溜まっているでしょうから、もう一度気を引き締めて慎重に歩かなければ。

 

 

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10:15 梅花皮小屋に到着。

天気予報が良くないからでしょうか、上から覗いても石転び沢を登ってくる人はいないようです。小屋番さんもいませんでした。

 

11:35 2人が水場で補給するのを待って、リスタートです。

 

 

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小屋から北股岳までは登り一辺倒。

初日、悩んだ末に登らなかった北股岳。今回の山行では登れないと思っていましたが、、、まさかの予定変更の中にもいいことはありました。

 

 

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CTは40分。午後からの天気予報を考えると少しでも早く進みたい。と思ってはいるものの、疲れもあって大幅なペースアップは難しいです。

 

 

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予想通り、山頂直下は雪渓上を歩きます。

ところどころ、このように危険箇所が出てきます。全体的に雪が腐っていて、どこを踏み抜いてもおかしくないコンディションです。

 

 

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雪渓を終えるとすぐに山頂です。(「これくらいならやっぱり初日の待ち時間で登れたな」と思ったとか思わなかったとか、、、)

 

 

 

雷雲から逃げろ(北股岳→門内岳→門内小屋※3/4日目)

 

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11:20 北股岳(2,025m)に登頂しました。

 

 

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山頂には神社があります。スペースも割と広いので休憩はしやすいです。

 

 

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かわいい狛犬も発見しました。

 

ザックを置いて休憩していると遠くの空で雷が鳴り出しました。疲れはありますが、なるべく急がなければ。神社に門内までの安全を祈願して出発します。

 

 

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門内岳まではCTで1時間10分。北股から少し標高を落としたら、あとはアップダウンのない平坦な縦走路が続くようです。

 

 

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飯豊の稜線は本当に広く、歩きやすいですね。

 

そう言えば、全国の登山者の中で「アルプス界隈の山は人気で混雑する場所もあるだろうから、これを機にずっと行きたかった朝日連峰や飯豊連峰に行こう」という動きがあったそうです。実際にその人たちが朝日や飯豊に来たのかは不明ですが、アルプスを肩を並べられる山が身近にあるということは誇らしいです。

 

 

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歩きやすい道の先に祠のようなものが見えます。あれが門内岳でしょうか。

 

 

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右側に小屋も見えるので間違いないです。あれば門内岳ですね。

 

 

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12:25 門内岳(1,887m)に登頂しました。

 

 

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雷がだいぶ近づいてきた(私達が近づいたのか?)ので小屋に入ることにしました。

 

 

 

宴は続くよ長々と(門内小屋※3/4日目)

 

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小屋に入って数分後、バケツをひっくり返したような雨が降ってきました。雷も真上でなっているように感じました。もし小屋に着くのが遅れていたらと考えると、、、間一髪セーフで良かったです。

(小屋の中で雨を凌いでいる時、1人のおじさんが入ってきました。梶川尾根を登ってきたらしく、雨が止むまで小屋にいるのかと思いきや、ザックの中を少し覗いたくらいにして、北股岳に出発するとのこと。おじさん曰く「この雨はあと15分もすれば止む。」といいます。スマホなどで天気予報を確認していた様子はありませんでしたが、確かに15分後に雨は止みました。ただの偶然か、はたまた長年の経験から導き出される予想なのか。1つだけ言えるのは、せめて雷が止むまでは小屋にいるべきということですね。伝えましたが「大丈夫」と行ってしまいました、、、。)

 

雨が止んだので、小屋の前の雪渓で宴会用のお酒を冷やします。

 

 

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これはA君が撮ったお酒を埋めている私と、何もしないK。

Kの黒い部分がまた出ていますね。

 

 

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雨が止んだらガスもとれて、あちこちにカメラを向けたい場所が現れました。

 

 

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門内岳(写真奥のピーク)と門内小屋は50mほどの距離。

 

 

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小屋の前の鐘。とりあえず鳴らしておきました。

 

 

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小屋のバイオトイレ。ブツを攪拌させることで微生物の活動に好影響があるらしいです。珍しかったので撮りました。

 

 

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いきなり夕方の写真で恐縮です。門内小屋も誰も来ず貸し切りっぽいので、またまたテン泊を小屋泊に切り替えて、好き勝手に飲み食い。ふと気付くとこんな時間になっていました。夕日がいい感じなので宴会を中断して外に出ましょう。

 

今日の朝登った本山が奥に見えますね。あんなに遠くからでも歩いてこられるものですね。心地よい達成感に包まれ、ワインが進みました。

 

 

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西側は雲海が広がっていました。

 

 

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右奥の山はどこだろう。二王子岳とかかな?

 

 

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太陽が今日最後の頑張りを見せてくれました。光芒が綺麗です。

 

 

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やっぱり山の朝と夕方は気持ちが落ち着く癒しの時間ですね。

 

 

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日が沈んだら一気に冷えたので急いで小屋に戻り、一時停止を解きました。

明日は梶川尾根を下りるだけということもあり、3人とも既にやり切った感を出し始めてしまっています。こういう時が一番怪我をしやすいので、明日起きたらまた集中し直さなければなりませんね。

 

これで3日目終了です。おやすみなさい。

 

 

 

冷えた朝(門内小屋※4/4日目)

 

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おはようございます。4日目、最終日の朝です。

 

 

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空気は冷え切って背筋が伸びるいい朝を迎えました。

 

 

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こういう朝は太陽の力をより感じられますね。明るくなると、それだけで体も心も温まってきます。

 

 

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今朝は東側も雲海になっています。

 

 

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低山は雲海に浮かぶ島のよう。

 

 

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朝からうるさいですが安全な山行を願って鳴らしました。

 

 

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無事に下山できますように!

 

 

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朝日を捉えようとカメラを構えるA君。

 

 

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寒くなってきたので小屋に入ろうとしているKとA君。

 

 

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朝食はKがパスタを作ってくれました。この味付けとても好み。(キューピー和えるパスタソース)

 

 

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朝食後、パッキングを済ませたら、小屋の掃除をして出発です。

 

 

 

最後の出発(門内小屋→扇ノ地紙※4/4日目)

 

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6:15 小屋を後にします。最終日にしてこの山行一番の天気。

 

 

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まずは梶川尾根への下り口である扇ノ地紙という場所を目指します。CTで40分ほど。

 

 

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それにしてもすごい雲海です。これまで見た中で一番かもしれません。

 

 

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飯豊はなだらかで広い稜線が有名で、よくそのように紹介されることがありますが、その稜線にたどり着くまでは一気に標高を上げなければなりません。そのことをもう少しアナウンスしないと、気軽に登りに来た人は痛い目を見てしまいそう。

 

 

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門内岳と小屋が小さくなってきました。(写真右端)

北股岳(写真中央)と梅花皮岳(写真左側)もはっきり見えます。

 

 

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本山は遥か遠くに見えます。昨日も思いましたが、よくあそこから歩いてきたなー(しかも往復)

 

 

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扇ノ地紙に着く前に、縦走路上にある胎内山に登頂しました。(標高等は地図にありませんでした。ググると出てくると思いますが、面倒なので気になる方は御自身でどうぞ。)

 

 

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これから下る梶川尾根です。雲の下まで続いていますが、下の天気はどうなんでしょうか。

 

 

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梅花皮小屋が見えました。こうして見ると、石転び沢の急登っぷりがよく分かります。特に見えている小屋の直下はなかなかの高度感でした。

 

 

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門内小屋は静かでとてもいい小屋でした。御西小屋と同様、水場は雪渓の下のようなので、行かれる方はその点は注意してください。

 

 

 

稜線とのお別れ(扇ノ地紙→梶川峰※4/4日目)

 

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扇ノ地紙に到着。ここで主稜線とはお別れです。予定より長いこと歩くことになりましたが、それでも「まだここを歩いていたい」と思えるいい道でした。必ず再訪します。

 

 

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ここから飯豊山荘まで標高差1,500mほどをノンストップで下ります。

膝が痛くならなければいいけど、、、

 

 

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素敵な時間をありがとう飯豊連峰。

 

 

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登山中の事故の半分以上は下山時に起きていると言います。家に着くまで集中集中。

 

 

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それにしても綺麗な雲海だなー。

 

 

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石転び沢も先程よりよく見えるようになってきました。ここから見ても迫力が伝わります。

 

 

f:id:daic22:20220416115212j:plain今回の山行の大半は雪渓歩行でしたが、それもこの雪渓が最後のようです。ここまで長時間雪渓を歩き続けた経験は初めてでした。今では逆に土の上を歩く方が違和感を感じます。

 

 

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本山。次はダイグラ尾根で登りたいです。

 

 

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左には朳差岳でしょうか?時間さえあればあそこまで歩いて主稜線を制覇したかったです。

 

 

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雪渓には青空がよく合います。

 

 

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遠くに見える大きな島は朝日連峰ですね。朝日から何度も見ていた飯豊連峰、今は飯豊から朝日を眺めています。不思議な気持ちになります。

 

 

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石転び沢には、私達が登った時にはなかった落石痕が付いています。(向かって左側の草地から石が転がったような痕跡)やはり名前の通りのようです。アイゼンとヘルメットは必須。

 

 

 

雲の下へ(梶川峰→湯沢峰※4/4日目)

 

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7:10 梶川峰に到着。

名前から推測するに、ここが梶川尾根の頂上という位置づけなのでしょう。登りでこの尾根を使う人からすると、頂上だと思って登ってきて、まだもう少し登る必要があることがわかるというのはなかなか精神的によろしくなさそう。

 

 

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梶川峰を過ぎると、もう本山は見えなくなり、小休止の度に石転び沢に視線を向けることとなります。

 

 

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雲海は相変わらず広がっています。ここはこんなに晴れているのに、自ら曇りの世界に進んでいかなければいけないのは何とも歯痒い。

 

 

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そんなことを考えながらも、着実に標高を落としていきます。

 

 

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目立った危険個所はありませんが、全体的に傾斜はきつめなので焦ると怪我に繋がりそう。

 

 

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雲がだいぶ近づいてきました。

 

 

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五郎清水という場所に到着。水場のようですが残量に余裕があるのでスルーします。

因みにここで標高1,450mほど。まだ1,000mも下らなければなりません。気が遠くなりますな。

 

 

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もう見えないと思っていた本山が木々の間からひょっこり。

 

 

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少し低いところから見ると

「本当にまたあそこまで登れるのか」

自信がなくなってきました。

 

 

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標高1,145mの「滝見場」というところに来ました。

 

 

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滝は見えませんでしたが、大迫力の石転び沢を見ることができました。

 

 

 

ただただ下る(湯沢峰→飯豊山荘※4/4日目)

 

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8:45 湯沢峰(1,021m)に到着。ここまで来ると、頭に思い浮かぶのは下山後の温泉だけです。

 

 

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また本山が見えましたが、気持ちは温泉一直線。

 

 

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目指すゴールも見えました。なんか思っていたよりだいぶ下に見えるのですが、そんなことは気にせず下りるしかありません。ラストスパートです。

 

 

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重量が膝にダメージを与えないよう、足の置き方に注意しながら歩いていきます。

何度もGPSで残りの距離を確認して精神的ダメージを受けながらも最後の力を振り絞り、、、

 

 

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梶川尾根を下り終えました。

終始、傾斜がきつかったような印象で、登りではあまり使いたくないかな。といっても隣の丸森尾根も同じような感じとのこと。これはやはり石転び沢or覚悟を決めてダイグラ尾根しかないですね。

 

 

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10:00 3日前に通った橋を渡り、飯豊山荘に帰ってきました。

長く短い飯豊連峰縦走はこれにてお開きです。お疲れ様でした。

 

 

 

まとめ

今回はこれまでの山行で最も長い3泊4日の行程でしたが、長い時間山にいられる喜びを感じることができました。コンビニもシャワーもない環境ですが、その不自由さを楽しむことも山の醍醐味だと改めて実感しました。

それに、ずっと登りたかった飯豊に登ることができたことは個人的にとても嬉しく、今後の自信になりそうです。

 

これからも自分で決めた目標を自分の力で乗り越えられるよう、日々、心身ともに鍛えていきたいと思います。

 

 

ではでは、また山に行ったら更新します。

 

 

 

 
 
 
 
 
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【愛花】花を愛でる心を(安達太良山)

※20210530安達太良山

 

 

毎度おなじみ、安達太良山に行って参りました。

今回も例に漏れず、下山後に例のソースカツ丼屋に行きましたが、毎回そのお店の情報しか役に立つ情報がない記事を書いていては「お前は山ブロガーではないのか」というツッコミをいただいてしまいそうなので、山のことに集中して記事を書きたいと思います。と言っても、近所を散歩するような気分で登ってきたので、目新しい何かがあったわけでもなく、いつも通りペラッペラの内容となりそうです。ご容赦ください。

 

ではでは早速行ってみましょう。

 

 

<行程>

奥岳登山口→五葉松平→薬師岳→山頂→牛の背→くろがね小屋→奥岳登山口

 

 

 

過去の安達太良山の記事はこちらからどうぞ。

 

daic22.hatenablog.com

daic22.hatenablog.com

daic22.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

ゲレンデ登坂(奥岳登山口→薬師岳

 

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7:30 登山開始。今回も見慣れた奥岳登山口から登ります。今回は時計回りで周回します。

 

毎回、ここに来るたびに「次は違う登山口から登ってみよう」と思うんですが、吸い寄せられるようにここに来てしまうんですよね。(と思ったら、前回の記事でも全く同じことを書いていました。)理由は間違いなく、下山後にあのお店に最速で行けるから。あのカツに出会ってしまったら、、、浮気できません。(このままだと、結局カツ丼メインの記事になりそうなので、この辺でやめておきます。)

 

 

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私は毎回この看板を見て「メタルギア」を思い出してしまいます。

 


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あっという間に五葉松平(ゴヨウマツタイラ)に到着。

ここまではゲレンデをだらだらと上り詰めるだけなので写真は省略です。(撮り忘れたという信じがたい事実は墓場まで持っていきます。)

 

ここから最初のピーク(というほどのピーク感はないが)の薬師岳は目と鼻の先です。

 

 

 

白に向かう(薬師岳→山頂)


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8:30 薬師岳に到着。ゆっくり歩いても登山口から1時間ほど。

因みに、ここまで登山口からロープウェイで上がれるので、観光客の姿もちらほら見受けられます。(当方、貧乏&登山がしたいため、ここのロープウェイは未経験であります。)

 


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これは「ほんとの空」ではない、と信じたい。

 


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「ほんとの空」標柱の近くには少し広いスペースがあり、多くの登山者はここで一息つくようです。

 


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薬師岳から少し進むと周囲の木々が低くなり、森林限界が近づいているのを感じます。

道は明瞭なので、道迷いのリスクは限りなく低く、また、斜度が程よいことも相まって、どんどん登っていくことができます。

 

が、上は雲がかかっているようで、山頂で360度のパノラマビューを楽しむことは難しそうです。

 


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はい、難しそうです。

 

 

 

油絵の爆裂火口(山頂→沼ノ平)


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9:30 安達太良山(1,700m)無事登頂しました。

予想通りの白い世界。何も見えないのですぐに歩き出します。

 


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牛の背を歩いて沼ノ平(爆裂火口)にやってきました。火星に来たような景色が広がり、「安達太良山と言えばここ!」と思う方も多いはずです。

 

それにしても、ここはいつ来てもとんでもない風が吹いていますね。

※以前使っていたiPhoneSEは、ここの冷たい突風を浴びて電源が落とされ、くろがね小屋まで電源が入らなくなりました。(その出来事を機に現在使用している激安中華スマホに買い替えました。)

 


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奥岳登山口からしか登ったことがない私ですが、何も、他の登山口からのルートを調べていないわけではありません。

沼ノ平の向こう側(西側)から登る沼尻登山口は、奥岳登山口からの景色とは全く違う景色が見られるようです。同じ山でも、ルートが違えば初めてのようなワクワク感が味わえますよね。

 


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ここを撮ると油絵のような質感が出るのは私だけでしょうか。

 

 

 

岩壁と対峙して(沼ノ平→くろがね小屋)


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沼ノ平で体を冷やされたので、早歩きでくろがね小屋を目指します。

 


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少し下ったことで山頂の乳首を拝むと、、、なんと晴れてるではありませんか!

日頃の行いは悪くないはず。ということで、近くにいた登山者の日頃の行いが悪かったことにしましょう。

 


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安達太良山は初心者でも登りやすいルートが多いですが、見られる景色は迫力満点です。初心者を山に連れて行く時、「どの山に連れてい行くといいんだろう」と悩むことがあると思いますが、そんな時は安達太良山に行っておけば間違いなしです。

 


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峰の辻に到着。ここまで来ると山頂は小さくなり、本格的に下山ムードとなります。

 


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くろがね小屋に下りていく際、正面には高い岩壁の鉄山が聳え立ちます。この岩壁に対峙するとすごい迫力です。これを読者の皆さんに伝えたいのですが、写真の腕が相変わらずなので、、、。ぜひ現地に行って、ご自身の目で味わってください!

 


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鉄山に夢中になっていると、あっという間に小屋の屋根が見えてきました。

 

 

 

花を愛でる(くろがね小屋→奥岳登山口※下山)


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10:30 くろがね小屋に到着。何度も来ていますが、一度も中に立ち入ったことがありません。名物のカレーと温泉、味わうのは宿泊する時にしようと決めていること、また、コロナ禍でなるべく人に接触しないようにしたいこともあり、今回もスルーです。

 


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また来ます!(できれば建て替え※令和5年4月1日以降?より前に泊まりたい!)

 


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ここからは小屋番さんのジムニーでも通れるくらいなので、目立った難所もありません。

 


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ということで、ルートの写真を撮るのはやめて、私が花を愛でる優しい心の持ち主だということをお伝えできればと思います。

 

 

 

まとめ


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何度も来ている安達太良山ですが、登山口も変えずに登っているためか、さすがに既視感が強くなってきました。今度こそ沼尻登山口から登りたいと思いました。(登るとは言っていない。)

 

ではではまた山に行ったら更新します。

 

 

 

 

 
 
 
 
 
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【山塩】魔女はヨーロッパ出身?(一切経山)

※20210515一切経山

 

 

前回の燕岳から1週間。今回はKとA君と3人で一切経山に登りました。

一切経山」は昨年、SNSで何度も目にした山で、山頂から眼下に望む火口湖「魔女の瞳」が有名です。サクッと登れて綺麗な景色が見えるので、幅広い年齢層に登られているようです。

ハードな山行はもちろん燃えますが、ゆるふわ登山好物です。

 

ではでは早速行ってみましょう。

 

 

一切経山吾妻連峰を構成する山の1つで、現在も火山活動をしている活火山です。珍しい名前の由来は、昔の偉い人が仏教一切経を山に埋めたという伝説による(by Wikipediaとのこと。火山活動の影響で植物は少なく、植物が生い茂る隣の東吾妻山とは対照的です。

 

 

 

<行程>

浄土平→酸ヶ平→一切経山→酸ヶ平→鎌沼→浄土平

 

 

 

 

 

 

白煙昇る(浄土平→酸ヶ平)

 

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一切経山に登る場合、多くの方が浄土平から登ると思います。私達も例に漏れず、浄土平からスタートします。

浄土平は磐梯吾妻スカイラインの中間地点にあり、既に標高は1,600mほどあります。一切経山への登山はもちろん、吾妻小富士という小さい富士山型の山(そのうち写真が出てきます)にも登ることができます。吾妻小富士は登山というよりは観光で歩いている人が多いとのこと。(私、まだ登ったことがありません。)

ここに来る道中は火山帯の中に切られた道路を通るのですが、「ここは火星か?」と思うような異世界観を味わえました。(その写真を撮っておけよというツッコミは甘んじて受け入れます。)

駐車場はかなりの台数分がありますが、登山客だけでなく、ドライブ・ツーリング客が大勢やってくる場所で、あっという間に埋まってしまうので早めの到着をお勧めします。

 


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7:20 登山開始。

浄土平は一帯が湿原となっていて、奥に見える火山らしい山容との対比が面白いです。

 


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浄土平から一切経山の山頂まで標高差は400m弱。ゆっくり登ってもすぐに着いてしまいそうです。

 


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さすがは活火山。もくもくと白煙が湧き出ています。

 


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A君の後ろ姿から、夏山が着実に近づいていることを感じます。

 


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振り返ると、先ほど話題にした吾妻小富士が見えます。確かに小さな富士山という説明がぴったりですね。

道は雪が残っていますが、傾斜が緩いため、特に難儀することなく歩けます。

 

 

 

君の名は?(酸ヶ平→一切経山


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8:00 酸ヶ平避難小屋に到着。

あっという間に山頂までの最初で最後のチェックポイントです。

 


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避難小屋からは後で向かう予定の鎌沼が見えました。あの沼の周囲を歩けるようです。

過ごしやすい気温の中、心地よい風が吹いています。絶好のハイキング日和。

 


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避難小屋から5~10分間程度、少し急になった斜面を登ると再び吾妻小富士が顔を出しました。

 


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駐車場から10分程度、木の階段を登ると直径約500mの火口のお鉢に立つことができ、約1時間でぐるっと1周歩くことができるようです。

※今回は木の階段の改修工事中で登ることができませんでした。私はまだ登ったことがないので次回は是非登ってみたいと思います。

 


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「君の名は」っぽい。

 


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そんなこんなでのんびり歩いているのですが、それでももうそろそろ山頂のようです。気付けば、足元が随分と火山らしく変わっていますね。

 

 

 

欧州の女(一切経山→鎌沼→浄土平※下山)


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8:30 一切経山(1,949m)無事登頂しました。

山頂はかなり広く、ピークハント感は薄いです。

 

そして、山頂から少し先に進むと、、、

 


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ありました。これが噂に聞く「魔女の瞳」ですか。確かに美しいです。(正式には「五色沼」というらしいです。)

青い目の魔女、きっとヨーロッパの方でしょうね。

 


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蔵王のお釜によく似た色をしています。

それにしても、登山開始から1時間程度でこの景色が見られるとは。そりゃあ人気があるわけだ。

 


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魔女の瞳から目をそらすと、白い山塊が視界に入ってきました。「飯豊連峰」です。

山形県に住んでいながら、何だかんだで登る機会がなかった飯豊ですが、今年は挑戦してみようかと思い、鋭意計画中です。

 


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山の先輩グループは山座同定を楽しんでいるようです。

 


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魔女の瞳を後にして鎌沼に向かいます。

今回もKとA君はべったりくっついていて、私は蚊帳の外です。

 


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鎌沼の周りの雪はこの陽気に、堪らず崩壊し出していました。(鎌沼の全体を写す写真を撮っていないことに、帰宅してから気付きました。ちゃんとしたブログを書く気がないのがバレてしまいますね。)

 


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鎌沼を過ぎると吾妻小富士を正面に、駐車場に下っていきます。

 


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相変わらず山は白煙を吐き出し続けています。

 


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11:20 下山完了。お疲れ様でした。

 

 

 

まとめ


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初めての一切経山。ハイキングのようなゆるふわコースで楽しかったです。

 

写真は浄土平のレストハウスで購入した「山塩ソフトクリーム」なんですが、普通のソフトクリームとはプラス50円の価格差がありました。てっきりどこかのこだわりの塩でも配合されているのかと思いましたが、普通のソフトクリームに、最後、普通の塩を振りかけられただけでした。なんか損した気分になりました。美味しかったです。許します。

 

ではではまた山に行ったら更新します。

 

 

 

 

 
 
 
 
 
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【白燕】デビューの地で成長を(燕岳・北燕岳)

※20210506~20210507燕岳・北燕

 

 

 

月が替わり5月になりました。ゴールデンウィーク中は天候に恵まれなかったり、予定があったりしてなかなか山に時間を割けず、終盤に得意の有給を駆使してようやく行ってきました。

 

選んだ山は「燕岳」。北アルプスに位置し、老若男女問わず大人気の山で、その登りやすさからか、アルプスデビューに使われることも多いそうです。何を隠そう、この私も北アルプスデビューで登った山もこの山でした。(まだブログを始めていない頃です。懐かしいなー)

しかし、登りやすいと言ってもそれは夏山の話。積雪があれば、当たり前ですが難易度は少し増すので入山者はぐっと少なくなり、夏には考えられないほど静かな燕岳を楽しめるとのこと。また、夏はその人気によって予約がすぐに埋まってしまう燕山荘もこの時期なら比較的容易に予約できるらしい。

これは行くしかない!ということで、遠方遥々行って参りました。

 

ではでは早速行ってみましょう。

 

 

※燕岳:飛騨山脈北アルプス)にある標高2,763mの山で、日本二百名山に選出されています。中房温泉(長野県安曇野市)から合戦尾根を登るルートがメジャーで「アルプス初心者の入門の山」として紹介されることが多いです。よく整備された合戦尾根は確かに登りやすいですが、北アルプス三大急登に数えられているので油断は禁物。花崗岩で出来た特徴ある山容が美しく、北アルプスの女王を呼ばれています。また、燕岳は大天井岳、そして槍ヶ岳(or常念岳)へと歩いていく表銀座縦走の起点となる山で、多くの登山者で賑わう活気のある山です。

 

 

 

<行程>

中房温泉→合戦小屋→燕山荘→燕岳・北燕岳(燕山荘に宿泊)※帰りはピストン

 

 

 

過去の北アルプスの記事はこちらからどうぞ。

daic22.hatenablog.com

daic22.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

背中の異音(中房温泉→合戦小屋)

 

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前日、1人車を走らせ、山形から中房温泉まで移動し、駐車場で車中泊しました。天気予報は悪くありませんでしたが、実際の天気が小雨で微妙だったからか、車は少なく、駐車場はがらがらです。(積雪期はこんなものなのでしょうか。夏じゃ考えられない空き具合です。)

 

因みに、夜中は車の周りに野生動物(恐らく猿です)の気配を常に感じ、トイレに行きたくても怖くて行けずひたすら我慢を強いられた厳しい時間でした。

 


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登山相談所の前を通過します。

これで燕岳は3回目。この辺りの風景も見慣れてきました。

 


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6:00 登山開始。

この看板のすぐ近くにあるトイレで用を足し、準備万端で出発です。

 

因みに、装備は冬山仕様です。5月ではありますが、北アルプスの稜線上はまだ冬山です。安全のため、行く方はアイゼンはもちろん、ウェアも冬山だと思って準備してください。

 


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行程的に日帰りも可能ですが、今回は燕山荘に泊まるのも楽しみの1つ。泊まりなので特に急ぐ必要はないのですが、前評判通りこの時期は驚くほど人が少なく、自分のペースでサクサク登れてしまいます。

 


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6:20 第一ベンチに到着。

合戦尾根はほぼ等間隔にベンチがあり、休憩の目安に最適です。ただ、夏は大勢が休憩しているのでベンチに座れるかはその時の運次第。

 

まだ疲れていないのでこのベンチはスルーして先に進みます。

 


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冒頭にも書きましたが、合戦尾根は北アルプス三大急登に数えられていますが、個人的にはそこまで急な印象はありません。もちろん急な箇所がないと言ったら嘘になりますが、木の階段や石のステップが丁度よく配置されているからか、体力を消耗せずに登れるんですよね。

よく整備が行き届いた登山道で、整備してくださっている方々には頭が上がりません。

 


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6:50 第二ベンチに到着。こちらもスルーします。

 

この辺りから雪が出てきましたが、まだツボ足で行けそうです。(今回は12本アイゼンとピッケルを持ってきています。ピッケルの出番はなさそうですが、「備えあれば患いなし」ということで。)

 


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第二ベンチを過ぎたあたりで小雨が止み、青空が見えてきました。

テンションが上がってきましたが、オーバーペースに気を付けなければ。

 

そう言えば、この辺りで背中から「シュー」という異音が聞こえたような、、、。が、特に気にも留めずに歩いてしまいまして、あの悲劇に見舞われました。

 


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7:15 第三ベンチに到着。こちらもスルー。

 


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木々の間から青空が顔を出しています。絶好の登山日和。気温も徐々に上がってきていて、薄っすら汗ばんできました。

 

この辺りは雪が固く、傾斜もそれなりにあったので、滑ってからでは遅いと思いアイゼンを装着することにしました。ザックを下ろし、中を開けてみると、、、

 


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小屋に着いてからのお楽しみセットの主力メンバーである檸檬堂が破裂して、ザック内に爽やかな風味を撒き散らしておりました。確かに今回は三脚やカメラ機材等々をザックにぎゅうぎゅうに詰め込みましたが、まさか缶が破裂するほどの圧力がかかっていようとは、思いもしませんでした。さっき聞こえた異音の原因はこれだったんですね。

幸い、カメラ機材への被害はなかったので、濡れたものをザックに外付けし、乾かしながら登ることに。

 

アイゼンを装着し、気を取り直して再スタートです。

 


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8:00 富士見ベンチに到着。アイゼンを付けた際(檸檬堂破裂事件の後処理)に少し休んだのでここもスルー。

今回も入れて三度ここを訪れていますが、富士山が見えたことは一度もありません。

 


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富士山は見えずとも、北アルプスらしい風景が見えだしました。

やはり雪があるだけで一段と格好よく見えますね。

 


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見えだした周りの山々に視線を奪われながら歩いているとあっという間に合戦小屋が姿を現しました。

 

 

 

いざ、天国へ(合戦小屋→燕山荘)


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8:25 合戦小屋に到着。夏なら目線の高さにある鬼の看板も今回は足元です。5月でもまだまだ雪は残っていますね。

 


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夏なら大変な賑わいを見せている小屋前のベンチも、今日はまだ誰もいません。

奥に見える雲海が綺麗です。

 


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後続の方が来たので、合戦小屋独り占めの権利をお譲りして、私はそろそろ歩き出すことにします。

 


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合戦小屋を過ぎると徐々に木々の背が低くなってきました。

 

遠くに見えるあの山は大天井岳(2,922m)でしょうか。表銀座縦走の際は大天井岳の右側をトラバースしてしまったので、まだ登ったことがない山です。

大天井岳のテント場は槍ヶ岳穂高を眺められる最高の場所という評判を聞いたことがあるので、近いうちに行こうと目論んでいます。

 


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噂をすればなんとやら。槍ヶ岳がひょっこり顔を出しました。

一部を見ただけでこの存在感。さすがは北アルプスの盟主、イケメンですね。

 


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表銀座の稜線から顔を出す槍ヶ岳

 


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2年前の縦走の際の記憶が昨日のことのように蘇ってきます。あの時は初めて30kgの重いザックに苦戦しながらも、非日常の世界に心が躍りました。

 


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合戦小屋までは雪の下の夏道を辿るように登ってきましたが、小屋から上は直登でした。時短にはなりますが脚には結構効きます。

 

何度も振り返りながらゆっくり進んでいきます。

と言っていると、遠くにあの山の姿が!

 


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富士山です。雲海の中に聳え立つ姿は、さすが日本一の山といった風格を醸し出しています。美しい。

富士山を見つけると誰でもテンションが上がってしまうこの現象、富士山の魅力が日本人の遺伝子に刻み込まれているんでしょうね。

 


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富士山に元気をもらい、疲労した足を前に出します。

 


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8:45 合戦沢の頭に到着。

稜線の先に見えている燕山荘を目指してラストスパートです。

 


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白い雷鳥、見たいなー。

 


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小屋の近くまで来ると、槍ヶ岳の存在感が更に増してきました。

 


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表銀座槍ヶ岳。そして穂高もはっきりと見えていますね。大好きな山域です。

※当記事、この後、これと同じような写真を量産することとなります。予め御了承ください。

 


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積雪期は小屋の裏から回って入口に向かうようです。

 


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裏銀座の稜線。

私は、燕山荘のテント場の横を通過して燕山荘と燕岳山頂の分岐に到着し、裏銀座の稜線が目に飛び込んでくるあの瞬間がたまらなく好きです。頑張って登ってきた疲れを一気に忘れてしまう感覚。あの瞬間、アルプスに心奪われたのを今でも鮮明に覚えています。

今回は無積雪期のようにテント場の横を通るルートではありませんでしたが、やはり裏銀座が見えると疲れが吹き飛びました。

そのうち、あっちも歩きたいですね。

 


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そして、今回の目的地である燕岳です。

 


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このカッコよさで日本百名山に選ばれていないとは。深田久弥さんのセンスに疑問を抱かざるを得ません。

 


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槍ヶ岳の北鎌尾根。実はあそこも近いうちに挑戦したいなと考えています。山頂の祠の裏から登頂したら、さぞかし気持ち良いことでしょう。

 


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小屋の裏から小屋の正面まで普通に歩けば数十秒程度ですが、目の前の絶景に夢中にシャッターを切っていたら15分くらい経過してしまいました。

ぼちぼち小屋前のベンチで休憩しましょう。

 

 

 

ピークハント(燕山荘→燕岳・北燕岳)


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9:45 燕山荘に到着。

収容人数650人と山小屋の中で有数の規模を誇り、燕岳登山者の宿泊地、表銀座縦走者の起点として多くの登山者を支えています。

中には売店や食堂、喫茶室があり、山にいながらケーキやお菓子も楽しめます。私は初めて来た際、小屋前のベンチで特大ジョッキ(確か「メガジョッキ」という呼称だったような)のビールを楽しむという贅沢な時間を過ごしました。

 

到着してから知ったのですが、今年で開業100周年とのこと。修復、増築を重ねながらではあると思いますが、この厳しい環境の中で100年間営業しているのは大変なことだと思います。小屋があるおかげで安心して山を楽しむことが出来ていることに改めて気付き、頭が下がる思いになりました。有難いですね。

 


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小屋の受付まで、まだだいぶ時間があります。

時間的には日帰りもできる時間なのでどうしようか迷いましたが、折角はるばる山形から来たのに日帰りは勿体ないと思い、予定通り宿泊することにしました。

 


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では、とりあえずピークハントしましょうか。

小屋から山頂まではコースタイムで30分ほど。ほとんど標高差はないのでお気楽に歩き出します。

 


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小屋のすぐ隣にあるテント場はまだ雪が残っており、そこにテントを設営した痕跡が残っています。

今日も天気がいいので、もう少ししたらテント泊組が登ってくるでしょう。

 


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燕岳の名物「イルカ岩」

自然にできたとは思えないほど、しっかりイルカの形です。

 


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10:30 燕岳(2,763m)無事登頂しました。

風が少し強くなり寒くなってきたのでハードシェルを羽織りました。

初めて来た時はここで缶ビールを楽しみました。懐かしいです。

 

時間があるので少し先まで足を延ばし、北燕岳にも行きました。

北燕岳は燕岳を違って人が少なく、静かな山を楽しめます。小屋から燕岳と同じような平坦な道が続くので、お時間がある方は是非行ってみてください。

 


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北燕岳からは去年酷い目に遭った剱岳が綺麗に見えました。

今年はリベンジするぞ!

 

 

 

山とビール(燕山荘及びその周辺①)


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小屋の受付時間が迫ってきたのでそろそろ戻ります。

 


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早々に受付を済ませ、自分のブース(コロナ対策で、本来2人以上で詰め込まれるブースを1人で悠々と使えました。小屋的には厳しいのでしょうが、こういった面は利用者的には嬉しく感じてしまいます。コロナ後はどのような形がスタンダードになるのでしょうか。)にの荷物を置いて食堂に駆け込みます。

 

ビールのピントが合っていない点で、私がどれだけ早くこの液体を喉に流し込みたかったを感じてもらえればと思います。(因みに、生ビールもコロナ対策でジョッキでの提供は休止しているとのこと)

 


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そしてビーフシチューセット。ここは本当に山なのでしょうか。最高の贅沢です。

(食堂内はアクリル板の設置や入り口での手指の消毒など、出来る限りの感染対策が施されていました。)

 

お腹も心も膨れたところで、写真を撮りに散歩に行くことに。

 

 

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燕山荘周辺は小屋に宿泊するグループが楽しそうに宴会を開いていて賑やかだったので、私は少し大天井岳方面に進んだところでのんびりすることにしました。

もちろん持参したアルコール類とおつまみも持ってきています。

 

夏は多くの人が歩いている表銀座も、積雪期は人がまばらで、静かな縦走が楽しめそうです。まあ、雪がついていても歩ききれる体力があることが前提条件にはなりますが、、、。

 


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槍ヶ岳もこの時期は相当少ないんでしょうね。

 

以前、NHKのドキュメンタリーで写真家の西田省三さんが雪が付いた槍ヶ岳をドローンで撮影した映像が流れていましたが、夏より一層険しく見えました。難易度はかなり上がると思いますが、一度自分の目で見てみたいものです。

 


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表銀座の稜線上をなぞっていくと最初にぶつかるのが大天井岳です。

先程も言いましたが、縦走時、私は1日目になんとしてもヒュッテ西岳にテン泊したく、ある程度ハイペースで進む必要があったのでトラバースしてしまったんですよね。ヒュッテ西岳に着いてみると、意外と時間的に余裕があったので、大天井岳にも寄れば良かったと後悔しました。

 

 

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そんな思い出に浸りながら、持ってきたアルコール類とおつまみで独り宴会スタートです。

 


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時間はたっぷりあるので、岩陰に入って風を凌ぎながらゆっくり過ごします。

 


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どこまでも続く稜線。この絶景であれば、本当にいつまでもどこまでも歩いて行けそうな気持ちになります。

 


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小屋の夜ご飯のスタートは早いので、小屋に戻ってきました。

 


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今日のメニューはハンバーグと焼き魚。ごはんとみそ汁はお替わり自由です。前日が5/5こどもの日だったので、デザートに柏餅まで付きました。(食べ過ぎました)

 

 

 

贅沢な時間(燕山荘及びその周辺②)


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食事を済ませ、再び外に出ました。

太陽が沈み始め、山が淡い光に包まれています。

 


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派手に焼けてはいませんが、これもこれで味があって悪くないですね。

 


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富士山はさすがの存在感です。

 


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立山方面が赤く染まってきたのでカメラを向けます。

写真では伝えられないですが、徐々に風が強くなってきて、どんどん体が冷えてきました。

 


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どこか怪しさを感じる赤です。

 


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このまま外にいると風邪を引いてしまいそうなので、小屋に入ってぬくぬくすることに。

 

と、少し暖をとるつもりが、いつの間にか寝てしまいました。気付いていないだけで、疲れていたのでしょうか。

 


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目が覚めたのが深夜2時。雲が出ていなければ星が見えるでは?と寝ぼけ眼で小屋の外に出てみると、満点の星空が広がっていました。

※暗いレンズしか持っておらず、綺麗さを写真で表現できていないのが歯痒いです。

 


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気温も低く、風も強かったので、体感温度はかなり低かったはずですが、夢中で空を見上げていたからか、不思議と寒さは感じませんでした。

 


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結局、2時に外を出てから太陽が上がって来るまで、外で空を眺めていました。贅沢な時間です。

 


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折角、ずっと外にいたのに、この日の太陽は雲の裏に上がったため、御来光を拝むことはできませんでした。少し残念。

 


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おはよう日本

 


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安曇野市街地も少しずつ明るくなってきました。

 


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今日も堂々と鎮座する槍様。

 


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朝ごはんの時間が迫ってきました。

大天井岳方面に歩き出したくなる気持ちをぐっと堪えて中に入ります。

 


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朝ごはんもご飯と味噌汁のお替わりが自由でした。(食べ過ぎました)

 

 

 

後ろ髪を引かれる(下山)


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6:15 下山開始。

今日は中房温泉に下山するだけの余裕のある行程ですが、睡眠時間は間違いなく不足しているので、集中力を切らさないよう、慎重に歩くことにしましょう。

 


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「アルプスの女王」

その名に相応しい美しさです。

 


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登山者の憧れである槍ヶ岳穂高連峰

 


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雪が付いた表銀座は本当に私の心を誘惑してきます。難易度は格段に上がるでしょうが、いつか歩いてみたいです。

 

 

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これは笠ヶ岳

噂によると、笠新道が鬼のようなキツさだとか。確かめに行かなければ。

 


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裏銀座は2,3年以内に高瀬ダムから縦走するぞー。

 


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絶景に足が止まり、まだ小屋から50mも進んでいません。

このペースで行くと、駐車場に着く頃には夜になってしまいそうです。そろそろ山々に別れを告げなければ。

 


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また来ます!

 


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富士山もこれで見納め。

南アルプスからであればもっと大きな富士山を楽しめるでしょうね。まだ未踏である南アルプスへの挑戦意欲が出てきた今日この頃です。

 


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槍様が後ろ髪を引いてきます。(短髪で襟足は刈り上げていることは内緒です。)

 


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合戦小屋に到着。昨日の方が天気は良かったですね。

いいタイミングで登れたようです。

 


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合戦小屋を過ぎると特に気を惹かれる景色もなかったので、ノンストップで歩きました。

 


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8:00 下山完了。

中房温泉には誰もいませんでした。そう言えば下山中にすれ違ったのは数名程度。夏では考えられないほどの静かな合戦尾根でした。

 


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何故か、中房温泉から駐車場までのアスファルト歩きが今回の山行で一番足にきました。疲れが出たのでしょうか、この5分で一気に疲労感が増しました。

 


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無事、駐車場に着きました。

お疲れ様でした。

 

 

 

まとめ

今回は私のアルプスデビューの燕岳に再訪してきました。あの時には、雪がある季節に登るとは全く思っていませんでした。数年の時間の経過の中で、更に山に魅せられたということですね。

自分の成長が嬉しくなった一方、もっと技術・体力向上のために努力して、自分が行きたいと思った山に行ける自分でありたいと強く思いました。

 

ではではまた山に行ったら更新します。

 

 

 

 
 
 
 
 
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