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Long Trail

アウトドアが好きで健康診断が苦手な山形県民の記録用ブログ

【槍穂】雷鳴轟く岩稜を進むカレー愛好家(槍穂縦走)

※20220802~20220805西穂→槍

 

前回登ってから早2年。登山者の誰もが憧れるであろうその場所の名は「ジャンダルム」。圧倒的なフォルムが冒険心をくすぐりますが、浮石だらけの岩場とCTの長さ、エスケープルートが乏しいことなどからその難易度は高く、このエリアは毎年のように重大事故が起きています。

岩場が好きな私としても、その名には多少の恐れ多さを感じており、三大キレットを歩いた後、最後の総決算で行こうと、まだまだ行くつもりはありませんでした。が、Kさんという頼もしいバディから誘っていただき、自分としても1つ上のステージに上がりたいという気持ちが強くなり、胸を借りるつもりで恐る恐る国内最難関と言われるそのエリアに立ち入りました。

そこにはリスクを冒してまでも入り込む価値がある絶景が広がっていました。(その時のことは下に貼ってある記事をご覧ください。)

 

さて、人は一度心を掴まれると、なかなか忘れられないものです。

また、あの頂からの景色をまた目に焼き付けたい。気付けば、ふとした時にそんなことを思うようになってしまいました。そうなってしまったら最後、その願望を叶えるまでその気持ちは消えることはありません。それどころか、日に日に大きくなっていきます。

 

山屋(自分をそう呼ぶのは「本物」の方に失礼なような気もしますが…)というのは不思議なもので、同じようなタイミングで同じようなことを考えたりしているようです。ちょうどKさんも同じことを考えていたらしく、「そういうことなら話は早い!」ということで、またKさんと西穂~奥穂を歩くことになりました。

 

ただ、前回と何もかも同じではつまらない。何かもうひと捻り、この山行にスパイスを加えたくなりました。そこで、前回は奥穂から涸沢経由で下山していたところを、北穂に向かい、そのまま大キレットを経由して槍ヶ岳まで行ってしまう欲張りコースを提案。大キレットは未経験でしたが、Kさんは2回ほど歩いたことがあると聞いていたので、Kさんも乗ってくるはずだとの思惑がありました。

案の定、Kさんは賛成してくれ、夢のような縦走計画が完成しました。行く前から涎が垂れるほど気持ちが高ぶります。

 

あとは天気がいいことを祈るだけ。

 

このお決まりのようなセリフが身に染みる結果となったことは、この後の本編をお読みいただければ伝わると思います…

 

 

ではでは早速行ってみましょう。

 

 

今回の行程はこんな感じ。

<1日目>

山形から新穂高温泉に移動

新穂高ロープウェイで登山口へ

登山口から西穂山荘へ

西穂山荘に宿泊

 

<2日目>

西穂山荘から西穂高岳

西穂高岳から赤岩岳間ノ岳、天狗岩を経由しジャンダルムへ

ジャンダルムから奥穂高岳

奥穂高岳から穂高岳山荘へ

穂高岳山荘で休憩し、奥壁バンドを通って北穂高岳

穂高小屋に宿泊

 

<3日目>

穂高小屋から大キレットを通り南岳小屋へ

南岳小屋で休憩し、南岳、中岳、大喰岳を経由して経由して槍ヶ岳山荘へ

槍ヶ岳山荘に宿泊

 

<4日目>

槍ヶ岳山頂で御来光

槍ヶ岳山荘から千丈沢乗越、槍平小屋、滝谷避難小屋を経由して新穂高温泉

新穂高温泉から山形へ移動

 

 

 

 

過去の北アルプスの記事はこちらからどうぞ。 

 

 daic22.hatenablog.com

daic22.hatenablog.com

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daic22.hatenablog.com

daic22.hatenablog.com

daic22.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴールが見えた(新穂高温泉→ロープウェイ→西穂山荘)

 

8月3日。前日夜から車を走らせて新穂高温泉に到着しました。

ロープウェイに近い市営無料駐車場は平日ど真ん中にも関わらず満車だったので、仕方なく少し離れた鍋平の無料駐車場へ。自分も休んでおいて言うのもおかしな話ではありますが、「『日本人は働き過ぎ』なんて言うけど、こんなに休んでいる人がいるんだなー」と、少し安心しました。

 

前回は平湯に車を置いて、バスで新穂高温泉に入ったので、こちらは初めて。鍋平駐車場はロープウェイを1つ利用するのと同じくらい標高が高いので、しらかば平駅まで歩きます。(新穂高ロープウェイは一番下の新穂高温泉駅から鍋平高原駅までの第一区間と、鍋平高原駅と隣接しているしらかば平駅から頂上の西穂高口駅までの第二区間に分かれています。)

 

 

駅に向かう途中、何やら尖っている岩山が。

そう、今回の最終目的地である槍ヶ岳です。まさかここからゴールが見えるとは。さて、私達はいくつもある難所を越えて、あの頂まで辿り着けるのか、期待と不安が入り混じります。

 

 

そうこうしているとこれから私達が乗るロープウェイが見えてきました。

 

 

2年ぶりに訪れました。そうそう、西穂高と対峙している笠ヶ岳の山肌も迫力があるんだよなー。

 

 

ロープウェイで標高をお金で買って、あっという間に標高2,000m超の世界にやってきました。

駅のデッキには観光客が大勢いて、記念撮影のカメラマンの活気ある声が響いています。何となくですが、少しずつ平時に向かっているのかなと、気持ちが明るくなりました。

 

 

そう言えば、ネットニュースで見た覚えがありますが、この駅周辺はもう少し観光客向けに整備されるようですね。多くの人が自然の魅力に触れられる機会が増えるのは素晴らしいことかと思いますが、ありのままの自然を楽しみたいという願望を満たしてくれる場所が減っていくのは複雑な心境です。(そこは資本主義が抱えている難解な問題だと思うので、私如きがどうこう言って変わるものではありませんが…)

 

 

こちらは明日歩く西穂高岳の稜線です。左のピークが独標でしょうか。

 

 

さっき見たよりも槍ヶ岳と目線が近づいたように思いますが、それでもまだ1,000mの差があります。焦らずゆっくり登っていきましょう。

 

 

南には焼岳がどっしりと構えています。こちらも近いうちに登っておきたい山の1つ。いつ噴火するか分かりませんからね。

 

 

11:45 一通り、デッキからの眺望を楽しんだら、いよいよ出発です。

と言っても、今日は山荘までなのであっという間。ということでワープします。ハッ!

 

 

 

英気を養う(西穂山荘→西穂丸山→西穂山荘)

 

12:30 ヤー!ということで西穂山荘までワープしてきました。(ワープ所要時間45分)

 

 

山荘は丸山や独標までに日帰りハイカーさん達が大勢いて、賑わっています。

写真はKさんの頼もしい後ろ姿。

 

 

今日はこちらにお世話になります。そこまで混雑していなくて快適に過ごせそう。

 

 

これはせっかく自然の中に来ているのに、そこには目もくれずスマホを弄っている私です。

 

 

飛行機を見ると何故か撮ってしまうのは、きっとDNDレベルで人間に刻み込まれている空への憧れ。

 

 

西穂山荘の受付の上に飾られている写真。

いつかこんな写真を私も自らの手で撮って、自宅に飾りたいと思いました。まだまだ精進せねば。

 

 

明日からに向けて、Kさんと英気を養います。ここで生ビールが飲める幸せ。

 

 

食事の時間は受付に表示されています。翌朝は3時半頃には出発するので弁当を頼みました。

 

 

まだまだ夕食まで時間があるので、明日歩く道を少し偵察に行くことにしました。前回も同じ流れだったような気がする。

 

 

霞沢岳と上高地。奥に見えるのは乗鞍岳でしょうか。

霞沢岳は一般登山道がなく、バリエーションルートとのこと。いつか行ってみたいです。

 

今はこんなに天気がいいのですが、明日は午後から大きく天気が崩れる予報。なんとかそれまでに難所は通過しておきたいところです。

 

 

山荘から急な登りを5分ほどこなすと西穂高岳の険しい山容が見える場所に出ます。鋸の刃のようなギザギザに、若干怖気づいてしまいます。

 

 

上高地にカメラを向けるKさん。前回はSONYのカメラを使用していましたが、今回はOLYMPUSのOM-D。コンパクトでいいカメラです。羨ましい。

 

 

焼岳と乗鞍岳

山形から遥々来ると、どうしても縦走したい気持ちが強くなり、縦走に向かないこの二座には足が向きません。でも登ってみたいんだよなー。

 

 

アップで見てみるとますます尖って見えます。

手前の人が数人いる場所が西穂丸山。そこまではなだらかですが、そこを過ぎると一気に標高を上げることとなります。

 

 

西にある笠ヶ岳に雲がかかってきました。もう少しするとこちらにも雲がやってきそうですね。

 

 

暫く西穂方面を眺めていると、前回の縦走の記憶が蘇ってきました。

 

 

前回は天気がこの上ないほどの快晴で、西穂山荘を出たら頭上には満天の星。肉眼でここまで見えるかと驚くほど。

 

降ってくるほどの星に気を取られながら歩いていたら、写真にある西穂丸山を過ぎた後に傾斜がきつくなってきたあたりで足をグネりました。

ただ、グネったのは満天の星だけが原因ではありませんでした。何かというとヘッドランプ。私はかなり暗いタイプのものを使用していたので、足元があまり見えていませんでした。完全に準備不足。

 

幸い、捻挫ほどには酷くならなかったのですが、こんなに序盤で歩けなくなったら遥々山形から来た意味がなくなり、何よりKさんに申し訳なさ過ぎて、いくら謝っても足りない事態になるところでした。

 

 

蜷局を巻く大蛇。

 

 

丸山手前の少し広くなった場所でだらだらと時間を潰していると、西穂独標まで行った日帰り組の方々が続々と丸山付近まで下りてきました。

 

 

人が多いのが嫌なので、あの人達がここを通過してから丸山に行ってみます。

 

 

14:45 ということで西穂丸山(2,452m)に到着。

 

 

さっきより近くなった西穂の尖った稜線を眺めながら、明日以降の安全第一の精神を誓いました。

 

 

小屋に帰って、中をキョロキョロ見学してみます。

しかし、ここはちょっとしたネットカフェレベルのラインナップ。少なくともこの写真を見た多くの人は、説明されないと山小屋の写真だとは思わないはずです。

 

 

ご馳走。あっという間にたいらげました。絶品。

 

その後は明日に向けてパッキングをしながら明日の行程を確認して、軽くストレッチをしてから寝ました。

 

さて、明日の天気はどうでしょう。無事に辿り着けるのか。

 

 

 

岩場に戻ってきた(西穂山荘→西穂独標→西穂高岳

 

3:45 西穂山荘を出発。

 

おはようございます。真っ暗な中での出発準備はなかなか手間取りましたが、大体予定通りの時刻に出ることができました。

天気は現時点ではそこまで悪くありません。

 

 

薄っすらと山際が明るみを帯びてきました。

今回は2年前の反省から、なかなか明るいヘッドランプを使用しているため、快適に歩みを進めることが出来ています。

 

 

4:15 西穂独標(2,701m)に到着。

ここまでは直下の急登はあるものの、難易度としてはそこまで厳しい道ではありませんが、ここから先は足元が悪くなったような記憶があるので、もう少し明るくなるまでここで休憩を兼ねて朝食をとることに。

 

 

おにぎりを頬張りながらこれから目指す方向を眺めていると、気分が少し高揚してくるのを感じます。楽しめそうだなと思うと同時に、あまりはしゃぎ過ぎると取り返しのつかないミスを犯してしまう気がして、深呼吸をしました。

 

 

険しい稜線も、一度その懐に入ってしまえば、目の前の岩壁に向かい合って、へばりついて、乗り越えるほかありません。

 

 

この時間特有の幻想的な色。

 

 

遠くに富士山も見えています。

 

 

ここに着いた時よりだいぶ明るくなってきました。

 

 

ということで、

4:50 リスタート。

 

 

ピンク色の空が、先ほど無理やり落ち着けた心を再び燃え上がらせます。良い1日になりそうな予感。

 

 

振り返ると独標に後続の方が到着しています。

 

西穂山荘前で各パーティーがほぼ同じタイミングで準備を終えましたが、先頭を嫌ってか、それぞれが他のパーティーの様子を窺って出発しないという謎の時間がありました。私とKさんも最初は「先頭は不安だよね」と話していましたが、あまりにその睨み合いが続くので、痺れを切らして最初に出発してしまいました。

本当は前の人の動きを参考にしたい気持ちもありますが、純粋に自分の力で山を歩くという意味では、これで良かったのかもしれません。

 

 

晴れてはいますが、雲は多めです。今は低いですが、いずれ上がってきて視界が聞かなくなることを考えると、今のうちになるべく距離を稼いでおきたいところです。

 

 

何故か藤浪晋太郎タオル。虎党の山屋がいる証ですね。

 

 

さて、歩いている道はこんな感じ。道というテイストではないですが、実際に歩いてみると案外難なく歩けるもので、アスレチック感覚で楽しく進んでいきます。

 

 

とは言え、浮いている岩も結構あるので、足を置く場所は、どんなに安定していそうに見えても信用はしません。

 

 

Kさんは私と20歳以上離れていますが、難なく歩いていきます。恐るべき体力。

 

 

西穂高岳の山頂までは、独標を11峰、山頂を1峰として、そこからカウントダウン形式で小ピークに数字が振られています。

 

 

奥の乗鞍岳の山肌を朝日の柔らかい光が照らしています。良い景色ですね。

 

 

富士山も淡いベールの向こう。

 

 

これは富士山を狙う私。

 

 

徐々に独標(11峰)が遠ざかっていきます。

 

 

8峰に到着です。

8峰はピラミッドピークと呼ばれていて、1つのチェックポイントとなっています。

 

 

目指す岩壁をバックに1枚。

 

 

私も撮ってもらいました。

 

 

まだ雲は低い位置にあります。順調です。

 

 

4峰であるチャンピオンピークに到着。

一度歩いた経験があるため、慎重に進む中でも、精神的な余裕があります。

 

 

とは言え、足元は信用ならない浮石が多いので、油断は禁物です。

 

 

 

太陽が昇り切りました。これから気温が上がるに連れて天候が不安定になります。

 

 

ここで今回初の雷鳥

朝日を浴びて凛々しい姿です。写真を撮ってくださいと言わんばかりのポージンズ。

 

 

と、道を挟んで反対側には一家総出で朝の散歩中。コロコロした子どもが愛くるしい。

 

 

山頂直下の急登。Kさんが先に取りつきます。高度感が心地よいです。

 

 

ここはまだ足場がしっかりしているので、焦らずに落ち着けば問題なし。

 

 

私も後に続きます。

 

 

登り切って振り返ると、昨日恐れていた鋸の刃を上から眺めることができました。あそこを自分がトレースしてきたと思うと、達成感が込み上げてきます。

 

 

 

魔界にGO!(西穂高岳→ジャンダルム)

 

5:30 西穂高岳(2,909m)無事登頂しました。

 

前回ここに来た時は、単純に初めて来たという喜びが強かったですが、その後の行程の厳しさを知ってしまった今の私は、気を緩めることはできません。天気の心配もあるので、一息ついたら先に進みます。

 

 

西穂高岳から奥穂高岳までの区間は、一般登山道として扱う場面と、そうではない場面に分かれることがあります。つまりは、一般登山道として扱うには微妙、即ち、期間度が一般のそれには留まらないという意味です。

 

 

歩き始めて、それはすぐに実感できます。明らかに足場の不安定度が、先程までとは違います。

 

 

急ぎたいですがミスしたら終わりなので、自分の中のギリギリを探ります。

 

 

これはKさんが、少し進んだところから西穂高岳山頂を撮影したもの。山頂にいるのは私。

 

 

山頂から下りるだけで、ステージが変わったことを体感できました。

 

 

遠くに独標が見えました。辛うじて標柱が写っているのが分かるでしょうか。

 

というか、何かさっきより雲が上がってきているような気が、、、

 

 

うーん、不安感を煽る看板。

 

 

やはり天候悪化。予報よりも数時間早いです。

急に魔界感溢れる風景に迷い込んでしまいました。

 

 

ここで風雨に襲われたら泣きそうですが、泣いてもエスケープルートがほぼないので歩くしかありません。

 

 

否が応でも集中力が増してきました。

 

 

辺りは完全に真っ白に。こうなったらもう修行です。

 

 

この辺りは浮石が酷くて、Kさんに石を落とさないように特に神経を使います。

 

 

雨はまだ降り始めていないですが、空気が湿気を帯びてきたせいか、岩がじっとりと濡れて滑りやすくなってきました。

 

 

あの有名な逆層スラブもツルツル。本当はもう少し引いた位置から全貌を写真に収めたかったのですが、この視界の悪さでは諦めざるを得ませんでした。

 

 

ここらで遂に雨が。そして風も強くなってきました。最悪のタイミングですね、、、

 

 

冷たい雨と強風に煽られながら、逆層スラブを登ります。

 

 

手が悴んでくるほど冷えてきました。

 

 

もう景色は諦めました。安全に歩き抜くことだけに集中しないと、足を滑らせてしまいそう。

 

 

険しい道が続きます。

 

 

ここはかなり長い鎖場。

 

 

鎖があるので、安心感はありますが、、、

 

 

この高さなので油断はできません。

 

 

へっぴり腰で進む私。

 

 

必死に岩に食らいつきます。

 

 

幸いにも、まだ雨は降っていませんが、雲の中を歩いているので、服もザックもびしょ濡れ。徐々に不快感が高まってきました。

 

 

雨に降られる前に小屋まで辿り着きたいです。

 

 

白の世界を進むと、ふと見覚えのある場所に出ました。少し開けた小ピーク。

確か、この先にジャンダルムがドーンと構えていたはず。しかし今日はこの天気なので残念ながら見えません。

はたまた、ただの勘違い?

 

 

 

高度感を消すガス(ジャンダルム→奥穂高岳

 

いや、私の記憶は確かでした。先程の小ピークから少し下ったところに「ジャン」の文字。

ジャンダルムは縦走路から少し外れた(といっても本当に僅かですが)ところにあります。

 

 

分岐からは数十メートルほど登ると、、、いました、天使。再びお目にかかれました。

 

 

10:15 ジャンダルム(3,163m)無事に登頂しました。

前回は初のジャンダルムに興奮してしまい、Kさんとのツーショットを撮り忘れてしまったので、今回はしっかりと。

撮影は頂上で一緒になった60代おじさん二人組。岳沢からピストンとのこと。「西穂からなんてすごいね」と言われましたが、お二人の方がよっぽどすごいのではないか。

 

 

10分間ほど頂上で雲が切れるのを待ちましたが、その予兆すら感じなかったので、諦めて進みます。

今日は間違いなく下り坂の天気なので、この危険区間に長く留まるのは得策とは言えません。

 

 

少し進むと、ジャンダルムと並んで有名な馬の背に到着。

 

 

Kさんからアタック。ここは見た目よりも足場がしっかりあるのでそこまで恐怖感はありません。ただ、私達と逆に、奥穂方面から来た場合は馬の背を下ることになりますが、それは怖いかもしれません。

 

 

あっという間にKさんは雲の中に消えてしまったので、私もそろそろ登ります。

 

 

Kさんの撮影。

 

 

下が見えず、高度を全く感じません。

 

 

とは言え、落ちたら試合終了なので、三点支持は忘れずに。

 

 

馬の背を終えると危険区間は終わりです。まだ早いと分かっていても気が抜けますね。

 

 

 

土砂降りの危険区間奥穂高岳穂高岳山荘→北穂高岳

 

11:20 奥穂高岳(3,190m)無事登頂しました。

山頂に着くとほぼ同時に雨が降ってきました。まだ本降りではないので長居せずに進みます。

 

 

風が強くて、体感温度は真冬並みでした。

 

 

山頂から小屋までは強風に体力を奪われ、よろよろと歩きました。

 

 

やっとの思いで小屋の中へ。

 

 

束の間の休息。

外はいつの間にか土砂降りになっていました。

 

今日の予定は北穂高小屋。ここから2.5~3時間ほどかかります。Kさんと天気や残りの体力、明日の行程を考えて作戦会議を行い、予定通り進むことにしました。

ここからの区間も、ここまでの区間に引けを取らないほど事故が多発している危険区間です。おまけに雨でフリクションは効かなくなっている最悪のコンディション。集中してリスタートです。

 

 

12:50 涸沢岳(3,110m)無事登頂しました。

穂高岳山荘を出てすぐに踏めるピーク。ここからが今日最後の踏ん張りを見せなければいけない区間です。

 

 

涸沢岳から、大げさではなく、本当に飽きるほど下りました。しかも、足場はザレザレだったり、ツルツルだったり非常に神経を消耗しました。大雨ということもありますが、そもそも撮る余裕がほとんどなく、この区間の写真はありません。

 

 

そして、ここは奥壁バンドという危険区間。こういう看板を見ると、自分の心の不安な部分を思いっきり刺激されます。

 

 

奥壁バンドもあまり写真を撮れる状況ではなく、この写真は途中?通過後?の一息つける大岩の直下です。

 

 

少し雨が弱まってきたのでKさんはカメラの準備。私は今日はもうスマホでいいです。

 

 

ここで今回初の雷鳥。天気が悪いと姿を見せてくれるとよく言うので期待してキョロキョロしていた甲斐がありました。

 

雷鳥に励まされ、最後の登り返しを終えると、、、

 

 

 

雰囲気◎の北穂高北穂高岳→北穂高小屋)

 

15:30 北穂高岳(3,106m)無事登頂しました。

ずっと来たかった北穂、感慨深いです。

 

 

悪天候の中、長い行程でしたが、到着してみるとやっぱり来てよかったと思えます。

 

 

Kさんも嬉しそう。

 

 

ようやく辿り着いた北穂高小屋。

 

 

大きくはないですが、温かい雰囲気が心地よくて気に入りました。

 

 

長い長い2日目を無事に終え、2人で祝杯。お疲れ様でした!

 

 

栄養を摂取して、ゆっくり休みます。

 

明日は大キレットを越えて槍ヶ岳まで。連日の国内屈指と呼ばれる岩場のルートで、緊張を強いられる場面が続きますが、全身で自然を感じられる喜びをかみしめて歩きたいです。

 

 

 

雷鳴迫るキレット(北穂高小屋→大キレット→南岳小屋)

 

おはようございます。

天気は少雨。大キレットを諦めて涸沢に下りる人しかおらず、自分達も悩みましたが、これくらいなら行けると判断。

 

6:20 北穂高岳を出発。

 

 

出発してすぐに雨が強くなってきて、岩がますます滑るようになってきました。慎重さが求められます。

 

 

因みに写真で奥に聳えているピークが有名な「長谷川ピーク」です。以前、あそこから落ちて、救助されて奇跡的に生還した大学生の名前を取って名づけられたとのこと。

 

 

白い雲の向こうに大キレットの反対側、南岳側の岩壁が見え始めました。

 

昨年、燕岳から蝶ヶ岳に縦走した時に見えた大キレット。「スプーンでくり抜かれたみたいだなー」と呑気に眺めていたその場所に今いると思うと、なんだか感慨深い。

 

 

ここを下りたらコルっぽいので一息つけそう。

ただ、最後のこの岩場はかなり滑りやすいだけでなく、足場がザレまくっているので要注意。

そう言えば、「飛騨泣き」ってどの辺だったんだろう。分からなかったです。

 

 

7:45 A沢のコルに到着。

 

 

休憩していたら雲が切れました。

 

 

南岳方面。これは獅子鼻岩というシンボル的な岩。

 

 

ずっと雲の中だったので、久々に雲を目視しました。

 

 

どれどれ、そろそろ長谷川ピークに向かいます。

 

 

と、リスタートしてすぐ、大粒の水滴が落ちてきました。それと同時に、聞きたくなかった嫌な音が、、、

そうです、雷です。しかも近い。頭のすぐ上で轟音が鳴り響いています。こんなところで雷。逃げ場なんてありません。怖すぎて笑えてきました。人間、追い込まれると笑うものなんだと、勉強になりました。

 

 

8:15 豪雨&雷鳴の中、長谷川ピーク(2,841m)に到着。

 

ね、笑っているでしょ。

写真を撮ってもらう時も、1~2mほどの距離にいるKさんとの会話は大声で叫ばないと聞こえないほどの雨と雷。

 

 

長谷川ピークを後にしてからも暫くは雷に追いかけられましたが、何とか直下からは脱しました。雨も弱くなり、まずは一安心。

 

 

先程よりもだいぶ近づいた獅子鼻岩。ガスがかかっていて、風格が増して見えます。

 

 

 

ゴールが見えた(南岳小屋→南岳→槍ヶ岳山荘)

 

9:15 大キレット終了。

写真は雷に怯える私。次来る時は快晴がいいなと心底思いました。

 

 

これは南岳小屋。少し休憩させてもらいます。

 

 

汗と雨でびちゃびちゃ。行動していないと一気に冷えて風邪を引いちゃいそうなので、行動食を口に放り込んで出発しましょう。

 

南岳小屋は大キレットのすぐ傍にあり、立地が素晴らしいです。テント場も比較的大きいので、ここに幕営してみるのも楽しそうだなと思います。(Kさんはここにテントを張ったことがあるみたいですが、その時も雷が鳴っていたとか、、、そういう立地なの?)

 

 

9:55 南岳(3,032m)に登頂。

景色は期待できないので通過します。傾斜は弱いですが、足元は岩がゴロゴロしているので足首を捻らないように気を付けます。

 

 

ここは天狗原への分岐。

天狗原は槍沢ルートを通る度に気になってはいるものの、まだ行ったことがない場所。いつか立ち寄りたいです。

 

 

 

バランスを崩さないように注意しながら進んでいると、、、

今日の目的地、槍ヶ岳が見えました!初日、ロープウェイに乗車する前に見た以来のお目見えです。まだ遠く見えますが、あと2時間くらいかな。

いつの間にか雨は止んでいました。

 

 

目的地が見えると、疲れているはずなのに元気が出てくるから不思議です。

 

 

黒い縦走路。ここは緑が入り込む余地を与えない厳しい環境です。

 

 

と、それっぽいことを書いて次の写真を見たら緑がありました。ハイマツの生命力に軍配。

 

 

いや、雨も上がって最高の気分。槍まで一直線。幸せ。

 

 

ここから転がり落ちれば天狗原あたりで止まるでしょうか。

 

 

再びガスってきました。

 

 

それと同時に顔を出す雷鳥

 

 

11:05 中岳(3,084m)に到着。地味ですが3,000m峰です。

 

 

11:40 大喰岳(3,101m)に到着。こちらも3,000m峰。

以前、表銀座を縦走した時に槍ヶ岳山荘のテント場から見えていたのがこの山。こっちまで足を延ばしてもよかったのですが、一度下って登り返すのが億劫に感じてしまい、その時は登らずに下山してしまいました。

 

 

飛騨乗越。ここから槍ヶ岳山荘のテント場へ登っていきます。

大喰岳を過ぎるともう辺りは槍ヶ岳の傘下という雰囲気。

 

 

西鎌尾根方面。ガスに包まれて全貌が掴めない。

 

 

この辺は「もうゴールだな~」なんて油断していましたが、地味に急登で堪えました。

 

 

振り返ると、先ほどまでいた大喰岳がドーンと鎮座。

 

 

ヒイヒイいいながら登っていくとテント場に到着。

表銀座縦走の時はこの左の区画にテントを張りました。懐かしいなー。

 

 

 

雲上のホスピタリティ(槍ヶ岳山荘)

 

12:00 テント場を抜け、今度こそゴールです。

 

 

東鎌尾根の険しい岩稜。

 

 

天を衝く鋭鋒。何度見ても見惚れてしまうフォルムです。

 

 

 

山頂に人影が見えますが、私達は全身びしょ濡れなので、まずはその処理をしてから、天気を見て今日登るか考えます。

 

 

西鎌尾根がさっきよりもその姿を見せてくれました。良い稜線です。歩きたい。

 

 

外のベンチで休憩していると雨が強くなってきたので中に避難。

同じように雨宿りしている人で賑わっていました。

 

 

カレーとビール。最高。生きててよかった。小屋の人からは「今日、大キレットから来た人はあなたたちだけだよ」と言われました。苦笑いしかできなかったです。

2人ともそれなりに疲れていたようで、言葉が出なく、無言で貪り食いました。

 

 

外は本降りになって、またもや雷が鳴り始めました。

数時間前に雷の恐ろしさを嫌というほど味わったので、こんな中で穂先に登るなんて考えられない。今日はもう行動終了です。

 

 

明日は晴れてくれよー。

 

 

山荘の内部。ここが3,000mの山の上とは思えないほどホスピタリティに富んだ空間です。

 

 

夕飯も絶品。ごはんとみそ汁のおかわり無料が嬉しいですね。

 

 

こんな荒天の中でも穂先に登る人はいるみたいです。滑りそうで危なっかしくて見ていられない、と言いたいですが、あそこよりも危険なルートを辿ってきた私達は何も言う資格はありません。

 

 

 

全部見える(槍ヶ岳山荘→槍ヶ岳槍ヶ岳山荘)

 

夜中に(と言っても寝坊してもはや朝方ですが)起きてみると、雲はありますが雨は降っていません。星も出ています。

 

 

小屋の中は小屋番さんがもう既に朝食の準備をしているのか、明かりがついています。

 

 

空が明るくなるに連れ、星の存在感が薄れていきます。

どうせなら山頂で御来光を見ようかということで、Kさんを起こし、山頂に向かいます。

 

 

5:00 槍ヶ岳(3,180m)無事登頂しました。

新穂高からスタートし、西穂、ジャンダルム、奥穂、北穂、大キレットと繋いできて、ようやく最終目的地に辿り着きました。Kさんと互いを労います。

 

 

どうやら私達が本日最初の登頂者のようです。

 

 

少し早く来過ぎたのか、御来光まではもう少し時間があるようです。

 

 

後続者が上がってきました。みんな穂先での御来光狙い、考えることは同じです。

 

 

気温は思ったより寒くないです。

 

 

遠くに富士山を発見。

 

 

明るくなってきたので記念撮影。

 

 

大好きな穂高連峰。右のポコッと出ているのがジャンダルムかな。

 

 

見下ろすと槍ヶ岳山荘。山小屋としては巨大な建物です。

 

そう言えばいつの間にか日が昇りました。今日は残念ながら焼けない日だったようです。

 

 

歩いてきた稜線を一望。

必死に繋いだ道のりも、こうして見るとなんだかそこまで大した距離でもないような気もしてきます。過去にも同じように感じたことがありますが、それでもまた道を繋ぎたくなるこの気持ちは何なんでしょうね。侵されているのかな。

 

 

こちらは三俣蓮華岳鷲羽岳に抱かれた三俣山荘。情熱大陸での放送を見てからずっと訪れてみたいと思っていますが、まだ行けていません。

 

 

こちらは去年登った大天井岳

昨年、あの山頂にいる時に地震があって、槍沢に岩が転がる音が夜通し響き渡っていたのを思い出しました。

 

 

こちらの写真の手前は西岳。数年前に表銀座縦走した時に1泊目で幕営した場所です。懐かしいなー。

写真奥の常念は去年登りましたが、ザックの重量が30kgあったからか、小屋からの登りが足にきて苦汁を嘗めました。

 

 

西鎌尾根。こっち方面は興味を持っている場所が多数集中しているエリア。

黒部五郎、双六、鷲羽、三俣蓮華、雲の平、水晶、赤牛、薬師などなど。山小屋も行ってみたいところが沢山あります。

 

 

さっきよりもはっきり見える富士山。

 

 

明るくなってきたので、徐々に人口密度が高くなってきました。

右下の縦撮り中の人間が私。

 

 

そろそろ下りますか。

 

 

今日は天気が良いのか悪いのか、はっきりしない空模様です。

 

 

槍沢方面。何回か通っていますが、個人的に槍沢は苦手なコース。変化が乏しいと感じてしまいます。

今日は新穂高に下りるので、槍沢は使わずに済みます。初の飛騨沢。

 

 

人が多いので落石を起こさないように、食らわないように気を付けます。

 

 

黄ヘルメットがKさん。

 

 

下ってしまえばあっという間。

 

 

先に下り終わったKさん。

 

 

楽しいアスレチック。

 

 

無事に帰還しました。

 

 

小屋の前にはカメラを構えた人が朝の時間を楽しんでいました。

 

 

小屋からヘリで下ろす荷物が準備されています。

今や、ヘリがないと山小屋は成立しない状況です。個人的に、山小屋のサービスは過剰であるという立場ですが、そうは言いながら生ビールを買うわけで、客観的に見たら依存しているのかもしれません。

そんな山に欠かせないヘリが、昨今の燃料費高騰や事故に起因する規制強化によって、荷揚げ存続が危うい事態になっているようです。

山小屋は第一に人命を守る最前線であり、オアシスであり、情報基地であり、様々な面で登山者に力を貸してくれます。

山を愛する1人として、小さくても自分ができることを考えていきたいです。1人1人が心がければ、きっと事態を改善する力になれると信じたいですね。

 

 

穂先を目指して岩に張り付いている人。みんなてっぺんに立ちたいんですね。

 

 

グリーンバンド。

 

 

テント場。

あの岩の影にテントを張るのはなかなかスリリングに感じます。地震が来たら、、、考えるだけでも恐ろしい。

 

 

 

黒部に惹かれて(槍ヶ岳山荘→千丈沢乗越)

 

6:15 槍ヶ岳山荘を出発。

 

 

いつの間にか晴天。青が美しい。

 

 

下山は初めて通る飛騨沢ルート。

 

 

視界に広がる裏銀座。日が当たって、緑が目に優しい。

涎が出てくる絶景です。

 

 

 

絵になるおじいちゃん。ポジショニングが素晴らしい。

 

 

左奥が薬師岳かな?

写真では確認しにくいですが右奥に後立山の山々が写っています。

 

 

穂先に取りつく人はどんどん増えて渋滞しているようです。

 

 

稜線が美しい。

 

 

この奥に見える三角はどこかな。水晶?

 

 

Kさんも夢中で黒部の山々にレンズを向けています。

 

 

黒部五郎岳。縦走路から外れていますが、個人的に一番登りたい山。

裏銀座を歩くときには寄り道して登りたい。雲ノ平も行ってみたいので、高瀬ダム烏帽子岳水晶岳→雲ノ平→鷲羽岳黒部五郎岳→三俣蓮華岳双六岳槍ヶ岳のコースかな。

 

 

子槍。

アルプス一万尺 子槍の上で♪」の子槍はこのことです。尺は30cmなので、0.3m。ということは一万尺は3,000mということ。恥ずかしながら、ちゃんとした意味のある歌詞だったということは山に登るまで知りませんでした。(外国の歌を無理やり翻訳したから訳がわからない歌詞になったと思っていた)

 

 

飛騨沢ルートを下っていきますが、足元が多少ザレている場所もあるので注意が必要です。

 

 

 

山の不思議(千丈沢乗越→滝谷出合→新穂高温泉

 

7:15 千丈沢乗越に到着。少し休憩していきます。

ここは分岐点となっていて、写真右奥の方角、西鎌尾根を辿って双六方面に行くこともできますし、写真左に下りて行って、今回の下山路となる飛騨沢を辿って新穂高温泉に下山することもできます。

 

 

北方を眺めると、一番奥に白馬岳が見えました。その手前には鹿島槍ヶ岳も見えています。

 

山って不思議だなとしばしば思うのですが、登ったことがない山は、その山を見ても名前は分からないのかもしれませんが、一度登ると、角度が変わっても何故か分かる(山座同定できる)んですよね。

 

 

後ろから来た人が西鎌尾根に進んでいきました。羨ましい。自分の脚で、この大自然を一歩一歩進んでいけるなんて、脳内に危ない物質がドバドバでていそう。

 

 

ヘリの音がするので、槍ヶ岳山荘の脇に準備されていた荷物を取りに来たのかと思いましたが、どうやらそうではない様子。

下山後にYahooニュースを確認すると、滑落事故があったとのこと。北鎌尾根から槍ヶ岳を目指していた男性と昨日から連絡が取れなくなっていたらしく、3,000m地点で滑落死していたところを発見、収容されたそうです。

一瞬の不注意が文字通り命取りになる世界なんだなと、改めて感じました。

 

 

休憩してこれからの長い下山路に向けて充電できたのでそろそろ出発します。

 

 

穂高方面に体を向けて標高を下げていきます。ジャンダルムとロバの耳がよく目立ちます。

手前の急登は南岳新道かな?

 

 

千丈沢乗越からのルートと飛騨乗越からのルートの合流点。

 

 

千丈沢乗越からここまでの道は草が茂っていましたが、濡れていてかなり滑りました。お気を付けください。

 

 

下山方面。奥は笠ヶ岳です。残る雪渓が綺麗。

 

 

道は飛騨「沢」というだけあって、水が流れていて小川を歩いているみたいです。

そして、標高が下がって来たため、木々の背丈がぐんぐん伸びてきました。

 

 

9:00 槍平小屋に到着。

日差しが強くなってきて、消耗のなれの果て、亡霊のような歩き方になっていたので、またもここで休憩を取ります。

 

この天気なので、大勢の人が槍を目指して登ってきます。

 

 

槍平小屋を過ぎると木々の隆盛は勢いを増すばかり。

 

 

昨日の雨が蒸発してサウナ状態となった道を進みます。

 

 

10:00 滝谷出合に到着。

 

 

水が透き通っています。

 

 

雪融けが進んでいるからなのか、元々なのか、水量がすごい。

 

 

橋が揺れて、なかなかのスリル。楽しいです。

 

 

Kさんも楽しくなってイヤミになりました。シェー!

 

 

そして、滝谷出合に来たということはこちらの場所があるわけで、心霊スポットとして大変有名な滝谷避難小屋。

私も2つくらいここに関する話は知っていますが、こういう話はあまり得意ではないので書くのはやめます。ちょろっとググるとこの場所に関するエピソードが山のように出てきますので、興味のある方はご自身でお調べください。

 

ふと思ったのが、飛騨沢ルートを通る登山者が体力的に疲れてふらふらと立ち寄っている姿が亡霊のように見えている説があるなと。槍平小屋にやっとの思いで辿り着いた時の私のように、、、

 

 

その後は白出沢出合を通過したあたりからは林道になり、この写真の穂高平小屋もサクッと通過しました。

 

 

12:30 無事に新穂高温泉に下山。お疲れ様でした。

憧れていた場所を詰め込んだルートをトレースできて嬉しいです。心地よい疲労感と充足感。これだから山はいいな。

 

 

よくTwitterで見る新穂高登山指導センター。ミーハーなので写真だけ撮りました。

 

 

あとは家路を急ぐのみ。

 

 

折角松本に来たので、SAで山賊焼を食べました。

 

 

 

まとめ

 

 

今回の縦走は荒天の中の岩稜のオンパレードでしたが、その中でも歩き抜けたことは自信に繋がりました。もちろん危険度と自分の実力のバランスを見誤れば取り返しのつかないことになりますが、そういった面を含めて、自分に力がついてきたのかなと手応えを覚えました。

そして、久しぶりにKさんと山に行きましたが、単純に楽しかったです。2人で困難に立ち向かうのも、会話も、全て楽しかった。ソロも良いけど、バディーがいるっていうのも悪くないなと思いました。

 

 

写真は、帰宅した翌日、Kさんから送られてきたもの。実はKさん、縦走初日から毎日カレーを食べていて(西穂山荘、穂高岳山荘、槍ヶ岳山荘、SA)、帰りの車内で「もうカレーは暫くいいかな」なんて言っていたのに、帰ったら奥様が出掛けていて自分で昼食を準備するのが面倒だったらしく、これを食べたそうです。何だかんだ、私もこの期間に2回食べました。それでもかなりの頻度かと思いますが、その上を行くKさん、流石です。

※Kさんの「K」をカレーの「K」と思ったあなた。間違っています。「K」は名前のイニシャルですからね。まず、カレーは「CURRY」だから「C」ですからね。(本当にくだらないことをすみません。)

 

 

ではではまた山に行ったら更新します。

 

 
 
 
 
 
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