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Long Trail

アウトドアが好きで健康診断が苦手な山形県民の記録用ブログ

【地震】魅力と恐怖セット(パノラマ銀座縦走)

※20210919~20210921パノラマ銀座縦走

 

「日本一の縦走路」

そのように謳われることもある表銀座を縦走してから早2年(ブログを始めていない時期なので、この時の記事はありません。)。絶景が続くあの道をまた歩きたいと思い、得意の有給を駆使しました。

 

ただ、前回と違う点もあります。前回は槍ヶ岳をゴールとしましたが、今回は登ったことがない常念岳蝶ヶ岳の方に歩いてみます。ですので、ルート的に正確には「表銀座」ではないようです。さらっとググってみると「パノラマ銀座」という呼び名があることを知りました。常に槍ヶ岳穂高連峰を望む私好みの道とのこと。ザックにギアと期待を詰め込みます(使い古された表現)。

 

天気予報は晴れ。とは言え、山の上はもう秋も深まって夜はかなり冷えそう。それなりのウェアを準備します。下界は残暑厳しいというのに、違う世界のようですね。

 

因みに今回は7月の白馬以来のソロです。自分のペースで気楽に楽しみます。

 

ではでは早速行ってみましょう。

 

 

 

<行程>

1日目:穂高駅→中房温泉→燕岳→大天井岳

2日目:大天井岳常念岳蝶ヶ岳

3日目:蝶ヶ岳→三股→穂高

 

 

 

過去の北アルプスの記事はこちらからどうぞ。  

 

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歩き慣れた尾根(穂高駅→中房温泉→合戦小屋→燕山荘)

 

スタート前日、一日かけてゆっくり長野にやってきました。

1人なので車中ではエンドレスカラオケとなり、このコンビニに着いた頃には喉が少し枯れていることに気付きました。楽しかったのでいいのですが、何事も程々がいいようですね、、、。

 

と、ここでヘッドライトを忘れてきたことに気付きました。

最寄りの登山用品店は松本市。しかも19時閉店でただ今の時刻は18:40。諦めて近くのワークマンで作業員用のものを買いました。最近、変な慣れが出てきたのか、出発前に忘れ物チェックをする習慣がなくなってしまっています。こういう油断がゆくゆくは大きな事故に繋がったりすることもありそうなので、この辺りでもう一度気を引き締めた方が良さそうですね。

 

 

 

今回は入山口と下山口が異なるので、車は穂高駅近くの無料駐車場で車中泊

翌朝(というかまだ夜)、穂高駅からバスで中房温泉まで向かいます。

 

 

こちらは2年前の表銀座縦走の際、前日にKと海老天丼を食べた思い出のお店。懐かしい。

 

 

4:30 穂高駅。一番乗りしましたが、私が到着して間もなくして大勢の登山者でいっぱいになりました。

バスは5:00始発(時期によって臨時便が出る場合もあるので、利用される方は最新の情報を確認することをお勧めします)なので、少しの間、バス停で後ろに並んでいる方と雑談。すぐ後ろの方は今日は燕岳までで、明日に大天井岳。明後日に常念岳蝶ヶ岳へと歩くとのこと。その後ろの方は今日は私と同じで大天井岳まで。明後日は槍ヶ岳まで行くということなので、まさに表銀座を歩くようです。「初の槍ヶ岳でワクワクしている」という話を聞くと、こちらまで楽しい気分になってきます。

 

 

時間通りバスが来て、無事に中房温泉まで到着。

バスの料金は1800円。PayPayで支払えて便利でした。

 

さすが大人気の燕岳の登山口ですね、すごい人です。

人混みがまだマシな場所を探して準備を整え、親切に設置されている水洗トイレで用を足し、

6:30 登山開始です。

 

 

重いザックにやや苦戦しながらのスタートとなっていますが、木々の間から覗く青空にテンションが上がります。

 

 

なんかそれっぽい写真も撮れました。

 

今登っている合戦尾根は北アルプス三大急登に数えられているようですが、すごく丁寧に整備されており、歩きやすいので、初心者でも楽しく登っていけると思います。約1時間おきに休憩できるベンチも設置されているので、時間の管理もしやすいです。

 

 

8:10 この合戦尾根は4回目なので、目新しく感じる場所もなく、あっという間に合戦小屋まで来てしまいました。

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ここは宿泊はできない営業小屋で、スイカが名物です。(私はスイカにそこまで魅力を感じないので食べたことはありませんが、特に夏の暑い日は相当売れるらしいです。)

 

 

リズムよく登ってこられているので疲労感はありません。どんどん先に進みます。

 

合戦小屋を通過すると、あの山が顔を出しました。

 

 

でーん、槍ヶ岳です。

何度見てもこの形には魅了されます。

 

 

合戦沢の頭のこの看板も、色々な人が写真をアップしているので皆さんご存じですよね。

 

 

さあ、ここまで来たら燕山荘まではもうすぐです。

 

 

標高を上げると更にその雄姿を見せてくれる名峰。本当に惚れ惚れするフォルムです。

 

 

こちらは北方面。奥に見えているのは後立山連峰の山々です。2ヶ月前は大変お世話になりました。

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燃えるような紅。

この辺りは紅葉がピークのようです。

 

 

槍ヶ岳の左(手前の稜線上の一番高い山)は大天井岳。今日の目的地です。

 

2年前は、ほとんどの人が大天井岳に泊まるところ、混雑を避ける&2日目の行程を楽にする&槍ヶ岳のテント場を確保するため、1日目に頑張って西岳まで行ったので、時間がギリギリで大天井岳山頂はパスしました。ですので今回が初めての登頂です。

 

 

ようやく燕山荘がはっきり見えました。

 

もう少し。頑張れ自分、、、

 

 

ふう、やっとこの裏銀座の稜線を拝めました。燕岳に来たことがある人は共感してくれると思いますが、この景色が目に飛び込んできた瞬間に押し寄せる感動、私達はきっとこの感動のために登っているんですよね。

 

 

 

槍に見守られ(燕山荘→大天井岳

 

9:00 燕山荘に到着。相変わらず立派な山荘です。

 

 

やあ、山男くん。5月ぶりだね。

 

 

この美しい山容を百名山に選ばない深田さん(百名山は文筆家で登山家の深田久弥さんという方が選んだらしい)のセンスには首を傾げざるを得ない。(候補の山から100座選ぶ作業を「教え子を落第させる試験管の辛さ」と表現していたそう。そう言われると確かに大変でしょうね。全員が納得するように選ぶことは不可能ですし。)

 

 

来年は見えている裏銀座を歩きたいですね。

表銀座と比較すると静かで「山らしい」山歩きが楽しめるようです。

 

 

珍しくパノラマ写真。

 

 

10分くらい写真を撮りながら休憩できたので、そろそろ大天井岳に向かうことにしましょう。今回、燕岳の山頂はパスします。(人が大勢いたので)

 

ここからは大好物の稜線歩き。気分の高揚が抑えきれません。

 

 

いつでも槍が見守ってくれている至高の稜線。こりゃ人が集まるわけだ。

 

 

清々しい秋晴れの中、最高の景色の中を歩きます。これが「ウェルビーイング」というやつでしょうか。私は幸せです。

 

 

山と登山者。私がこうして見知らぬ誰かの背中を写真に収めているように、私も誰かの思い出の一翼を担えているのかな。(と、柄にもなくエモい感情になりました。これも山のせいでしょう。)

 

 

富士山も御覧のとおり確認できます。

 

 

眼下に安曇野or松本の市街地が見えます。こんなに素晴らしい山が近くにある環境が羨ましいです。

 

 

燕岳から大天井岳までの道はよく整備されている北アルプスの山々の中でもトップクラスに歩きやすいです。強いて危険個所を挙げるとすれば、「大下り」と呼ばれる場所が少しザレていて注意が必要というくらいでしょうか。

 

 

「大下り」に入る手前は「大下りの頭」と呼ばれ、休憩するのに丁度いい場所となっています。この親子も槍を見ながら休憩していました。

 

 

こちらは大下りの頭から見た大天井岳方面。

大きく下った後は登り返して少し歩くと、もう大天井岳(写真右奥の一番高い山)に着いちゃいます。

 

 

慎重にザレた下りを通過すると、また歩きやすい道に戻ります。

 

 

大下りの頭を振り返る。あそこから下ってきました。

 

 

少しずつ大きくなっていく鋭鋒。心躍るこの感覚、たまりません。

 

 

紅葉も徐々に進み、秋らしい空気。

 

 

こうも槍を見せられ続けると、予定を変更して槍に行こうかなー、なんて考えてしまいます。

 

 

今日は大天井岳がゴールなので、明日の行き先は明日の朝までに決めればいいですね。

とりあえず、この絶品の稜線を味わい尽くすことに集中しましょう。

 

 

これは8月に登った立山剱岳でしょうか。去年の撤退もあり、思い出すといまだに達成感が込み上げてきます。

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歩いてきた道を見ると、燕岳からだいぶ歩いてきたことが分かります。景色がいいので疲れは全く感じません。やっぱり山は晴れがいいですね。

 

 

大天井岳への道が見えてきました。最後に一気に標高を稼ぎます。

 

 

大天井岳から西岳を経て槍ヶ岳に向かう道は「喜作新道」と呼ばれていますが、その由来はこの小林喜作さん。大天井岳の手前にレリーフがあります。

猟師だった喜作さんは、中房温泉から槍ヶ岳まで通常3~4日間かかっていた(中房温泉~燕岳~大天井岳常念岳~横尾~槍沢~槍ヶ岳)時代に、狩猟で使っていた道を整備して1~2日間で行けるようにした偉大なお方。槍ヶ岳の下にある殺生ヒュッテを作った方でもあります。表銀座縦走路を作った人物と言っても過言ではないと思います。(因みに、喜作さんは80kgの荷物を担いで山を歩いていた超人です。尋常じゃないですよね、、、)

 

 

喜作レリーフを過ぎると、大天井岳と、大天井岳をスルーして西岳方面に向かう道との分岐に着きます。

 

 

2年前はここを曲がらずに西岳方面に向かいました。

今回は初めてここを左折して大天井岳山頂にアタックします。

 

 

道は先程までよりは岩が多くなってやや不安定。足を挫かないように気を付けます。

 

 

左に視線をやると歩いてきた道がはっきりと確認できます。

 

 

これは私だけなのかもしれませんが、ゴールを意識しだすと急に疲れを感じます。

急に足取りが重くなってきました。

 

 

景色に力をもらい、最後のひと踏ん張り。

 

 

 

 

地、震える(大天井岳

 

11:30 大天井岳山頂直下にある大天荘に到着。

最後の登りで結構絞られました、、、。

 

 

テント場の混雑具合は、心の片隅で心配していたのですが、まだこの時間なら大丈夫でした。(この後、張る場所がなくなるくらい混みました。)

テント場使用料は2,000円です。

 

 

テントを張ったので山頂に向かいます。テント場から山頂までは10分ほど。

 

あれは高瀬ダムでしょうか。

高瀬ダムは、来年行きたいと思っている裏銀座縦走路の起点候補地です。

 

 

12:30 大天井岳(2,922m)無事登頂しました。

山頂は素晴らしい展望です。2年前、ここをスルーした選択が間違っていたように思えます。

 

 

ここは槍ヶ岳穂高連峰を見るための特等席ですね。

 

 

手前に見えている稜線は西岳に向かうコースです。

2年前、燕岳に到着した時点で既に疲労困憊だったKは、あの辺りで疲れすぎて不機嫌になっていました。山はその人の本性を暴くものなんだと、その時学びました。

 

 

槍も穂高も岩稜がかっこいいです。

 

 

ついつい槍や穂高に目を奪われがちですが、テント場の方を見てみると、その奥に常念岳が見えていました。あちらも日本百名山の1座に数えられる名峰です。

明日は常念にするか槍にするか、悩みますなー。

 

 

小屋の前にある案内板。

こうして見ると、大天井岳自体も素晴らしい山ですが、多くの有名な山に囲まれていることに気付かされます。

 

 

生ビールは1,000円。山小屋価格ですが、このロケーションで生ビールが飲めるなら安いものです。

 

 

青い空と金のビール。これさえあれば、もう言葉はいらない。

 

 

 

時間が経つに連れ、幕営数が多くなってきました。比較的、早く到着できて良かったです。

設営場所も良さそうな場所が空いていたので、テントに入りながらこの景色を眺められる場所を選びました。至福の眺望です。

 

 

小屋から少し常念方面に歩いたところからテント場を見てみると、テントが増えてきたことがよく分かります。(夜にはこれの1.5~2倍以上張られていました。どうやってスペースを確保したのか、、、)

 

 

少しずつ日が傾いてきました。

 

 

日差しが強いですが、秋の空気だからか、そこまで暑くないです。

 

 

私が歩いてきた時間帯は真上に太陽がありましたが、少し横から光が入るこの時間に歩くのも楽しそうです。

 

 

歩いてきた縦走路も時間や天気が変われば違った印象に変わります。これも、山に何度行っても飽きない理由の1つですかね。

 

 

混雑してきたテント場の雑然とした雰囲気を避け、1人で写真を撮って楽しんでいると、穂高駅で一緒にバスを待った「表銀座歩く」と言っていた方(Tさん)と再会。

表銀座を歩いたことがあることは伝えていたので、ルートについて色々聞かれました。それに答えていると、私もどんどん槍に行きたい気持ちが強くなってきました。

 

 

夕暮れ時の写真を撮りに山頂に行くことにしていたので、Tさんと一緒に山頂に向かうことに。

 

 

山頂に着くと市街地に影大天井が出ていました。

 

 

縦走路は刻々と表情を変え、いつまでも見入ってしまいます。キャンプで焚き火を眺めている時のような感覚です。(伝わるでしょうか。)

 

 

暗くなってきて、山の表面はあまり見えなくなってきましたが、その分だけシルエットが際立って、これはこれで美しい景色です。気温は下がってきて結構寒いのですが、この景色に魅了され、多くの登山者が山頂に留まっています。

 

私もこの素晴らしい時間を記録しておきたいと、カメラを構えてシャッターを切っていると、、、

 

突然、大きく地面が揺れ出しました。地震です。実際に何秒間揺れたのかは分かりませんが、下から突き上げられるような感覚を長い時間味わいました。(震源槍ヶ岳直下で最大震度は4。)

人の体よりも大きな岩が山を転がり落ち、あちこちで岩同士が激しくぶつかり合う音が鳴り響き、恐怖感を煽られます。私は山頂にいるので、上から岩が落ちてくることはありませんでしたが、もしまだ登っている時間だったら、そう考えるだけで生きた心地がしません。

 

 

特に震源だった槍ヶ岳方面では、槍沢に絶え間なく岩が転がり落ちているよう。登山者と山小屋の人達が心配です。無事を祈ります。

 

こうなってしまっては明日の槍は無理です。何より命が大事。Tさんに声をかけると、Tさんもさすがに諦めるそう。初めての槍ヶ岳をとても楽しみにしていたようだったのでこちらまで残念に思います。

 

 

写真で切り取ってしまうと、先程までと変わらない美しい景色だけが記録されますが、あの恐怖の瞬間、現場にいたからか、この景色の中に、何というか、自然の怖さというか、人間如きでは何ともしようがない圧倒的なエネルギーを見せつけられたような気がします。

 

 

予想外の理由での決定となりますが、明日は写真奥の常念岳蝶ヶ岳に向かうことにしました。こちらはまだ歩いたことがない道、なんだかワクワクしてきました。

 

 

「月と登山者」

結構お気に入りの写真です。

 

 

最初の揺れよりは小さいものの、その後何度も続いたこともあり、多くの方は小屋orテントに戻りましたが、まだ綺麗な空が広がっているので、まだそれなりの人数が残っています。

 

 

暗くなり、三脚なしではなかなか景色が写真に写らなくなってきました。(重いのが億劫でテントに三脚を置いてきた私。何のために下から担いできたのか、、、)

 

そろそろテントに戻りますか。

 

 

明日も今日のような天気が続いてくれることを祈りながら眠りにつきます。

 

※眠ろうと寝袋に入ったくらいのタイミングで、私のテント近くでULハイカー達の大宴会が始まり、もう既に寝ていたのにその声で起こされたと思われる隣のテントの人がぶち切れていました。確かに結構な声量で楽しんでいたので、多くの人の意見を代表してくれたことにみんな感謝したと思います。(因みに私はいつでもどこでも寝られる特殊能力を持っているので、宴会の声を子守唄代わりに寝ようとしていました。自分の図太さに自分で感心しました、、、。)

 

 

 

抜群の縦走路(大天井岳蝶ヶ岳

 

4:00 おはようございます。ぐっすり眠れたので昨日の疲れはありません。

夜中も地震とそれに伴う落石の音が続いたようです。(周りの人の会話より)

 

 

空を見上げると星が綺麗です。折角、三脚を持ってきたので使わないのは勿体ないと思い、朝食もそこそこに、テントを撤収してから出発までの僅かな時間で星を狙いますが、既に東の空が明るくなり出してしまっています。

 

 

まあ元々写真の腕もないので、とりあえず星空が綺麗でしたということを読者の皆様に報告できたらそれでいいかなと思います。

 

5:00 常念岳に向けて出発です。

 

 

東の空が明るくなってきました。

 

 

シルエットだけで圧倒的な存在感を放つ富士山。さすがです。

 

 

御来光が出てきた辺りで前を歩いていたTさんに追いつきました。行程を変更し、私と同じで今日は蝶ヶ岳まで歩くようです。お互いの安全を祈り、先に行かせてもらいました。

 

 

おはよう日本。美しい夜明けです。

 

 

オレンジの光が槍穂を染めていきます。

 

 

この景色は説明不要。見ればこの素晴らしさは伝わるでしょう。(語彙力がないので説明しないだけ)

 

 

今日も良い日になりそうです。

 

 

奥の山が常念岳、その手前が横通岳かな。

 

 

朝は体が動かないことが多いですが、ここまで天気がいいと、嬉しくていつもより動ける気がします。

 

 

東天井岳を過ぎてからはトラバース気味の道になります。標高差がない平坦な道なのでサクサク進むはずなんですが、穂高が見たいので何度も振り返ってしまい、なかなか前に進みません。

 

 

少し進むと槍も顔を出してくれました。

 

 

贅沢な道。私は幸せ者です。

 

 

横通岳は山頂は通らず、西側をトラバースする形で登山道が整備されていました。

横通岳を過ぎると一気に常念岳が近くなります。

 

 

穂高も、大天井岳から見た時よりだいぶ近く感じます。

 

 

常念岳。最後に足に効きそうな登りが待っていそう。今のうちら覚悟しておくべきですね。

 

 

近付くとかなりどっしりとした山容であることが分かりました。これは日本百名山に選出されているのも納得。燕岳とは違い、深田久弥さんと意見が一致しました。

 

 

キレット。こうして見ると、あの区間だけ人為的にストンと山が押し抜かれたようにすら思えるほどすごい標高差です。

 

 

常念小屋は山小屋らしい赤い屋根で目立ちます。

 

 

6:45 常念乗越(常念小屋)に到着。

 

 

既に撤収した人もいると考えると、結構な人数が幕営していたみたいですね。確かにいいロケーションのテント場です。(昨年、このテント場付近で熊の目撃情報が多発したと記憶しているので、私は泊まるのはちょっと怖い、、、)

 

7:10 槍穂を見ながら休憩し、回復したので山頂アタックを開始します。

 

 

常念小屋から常念岳山頂まではCTで1:20ほど。思ったよりかかりますね、、、。

小屋から空身で身軽に登る大学生の団体にどうしても負けたくなく、体重+30kgの重たい体を懸命に持ち上げてハイペースで登りました。酷く疲れました。(何故、意地を張ったのかは不明。その時の自分に聞いてみたい。そして言ってあげたい。「疲れるだけだからやめろ」と。)

 

 

必死に標高を稼ぎ、振り返るとこの景色。やはり、自分が歩いてきた道を見るのは何度味わっても良いものです。

 

 

 

雲が増えてきた(常念岳蝶ヶ岳

 

8:00 常念岳(2,857m)無事登頂しました。

山頂は記念撮影の列ができており、アトラクションに並んでいるような気分でした。小屋が近く、重い荷物を担がなくても山頂に立てるというのも、常念が人気な理由の1つだと思います。

 

 

この景色、ここは天然の展望台ですね。

 

 

山頂で少し風に吹かれながら休憩した後は、一度大きく下って蝶ヶ岳を目指します。この下りが結構長丁場で、もし蝶ヶ岳常念岳の行程だったら相当しんどそう。少なくとも私がそのルートを辿ることはなさそうです。

 

 

下り終えると久しぶりの樹林帯。朝日連峰を思い出す景色の中を進みます。熊が出そうで怖いので、定期的に声を出して人がいることをアピールします。(時々出会う他の登山者からは変な人を見るような目を向けられます。というか変な人を見ているのか、、、)

 

 

途中、2,592mという何とも中途半端な標高のピークを通過。

 

 

2,592mピークからまた少し標高を落とし、この池を皮切りに下げた分と一気に取り戻す登りが始まります。

 

 

この辺りはそれまで心地よく吹いていた風が止み、急登と無風でメンタルが削られましたが、樹林帯を抜けると、また良い景色を拝みながら歩くことができたのであっという間にメンタルゲージは回復しました。

 

 

10:35 蝶槍に到着。

昔はここが蝶ヶ岳の山頂だったとか。本当はここでゆっくり槍穂を眺めながらコーヒーを飲むつもりだったのですが、人が結構いた&槍穂に雲がかかってしまったので、スルーしてヒュッテに向かいます。

 

 

蝶槍からヒュッテまではCTで30分ほど。標高差もなくウイニングランといった感じです。

 

 

ハイマツ帯で雷鳥を探しますが見当たりません。そう言えば今回は会えていないですね。人が多いところだからかな。

 

 

ヒュッテ手前にある石標。ここが山頂だと思ったら、ヒュッテを少し過ぎたところが山頂のようです。

 

 

 

理想的な光景(蝶ヶ岳

 

11:15 蝶ヶ岳(2,677m)無事登頂しました。

山頂はすごく広く、所謂「山頂感」はありません。

 

 

残念ながら槍穂には雲がかかってしまっています。

時間が経てば雲が取れる瞬間もあると思うので、気長に待つことにします。

 

 

蝶ヶ岳とテント場。

噂には聞いていましたが、テント場が平らでこの上なく設営しやすそう。

 

 

なかなか晴れてくれない槍穂を眺める老夫婦。ゆっくりとした時間を楽しんでいます。理想的な光景ですね。

 

私もテントを設営(2,000円)したので、後は特にやることがないので、雲が取れるのをだらだら待つことにします。

因みに明日は上高地に下りる予定で、上高地から新島々駅までの高速バスは予約済み(予約しなくてもその場で乗車券を買えば乗れます)です。一番の楽しみは徳澤でのソフトクリーム。間違いなく今回の縦走のハイライトになるはず。

 

 

 

山頂から涸沢カールが見えました。きっとあちらはここの倍以上の人がいるんでしょうね。

 

 

こちらは焼岳。登ったことがないですが、火山活動が活発なので、登る際は各種情報をチェックする必要がありそうですね。

 

 

結局、槍穂はいつまで待ってもその全容を拝ませてくれないので、ヒュッテでビール(自販機・800円)を買ってテントで時間を過ごすことにしました。

 

 

(プシュ)

では、今日も一日お疲れ様でした。

(ゴクゴク、、、プハー)

最高です。麺を茹でてソースを和えただけの簡単ペペロンチーノもすごく美味で二人前平らげました。

ある意味、これも理想的な光景と言えます。

 

その後は蝶ヶ岳自体も雲の中に入ってしまったので、テント内でゆっくり過ごし、明日の快晴を信じて寝ました。

 

 

 

良い人(蝶ヶ岳→三俣→穂高駅)

 

おはようございます。

4:00頃に目が覚めたものの肌寒かったので、シュラフの中でぬくぬくしていたのですが、周りの人が「すごくいい天気」と頻りに言うので、仕方なくテントを出ました。

 

 

確かに素晴らしい天気です。急いで三脚とカメラをセッティングします。

 

 

Good morning Japan.(なぜ英語)

一気に温められる空気、とても気持ち良いです。

 

 

昨日、全然顔を見せてくれなかった槍穂も御覧のとおり。ピンク色なのは照れているからですかね。

 

 

梓川は雲の川に変わってしまったようです。初めて見る景色なので、気持ちが高揚気味。

 

 

キレット。北穂高(写真左手)から下って一度登り返すところがありますが、どうやらあそこが有名な長谷川ピークみたいです。角度的に見えませんが、左右が切れ落ちているそう。非常に興味があります。

それにしても、北穂高小屋はとんでもないところに建っていますね。泊まってみたいものです。

 

 

山肌がピンクから徐々にオレンジに変化してきました。

 

 

御馳走様です。

 

 

雲の川。

 

 

写真を夢中で撮っているとTさんと再会。昨日は15時くらいに到着していたとのこと。既に私はテントの中だったので気付きませんでした。

Tさんはここから三股に下りるとのことで、一緒に下りないかとお誘いを受けました。私としてはソフトクリームを食べたいという気持ちが強かったのですが、折角の縁なので御一緒させていただくことにしました。(予約していたバスはネットでキャンセルしました。キャンセル料は100円くらいだったはず)

 

では、名残惜しいですが、ぼちぼちテントに戻って朝食を済まし、撤収準備を始めますか。

 

 

7:00 完全に太陽が昇り、青空が綺麗に広がったところで出発です。

私がどんくさく時間をかけてパッキングしている間に、Tさんはヒュッテの電話から三股にタクシーを呼んでくれました。ありがたい。

 

Tさんが前を歩いてくれるとのことなので、何も考えずに後を着いていっていたところ、Tさんが途中で急に立ち止まり「まずい、道を間違えている」と顔を青くしてこちらを見ました。GPSを確認すると確かに誤った方向に結構下ってきてしまっていました。下りてきた道を息を切らして戻りながら、「道は自分で確認すべきだな」と当たり前のことを改めて学び直しました。

 

 

結構飛ばして三股に続く道まで戻り、ザックを下ろして息を整えます。Tさんからは30回謝罪されましたが、私も確認を怠りましたし、そもそもそこまで悪いことと思っていないので、逆にこちらが申し訳ない気持ちになりました。

 

気を取り直して下山していくと、木々の隙間から、昨日登った常念岳が今日もどっしりと鎮座しているのが見えます。

 

 

こうして見ると、やっぱり常念岳からの下りはなかなか厳しい道であったことが分かります。

 

 

ここでTさんがまた顔を青くして振り返ってきました。

「カメラがない」

さっきの休憩でザックを置いた時にカメラも地面に置いたそうですが、そのまま忘れてしまったようです。休憩した場所からはまたもや結構下ってしまっていたこともあり、Tさんはカメラを諦めるとのこと。しかし、今回の縦走の思い出が詰まったカメラです。ザックをここに置き、空身で取りに戻るようTさんを説得しました。

数十分後、息も絶え絶え帰ってきたTさん。無事にカメラは見つかったようです。

 

 

この短い間で、Tさんの人柄が何となく分かったような気がします。間違いなく言えることは、悪い人ではないということです。

※何となく話の流れでTさんに年齢を聞くとまさかの50代。ずっと30歳くらいかと思って接していました。すごく失礼な言動、態度を取っていたら申し訳ないです。(相手によって態度を変えるの、良くないよ。)

 

 

三股が近づいてきたあたりで、有名な「ゴジラみたいな木」が登場。完全に頭の中になかったので、見つけた時はテンションが上がりました。

 

 

10:00 三股に下山完了。お疲れ様でした。

三股は熊の目撃情報が多数あるので、そそくさとTさんが呼んでくれたタクシーで穂高駅まで瞬間移動します。(6,400円を割り勘しました。)

 

 

TさんとLINEを交換してお別れし、一路山形に帰ります。

Tさんは山友を作りたかったとのことで、光栄にも、私、友達第一号になることができました。ありがとうございます。また、機会を作って一緒に山を歩きたいですね。

 

 

 

失ったものはすぐに取り戻す。大切なことです。

 

 

 

まとめ

今回は初めて山で地震に遭い、自然の圧倒的な力に、魅力と恐怖心を感じる山行となりました。山の怖さを十分に理解した上で楽しんでいきたいと思います。

 

ではではまた山に行ったら更新します。

 

 
 
 
 
 
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