※20210724鳥海山
冬(と言っても3月ですが)に登って以来、4ヶ月ぶりに鳥海山に登ってきました。
鳥海山の記事を書くたびに言っているような気がしますが、かなりお気に入りの山です。
私がこうして良い山だと訴えていることもあり(絶対に関係ない)、初めて登った時より随分と登山者が増えた印象があります。多くの人に絶景を楽しんでほしいという気持ちと、山は静かであってほしいという気持ちが共存していますが、この2つはなかなか両立できないジレンマ。難しいですね。
それは一先ず置いておいて、早速行ってみましょう。
※あんまり写真を撮っていないのでさらっと書いてしまいます。読み応えのある記事ではありませんので期待なさらずに。
<行程>
鉾立→御浜→山頂(下山は来た道をピストン)
過去の鳥海山の山の記事はこちらからどうぞ。
人気の山(鉾立→御浜)
鉾立への道中。
鳥海山の綺麗なシルエットが見事です。今日は最高の山行となる予感。
6:45に駐車場に到着。
年々、人気が増してきており、駐車場には県外ナンバーの車がずらりと並んでいます。私達(K、A君と一緒です)は登山口の最寄りの駐車場には入れず、少し離れた場所に駐車しました。
7:30 鉾立を出発。出発して間もなく展望台があり、そこから目指す新山の山頂が見えます。(写真中央やや右上、雲の隙間から覗いている黒い影が新山です。)
鳥海山は新山、七高山、荒神ヶ岳、行者岳、伏拝岳、文殊岳が集まって構成されておりて、その最高峰が新山です。
鉾立までの道は石段がよく整備されていて歩きやすいです。
幼稚園児くらいの子供が元気に駆け上っていくのを何度も見ました。幅広い世代から親しまれている山であると感じると同時に、幼稚園児よりも遅い歩行スピードの自分に対する不甲斐なさが込み上げてきます。
※写真は偶然会った、前の部署で一緒だった方の家族です。家族で登山、素晴らしいですね。
残念ながら今日は雲が出ていますが、晴れていると鉾立ルートは振り返ればいつでも海が眺められます。
日本海をカヤックで進み、海岸から鉾立まではロードバイク、そこから新山の山頂まで登山をするというトライアスロンの山バージョンとも言える「Sea To Summit」というイベントの会場にもなっています。いつか挑戦してみたいですね。
何度来ても(御浜→七五三掛)
8:40 御浜に到着。鳥海湖(御浜湖)も雪が融け、鏡のように空の表情を写しています。
そう言えば鳥海湖の畔まで下りたことはまだないですね。あそこまで行けばもう少し静かな時間を過ごせそう。今度1人で行ってみようかな。
鳥海湖は何度見ても飽きない不思議。天気が違ったり、雪があったり、来るたびに少しずつ違う風景が楽しめるからでしょうか。
鳥海湖に別れを告げて先に進みます。
新山は雲の中、、、着く頃に雲が抜ける奇跡を信じたい。
9:30 七五三掛に到着。
ここから千蛇谷を直登するか、外輪をぐるっと回るかを選択します。
暑くも寒くもなく、コンディションがいいので休憩は要らないのですが、私はこの場所に来たら必ず腰を下ろしておやつを食べることとしているので、今回も例に漏れず、暫し休憩!
信じる者は救われる(七五三掛→新山)
2人も一緒にもぐもぐタイム。
2人との登山も(特にKとは)結構な数になってきました。基本的にソロが好きですが、パーティー登山もそれはそれで楽しみがあって悪くないなと思い始めている今日この頃です。
良い風が吹いてきてとても心地よかったので「今日は登頂せずにこのまま帰ってもいいのではないか」と2人に提案するも、即却下されたのでリスタートです。(くそー、やっぱりソロがいい、、、。)
因みに外輪ルートで登ります。私は景色がいいのでこっちが好きです。
外輪から千蛇谷を見下ろします。よく見ると小さな登山者が少しずつ前に進んでいます。
千蛇谷のルートを辿って顔を上げていくと、目指す新山が雲の中から出てきました。
やはり信じる者は救われる。あれだけ真っ白でも希望を捨てちゃいかん。
青空まで拝むことができました。
自然と歩くペースが上がります。
こちらの白い花はコバイケイソウというらしい。
全く興味がない私には花にすら見えず、情けない気持ちになりました。
外輪から新山に向かうため雪渓に降り立ちました。2人も仲良くくっついて歩いてきます。
新山の山頂付近は写真のような岩山で足元は不安定です。
おまけに人がごった返しているので自分のペースを守るのが難しいかもしれません。落ち着いて、滑落しないように気を付けましょう。
山はみんなのもの(新山→七高山)
11:30 新山(2,236m)無事登頂しました。
本来であれば山頂の看板やらの写真を載せるところですが、山頂の人が多すぎて、その列に並んでまで記念撮影をする気分にはどうしてもなれなかったので写真がありません。御了承ください。
その大勢の登山者を並ばせて交通整理をしていたおじいさんがいました。地元の山岳会所属と思われる格好で、大声で「そっちは危ないからこっちに並んで」などと登山者に指示を飛ばしており、最初は「こういう方のおかげでトラブルや事故が防止されているんだなー」と感心していました。
が、暫く様子を見ていると、大勢の登山者が自分の指示で動いていることに気持ちがよくなってしまったのか、おじいさんの発言内容が酷いものとなっていきました。登山者の中には海外からの観光客もいたのですが、「日本人以外は山頂に立つな。」「早く自分の国に帰れ。」といった差別的発言が聞こえてきました。他にも「女性は山頂に立つな。」などの発言も見られ、聞くに堪えないようなその内容に山頂にいた登山者の多くが呆れかえってしまいました。
どのような考え方かどうかは知ったことではありませんが、自分の所有地でもない場所で自分の考え方を基準に登山者を差別し、登頂を拒むおじいさん。さすがに注意しようと思いましたが、あの手のおじいさんが自分より何十歳も若い人間の注意を聞く絵が全く想像できず、新たなトラブルを起こしかねないと思ったので山頂をあとにしました。
色々と思うことはありますが、ここにはただ1つ「あんな人間には何があってもならない」ということだけは誓いたいと思います。
新山付近から見えた七高山。
このまま微妙な気分のまま帰るのはもったいないのであそこに寄って気分を浄化させることとします。
モヤモヤを振り払って(下山)
12:30 七高山に到着。
新山より7mも低いんですね。新山から見ると逆にこっちの方が高く見えたりするのでちょっと意外。
新山より人が少ないので(それでも結構な人数がいましたが)腰を落ち着けて山の空気を楽しめます。
七高山で新山でのモヤモヤ気分を振り払い、ぼちぼち下山を始めます。
鳥海山はテントを張れる場所はなく、宿泊する場合は御浜小屋か、この山頂小屋に泊まることとなります。
登山を始めて3座目で鳥海山に訪れた時はここにお世話になりました。まだアルプスなどを全く知らなかった私にとって、山の上にこれだけの規模の建物が建っていることはとても新鮮で驚いたことを覚えています。1杯1,000円で購入できる生ビールも、それまで飲んだどんな飲み物よりもおいしく感じたこと、忘れられません。
帰りも外輪コースを使います。千蛇谷の雪渓は万年雪とも言われ、完全に溶ける前に雪が降り始めるんだとか。山の環境は下界とは大きく異なるということを実感させられます。
もくもくと沸き立つ雲に夏を感じる帰り道。
振り返るとあれだけ濃かった雲が完全に抜けていました。
名残惜しいですが、また来ればいいと自分に言い聞かせて進みます。
御浜に着く頃にはまた山頂は雲に包まれ始めていて、それを見て少しほっとした自分の小ささにがっかりしながら鉾立まで歩きました。
まとめ
今回の山行ではいい景色を見て楽しかったのですが、やはり山頂でのおじいさんが強烈に印象に残っていて、山の後にしては珍しく、モヤモヤした感情が残りました。
山はみんなのもので、決して私物化していいものではないと思います。(私有地は除く)
山を歩くことで、自然の中で過ごすことで得られる幸福感、充実感、満足感は、それを望む全員が等しく味わう権利を持つはずです。
柄にもなくそんな真面目なことを考えさせられた山行となりました。
ではではまた山に行ったら更新します。