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Long Trail

アウトドアが好きで健康診断が苦手な山形県民の記録用ブログ

【油欠】BCに羨望の眼差し。体力向上を怪物に誓う。(鳥海山※伏拝岳まで)

※20210320鳥海山(伏拝岳まで)

 

 

2月は文字通り毎週山に行けていましたので、久々に1週空いて、2週間ぶりに山に来ました。

登ったのはお気に入りの鳥海山。ただ、いつもと違うのは季節。初めての冬の鳥海山

 

冬の鳥海山は海に面した立地や独立峰であること等々の理由で上級者でも厳しい山として知られ、夏の登りやすく楽しい印象とはまた違ったものが味わえそうです。

なかなかの長丁場になりそうですが、前回の山行でも大して登っていない+最近は運動不足で体が動かない私は体力的に不安が、、、

覚悟を決めて頑張ります。

 

ではでは早速行ってみましょう。

 

 

<行程>

鳥海高原牧場→滝の小屋→八丁坂→伏拝岳※帰りはピストン

 

 

鳥海山は東北で、福島県の燧ヶ岳(2,356m)に次ぐ2番目に高い標高を誇り、雪が積もったその形から「出羽富士」と呼ばれ親しまれている山です。最高峰の「新山」や外輪を形成する「七高山」や「行者岳」を合わせて「鳥海山」と言います。(先ほど独立峰と言いましたが、矛盾していますね。ただ「鳥海山」として、1つの山と考えると独立峰と言えるので間違ってはいないような、、、。上手く説明できません。許してください。)

昨年登った際の記事にも書きましたが、全国的に人気が高まっており、あるサイトの好きな山ランキングでは堂々の全国1位となっていました。素晴らしい!

 

 

 

以前の鳥海山の記事はこちら。

daic22.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

始まりの朝(鳥海高原牧場→滝の小屋)

 

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5:30 登山開始。

使うのは所謂「湯の台ルート」。ただ、夏は滝の小屋まで車で上がれますが、冬は通行止めとなっているため、鳥海高原牧場脇の通行止めゲートから歩き出します。

 

今日、家を出たのは深夜3時頃。非常に眠いです。が、この先の行程を考えるといつものようにだらだら準備している時間はありません。

 


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まだ太陽が力を出し切れずにいる時間帯。青みがかった空気の奥に月山が見えます。内陸から見た月山とは異なる形をしています。

 


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スタートから暫くは道路を歩きます。除雪されているなら、車で入らせてもらえればいいのになー、などということを思いながらも、どうすることもできないので前に進みましょう。

 


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太陽様のお出ましです。

先程まで見えていたアスファルトは、牧場エリアを抜けたあたりで雪に埋まりました。

 


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木々の間から柔らかく優しい光が差し込んできます。いい朝。

 


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夏は九十九折りの道が滝の小屋の駐車場まで続きますが、冬は雪で埋まっています。そのため、滝の小屋まで直線で道なき道を一直線で上がっていきます。

3月ということで雪がそこまで締まり切っておらず、一歩進むごとに雪の表面が崩れるのが地味に脚に効いてきます。上まで脚がもつのか心配になってきました。

 

 


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スタートから1時間半ほど。ゆっくりですが着実に登り、樹林帯を抜けました。

 


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鳥海山日本海に隣していますが、この湯の台ルートからも海が見えますね。

因みに、いつも鳥海山に登るときに使う象潟ルートは、山の西側から登るのでまさに海から登っているような気分を味わえるおすすめの道です。

 


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そうこうしていると進行方向に小屋が見えてきました。

樹林帯を抜けてからは意外と早かったです。景色に夢中になっていたからかな。

 


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あとから知りましたが、このルートが登頂(最高峰の新山に)するのに一番早いルートだそうです。夏はここまで車で来れると考えると、確かに結構楽ちんそうです。

 

 

 

ガス欠(滝の小屋→伏拝岳)


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7:45 滝の小屋に到着。トレースがないこともありますが結構時間がかかりました。既に結構疲れています。

 

小屋のすぐ裏にある割ときつめの坂が「八丁坂」です。雪の状態はわかりませんが、途中でアイゼンをつけるのは危なそうなので、念のためにここで装着します。

 


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鳥海山は風が強い印象ですが、今日は穏やかで非常にいいコンディション。

1つ問題があるとすれば、天気が良すぎて日焼けが心配です。上から焼かれ、雪からの照り返しで下からも焼かれ、下山する頃にはこんがり焼きあがりそうだな。

 


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八丁坂で、名前のとおり胸突き八丁状態になってしまいました。急な坂であることは間違いのですが、それ以上に自分の体力が衰えてきているような感覚です。最近の運動不足の自分を恨みます。天気がいいだけでなく、自分の心身も整えて、初めてコンディションがいいと言えることを学びました。

 

坂の下に見えているのが滝の小屋。まだそこまで進んでいないことも心にダメージを与えます。

 


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八丁坂を上り終えると、あとは巨大な坂(薊坂)が待ち受けていました。

あまりの大きさに思わず後ろを振り返ります。が、ここでリタイアしても、結局歩いて帰るしかないのできついのに変わりはないですね。うん、仕方ない。前に進みましょう。

 


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庄内平野と海岸線。

さすが米どころ。一面に田んぼが広がっています。

 


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進行方向はこんな感じ。いまいちスケール感が伝わらない写真ですね。

 


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人を入れてみるとどうでしょう。少しは伝わりますか?

 

歩いても歩いても景色が変わらず、全く進んでいる気がしません。

雪の状態も、気温の上昇とともにどんどん悪くなってきました。厳しい世界です。

 


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斜度も少しずつ増してきました。

 


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果てしない。

「全日本1日に何回踏み抜けるか選手権」があれば間違いなく優勝できそうです。

 


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前方にBC(バックカントリー)の方が。

帰りの時間が短縮されるので、単純な登山よりも登りに時間をかけられそうですよね。もちろん技術が必要だと思いますが、私も来年あたりデビューしたいなー。

 


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右側は強風によって作られたのでしょうか。もこもことした雪庇?がせり出しています。

 


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なかなかの迫力です。

 


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そろそろ外輪まで上がれそう。上り詰めてきた道を振り返ります。雪に見える黒い点が後続者です。結構登ってきたなー。

それにしても、薊坂、恐るべし。何度踏み抜いたか、すごく体力を消耗し、厳しい坂に感じました。私のガソリンメーターは既にEemptyランプが点灯しています。

 

時間的に新山まで行くと帰りが遅くなりそうなので、この時点で今日の目的地を外輪山の1つ、伏拝岳に変更しました。体力は限界が近いですが、最後の力を振り絞って頑張ります。

 


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西を見ると鳥海湖が見え、ません。雪の中に埋まっています。

あのPINOみたいな山は鍋森というそうです。これまで何回も鳥海山に登っていますが、PINOの名称は今回初めて知りました。

 


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「象潟ルートならここをこう登ってくるのかなー」なんてことを考えながら鳥海湖辺りからコースを追っていると、、、

 

熊!!!

 

白い雪を黒い巨大な物体がものすごいスピードで動き回っているのを見つけ、よく目を凝らすと、熊でした。幸い、私とは反対の方面に消えていったので事なきを得ましたが、こちらに向かってきたらと考えると夜も眠れません。(朝も起きれません)

※写真中央の黒い点が熊です。

 


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熊が戻ってこないか不安になりながら歩を進めます。

 


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こちらは千蛇谷。これからもっと温かくなると、外輪から谷に雪庇が落ちて危険そう。夏は夏で落石がありますし、景色もいまいち。象潟ルートで登る際の千蛇谷と外輪の選択、私は外輪派です。

 


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薊坂から外輪に登ると、伏拝岳山頂はすぐそこです。

 

 

 

スノーモンスター(伏拝岳→滝の小屋)


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11:00 伏拝岳(2,130m)無事登頂しました。

最高峰の新山には登頂できませんでしたが、冬の鳥海山の外輪まで来たのも初めてなので、悔しさ半分、達成感半分といった感じ。この景色に感動しています。

 


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先ほど薊坂で見た雪庇とは比べ物にならないくらい大きさです。今日は運よく風は弱いですが、普段の強さが伝わってきますね。

蔵王や吾妻で見られる樹氷を「スノーモンスター」と呼びますが、個人的にはこっちの方がよっぽど「スノーモンスター」という名前が当てはまっていると思います。

 


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写真中央の一番高いところが最高峰の新山。次はあそこまで行けるようにトレーニングしますか。スノーモンスターに体力向上を誓いました。

 

長い時間をかけて登ってさっき着いたばかりですが、下山もそこそこの時間がかかりますし、下山後も内陸まで帰らなければならないので、そこまでゆっくりせずに下山を始めることとしました。

 


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11:30 下山開始。

 


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BC勢はここからが本番。天然のゲレンデを自分が思うラインで楽しそうに滑っていきます。

 


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あれだけ時間をかけて登った薊坂をあっという間に下りていきます。時間比では登り:下り=9:1くらいでしょうが、逆に考えるとそれだけきつい思いをしてでもやりたくなる魅力があるということ。

羨ましい!

 


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下山中は常に月山が正面に見えて気持ちがいいルートです。この景色を滑るBC勢。

羨ましい!(2回目)

 


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薊坂を下り終えたところで、これから薊坂に向かうBC軍団とすれ違いました。話を聞くと滝の小屋に泊まって明日も楽しむとのこと。

羨ましい!(3回目)(しつこい)

 

 

 

足軽(滝の小屋→鳥海高原牧場)


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12:45 だらだらと歩き続け、滝の小屋まで戻ってきました。

ここでアイゼンを外し、一気に足が軽くなりました。

※これで功績を上げれば秀吉のように大名に出世できるかも(それは「足軽」)

 


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登った薊坂が手前の八丁坂に隠れていて、登った軌跡を確認できません。

 

チョコで一服して、では帰りますか。

 


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樹林帯に戻ってきました。奥に朝歩いたアスファルトが伸びているのが確認できますね。

 


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ということでアスファルトに降り立ちました。

 


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ここまで来ればゴールはすぐそこ。

 

14:00 下山完了。何度も振り返りながら車に到着しました。

 

 

 

まとめ


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今回は初めての冬の鳥海山。新山登頂とはなりませんでしたが、天候に恵まれて夏よりも迫力が増した鳥海山を楽しめました。

そして、案の定、顔の日焼けがとんでもないことになってしまいまして、サングラスをしていた目以外のほぼ全ての皮膚が真っ黒になって、後日剝けてしまいました。まあ、日焼け止めを一切塗っていないのでやむを得ません。(登山家っぽくなったので、実は割と気に入りました。ただ、職場でのいじりがなかなか面倒です、、、)

 

来シーズンこそ新山に登頂できるよう、この1年は山を楽しみながらも技術も体力も高めいく1年にしていければと思います。

 

ではではまた山に行ったら更新します。

 

 

 

 

 
 
 
 
 
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