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Long Trail

アウトドアが好きで健康診断が苦手な山形県民の記録用ブログ

【絶景】唐松岳で厳冬期北アルプスデビュー!(唐松岳)

 ※20200229唐松岳

 

2020年2月29日。八方尾根を歩き、長野県の唐松岳(2,695.9m)に登ってきました。

初めての厳冬期北アルプスへの挑戦。唐松岳北アルプスの中では初心者向けとのことですが、侮るなかれ。なかなかの急登と見渡す限りの絶景で、大満足の山行となりました。

 

 

 

 

 

 

 

遠かったスタート地点

2020年2月29日(土)7:00 私は長野県白馬村白馬八方尾根スキー場にいました。(正確にはその近くの無料駐車場、八方第3駐車場です。)

山形県民であるこの私が、この時間にこの場所にいられるということは、、、そうです。金曜、得意の有休を発動しちゃいました。

「3月忙しそうなので明日休みます。週末、天気も良さそうですし。」

これでOKをくれる上司は、相当私の趣味に理解があると思います。ありがたい。

 

有休申請直後に金曜日の寝床を探し、「五竜ドライブステーション」というところを予約。車中泊も考えましたが、初の厳冬期北アルプス、出来るだけ万全の体調で臨みたいということで、今回は宿泊施設を利用しました。

素泊まり税込み2,750円+冬季のみ暖房費200円=2,950円。かなり安いです!

因みに、素泊まりの人もポットのお湯や電子レンジは使用可能だったため、快適に過ごせました。

 

 

 

駐車場からは既にアルプスならではの山容が見えています。この時点でテンションが上がってきます。

山の手前にはスキーのジャンプ台でしょうか。さすが「スキーヤーの聖地」と言われるだけのことはあります。

白馬八方尾根スキー場長野五輪アルペンスキー競技の会場だったようです。

 

 

7:20 準備を終えて駐車場からスキー場へ出発します。徒歩5~10分程度です。この時点で車は半分もありませんでした。天気予報がすこぶる良かったので相当混むと思っていたんですが、皆さん、有料であってもスキー場のすぐ隣にある駐車場の方に選んだのでしょうか。(無料駐車場がここだけではないというのもあると思いますが。)

 

 

7:30 スキー場に到着。ここからゴンドラ、リフト、リフトと乗り継いで登山開始地点の八方池山荘を目指します。(ゴンドラリフトアダム→アルペンクワッド→グラートクワッドリフト)チケットは往復券2,900円。登山者は購入時、登山届の提示を求められます。私はネット(コンパス)で提出済みだったため、メール画面を提示しました。

営業時間は日によって変わるらしく、この日のゴンドラは最終が16:30とかだったと記憶しています。

 

前日から移動しまくっている私。そろそろ「移動」と聞くだけで疲れてきそうです。

しかも、昨年10月に奥穂高岳(3,190.0m)に行った際、信号がない高速道路で眠気と格闘した私は、実験として今回、山形から長野までの道のり約400kmを下道でやってきました。信号があった方が眠くならないのではないかと考えたからです。結論は「断然、高速道路が楽」です。眠くはなりませんでしたが、信号があんなにストレスになるとは想定外でした。

 

 

ゴンドラを降り、今度はリフトに乗るのですが、リフトの営業開始時間の関係で若干待ち時間が発生します。

しかしまあ、さすが北アルプス。冬山でこんなに多くの登山者に会うのは初めてです。

 

 

リフトを降り、最後のリフトに向かいます。前日からの移動も、あとこのリフトのみ。非常に長く遠い道のりでした。ひと山登ったような気分です。

そんな疲労感も、目に飛び込んできた五竜岳鹿島槍ヶ岳のおかげで吹き飛びました。まだ登ってないんですが…、こんな簡単に絶景って出てきていいんですか。

天気も予報通り。最高です。

 

 

いざ、クライムオン!(八方池山荘→八方池)

ゴンドラとリフトを駆使して八方池山荘前までやってきました。所要時間は待ち時間も含めて約40分でした。

 

ここで今回の予定をおさらいします。

今回は2段階の行程を組んでおり、予定が遅れた場合でも対応できるようにしています。

①基本的に日帰りを目指します。この日は15:30だったかで一番上のリフトが営業終了のため、それまでに登頂、下山します。

②日帰りが難しい場合、また、登頂できなかった場合は八方池山荘に宿泊し、翌日、再び山頂にアタックします。

コースタイム通りに歩けるか不安だった私は、初め、八方池山荘に宿泊して、1日目に登れなくてもリトライが可能な体制をとるしかないと思っていました。しかし、月曜から仕事が忙しくなるため、なるべくなら土曜のうちに山形にかえって、体力を回復したいという考えもチラついていました。どうしたものかと山荘に電話で確認すると、「予約しておいて、もし下山できるようであれば山荘の係員にキャンセルする旨、伝えてもらえれば問題ない。」とのこと。

これは朗報。日帰りを目標に登り、ピークハントできなかった場合は宿泊して、翌日リトライする。ナイスな計画が出来ました。

勿論、登れなかった時のために宿泊用の装備で登るのですが、「泊まるんだったら星も撮りたいな」なんて色々詰め込んでたら、20kgほどになってしまいました。本当に日帰り下山する気あるのか。しかしまあ、こればっかりは仕方ないかな。

 

8:45  それではアイゼンの装着等々、装備を確認し、いざ、クライムオン!

 

 

登り始めから緩やかとは言えない斜面なんですが、皆さん、初っ端からガシガシ登って行きます。スロースターターの私にはかなりキツいペースです。このままじゃすぐバテてしまうと思い、列を抜けようとするのですが、後ろからもどんどん登ってくるので抜けるタイミングがありません。泣く泣くこのペースで登ります。

さらに、怒涛の登りの中、朝飯を食べ忘れていたことに気付きました。これはそのうちエンジンがかかったとしてもガス欠で意味ないのでは…。

 

 

尾根の幅が広くなったところで、健脚の猛者達には先に行ってもらいます。中にはスキーやスノーボードを担いでいる人もいて、自分の体力の無さを実感しました。

八方尾根は写真のようなケルンが幾つかあり、登山道の目印となっています。

 

 

振り返ってもこの景色です。(妙高あたりでしょうか。)

この天気にこの景色、頑張って運転してよかったです。やっぱり「迷ったらGO」ですね。

 

 

登りの際、左には常に五竜岳鹿島槍ヶ岳が鎮座しています。私は基本的に自分の登った山しか形を覚えていないのですが、 この2つは有名過ぎて、一目見ただけですぐにそれと分かりました。そして、惚れてしまいました。1、2年のうちに後立山縦走、八峰キレット、行ってみよっと。

※家に帰って撮った写真を確認してみたら、似たような写真を山ほど撮っていました。でもこの勇姿を見せられたら仕方ない。撮るしかありません。

 

 

少しすると尾根の幅もどんどん広がり、自分のペースで歩けるようになりました。ここまで広いと「尾根」という言葉が全く似合いません。

雪の状態は、表面はカリカリと凍っていましたが、中は緩んでいました。上手く例えられませんが、コロッケのような感じです。

トレースを辿る分には快適ですが、少しでもトレースから外れると踏み抜いてしまいます。

 

 

 

この建物はトイレだそうです。

写真から大体の積雪深が分かると思いますが、これがどの程度の水準なのか初めて来た私には分かりません。暖冬だし、少ないほうなのかな。

 

 

左の五竜鹿島槍にばかり気を取られてはいけません。右にも日本三大キレット「不帰キレット(不帰ノ嶮)」というナイスガイがいるんです。

見てください、このギザギザ。こんなとこを歩く人がいるんですよ。正気なんでしょうか。まあ、私も今年の夏に行く予定なんですが。

 

 

夏は大雪渓から登って、白馬三山を縦走し、不帰キレットを越えて唐松岳から八方尾根を下る予定です。

今回はその下見も兼ねています。

 

 

右に左に、次々と目に飛び込んでくる絶景に励まされながら、一歩一歩進んでいきます。青と白のコントラストは何回見ても飽きません。

 

 

こちらは八方ケルン。大名行列のように後続の人たちが迫ってきます。あの列に飲み込まれたら、また自分のペースで歩けなくなってしまいそうなので、体が重いですが、少しペースを上げます。

 

 

傾斜は、ほぼ同じような角度が頂上山荘まで続くようです。急ではないですが、決して緩いとも言えない、微妙な角度です。

休憩なしではちとキツいので、少し平坦になっている場所を見つけるたびに立ち止まり、休みながら歩きました。

 

 

ひたすらに登る(八方池→頂上山荘)

9:10 八方池に到着。

既に足取りが重くなってきましたが、まだまだ先は長いようです。

 

 

いろんな人のブログで見ていた風景を歩いていることに違和感を感じます。

 

 

夏は白馬岳のリフレクションのためにみんな立ち止まるそうですが、冬は雪の下に埋まっているため、みんな素通りです。

 

 

八方池を過ぎると樹林帯が現れます。

この辺りにはテントを張った跡が幾つかありました。こんな絶景の中でテン泊なんて羨ましい。

 

 

雲一つない素晴らしい天気です。

 

 

樹林帯を抜けると一気に急登となります。既にそこそこ疲労を感じている私には堪える登りですが、まだ時間的には余裕があります。焦らずゆっくり進みます。

 

 

休憩中はイケメン五竜君が励ましてくれます。

 

 

圧倒的な迫力で来るものを拒んでいるようにも見えてきます。

そもそも冬に後立山へ立ち入る人っているんでしょうか。かなり難易度が高いような気がします。

 

 

まあ、今は他の山より目の前の唐松岳に集中しましょう。

 

 

樹林帯の後の急登を終えると一気に風が吹いてきました。

ここまでは比較的暖かく、皆さんそれぞれ思い思いの格好で登ってきましたが、この強風によって、全員ハードシェルを纏った似たような姿になりました。

 

 

まだ先は長そうですが、見た限りではそこまでの急登は確認できません。少し安心しました。

 

 

五竜鹿島槍もそうですが、この時期に不帰ノ劍に行く人っているんですかね。

夏でも危険なコースでしょうから、冬なんて想像するだけで震えちゃいそう。

 

 

強風は凄い勢いでトレースを消していきます。つい数十秒前の先行者のトレースも、半分以上埋まってしまっています。

晴れの日でこれですから、吹雪の時はトレースはないに等しい状態になるんでしょう。

 

 

ひたすら歩を進めていると、少しずつゴールが近づいてきます。嬉しいというより、ホッとすると言ったほうが合っているかな。

 

 

五竜ともさっきより目線が合ってきました。

 

 

岩と雪が混ざり、気を付けて歩かなければ行けなくなりました。

マップを確認すると、そろそろ頂上山荘のようです。そこまで行けば山頂はすぐそこ。もう一踏ん張り。

 

 

振り返るとこんな感じ。登ってる時は全く感じませんが、意外と高度感があります。

 

 

頂上山荘への最後の登りです。幅が50cmほどに狭くなっている場所もあるので、風でよろけないように慎重に歩きます。中にはロープを使っている方もいました。

あそこを越えれば素晴らしいパノラマが待っているはず。

 

 

 

爆風に耐える(頂上山荘→山頂)

11:30 頂上山荘に到着。

先程までもなかなかの強風でしたが、それと比べ物にならない爆風に襲われます。気を抜くと飛ばされそうになります。

しかし、景色は最高!どこまでも広がる山々が「次はこっちに来いよ」と誘ってきます。行きます行きます、行きますとも!

 

 

やっと五竜と目が合いました。

 

 

そして圧倒的な存在感を放つ、剱岳。「岩と雪の殿堂」と呼ばれています。こちらも今年の夏のメインイベントとして予定しています。果たして私なんぞに登れるのか。行かなきゃ分からないので行ってきます。

 

 

ぐるっと一回り、絶景を堪能したところで、そろそろ山頂へ向かいます。

頂上山荘から山頂まではコースタイムで20分。

西(写真左側)からの爆風は、収まるどころか更に酷くなってきました。風が積もった雪を巻き上げて、何度かホワイトアウトになることもありました。最後の最後に事故、なんてことになっては洒落になりません。慎重に慎重に。

 

 

あと少しです。身体に鞭を打ちます。

頑張れ、自分!

 

 

 

圧巻、万感、達成感!(登頂)

11:45 唐松岳(2,695.9m)無事登頂しました!

登ってしまえばあっという間だったように思えますが、楽ではなかったのも事実です。私、頑張りました。

 

お楽しみの景色はと言うと、360度どこを見ても絶景!五竜鹿島槍、剱、白馬、北アルプス北部のオールスター選手達が登頂を祝福してくれます。

 

 

何故か初めて山に登った時のことを思い出して、懐かしい気持ちになります。あの時は疲れ過ぎて「もう二度と登らない」なんて言ってたなー。

数年後、冬山、ましてや冬の北アルプスに登っているなんて、あの頃の私には想像出来ませんでした。

見事に山の魅力に取り憑かれております。

 

 

山頂は登頂を喜ぶ登山者でごった返し。私もその1人です。

そのため、人が入らないように写真を撮るのに苦労します。

 

 

白馬方面です。夏はあちらからここに登ってくる予定です。楽しみだなー。

 

 

剱岳。こちらも夏に行きます。

今年の夏は忙しくなりそうです。

 

 

五竜岳は今年かどうかは分かりませんが、必ず行きます。だってかっこいいんだもん。

 

 

登頂記念に写真を撮ってもらいました。

 

 

皆さん、思い思いの過ごし方で山頂を楽しんでいます。と言っても、爆風は相変わらずで、やれることは限られていますが。

 

 

 

爆風に山頂を追い出され(山頂→下界)

12:15下山開始。

本当は山頂でカップ麺を食べたり、パンを食べたりしたかったのですが、余りに風が強いので写真だけ撮って下山することにしました。他の皆さんの中にも食事をしている人はいませんでした。

 

 

帰りは来た道を下山します。

山の事故は下山時に多く起きているそうです。登山道具を買いに行った時、そこの店員さんが「人間の体は登るようにはできていても、降りるようにはできていない」と言っていました。確かにその通りですね。

登り以上に慎重さが求められます。

 

 

登りの時には雪がしまっていて歩きやすかった場所も、この快晴で緩み出し、踏み抜き地獄となっていました。

 

 

誰かから「白馬はワールドクラス」と聞いたことがあるので、夏の縦走が今から楽しみです。

(白馬以外の山も世界の山に劣っているとは思いませんが、世界の山に登ったことがないので、いつか登ってみて確かめたいと思います。)

 

 

白馬と五竜に別れを告げます。

また夏に会いに来るよ!

 

 

下山はすぐ終わるかなと思いましたが、そんなことはありませんでした。

よく登れたなーと自分の足を褒めながら下山します。

 

 

さっき別れを告げたんですが、そのかっこよさについ振り返ってシャッターを押してしまいます。

 

 

こうして見ると全然大した登りじゃないんですが、凄く疲れました。

 

 

ようやく八方池山荘とリフト乗り場が見えてきました。

 

 

14:00 登山口まで帰ってきました。

 

 

リフトの営業時間内に戻って来れたので、山荘に顔を出して宿泊をキャンセルさせてもらいました。

今回は泊まりませんでしたが、ゴンドラとリフトでここまで上がってきて、八方池でリフレクション撮影して山荘に宿泊、なんて休日も楽しそうですね。

 

 

さて、そろそろリフトに乗りますか。

 

 

天気はいいですが、流石にリフトでじっとしていると少し寒いです。

乗る前にハードシェルを脱いだことが悔やまれます。

 

 

この天気にこのロケーションです。大勢のスキーヤースノーボーダーが楽しんでいました。

 

 

もう1本リフトに乗って、ゴンドラに乗り換えて…

 

 

下まで降りてきました。

お疲れ様でした。

 

 

 

え、今から帰るの?

下山後は駐車場の近くの「郷の湯」で汗を流します。650円だったような気がします。

※写真は、撮り忘れたことに気付いて、車を横付けして撮ったので窓の汚れが写ってしまいました…。

 

 

十分に温まったあと、道の駅に立ち寄り、職場に「今後とも変わらず休ませてください」と言う意味を込めてお土産を買いました。

 

その後、だらだらと運転です。

山荘やホテルに宿泊しても良かったのですが、さっきも書きましたが、月曜から仕事が忙しくなることが目に見えていたので、やるべく早く帰って回復に努めたかったんですよね。バリバリ仕事して、上司に少しは真面目アピールしとかないとと思いまして。まあ、土曜に登れなかったら迷わず山荘泊の予定だったんですが。

疲れ切った体でなんとか山形に帰り、日曜は1日ゆっくり過ごし、「明日から仕事頑張るぞー」なんて珍しく意気込んでいたんです。

しかし、結局、月曜は日焼けで顔が痛過ぎて、全く仕事になりませんでした。こんなことになるんなら、山荘に泊まって、もう1日楽しめば良かったです…。

因みに、何も考えずに「来た道を戻ればいいやー」と運転していたら、帰りも下道になってしまいました。行きで下道は懲り懲りと思ったので、帰りは高速で帰ろうと固く誓ったはずなんですが、気付いた時には新潟市。時すでに遅し。

 

 

 

まとめ

今回は初めて厳冬期北アルプスにのぼることができました。今年は暖冬なので、来年はもっと厳しい環境なのかもしれませんが、少し自信がつきました。

唐松岳北アルプスの中では入門編と言われているので、次は1つレベルを上げた山に挑戦したいと思います。

 

ではでは、また山に行ったら更新します。

 

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