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Long Trail

アウトドアが好きで健康診断が苦手な山形県民の記録用ブログ

【苔嵐】初の八ヶ岳は荒天この上なし(赤岳・横岳・硫黄岳)

※20200925南八ヶ岳(赤岳・横岳・硫黄岳)

 

 

剱岳撤退から1週間。私は1人長野に向けて車を走らせていました。

実は剱岳登山のための休みから、ぶっ続けで前代未聞の12連休を取得している私。一度、山形に帰りましたが、時間はまだたっぷりあります。剱岳にリトライしても良かったのですが、それは来年の楽しみに取っておくこととし、今回はずっと興味があった八ヶ岳に行ってみることにしました。

 

剱岳の記事はこちらからどうぞ。

daic22.hatenablog.com

 

 

八ヶ岳」はどれか1つの山ではなく、長野と山梨に跨る南北30km余りの山域を指します。八ヶ岳は、比較的なだらかな山々が集まる「北八ヶ岳」と、急峻な岩稜が特徴の山が連なる「南八ヶ岳」の2つに分けることが出来ます。

 

どの山に登るか考えましたが、どの山も個性豊かでなかなか決められなかったので、「とりあえず最高峰に登ろう」ということで赤岳を選びました。コースタイムを調べると、横岳・硫黄岳を周回することが出来そうだったので、赤岳に登頂した時点で状況を見て周回するか下山するか判断することとしました。

 

<行程>

赤岳山荘駐車場

美濃戸山荘

↓(南沢ルート)

行者小屋

↓(文三郎尾根)

赤岳

地蔵ノ頭

横岳

硫黄岳

赤岩の頭

赤岳鉱泉

↓(北沢ルート)

美濃戸山荘

赤岳山荘駐車場

 

 

 

 

 

では早速行ってみましょう。

 

 

 

 

苔の森を歩く(赤岳山荘駐車場→行者小屋)


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前日の夜に道の駅で車中泊をして、早朝、赤岳山荘駐車場にやってきました。

今はまだ降ってませんが天気予報は雨ということで、車は数台しかありません。先週の剱岳から引き続き、雨の中の山行となりそうです。

無理せず、行けるところまで。危険を感じたら引き返してこようと思います。

※駐車場に車を停めると、すぐに赤岳山荘のおばさんが車まで来てくれたので料金を支払いました。(1日1,000円)

 


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6:15 登山開始。

地図を確認すると、行者小屋までは殆ど登らず、森の中を歩くようです。

 


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歩き始めて3分ほどで美濃戸山荘に到着。

人の気配はありませんでした。朝早いからでしょうか。それとも今年はコロナもあるのでそもそも営業していない?

 


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有名な看板は美濃戸山荘のすぐ目の前にありました。

ソロなので記念撮影もなし。先に進みます。

 


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看板の隣に分岐の標示がありました。

北沢ルートは赤岳鉱泉へ、南沢ルートは行者小屋へ繋がります。今回は赤岳登頂が最優先事項なので最短で山頂へ向かうことが出来る南沢ルートを選びます。

 


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道はよく整備されています。

 


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前方で何かが動いたと思ったら、鹿でした。

私はあまり動物が得意ではないので、3頭に揃ってこちらを向かれると気味が悪くて鳥肌が立ちました。(この後も鹿はそこら中にいました。)

 


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鹿に怯えながらも先に進んでいきます。

誰とも会わない静かな森歩きです。

 


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所々に巨岩が転がっています。

八ヶ岳もののけ姫の世界観そのままといった雰囲気です。「こだま」が出てきても不思議ではありません。

 


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八ヶ岳は「苔の森」としても有名だそうです。

アルプスとは全く景色が違うなと感じていましたが、それは苔があるからかもしれないですね。

 


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THE八ヶ岳、といった道が続きます。

 

 

 

延々と続く階段(行者小屋→赤岳)


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8:00 行者小屋に到着。本格的に雨が降ってきたので、カメラをザックに入れます。

 


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今シーズン、新型コロナの影響で行者小屋は営業していませんが、テント場は使用できるみたいです。朝、赤岳鉱泉から小屋番の方が料金回収に来てくれるそう。

 


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まだ大して歩いていないこともあり、疲れは特にないので休憩はせずに先に進むことにします。

行者小屋から赤岳に登るコースは2つ。地蔵尾根と文三郎尾根です。私は阿弥陀岳を近くで見てみたかったので文三郎尾根を選びました。

 


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健脚であれば阿弥陀岳も含めて日帰り周回できるのでしょうか。

八ヶ岳初心者の私には挑戦する勇気はありませんでした。

 


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文三郎尾根は階段が整備されていて歩きやすいですが、階段が苦手な私にはなかなかキツく感じます。

 


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まだ階段続くのか、、、と思っていたらこのマークが目に入りました。

私はあの有名なマムート階段を登っていたようです。見落とさなくてよかった。

 


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階段はどこまでも続きます。

そう言えば、ガスが濃くて全く阿弥陀岳を拝むことはできません。こんなことなら地蔵尾根でもよかったですね。

 


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気持ちが折れる寸前で、ようやく階段の終わりが見えました。

長かった。キツかった。

 


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8:55 赤岳・中岳&阿弥陀岳分岐に到着。

稜線は風が強く、雨量自体は大したことは無さそうですが、強風に煽られて横殴りに降っており、歩くのには少し鬱陶しく感じます。

 


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薄っすら見えるのが赤岳の山頂のようです。

 


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ようやく赤岳のイメージ通りのゴツゴツとした岩場が出てきました。

 


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権現岳にも行ってみたいんだよなー。

やはり山に行くと行きたい山が増えていくのでキリがありません。

 


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ここで駐車場を出る時に同じタイミングだった人以来の登山者を発見。

この悪天候、自分以外にも登っている人がいるだけで心強く感じます。

 


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岩場は雨に濡れ、滑りやすくなっています。

 


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赤岳山頂直下は傾斜が急になりますが、鎖が設置されているため、登りにくいといったことは感じませんでした。

 


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雰囲気的にそろそろ山頂です。

 

 

 

虚無の山頂(赤岳→横岳→硫黄岳)


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9:20 赤岳(2,899m)無事登頂しました。

背景が真っ白です。ここまで何も見えないと、ここから好天するなどという淡い期待を持たずに済みます。

 


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山頂にはこのような社がありましたが、雨と風が強さを増してきたため、参拝している余裕はありません。

 


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頂上山荘はご覧の通り、今シーズンは営業していません。

 


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頂上山荘からは思っていたより急な下りで慎重に歩を進めます。

写っているこの方は神奈川から高速バスで来られた方で、「阿弥陀岳、中岳、赤岳と歩いてきて、時間に余裕があれば横岳、硫黄岳にも行きたい」とのこと。私には勇気がなくて断念したルートを歩いているようです。素晴らしい。

 


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9:45 赤岳天望荘に到着。

こちらは営業しているようでしたが、びしょ濡れでお邪魔するのも気が引けるので通過します。

 


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晴れていたら景色を眺めながらの岩歩きが楽しめそうです。

再訪が確定いたしました。

 


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9:55 地蔵ノ頭に到着。

 


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地蔵ノ頭は地蔵尾根を登り切った地点で、名前の通り地蔵が鎮座していらっしゃいます。

 

先程の方は「バスの時間まで余裕があるけど、雨風が強くて危ないからここで下山する」とのことです。

私もどうしようか考えましたが、飛ばされるほどの風ではないと判断し、先に進むことにしました。

「お互い無事に下山できるよう気を付けましょう」

この方とはここで別れ、再び1人で歩き出します。

 


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ここから横岳へは1時間半ほどのコースタイムです。

個人的には赤岳より横岳周辺の方が難易度は高めだと感じます。

 


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時々、このようなチェックポイント的なものが出てきます。

ちゃんと地図を読み込んでくれば良かったと少し後悔…

 


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10:30 三又峰(2,825m)無事登頂しました。

正直、ここに来るまでこんな山があるとは知りませんでした。

 


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10:40 横岳(2,829m)無事登頂しました。

雨風は酷さを増すばかりで休憩できそうにないのでここも写真を1枚撮っただけで、すぐに発ちます。

 


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横岳周辺はアスレチックのような箇所は多く、「雨でなければ多くの人が歩いているんだろうなー」と想像しながら進みます。

 


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滑りそうです。ソロ山行ですし、そもそもこの山にいる人数が数えるほどの少なさのような気がするので怪我は避けたい。慎重に通過します。

 


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稜線に出たから鹿はもういないだろうと思っていましたが、こんな標柱が。

鹿のやつ、こんなところにまで顔を出すのか。

 


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11:05 硫黄岳山荘に到着。びしょ濡れですし、日帰りでのんびりも出来ないのでここもスルー。

景色が見えないので、本当にただ歩いているような感じ。折角、遥々来たのに、少し勿体ない気もしますが、私の休憩のために小屋の中をびしょ濡れにしてしまう罪悪感のほうが強いです。

 


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山荘から硫黄岳山頂までは写真のように、等間隔にケルンがあって迷う心配はありません。

 


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誰もいない山頂に到着したようです。

 

 

 

森へ帰る(硫黄岳→赤岳鉱泉


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11:20 硫黄岳(2,760m)無事登頂しました。

ここに来て、一番の暴風雨に襲われます。爆裂火口など全く見えません。逃げるように山頂を後にします。

 


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11:35 赤岩の頭に到着。

稜線はここまで。あとは樹林帯に入るので雨風は凌げそうです。

 


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また、苔の森に帰ってきました。森の中は、少し雨で湿っていた方が雰囲気があっていいのかもしれません。

 


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赤岳鉱泉から硫黄岳に向かう2名とすれ違いました。久々に人と話をしましたが、一言目、声が全く出ませんでした。

 


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これは一体、、、

 


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雨が止めばカメラを出すのですが、その気配はないのでスマホで我慢です。

 

 

 

(赤岳鉱泉→赤岳山荘駐車場)


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12:20 赤岳鉱泉に到着。

ここまで来たら(ここまで濡れたら)、もう小屋に寄るという選択肢はありませんでした。

 


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赤岳鉱泉はオールシーズン営業していて、冬にはアイスクライミングを楽しめる「アイスキャンディ」が出来ることで有名です。

 


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赤岳鉱泉からは北沢ルートで美濃戸山荘まで戻ります。

 


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南沢ルートと比べて、開けていて明るい印象を持ちました。

 


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13:30 美濃戸山荘に到着し下山完了。

お疲れ様でした。

(この時間に下りて来られるなら阿弥陀岳も行けたかな。)

 

 

 

まとめ


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下山後は雨が降り続ける中、何とか着替えて車を出し、行きたかったお店へ。

私が拝読している登山ブロガーの方が紹介していた「yatsugatakeJ&N」です。食事ができ、かつ、お風呂に入らせてもらえるという登山帰りにぴったりのお店です。(宿泊もできるそうです)

しかも、食事と入浴のどちらも利用すると入浴料が半額になるとのこと。何と有難い。

先にお風呂に入らせてもらい、さっぱりしたところでステーキプレートをいただきました。やはり体を動かした後は良質なタンパク質に限ります。とても美味しい。

サラダもサービスしてもらい、大満足です。ありがとうございました。

 

 

今回の山行は先週の剱岳に続いて大荒れの天気となり、景色を堪能することはできませんでした。ただ、苔の森や岩場など、体験したかったことはそれなりに出来たので、山形から来た甲斐はあったと思います。

次に来るときは晴れた八ヶ岳を満喫したいですね。北八ヶ岳から南八ヶ岳まで縦走するなんてこともゆくゆくは挑戦してみたいです。

 

 

ではでは、また山に行ったら更新します。

 

 

 

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※写真はどこかのSA?とかで撮った小便器です。

 

 

 

 

 
 
 
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