※20200118磐梯山 (撤退)
前回の面白山から1週間。快晴の雪山は、良いのか悪いのか私に「雪山=最高」という印象を与えました。危険な点が多々あるのは承知ですが、それでもそう思わせる魅力がありました。
早く次の山へ行きたくて、天気予報サイト「てんきとくらす」で、日帰りで行けそうな距離で、登山指数A判定の山を探し、福島県の磐梯山に行ってきました。
友人の下調べ
今回は相方のKと一緒です。
Kの下調べによると、この時期の磐梯山は裏磐梯スキー場から登るのが定番で、①中の湯経由ルートと、②山頂に直登するルートの2つがあるとのこと。②のルートはイエローウォールと呼ばれる珍しいものが見られるかもしれないとのことでしたが、地図上の等高線を見るとなかなかの急登があるようです。雪山初心者の私達に急登はちと厳しいかな、ということで①のルートにしました。
いざ出発(裏磐梯スキー場⇒銅沼)
8:20 裏磐梯スキー場を出発。
リフトは8:30から営業開始のようで、ゲレンデを歩いて登りました。
奥に見える湖は桧原湖です。磐梯山から見える湖としては「猪苗代湖」が有名ですが、そちらは反対側。山頂まで行かなければ拝むことはできません。
「てんきとくらす」A判定を見て前回の面白山の時のような青空を期待していた私は、微妙な天気に少しがっかりしながら歩いていました。それでも雲は高く、そこまで酷く荒れることは無さそうです。
目指す山頂が見えました。標高以上に迫力のある山容です。この時は「あそこでカップ麺食うぞ」と意気込んでいました。この時は…。
不慣れな雪山(銅沼⇒中の湯)
9:15 銅沼に到着。
湖面(沼面?)は凍っていましたが、氷はまだまだ薄いように感じました。やはり暖冬が影響しているのでしょうか。
銅沼から西に折れ、中の湯を目指します。
初めは平坦な道のりです。雪はなかなか深いですが、先行者のトレースのおかげでグイグイ歩けます。
しかし、少し先に進むと、先行者のトレースが消えてしまいました。雪山初心者の私達にとって、トレースは命の次に大事です。急に不安になってきました。後から写真で確認すると出発時と変わりありませんが、この時は、心なしか天気も悪化してきているように感じていました。(笑)
先行者がおらず、膝上くらいまでの積雪で、心身ともに疲労を隠せなくなってきました。
そう言えば、ここまでずっと先頭でラッセルしているのは私です。納得できません。
家庭科の評定5(登頂断念)
10:30 中の湯に到着。
と言っても、ルートファインディングに苦戦し、道なき道をもがいてきたため、気付いたときには中の湯を通り過ぎていました。
先を急ぎたいところでしたが、中の湯に着く直前の登りでかなりの体力を消耗してしまいました。その後も何とか前には進みますが、ペースはかなり落ちていました。
Kは私が必死にラッセルしている間に、ちゃっかり栄養補給していました。沸々と込み上げてくる感情を押し殺し、これからのスケジュールを相談します。
私「予定よりかなり遅れているから、12:00までに山頂に着けないと分かった段階で引き返そう。」
K「OK!でも、もう少し行けそうだよね。」
私「うーん。まあもう少し頑張るけど、雪が深くてペースが上がらん。」
K「この辺はさっきより傾斜あるから雪が少なく感じるけどなー。」
自分の中で何かがプツンと切れて(キレて)しまいそうでした。
「ラッセルしてる俺と、俺のトレース使ってここまで来たお前とで、同じ疲労だと思うなよ」
そう言って、崖下に投げ飛ばしたかったというのが正直なところ。が、理由がどうであれ、私が罪に問われることは間違いない。グッと我慢し、心の中の切れ(キレ)かかった糸を無理やり結び直しました。学生の頃の家庭科の評定は5でしたので、糸の扱いはお手の物です。
11:30 スマホのGPSで現在地を確認。山頂までは1時間半かかる模様。
撤退 が決まりました。
撤退を決めた途端、これまでピンと張っていた緊張の糸が緩みました。急激に集中力が低下してきます。自分が思っていた以上に、心身ともに疲れていたようです。
これでは下山中に怪我をしてしまうかもしれません。気持ちを切り替えて、緊張の糸を張り直します。繰り返しになりますが、学生の頃の家庭科の評定は5でしたので、糸の扱いはお手の物です。
いざ、撤退を決めるともう少し頑張れたような気がしてきます。
「ここを俺達の山頂とする!」なんてふざけてみたりしたものの、なかなか悔しい。しかし、ここで無理をして暗闇の中を歩くのは御免です。ここは潔く引き返すことにします。
実に無念。
反省点
そんなこんなで登頂できなかったわけですが、撤退したのは登山を始めて2回目。
以前は、初心者を案内しての登山で、悪天候で安全面を考慮しての撤退。今回は自分の力不足が要因の撤退です。ましてや、そこまで標高の高いわけでもなく、酷い悪天候というわけでもない。
つくづく山は難しいと思い知らされました。
普段は特に深く考えない私ですが、地味に撤退したことを引きずっておりまして、帰ってから何故登れなかったのか自分なりに考えてみました。
①体力不足
これが一番です。深い雪でも歩き続ける体力を身に着けなければいけません。
特に、私は一眼レフと、その他に動画用カメラを2台持っていっているので、ザックが重いです。
また、カメラを外付けしているので、枝や雪からレンズを守るために屈んで、這ってと、結構疲れます。
しかも、撮影はいちいち立ち止まるので、なかなか登りのリズムを作りづらいんですよね。
「そんなに文句があるならカメラなんか置いていけ」と言われるかもしれませんが、ここは譲れません。体力つけます。(笑)
(「特に」からは言い訳となっております。情けない(笑))
②経験不足
これも大きいかなと。
トレースが無くなっただけで不安になったり、動物の足跡に怯えたり。
常に平常心ではなかったなと、帰ってきてから気付きました。
③準備の不足
今回はソロではなかったため、コース等の情報をKに調べてもらって、自分ではよく把握していませんでした。そのため、地形が頭に入っておらず、ルートを見失うことが多かったです。大きなタイムロスになりました。
④道具の不足
今回はアイゼンしか持っていきませんでしたが、積雪量から考えると、ワカンやスノーシューが適していたと思います。ラッセルってこんなにきついんですね。ちょっと楽しいけど。
⑤寝不足
前日、遅くまでパソコンをカタカタしていたため、十分な睡眠時間を確保できませんでした。寝不足での登山は危険だし、楽しさも半減します。
⑥栄養不足
出発が早かったこともあり、まともに朝食を食べず、コーヒーのみで登山に臨みました。当然、力は出ませんでした。
とまあ、改めて考えると理由はポンポン思いつきます。
出発時は撤退など微塵も頭にありませんでしたが、こうして色々考えてみると、撤退は不測の事態ではなく、不足の事態でした。(我ながらなかなか上手いと思う)
リトライします!
いっちょまえに反省したので、近いうちにリトライしてきます。
今度こそ山頂でカップ麺すするぞー!
※写真は下山後、温泉に行った後に食べた喜多方ラーメンです。
人気店はスープが無くなってしまったようで閉まっていましたが、偶然開いている店を発見し、入店しました。夕方でも開いているということはスープが残っているということ。スープが残っているということは…あとはお察しください。
でもKは美味いと言っていたので、あくまでも私個人の感想です。
ちなみに彼が相方のKです。これから度々登場することになるかと思います。
以後、お見知りおきを。
ではでは、また山に行ったら更新します。