※20210228南蔵王南側縦走
今回は蔵王連峰に行ってきました。
家からのアクセスが良く、本当ならもっと通い詰めてもいいのですが、何故かそこまで登った回数がない山域です。そんな中でも今回訪れた蔵王連峰の南側は、昨年11月に登った最南の不忘山に登ったのが最初で最後です。
それにしても、2月の週末は毎回素晴らしい天気に恵まれています。2月は今回の山行も含めて5回山に行くことができ、全て快晴。ここまで来るとそろそろ痛い目を見そうで少し怖いですが、それは怖い目に遭ってから考えるとして目の前の山を楽しみましょう。
では早速行ってみましょう。
<行程>
みやぎ蔵王白石スキー場→水引入道→南屛風岳→不忘山→みやぎ蔵王白石スキー場
昨年の不忘山の記事はこちらからどうぞ。
マイナールート(みやぎ蔵王白石スキー場→水引入道)
8:30 登山開始。
今日は不忘山に登った時と同じスタート地点の「みやぎ蔵王白石スキー場」からスタートです。
山形からここに下道で来る場合、夏であれば上山市からの上山七ヶ宿線を通れますが、冬季は通行止め。少し大回りして国道113号線で来ることになります。(居住地にもよりますが、それでも国道48号線で来るよりは近いのかな?)
今日はK、A君とのパーティー登山です。例によって、最後尾でのんびり歩くこととしました。
今回は水引入道というピークを経由して南蔵王の稜線に上がります。
このコースは蔵王連峰でもマイナールートのようで、その中でも冬季の記録は特に少ない印象です。と言っても、写真のようにトレースがついていたので人は入っているみたいですね。
樹林帯を程よいペースで進み、着実に標高を上げていきます。
1つ隣の尾根はゲレンデとなっているようなので、去年不忘山に登った時の尾根はその裏でしょうか。
木々の間から不忘山の山頂が見えました。今日の天気なら、朝日・飯豊の両連峰をしっかり眺められるでしょう。期待が膨らみます。
樹林帯を抜けたあたりから傾斜がきつくなってきました。
それを伝えられるように写真を撮ればよかったのですが、雪がカチカチに固まっていました。ここまでは得意のツボ足で登ってきましたが、さすがに危険を感じたのでアイゼンを履きます。
急斜面を登り終えると、奥に目指す稜線が出てきました。直下は先ほどとは比べ物にならない急な登りのようです。
夏に南蔵王を縦走したことがあるKとA君からは「南蔵王の稜線は驚くほどなだらか」と聞いていましたが、納得の山容です。全くアップダウンがないように見えます。
さあ、最初の目的地である水引入道までもう少しです。
もうすぐ3月とは言え、この時期とは思えない陽気で、3人ともここでシェルを脱ぎます。
魅惑の稜線へ(水引入道→南屏風岳)
11:00 水引入道(1,656m)登頂。
YamakeiONLINEから引用すると「蔵王山脈から東に派生する支脈の山で、蔵王山脈の外輪山。ユニークな山名は田植えの頃に現れる水引入道(種まき坊主)の雪形に由来する。山頂の南部と西部に湿原があり、多くの高山植物が咲く。」とのこと。
この地点の名称だと思っていたら、一応1つの山のことのようですね。
山頂は遮るものが何もなく、心地よい風を感じられます。
雪が巻き上げられていないところを見ると、稜線上もそこまで風は強くないようですね。
奥に月山が見えています。さすがの雪の量ですね。真っ白です。
休憩もそこそこに、先に進みます。
今回はA君、K、私の順で隊列を組んでいます。相変わらず人にペースを合わせて歩くのが苦手な私ですが、それでも初めて人と歩いた時よりは慣れてきました。
稜線へ上がる急登に向かっていきます。気温が高く徐々に雪が腐ってきて、一歩踏み出すごとに体力が持っていかれます。これは急登に取りつく前にバテてしまいそうです。
写真ではわからないかもしれませんが、先行者(トレースの方?)が急登の中腹にいるのが見えます。
暫く注目して見ていましたが、なかなか進まず苦戦しているようです。
確かにあの急な斜面で雪が腐っているとなると、なかなか骨の折れる登りかもしれません。
ただ、稜線にさえ出てしまえばこっちのものです。あれだけ平坦ならきっと散歩のような感覚で歩けるはず。
水引入道から見た時は、急登まではあっという間に着くだろうと目論んでいましたが、これが意外に時間がかかります。
2人は刈田岳から不忘山まで縦走した時の話をしながら歩いていましたが、その経験がない私は完全に蚊帳の外。
「蔵王でこんなに登ることになるとはな」byA君
「完全に油断していた」byK
何だかんだ愚痴愚痴言いながらも急登に到着。心して取りつきます。
雪が腐っているので、足の置き場を間違えるとバランスを崩してしまいます。
横を見るとこんな感じ。この写真だと斜度が伝わりやすいかな。
やはりこれまでの行程の数倍は体力を消費しましたが、何とか抜けました。
遂に天国のような稜線です。
奥に見えるのが南屏風岳。その右には飯豊連峰が見えます。
飯豊までここまではっきり見えるということは、、、
そうですよね。朝日連峰もばっちり見えました。
この2つは月山にも負けない雪量です。
主稜線に到着。
右(北)に行けばすぐに屏風岳ですが、今回は不忘山に周回するため、ここは右(南)へ向かいます。
今考えれば、「屏風岳にも寄り道すればよかったな」と若干の後悔。
主稜線は思った通りのノンストレスなハッピートレイルでした。
小ぶりなスノーモンスターの合間を縫うように歩いていきます。(この場所の雪の下は基本的に木が茂っているので、ところによっては盛大に踏み抜いてしまいます。楽しい区間ではありますが、慎重に歩いたほうが身のためです。)
雪の穴を覗くと、冬特有の青い世界。
落石注意(南屏風岳→不忘山)
12:30 南屏風岳(1,810m)無事登頂しました。
山頂も、これまでの稜線と同様に平坦で、山頂の標識がなければピークと気付かずに通過してしまうかもしれません。
山頂で休憩していた方は「不忘山に登りに来たが、天気の良さに誘われてこっちまで足を延ばした。」とのこと。確かにここまで天気が良いのにすぐに帰るのはもったいないですね。
私達もザックを下ろし、45分くらい山頂で流れるゆっくりとした時間を楽しみました。
稜線をなぞって見ていくと、次、というか最後の目的地である不忘山を確認できます。
一度下って登り返すみたいですが、コースタイムも30分ほどなので、あっという間に登頂できそうです。
最後の登り返しも写真で見ると結構な高低差に見えますが、先ほどの急登のように雪が腐っているわけではなくアイゼンもよく効きそうなので、問題なく歩けそうな印象。
それにしても、この2人。最初から最後まで、デキているんじゃないかというくらいにピッタリ近づいて歩いていますよね。いい雰囲気をお邪魔するのは野暮なので、引き続き少し距離をとって歩くこととしましょう。
不忘山直下、最後の登りです。
やはり予想通り雪は薄く締まっているので歩きやすいです。
左(北)の方を見ると、先ほど苦戦した急登が見えます。
あれ、こうして見ると距離が短く、大した斜面には見えないですね。私に体力がないだけだったのかな。
序盤に脱いだシェルやインサレーションは、その後はただ荷物と化しています。
この季節にロンティー1枚で登れるとは。春は近いのかな。
最後尾を歩いている者としては、登りでこの看板が出てくるとなかなか心配になるものです。看板を見てから不忘山登頂まで、10回は前の2人に「石落とすなよー」と釘を刺しました。
山頂手前の神社。鳥居のこの感じ(素材かな)、本当にご利益があるのか疑問に思ってしまうのは私だけでしょうか。
退屈な下山(不忘山→みやぎ蔵王白石スキー場)
13:40 不忘山(1,705m)無事登頂しました。
3か月振り2回目の不忘山です。
南屏風で休憩したので、不忘はスルーします。
写真中央、蛙岩も上からしっかり見えています。
蔵王連峰に登ると毎回思いますが、山形側と違って、宮城側は平野が広がっています。
そう思うと、宮城の山ってあんまり聞かないですね。蔵王と泉ヶ岳、栗駒くらい?
蛙岩を通過すると、退屈な樹林帯に戻っていくこととなります。
安定の「下山楽しめない症候群」なので、いきなり疲労を感じ始めて、厳しい帰り道です。
やっとの思いでゲレンデへ。ここまで来れば駐車場まではもう少し。
だらだらと歩き、無事に駐車場に到着、下山できました。
まとめ
今回の山行では、絶好の天気の中、冬の南蔵王を満喫できた山行でした。南蔵王と言っても、刈田岳・杉ヶ峰・芝草平・屏風岳は登っていないので、「南蔵王(南側)縦走」ということにします。
南蔵王は夏は風が通らなく暑い区間があるとKから聞いたので、今回登らなかった区間も含めて、また冬に訪れたいと思います。
それにしても、2月は怖いくらいに晴天登山が続いたので、3月は厳しい天候も覚悟しておこうかな。
ではでは、また山に行ったら更新します。